HGST 7K3000 3TBの思わぬ相性問題。

 以前、3TB HDDをいじっていたら不安定に・・・というネタを書いたと思うが、実質的にその続き。

 いやはや、参った。HGSTの最新ドライブと古めパーツの組み合わせで、相性問題確定。
 ちなみに症状は以下の通り。

 ・完全にハング。
 ・青画面。ちなみにパラメータはF4 (腐ったドライバか壊れたハード)。
 ・Software RAID崩壊。所詮Software、I/O周りのハングでは壊れることもあるのよ、念のため。

 そして、この恐怖の症状を発生させる組み合わせは以下の通り。

 RATOC SA-DK1EU + HGST 7K3000 3TB + SiI3124搭載カードの一部

 DK1EUはRATOC製品のREX-SATAシリーズHDDケージを使うための外付けケース。USB2.0とeSATAのDual Interface・・・ってソレが悪さしてるんだろうなコレ。
 ちなみにアイボリーモデルは販売完了になったが新たに黒色モデルが発売されている。中身は変わっていないだろうから、多分この問題もそのまま。

 7K3000は言わずと知れた高速3TB HDD。7200rpmでは最強。

 そして最後のSiI3124搭載カード「の一部」なのだが、これ例えば手元のLycom PE-124ではモロに該当。痛タタタ。何故か極希に上手く行くことも無くはないのだが、まずコケる。

 一方でRATOC自身のどう見てもPE-124のOEMなカードを売っているんだが、RATOCのサポート曰く「問題ない」とのことなので、かなり微妙なレベルの話なのかも。ケーブルぐらいならまだ兎も角、ヘタするとマザーの違いとか電源の違いとか、そんな話かも知れないし。

 #どちらもPCI-Express電源ラインのノイズが・・・という話。高速IFだとこのテの「ノイズ」が原因、ってのは結構無視出来ない問題。

 一つ気になるポイントは、HGSTのHDDが6Gbps対応品だということ。もしかしたらHGSTとの相性ではなく6Gbpsとの相性かも知れないし、そうなると将来的にHGST(WD?)から3Gbpsや1.5Gbpsに固定出来るユーティリティでも公開されれば状況は変わるかも知れない。

 ・・・とはいえ、IFがRATOC製でない以上、現状RATOCにこの相性問題をどうにかする義務は無いしなぁ。
 ん~まあ、こういうこともあるか。

Share

SiI3132とSiI3726(とJMB394)は3TB行ける。で、SiI3124は?

 さて、WDに続いてHGST製ドライブも流通を開始し、予想通り年内に2万円も切った3TBドライブだが、一方で対応IFやHDD箱の情報は相変わらず少ないったらありゃしない。

 そんな中、ふと気づいてみるとCenturyが何やら精力的に3TB動作確認をやっているじゃないですか。
 そのリストを見ていると、なんだかんだで結構いい感じの情報が出てきているのでちょっとメモ。 

 動作確認:SiliconImage SiI3132/SiliconImage SiI3726/JMicron JMB394

 何と、SiliconImage製PMPが3TB超OKになっている。
 素晴らしい・・・これで3124が3TB超えられればいろんな意味で当分安泰なのだが。
 誰か検証してくれないかな・・・。

 ◇

 ちなみに、個別に見ていくと3132についてはコレ。
 >http://www.century.co.jp/products/pc/zousetu/cifesatap2.html

 Centuryが売っている何の変哲もない3132搭載カード。
 コレで3TBが行けて他の3132搭載ボードで行けないワケが無い。

 #ちなみに変わったトコでは同じ3132を搭載しながら独自BIOSを積んでいるAdaptec 1220SA/1225SAも最新ファーム+ドライバで2TB超に正式対応済。

 んで、3726についてはコレ。
 >http://www.century.co.jp/end/ex35es5.html

 Centuryらしからず(死)評判が良かった割には割とすぐ↓の後継機に移行してしまった製品。SiI3726が妙に割高だとかそもそも供給薄くてとかそんなウワサがあるのだが、どうなんだろうね。

