Intelは3D XPointをどうしたい?

 IntelとMicronのジョイントベンチャーが開発した3D XPointの技術を持つIM Flash TechnologiesがMicronの単独子会社になりますとさ。MicronがIntelの持ち分を全て買い取るそうで。

 ・・・いやね、以前から流れている話の続きとしては、まぁ分からなくもないんですよ。
 但し、現在のIntelのサーバー向けCPU=Xeonの販売戦略上3D XPoint=Optane Memoryは外せないパーツの筈だったのでは。これはどう解釈すればいいんでしょ。
 ということで、取り敢えず今の自分で思いつくところを書いてみた・・・のだが、どうにも外している感が大きくて。誰かがっつり解説してくれないか期待しつつ、取り敢えず続き。

 まず、前提認識。IM Flashは元々IntelとMicronがフラッシュメモリの共同開発をやっていたが、最近 では両者が其々独自に3Dフラッシュを開発しており、IM Flashに残っているのは実質的に3D XPointのみ。つまり、IM FlashをMicronが引き取るということは、現行世代の3D XPointの生産設備を全て独占することになる。

 そうなると、最大の疑問がコレなんですよ。
 あのIntelがこれから大々的に売り出す予定の3D XPointを(割と仲良しのMicronとはいえ)他社からの供給に頼るなんてことがあるのか?

 で、当方が考えたその質問に対する答えはコレ。
 IntelはOptaneに対する戦略をこっそり改め、従来のような推しまくりから姿勢を一歩引いた。少なくとも現行世代のOptaneにはそこまで「本気」になっていない。

 では、その代わりに何に「本気」になっているか。それはずばりdGPUとパッケージング技術でないかと。

 勿論dGPUというのはAIアクセラレータと表裏であり、dGPUとパッケージング技術も表裏。
 前者は最近IntelがAIというキーワードを推しまくっているので分かり易いと思うが、後者はどういうことかというと。
 dGPUなりAIアクセラレータなりを高速でブン回すには兎に角大容量&広帯域なメモリが必要なのだが、NVIDIAの先行実装例を見ても分かるようにそこに登場するのはアクセラレーター直結の広帯域メモリ=HBMであり、DRAMより遅い3D XPointに出番は無い。
 そしてこのHBMをdGPUと接続するのに活用されるのがパッケージング技術。所謂MCM技術であり、以前からIntelは開発に力を入れている。KabyLake-gでAMDから買ってきたRadeonコアをMCMに仕立てているのも、ずっと開発してきたパッケージング技術があるからこそ。

 一方で、AIアクセラレーターを使う際にはCPUは所詮バスコントローラであり、ストレージとアクセラレーターの間を繋ぐ役割しかないので、3D XPointが有利となる程の大容量のメモリを積む必要もない。
 そうなると、もう3D XPointの大量装着する理由が無くなる。鶏と卵の関係で大量装着しない=大量生産しない=価格が下がらない=絶対数量が出ないので以下略、ということ。
 つまり、今ままではうま味が出なさそうなので手放した、と。

 とまぁ、自分の中ではこんな感じで整理してみたのだけど。
 とはいえIntel程の売上げがある企業が将来有望な技術にそんな気まぐれなことするのか?というのは自分で書いてて疑問だし、やっぱり良くわからん。

 というワケで、今回も前回に引き続きモヤっとした気分のまま、取り敢えずはここまで、と。

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iPhoneになりたいお年頃@Pixel、ってことなのかね。

 さて、以前から出る出ると言われていたPixel3がいよいよ発表になりまして。
 自分の第一印象は、多分日本での大方の印象と一緒だと思うのですよ。

 「モノはそう悪くなさそう、けど内容に対して値段が高過ぎる」

 コレ。
 これが例えばPixel3無印64GBモデルがナナヨンパ(=現在の値札の約2割引)ぐらいで出てきていれば「Googleの最先端サービスが楽しめる純正モデル」として多少の割高感があったとしても「だってGoogleの最新サービスが先行で使えるんだよ」という面で十分カバー出来ると思うが、ちょっとこの値段になってしまうと、ねぇ。

 そして色んな媒体から出てくるレビュー記事を見てみても、この印象は変わらず。さすがにGoogle純正だけあってソフトウェアの出来は悪くないようだし、純正品ならではの「アップデート保証」も心強いし(つーかAndroidはアップデートが放置されてる端末多過ぎ)、ハードウェアの出来も手堅く、なるほど「値段以外は」悪くない出来の模様。さすが、きっちりしたものを作ってきた(でも華が無い&プロモが下手で商売的にはコケまくってきた)HTCの開発部隊買収しただけのことはある。

 で、ここまでだったら「Googleが自社純正の『のれん代』を大変高く見積もった端末」ということにしかならない筈なのだが。個人的にはこの端末の扱いにどうにも引っかかるものがあるんですな。
 それが%TITLE%なのですよ。

 もっと具体的に言ってしまうと、Pixel3を見る限り「GoogleもPixel教を立ち上げたいのか」という印象をどうにも拭えないのです。
 あ、当方は未だにAppleは宗教と発言して憚らない人種ですよ、念のため。元々の個人崇拝から教祖が死去して組織宗教にやや衣替えした(旧CEOが創始者で教祖ならば今のCEOは言うなれば事務局長)ものの、本質は変わっていない、という認識で。ついこの間立派な新宮殿も出来たことだし。

 では、Pixelに何故宗教を感じたか。

 勿論「高過ぎる端末=お布施」感もあるが、それに加えて妙にフワフワした中身のない、けどカネは取るマーケティング(宗教の「教義」なんて大体そんなもん)と、それを是とさせたい思惑(そりゃ「真理」にあっさり辿り着かれたらお布施が集まらないから)の組み合わせ、ということが大事。
 まぁこれは宗教だけでなく詐欺でも活用されるメソッドだし、会社ではなく業界そのものがそういう世界でしかないハイファイオーディオなんて分野もあったりするのだけど。

 ただ、Googleの場合上記に加え、単純にGoogle自体のブランドイメージが劣化してきたのでPixelという看板を宗教にしたのか、と個人的には感じてしまったのですよ。
 何故って、Googleのブランドイメージといえば、昨今の中国内検索(=検閲容認)に関する一連の話題、Google+やめるんだってよに纏わる個人情報の漏えい等、ChromeのGoogleログイン必須化(これだれがどう考えたって一担当者の「やらかし」ではないわな)と、「Don’t Be Evil」を捨ててからは悪化する一方でしょうよ、というのが個人的な印象なので。
 そんな昨今の状況を鑑みて「Google離れ」した方が心穏やかに居られるのかな・・・と思っていた矢先に出てきた端末がコレだったワケですよ。

 というワケで、実はスマホ機種変の候補にPixel3を入れてきただけに、当方、たいへんモヤモヤしているのだが、取り敢えず今回はこんなところで。

 P.S.
 ところで、今までNexusからPixelに名前が変わっても実質的に引き継がれ来た「開発標準機」というポジションは、この機械だとどうなるんだろ。
 Pixel3はどう見たってGoogle独自拡張が入り過ぎていて「開発標準機」としては使いづらいと思うんだが、この辺り開発コミュニティではどう見られているのかね?

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