Intelは3D XPointをどうしたい?

 IntelとMicronのジョイントベンチャーが開発した3D XPointの技術を持つIM Flash TechnologiesがMicronの単独子会社になりますとさ。MicronがIntelの持ち分を全て買い取るそうで。

 ・・・いやね、以前から流れている話の続きとしては、まぁ分からなくもないんですよ。
 但し、現在のIntelのサーバー向けCPU=Xeonの販売戦略上3D XPoint=Optane Memoryは外せないパーツの筈だったのでは。これはどう解釈すればいいんでしょ。
 ということで、取り敢えず今の自分で思いつくところを書いてみた・・・のだが、どうにも外している感が大きくて。誰かがっつり解説してくれないか期待しつつ、取り敢えず続き。

 まず、前提認識。IM Flashは元々IntelとMicronがフラッシュメモリの共同開発をやっていたが、最近 では両者が其々独自に3Dフラッシュを開発しており、IM Flashに残っているのは実質的に3D XPointのみ。つまり、IM FlashをMicronが引き取るということは、現行世代の3D XPointの生産設備を全て独占することになる。

 そうなると、最大の疑問がコレなんですよ。
 あのIntelがこれから大々的に売り出す予定の3D XPointを(割と仲良しのMicronとはいえ)他社からの供給に頼るなんてことがあるのか?

 で、当方が考えたその質問に対する答えはコレ。
 IntelはOptaneに対する戦略をこっそり改め、従来のような推しまくりから姿勢を一歩引いた。少なくとも現行世代のOptaneにはそこまで「本気」になっていない。

 では、その代わりに何に「本気」になっているか。それはずばりdGPUとパッケージング技術でないかと。

 勿論dGPUというのはAIアクセラレータと表裏であり、dGPUとパッケージング技術も表裏。
 前者は最近IntelがAIというキーワードを推しまくっているので分かり易いと思うが、後者はどういうことかというと。
 dGPUなりAIアクセラレータなりを高速でブン回すには兎に角大容量&広帯域なメモリが必要なのだが、NVIDIAの先行実装例を見ても分かるようにそこに登場するのはアクセラレーター直結の広帯域メモリ=HBMであり、DRAMより遅い3D XPointに出番は無い。
 そしてこのHBMをdGPUと接続するのに活用されるのがパッケージング技術。所謂MCM技術であり、以前からIntelは開発に力を入れている。KabyLake-gでAMDから買ってきたRadeonコアをMCMに仕立てているのも、ずっと開発してきたパッケージング技術があるからこそ。

 一方で、AIアクセラレーターを使う際にはCPUは所詮バスコントローラであり、ストレージとアクセラレーターの間を繋ぐ役割しかないので、3D XPointが有利となる程の大容量のメモリを積む必要もない。
 そうなると、もう3D XPointの大量装着する理由が無くなる。鶏と卵の関係で大量装着しない=大量生産しない=価格が下がらない=絶対数量が出ないので以下略、ということ。
 つまり、今ままではうま味が出なさそうなので手放した、と。

 とまぁ、自分の中ではこんな感じで整理してみたのだけど。
 とはいえIntel程の売上げがある企業が将来有望な技術にそんな気まぐれなことするのか?というのは自分で書いてて疑問だし、やっぱり良くわからん。

 というワケで、今回も前回に引き続きモヤっとした気分のまま、取り敢えずはここまで、と。

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結局一般向けRyzen APUはECCサポート無ですか・・・。

 ということですな。
 発売当初から色んな話が飛び交っていたが、結局PRO版以外はECCを殺して出荷しているというのがFinal Answerな模様。

 まぁこうなった以上、当方としてはRyzen PRO 2400Gまたは2400GEがバルクで良いので適正価格で入手可能になることを祈るのみ。1割~2割程度のプレミア&バルク扱は仕方ない、販売店限定でも構わないので、一般ユーザーにも入手可能になってくれないかねぇ。