 おまけ、JMB394についてはコレ。
 >http://www.century.co.jp/end/ex35eu2r.html

 最近ではすっかりPMPの定番製品になってしまったJMB394。
 このチップ、昔「RAIDをOFFにして素のPMPとして使うと、複数HDDへ同時アクセスで妙に遅くなる」という話を聞いたことがあるのだが、最近はどうなんだろう。単に初期ファームの出来の悪さだったと思うのだが、なんだかんだで結局3726ばっかり触ってきたからなぁ。

 まあこんな感じだが、他にもJMicronの変換チップを使ったものは予想通り?余程の初期モノでない限りは行ける模様。

 ここまで情報出してもらえれば、取り敢えずUSB3.0対応のHDD箱を買おうって時も安心して買えますな。

 #といっても、3TB対応+USB3.0対応な1つ入の「箱」はあのHDD蒸焼な裸族の一戸建てだけかい。
  「建具」はいくつもあるが・・・これはちょっと買えん・・・。

 つーか・・・何で他社はこういうことやらんの?
 玄人志向も最初にちょろっと情報出しただけで、ちっとも追加されないし・・・。

Share

AHCIの悪い癖。

 当サイト何度目かの、eSATA絡みのお話。

 USB3.0も当方の予想以上の、でもPCヲタ以外には存在すら知られていない程度の勢いで普及が進んでいる一方で、相変わらずeSATAの方は空気というかなんというか。まぁPC/AT業界のFireWireよりはまだマシだと思うが(ってもMacでも最近忘れられつつあるような)。

 で、世間の殆どではeSATAというとAHCIで、チップセットから引っ張り出されるかJMicron辺りのチップで接続されるモノらしい。
 一方自分的には相変わらずメインはSiI3124とか3132なのだが、最近時折チップセット引出やJMicronのAHCIを使うこともある。

 ところが、このAHCIなeSATA、使い勝手がよろしくないものがあるのがどうにも気になって。
 もう少し具体的に、何が問題かといいますと。

 ・JMicron製チップの一部で「データ転送中にHDDを見失う」という恐ろしい症状が出る。
  1.5Gbpsに落とすと軽減する(完全に解消するワケではない模様)というので、ノイズや信号品質の問題と、ハードやドライバの処理のマズさとの複合要因だとは思うが、さすがにコレはなんというか・・・。

 ・AMD7xx/8xx系列のチップセット引出しAHCIでホットプラグに問題が発生することあり。「電源ONの状態のHDDを接続する」と正しく認識するが、「電源OFFのHDDを接続してから電源を投入する」ではHDDを認識しない、という何だソレ的トラブルが結構多い。

 #ま~どんな実装されているかは挙動見れば一目瞭然なのだが、それって何か違わね?という。

 ちなみにチップセット絡みでは、取り敢えず手元にある分で判明しているのはAMD7xx/8xxなのだが、他にも同じ問題を抱えているチップはあるらしい。

 #AMD7xx/8xx系列の場合、AHCI互換を謳うRAIDドライバを入れると「この症状だけは改善」されることが多い。
  但し勿論、こんな面倒な話はとてもお薦め出来ないので、ふーんそーなんだー、程度で。

 ・・・せめて、こんな分かり易いトラブルなんて直して欲しいのだけど。
 eSATAの世界には「こなれた」という評価は永遠に来ないのかも。

 #ちなみに、SiliconImage製の3114以降のチップでは上記したような恐ろしい症状に遭遇したことは無いですよ。
  ケーブル品質問題等が出た場合、Eventとして転送エラーが記録されるので。
  ・・・あ、そいえば全然関係無いが。6GbpsなeSATAの正式規格ってもう出てたっけな?
  取り敢えず6Gbpsで繋げられちゃうeSATAなら、製品も出回っているけど・・・。

Share

超個人的2009 PCトピック。

 さて、今年最後の更新となりました。
 ということで、今年を振り返って、超個人的PC関連トピックを5つ+α挙げてみようかと。

1◆64bit OSへの乗り換え。

 今年一番のトピックはこれでしょう。
 ついにクライアントOSが64bitになって、メモリ4GBの壁を突破。久々の「余裕のあるメモリ空間」を満喫しております。

 ・・・の筈が、最近ではVMwareが何故かいつも動いているせいで、8GBが窮屈です、はい。
 4GBメモリモジュール、もう少し頑張って値段下がってくれないかな・・・。
 