 ◇

 にしても、Pinnacle RidgeではECC殺してはいないし、PRO版ではサポートするという以上、チップ機能上の制約ということではない筈。
 そうなると他に考えられる理由は・・・以下、個人的な推測ですよ、念のため。

 自分的に唯一考え付いたのは、ECC有効化した時のレイテンシ増加を嫌って有効化出来ないようにした、ということ。
 そもそもZenはメモリとコア間ファブリックが同期するアーキテクチャである以上、メモリクロックだけでなくメモリレイテンシも性能に直結する。クロックを上げればバースト転送速度が上がるかも知れないが、伴いレイテンシが縮まなければランダムアクセス性能はそこまで伸びない。この辺りは既に多数で回っているOCベンチマークの結果を見ても明らか。

 で、ですよ。ECCメモリを使っている人ならフツー理解していると思うのだが、ECCを有効にするとエラー検出のためほんの僅かではあるがレイテンシは伸びます。要するにあるブロックのデータが整合取れていることをハードウェアで検出するためには、ブロック内全データがレジスタに入りきるまで待つ必要があるので。全データが揃っていないとエラーかどうか計算出来ないでしょ、と。

 ♯もう一つオマケ、サーバーでお馴染みReg.ECCメモリは更にレジスタが挟まる分レイテンシが伸びます。そういう意味でRyzen ThreadripperでReg非対応にしたのはある意味正解だった思うのであり。

 んで、んでですよ。Raven RidgeはAPUの伝統に則り、メモリ性能が物凄くベンチ値に影響を与えることは
既に多数のベンチで判明しているんですが。
 これがもし、ECC有効にするとそれだけで数パーセント程度でもベンチマーク値に影響が出ることが判明している、或いはRaven Ridgeでは内部構造的にレイテンシ増加の影響が特にGPU側で大きい、なんて構造だったりしたら。
 ライバルのIntelではECCはXeonのプレミア機能、だとしたらこっちだって・・・。

 ♯CPUと違ってGPUの方にはメモリキャッシュが無いか、あっても物凄く小さいことが普通なので、レイテンシ増加のペナルティの影響がデカいという話は「筋としては」おかしくない。

 以上、個人の妄想でした。
 万が一どっかの部分だけでも掠っていたら中々愉快ですな。

 ◇

 にしても、最近のIntelの「才能の集めっぷり」が凄い。金満企業だから出来る「力技」ではあるのだが、こういうのって余程のヘマしない限り数年後には物凄い成果が出て来るのが普通なので、ある意味「コスパが非常に良い投資」なんですな。
 ・・・あ、こと買収企業のIP活用の下手クソ具合には定評あるIntelだが、有能な技術者に仕事させるのは決して下手じゃないですよあの会社は。文句言ったらカネで引っ叩いて黙らせるし。

 だから頭抱えてるんですわ、人材活用もヘッドハンティングも下手クソ、そもそもカネもない、大した製品力も営業力も無い癖に偶にプチヒット商品が出ただけで浮かれまくって、気付いた時には既にどん底に落ちている、そんなあの会社の生存可能性がどんどん狭まっているので。
 え、何処のことかって?AMDのことですよ。自分はAMD派であるが、いろんな意味でAMDって駄目だということは言われなくとも骨の髄まで理解してまっせ、えぇ。

♯THIS IS EPYCなんて浮かれまくった動画作っているし・・・あの会社があぁいうことやる時って大体爆死の前兆なんだよなぁ、というのは流石にひねくれ過ぎか?デモデモダッテ、過去実績が・・・(ぉ

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Windows10 UpgradeするとDiskが見えなくなる件について。

 さて、そろそろWindows10 1607(Anniversary Update)についてもサポートが切られるようで。
 忙しいなぁとは思いつつ、基本タダでアップグレードしているんでまぁアリっちゃアリか、というのが当方の感想なのですよ。

 なのだ、が。
 手元にある1607の環境(メインPC!)が、どう頑張ってもUpgrade出来ないという事態に嵌ってしまっているんですな。

 で・・・例の「Upgrade Assistant」がデスクトップに出現してからも、初期の頃はそもそも「インストール完了」まで辿り着かなかったのでエラーが出る度放っておいたのだが。
 先月ついに普通のWindows Updateまで挙動がおかしくなってきたので、キャッシュの削除やらchkdskやらdismやsfcやら特定KBの手導入やらと色々「フルセット」をやったところ、Windows Update自体が正常に完了すると共に「インストール完了、再起動します」まで無事辿り着くように。

 なのだ、が。
 これで再起動すると見えるのは「キーボードレイアウトの選択」画面。
 そう、フツーに回復環境に落ちちゃうんですよ。
 で、ここで何も出来ないので、諦めてリブートすると、Upgrade前のWindows 10に戻れるという。

 ♯これでもこの状態で(USB接続の)マウスとキーボードが動くだけFall Creators Updateはマシで、Anniversary Updateの回復環境だとこのマシンだとマウスもキーボードも動かずこの時点で積みます、えぇ。これって、地味に回復環境もドライバの互換性とか改善しているってことかな?

 で・・・最初の1回は「まぁどっか不具合あったのかな」だったが、その後何度やっても全く同じ状況で進歩せず。そのうち「今すぐUpgradeしろ」の表示がどんどんしつこい&ウザい感じになってきて「いやこっちだってアップグレードしたいのにさせないのあんただろ」的なUpgrade→失敗を何度か繰り返し。
 いい加減付き合うのに疲れてきたんですな。

 で、一体何が起こっているんだ・・・と回復環境でコマンドプロンプト起動してみたところ。

 「あの、プライマリディスクが見えませんが」

 Adaptec配下のWindows10の入ったHDDが見えていないんですわ。AHCI配下の作業場ディスク(非RAID)しか見えてない。
 つまりこれ、起動時にLegacy Adaptec用のドライバが読み込まれていない。これじゃ起動出来るワケがない。

 ・・・そこですか。
 Fall Creators UpdateではLegacy Adaptecドライバが入っていないのか?って、既に手元にある他のFall Creators Update当たってる環境見てもドライバ入っているし、バージョンも同じやん。
 つまりこれ、Updaterのバグだよね。必要なドライバを導入しないという。
 ディスクドライバを直指定して無理矢理読み込ませる方法とか、リブート直前に何か仕込むとか、何か回避法ないんかこれ。

 ということで、未だにFall Creators Updateが当たっていない当方のメインPC。
 いい加減パッチ来なくなるし、さてどうしたものか・・・。

 ♯にしても、普段特に何もしていないつもりなのに、ふと思い出してチェックしてみるとsfcではエラー出ないのにdismで修正が走ること多いなぁ。これウチの環境固有の問題・・・ではないと思うんだけどねぇ。

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RATOCのREX-SATA3シリーズHDDリムーバブルケースをお薦め出来ない理由。

 さて、昨晩、PCパーツの一つが寿命を迎えました、と。
 そのブツはRATOCのREX-SATAシリーズのHDDケージ。以前からシリンダー鍵の調子が悪かったのだが、ついに壊れて回らなくなってしまったのであり。

 それでは交換用のパーツを買って来るか・・・というところで、ふと思ってしまったのですよ。

 「あ~、正直買いたくない」

 いやね、現在のREX-SATA3シリーズって、はっきり言って他人にお薦め出来ない製品なんですよ。
 というかむしろ、自分のように「過去の遺産」として既にHDDケースを所有してしまっている以外ならば本気で「やめとけ」とユーザーの自分をして言わざるを得ないという代物なので。

 ということで、今回は実際にREX-DOCK~REX-SATAの全世代の製品を複数使い続けてきた身として、このシリーズがどれだけ駄目な製品かということをつらつら書いてみる。