2◆SeagateのダメHDD騒ぎで大迷惑。

 Win7が無ければコレが今年の断然トップ。
 いやぁエラい目に遭いましたよ、ホントに。
 あと、コレのせいで当方の管理下HDDが「原則Seagate」から「原則WD」に切り替わったということもあったりとかしました、はい。

3◆Intel帝國の侵攻。

 Core i7、X58、そして41110。
 ミッドレンジより上に製品が存在しないという、AMDのあまりの不甲斐なさのため思わず買ってしまった、10年ぶりのIntel CPUはBloomfieldでした、と。

 今となっては単発ベンチではLynnfieldの方が価格性能比は上・・・に見えるが、足回りを考えたら正直ライバルにはなり得ない、ですな。

4◆eSATAが海を越えた。

 個人購入モノのサポートで海外まで荷物を送ったのは初めてですよ。
 AsusのGlobal Supportとメールで相談したのも初めてですよ。

 まあ結果的にどう頑張っても動かないというオチがついたのは・・・ねぇ。
 ちなみにブツはIntel Orientedなユーザの手に渡っていきました、はい。

5◆はぢめてのSSD、XPモバイル。

 そして最後にはコレ。LOOX Uの衝動買いとSSD換装。
 現在も普通に使っていますし、普通にプチフリってますが、やはり「振動を気にしなくて良いモバイル」というのは「本来これが当たり前」だということをホントに思います、はい。

番外◆ツクモのすったもんだ。

 去年から引っ張られたネタだが、これはメモっておこうかと。
 何故かあまり言われていないが、ヤマダ傘下に入って仕入方法が変わった影響、販売戦略と品揃えに確実に出ていますよ。
 具体的に言うと、価格対抗戦略で値引きが増えた、エッヂな(ヘンテコな)品物が入らなくなった、メーカプロモーション陳列※が増えたということ。
 ヤマダ電機vsビックカメラvsヨドバシカメラの(一部)代理戦争が、ツクモvsソフマップvsヨドバシカメラで繰り広げられております。

 ※特定ジャンルで特定メーカの製品ばかりを圧倒的多数で陳列する手法。ヤマダの各店舗では定番な、メーカから販促費を搾り取(以下略。

 ◇

 ま、こんな感じですかね。
 それなりにイロイロとあった1年だと思います、はい。

 さて、それでは来年は・・・
 まあ、「来年の事を言うと鬼が笑う」ということで。

 それでは、よいお年を。

Share

USB3.0デビューを機会に、あらためてeSATAを考える。(その2)

 前回に続いてeSATAネタ。
 皆様に愛されるeSATAに何が必要か、ということを考えてみましょうか。

 ということで、前回挙げた3つの要件を一つずつ潰すことを考えてみますか。

 ◇

 1.安定している。

 ドライバの完成度を上げましょう、これが第一。
 あと、耐ノイズ性についても、回路構成次第で多少は対策出来るので、そこで目一杯頑張りましょう。

 ほら、高周波アナログ回路技術者の出番ですよ。

 2.便利である。

 Powered eSATAが最近ぼちぼち出回り始めていますが、これを全力で推し進めましょう。
 3.5インチHDDにもケーブル1本で給電出来る、USB HDDと比べてコンセントとか無しで行けます、というセンで。

 ただ、2.5インチHDDがどんどん大容量化しているんで、デスクトップ用の外付HDDもそのうち2.5インチに切り替わってくる可能性もあるかも。そしたらUSBのバス給電でも行けるしなぁ。

 3.速い。

 6Gbps eSATAを全力で推進しましょう。
 5GbpsのUSB3.0より実効値でもカタログ値でも優位に立てます。

 但し、現在出回り始めているMarvellチップについては、例によって「HotPlug出来るけどHotUnplugが出来ない」という致命的な欠点を抱えたままというウワサなので。
 他の「安定した」チップが出てくることを期待します、はい。

 ◇

 どれもこれも現実的じゃないなぁ、自分で書いといて。
 つまりこれは、eSATAが広く利用されるインターフェイスに変身するというのがいかに難易度が高いかということでもあり。

 結局、eSATAは未来永劫マイナーなままということで。
 個人的には、マイナーであることは構わないが、現状のレベルはきちっとキープし続けて、FireWireのように「大多数には存在すら忘れられた存在」に迄は退化して欲しくないと思う今日この頃、でしたとさ。

Share