 ◇REX-DOCK

 シリーズ第一作、未だIDEの頃。HDDケースもPC側に装着するケージも全てプラ製だったのが特徴。
 アクセスランプ付(全プラ製)のもの、ケースとケージの一部がアルミ製で且つアクセスランプ付のバリエーションモデル(後追いでラインナップ追加)あり。

 当時国内で「安定して供給されていた」HDDリムーバブルケースというとこの他にはOwltechが扱っていた「モービルラック」ぐらいしか無く(輸入モノは単発で入ってくるものもあったが殆どがすぐに店頭から消えてしまうという有様だった)、ある意味ニッチだが確実に需要のあるところを抑えたという感じで、地味にヒット商品に。ぶっちゃけこちらが良かったというよりはOwltechの製品がショボかった(廃熱がロクに考えられていないとか)というのが理由。

 そんなこの製品、実際買ってみたところ以下のような欠点があったのですよ。

 1.全プラ製のケージがヤワく、普通に金属製のケースにねじ止めするとケースの歪に合わせケージ自体が歪んでしまい、肝心のHDDケース(こちらも全プラ製)がうまく入らなくなる。
 ちなみにこの問題、一部アルミ製のケージではアルミ部が固いため歪は少ないもののゼロとはいかず。

 この問題には結局購入者側で対応するしかなく、結局ケースへのネジ固定を3点や2点に減らしてケースの歪から影響を受けないようにしたり、上下のドライブベイに光学ドライブのような丈夫で歪の少ないものを入れてケースの歪を打ち消したりと、設置の工夫が必要に。

 2.ケージとHDDケースの間の「遊び」が結構あってガタつく。一方でSATAコネクタ自体の場所は固定(当たり前だ)なので、HDDケースをケージに入れる時にまっすぐ入れないとSATAコネクタが上手く嵌らないこともある。
 この問題はSATA 6Gbps対応の時にケース側の構造が変わり、結果的に解消されることに。逆に言うとそれまで全く解消せず。

 3.冷却ファンの品質が激安品。これに限らず基本的にこのシリーズは部品の品質がよろしくないのだが、シリーズ最初の製品から一括して激安品質なのがこのファン。
 そもそも40mmファンというブツ自体、ある程度おカネをかけてSanAce等の有名メーカー品を買っても割と簡単に壊れてしまうのに、そこに激安品突っ込んだら・・・まぁそういうこと。当たりハズレが激しくて、当たりだとまぁそこそこ動いてくれるのだが、ハズレだとあっという間に壊れて騒音&ノイズ源に。

 なので、壊れたものは自前で交換していたり。ファン自体は汎用品で問題無いのだが、電源コネクタが通常使われない小型品なので、電源コネクタだけ旧ファンから切り取って再利用が必要。
 それと、実はこの安物ファン、壊れてなくとも電源ラインに漏れて来るノイズが地味に凄かったのよ。これに関しては自分は気休め程度にコンデンサ(=ノイズフィルター)を電源ラインに追加して対応。

 4.シリンダー鍵を押さえ部分が構造的にヤワい。プラのパーツに穴を開けて金属の塊なシリンダー鍵を取り付けていて、シリンダー鍵に回転方向の力がかかり続ける、という構造上、シリンダー鍵の押さえ部分のプラにより硬い金属が力をかけ続ける=プラが削れ&歪んでしまい、そのうち押さえが効かなくなってシリンダー鍵自体が回転してしまうようになる、ということ。

 とはいえ実はこの問題、当時の製品のシリンダー鍵が(現在の製品から比べると)随分と真っ当なものだったので、キー自体が壊れてまともに回らなくなるまではそもそもキーを回すのにそこまで力をかける必要がなく、特に問題にならなかったんですな。
 構造がそのまんまシリンダー鍵が超絶劣化した現在ではこのヤワさが大問題なのだけど。

 5.実はシリンダー鍵のキーは消耗品。使っているとだんだん板厚が減ってきて、更に削れてくると元々平らだったところが凸凹になり、こうなるとキーとして使えなくなるという。
 なので、ケージを複数買ったらキーが何個も手元に残るが、これは捨てちゃ駄目なヤツ、ということで。

 まぁこんなことで製品としてとても「完成していた」とは言えないが、Owltechの製品は更に完成度が低かったりしたので、まぁまぁ悪くないかなとか思ったりしていたワケですよ。

 ◇REX-SATA

 REX-DOCKをPATAケーブルをそのまんまSATAケーブルに付け替えたようなもの。同じく、HDDケースもPC側に装着するケージも全てプラ製。
 そしてバリエーションモデルとして、アクセスランプ付(全プラ製)のもの、ケースとケージの一部がアルミ製で且つアクセスランプ付のものに加え、ケースとケージの一部がアルミ製だがアクセスランプ無のものも登場。
 ちなみにこのアクセスランプ、SATA信号線から取れず、別途マザーボードやSATAカードのピンヘッダに配線が必要だったというなかなかアレな仕様。

 この世代はカタログ上3Gbps対応を謳っていたものの、実際には接点部の信号品質がイマイチだったようで初期の3Gbps対応HDD等では相性問題という名前の「要するに信号劣化でCRCエラー多発」が出まくったという。なので自分はこの時代はマザーボード側でSATA速度を1.5Gbpsの制限して使っていましたな。
 あ、今では3Gbpsで安定して使えまっせ。でもこれ明らかにHDDが新モデルになってHDD側が信号処理が上手くなかったからだわね。

 まぁとはいえこの世代では特に「劣化」は進んでおらず、プラ製で歪みまくるケージも一部アルミ製の製品だとかなり抑えられている(歪まない訳ではない)のも一緒、おかげで一部は手元で未だに現役という。但し冷却ファンについては自分(勝手に=非純正品)に交換しているものもあり。
 後述するようにこの後世代がどんどん新しくなる度に致命的な欠点が増えていくため、ある意味一番マシだった世代とも言える。

 ◇REX-SATA3(初代)

 全プラ製品は無くなり、アルミとプラの組み合わせ構造のみに。そして待望のアクセスランプが標準装備となったものの、冷却ファンの位置が移動してしまったため、初代REX-SATAのプラケースでは実質的に冷却不能になるというかなりアレな事態に。
 またアクセスランプもSATA信号線から取るようになったが、信号線をHDD側のSATA15ピンから取っているため、同じく初代REX-SATAのプラ&アルミケース(=現行製品の「6Gbps対応」アルミ製ケース以外)ではアクセスランプが点きっぱなしになってしまうことに。
 あと、6Gbps対応を謳うも一部のデバイスで6GbpsではSATAリンクが不安定になるという症状も発生。但しこの症状が出る原因はこの製品固有の問題ではなく、単にSATAケーブル上に接点が増えて信号品質が劣化するからであり。そういうデバイスでは安物SATAケーブルや長尺SATAケーブルでも同じ症状が出ていたので割と症状が分かり易かったですな。

 この世代で良かったのはモデルチェンジしたHDDケース。それまでのものより構造が単純化された「ただの箱」に近い形になった分、ケージに入れた時に「ガタつき」が殆ど無くなり、しっかりした装着感と安定感が。最初からこうしとけば良かったのに。
 ・・・なのだが、コレもまた加工精度が悪く、モノによって本体とフタがギチギチだったり緩々だったりというとこがね、もぅ・・・。

 一方でこの世代でそれ以前と比べて一気に劣化したのが「シリンダー鍵」。何を変えたのか知らないが、初代REX-SATA世代に比べて「圧倒的に回しづらい」モノに。ある意味この製品シリーズの生命線とも言える重要なパーツなのだが、あっさり駄目なことに。

 こんな有様なので、シリンダー鍵を押さえている「このシリーズ伝統的な構造上の弱点」部分にモロに力がかかるようになってしまい、初代の頃のような「シリンダー鍵自体が壊れて回らなくなる」よりもずっと早く、シリンダー鍵の押さえ部分のプラが削れ&歪んでしまい押さえが効かなくなるので「シリンダー鍵自体が回ってしまい鍵が出来なくなる」という壊れ方が続発するようになってしまったという。
 同時に、冷却ファンが逝ってしまう前にシリンダー鍵の押さえ部分が壊れてしまうので、冷却ファンが壊れてしまうことを逆説的に考慮しなくとも良くなりました、えぇ(ぉぃ。

 ・・・この時点で自分の感覚値としては「あかんコレ」。

 ◇REX-SATA3(現行)

 初代から構造や部品構成等は変わらない(シリンダー鍵の周りのヤワい構造は勿論そのまま)。但しケージ側の信号線にバッファが入るようになり、一部のデバイスで6GbpsでSATAリンクが不安定になる問題が解決。
 ・・・ここまでやるならそのバッファからアクセス信号貰えば良いのに、アクセスランプの信号線は相変わらずHDDから引っ張っているという。

 で、「構造や部品構成」は変わらないたのが、更に酷くなったのがまたしても「シリンダー鍵」。ある意味この製品シリーズの生命線とも言える重要なパーツ(繰り返し)の筈なのだが、「ほぼ全てが新品の時からまともに回らない」という更に凄まじい品質劣化っぷり。シリンダー鍵部分だけなら「歴代最低記録更新」と言ってしまって全く過言ではない。

 それでは「まともに回らない」の意味はというと、「何か引っかかっているようなトコを力で無理やり回すしかない」ということ。初代REX-SATAの頃のようにキーを差し込んだらするっと回る、というものは見たことが無く、品質のバラつきで「カチャッと妙な引っかかりがある」程度のものから「ぐいっと力入れて押し込まないと鍵が回らない」、更に酷いものになると「キーをまっすぐ差し込んでも動かないので斜めに力がかるようにしないと鍵が回らない」なんてものまで。

 また、恐らくこれはキーの造りが雑なのと関係すると思われるが、キーが少し消耗して薄い部分が出てきたりした途端に全く回せなくなるシリンダー鍵が続発する。消耗しかけた同じ鍵でREX-SATAのケージは全て鍵回せるのにREX-SATA3のケージはほぼ回せないって、これどう考えたって後者の方が「劣化」しているでしょ。しかもケージ自体REX-SATAの方が使用期間が長いので、メカ的なダメージという意味ではREX-SATAの方が行っている筈なのに。

 で、こんな部品の品質なので、前モデルより更に「このシリーズ伝統的な構造上の弱点」部分に力がかかるようになってしまい、結果的にシリンダー鍵自体が回ってしまうまでの時間=製品寿命が更に短くなっているという。

 ◇

 以上、こんな感じ。
 今回ついに壊れたREX-SATAのケージは、そもそも同時期導入製品の半分は既に壊れて引退しているんで、まぁ文句は言いませんわ。

 ・・・でもなぁ。REX-SATA3のケージ買うのはなぁ。
 こんなエントリ書いてしまうぐらいには、嬉しくないんだよなぁ。すぐ壊れるだろうし。

 とはいえ直近では無いと不便で仕方がないので、実際問題として買うしかない。のだけど。
 この「次」はどうするかな・・・やっぱりUSB3.0なHDDケースまとめ買いして入れ替えるかなぁ。

 とまぁ、今回はこんなところで。

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Intelの意地汚さがここまで露骨に出るとは、「Meltdown」はIntelにとって余程ヤバいものらしい。

 新年あけまして・・いきなり「Spectre」「Meltdown」脆弱性ネタで大騒ぎから始まったPC業界。何だかなぁ。

 いやね、Intelがアレなのは事実なのだが、普段なら「見掛けは」スマートに済ませるんですよ。実体は兎も角として。
 ところが今回は今まで見たことない程余りにも露骨に「オレだけじゃない」「(パッチ当てても)そんなに遅くならない」と言い訳しまくっているワケで。海外の辛口系メディアには早速ネタにされまくっているが、そこまで言い続けるということは実際には余程ヤバいんだろうなぁ~、と。

 ♯日本のPC業界は何故か病的にIntel信者が多いのでね・・・海外と日本のこの情報密度の違いよ。
  あ、ちなみに。少し前のEPYCをボロクソに言ってるスライドも(当時は)前代未聞・異例且つ中身がほぼ中傷というアレさで海外のtech系サイトの一部ではネタとして話題になったが、結局広がらなかったわね・・・中身が重箱の隅過ぎでしょアレ。

 ただでさえ、昨年末には「10nmプロセスが全然アカンのです」と自ら告白したも同然の14nmプロセスCPUコードネームの追加があったばかり。以前ネタにしたように、湯水のように現ナマを流し込むことで最先端プロセスをいち早く安定させてきたIntelをして、10nmが安定しないというのは・・・いよいよ「微細化の限界」ってヤツですな。

 あ、一部に「コストが合わないだけだ」という言い方をする人が居るんですが、半導体製造プロセスをある程度知っている人間から見ると「コストが合わない」=「プロセス開発失敗」なワケですよ。
 何故って、半導体の製造プロセスを設計する場合、一定の期間に一定のイールド(算出率・良品率)が取れることを前提にコスト構造を組み立てて「元が取れる」世界観を組み立てるんですわ。なのに「コストが合わない」=「生産した製品が想定した品質に届かない」=「作っても損しかしない」って、これ世間では「失敗」と言いますわね。
 で、Intelの場合は今まで製品をクソ高く売ることが出来たので、原価も他のファウンダリ(「ファウン『ド』リ」表記の方が一般的らしい)と比べて高く設定出来たワケですよ。そのIntelをして10nmが量産開始出来ないというのだから・・・どんだけハードル高いんだよと。

 ♯この「元が取れる」とこが見えなくてプロセス開発中止、なんてこと自体は最近では世界中のファウンダリでそう珍しいことではないんですが、昔は結構珍しかった。このこと自体開発コストが上がっていることの一つの証明ですな。

 まぁそんなこんなでIntelにとっては波乱の幕開けとなった今年。
 AMDやARMにとっては棚ぼたなのだが、皆様御存知の通りこういうチャンスをロクに活かせないのがAMDという会社だし、ARMはさすがに棚ぼたを受け止められるだけの器が未だ無い状態なので、結局Intelの絶対王政が変わることもないんでしょうな、としか。

 ♯自分はAMD派だが、AMDの商売センスの無さは伝統芸だということはきちっと認識してまっせ、えぇ。

 まぁ取り敢えず、現時点で技術的な脆弱性そのものの情報はほぼ出てきているように見えるので、後は影響範囲がどこまで広がるか観察してみましょうか、というとこですな。
 現時点の情報だと、クライアントPC系OSやアプリのようにパッチ当て易い範囲では影響は収まっていなさそうだし。

 もう一つ、これからパッチが全世界にバラ撒かれるそうなので各所から悲鳴が上がってくる様子も見てみることにしましょう。
 Linuxカーネルにパッチ当てるとWorkloadによってはパフォーマンス3割ダウンとか相当酷いことになるらしいし、既にAmazonではパッチ済みLinuxが稼働していてパッチ以前に比べてCPU負荷がガン上がりしてるとAWSの中の人が言っているし。

 あと・・・これ集団訴訟来るかね?
 主要な影響はサーバーと言いつつコンシューマーに影響が皆無というワケではない筈なので、その辺りを考えるとあの訴訟大国ならやりかねんな、と。

 とまぁこんな感じで、本日はここまで。

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