HTC U11に今更機種変してみた。

 さて、以前Google Pixel3を取り上げた際に「機種変」というキーワードを出しましたが。
 結局その後購入したのはHTC U11(SIM-Freeモデル)でした。
 ということで、例によってのロクに使っていないのにFirst Impressionでも。

 ◇

 まず、このモデルを選んだ理由。ざっくり箇条書で。

 ・必須条件の「防水・防塵」あり。
  積極的に濡らしたりする気は全くないが、結構やらかすので。
  あと小雨ぐらいだったら特に気兼ねなく使いたいよね。

 ・必須条件の「SIM-Freeモデル」あり。
  キャリアモデルをMVNOで使うと意外とあちこち引っ掛かるのですよ。
  具体的にはキャリア専用の改変とか、キャリア専用アプリとか。

 ・必須条件の「光学式手ブレ補正」あり。
  自分は兎に角手ブレが酷いので、電子式手振れ補正は信用していないんですわ。

 ・重要条件の「カメラ性能」に定評あり。
  多少の癖はあるもののこの価格帯ではトップクラス。
  日中に比べて夜景がイマイチとか言われているが、こんな小さいレンズとCMOSでここまで出来れば御の字でしょう。

 ・品質面で怪しい話がない。
  一時期はキャリアモデルでハイエンドラインに君臨していたのに、今やすっかり落ちぶれた某社とはエラい違い。

 ・致命的な弱点がない。
  1世代前とはいえハイエンドモデルなので全方向に隙がなく、廉価版モデルに見られるような「そこ省いたか」という箇所がない。

 ・HTCというメーカーは嫌いではない。
  つかあのVIAの親戚なんですよ。そしてGoogle Pixel3とはある意味血縁。

 ・スペック全体を総合してお買い得、つまりコスパが高い。
  発売当初より税込みで2割程値下がり済み。
  世間的には最大のウィークポイントはCPUがスナドラ8「3」5ということだろうが、当方的にはそこはあまり問題ではない。
  それより重視するのがメモリ容量(特にRAM)で、4GBのRAMと64GBのROMというのは合格点。

 ・Android Pieへのアップデートが有望。
  少なくともGlobal版は近日中にアップデートされる予定。何か微妙に遅れているけど。

 以上、こんな感じ。

 昨今では各社から「SIM-Free」モデルが出揃って来ているので、この必須条件のハードルは高くない。
 一方で「防水・防塵」「光学式手ブレ補正」この二つを並べてしまうと、選択肢に残るのはほぼハイエンドモデルのみ。
 その中でコスパが高いモデルを選んだ、という感じですかね。

 ◇

 ということで、ここからはFirst Impression。

 まず、本体。
 カタログスペック通り、思ったよりずっしり重い&思ったよりデカいが、まぁこれは機種変前が今時で言う「コンパクトモデル」相当だったのでこういうものでしょう。
 ボディは確かにぱっと見はキレイだが、実用で使おうとするとケース必須。そして画面側も含めて僅かに湾曲しているので、基本平面になるガラスの画面保護カバーは余程上手く貼らない限りニュートンリングが出てしまうことに。

 ちなみに自分は「ゴツいが丈夫」なSpigenの耐衝撃ケースとMIIKAREのTPU製画面保護カバーというド定番の組み合わせ。
 後者は確かに貼りつけるのが面倒です、はい。画面にぴったり密着するので貼れた後はいいんだけど。あと全面カバーと謳っているが実態は上下は兎も角左右が確実に「一回り」狭い。その分ケースと干渉しないで済むのでケースのせいでカバーが端から剥がれるということは無いものの、期待と違うと言い出だす人も居るんじゃないかねコレ。

 あ、そいえばAndroidは入手状態でOreo、2018年1月となっていましたな。そして初期状態でRAMも(使用量2GB程度)ROMも(使用量9GB程度)たっぷり空いている。
 自分は何も考えずに64GBのSDXCを取り敢えず挿したが、取り敢えずはメモリカード無でも何とかなるよねコレ。
 あと、バッテリーの持ちは確かにイマイチですよ。これは世間の評判通りだ。

 次に、アプリ。
 ん~、シンプルでいいね。プリインストールでFacebook周りがいくつか入っているのが気に入らないので速攻停止したぐらい。
 アプリの動きはテキパキとしていて特に不満無。といっても自分はスマホゲームはやらないので、よく見かける「(タイトル)でxxFPS出る」ということには興味なし。

 但しシンプル過ぎるきらいも。個人的には大体各社が持っている「自社製メディアビューアー」が入っていないことにびっくり。画像見ようとした途端Google Photoが起動するのは想定外でしたよ。

 最後にカメラ。
 画質はまぁまぁか。ぱっと撮った感じも悪くない。
 のだが・・・ここでもシンプル過ぎる点が。個人的に「さすがにやり過ぎ」と思ったのが「低解像度や高圧縮で撮る」設定が存在しないこと。

 具体的には設定は1:1・4:3・16:9の画角設定のみで、4:3で12MのCMOSを使っているのでそれ以外の設定だ解像度が9Mになるが、ホントにそれだけ。JPGの圧縮率も選べない。
 なので、例えばメール添付でスナップを送る程度の場合に「小さい画像で撮ろう」なんてことが出来ない。一旦保存した後、リサイズアプリをかましてメールに添付にするしかない。これ意外と不便ですよ?

 不思議なことに、このことはレビュー系のサイトでは殆ど触れられていないのよね。触れてはいけないというお約束になっていたのか、それともカメラといえば機能と画質ばかりが話題になって解像度下げて撮ることに世間ではあまり興味がないのか。

 ◇

 とまぁ、今回はこんな感じで。
 取り立てて大きな不満はないものの、その中で最大の引っ掛かりは「低解像度・高圧縮=低画質で撮ることが出来ないカメラ」ということで。

 さて、このスマホは何年現役で使いづけられるでしょうかね。まぁ最初に寿命が来るのはバッテリだと思われますが、果たして。

Share

Intelは3D XPointをどうしたい?

 IntelとMicronのジョイントベンチャーが開発した3D XPointの技術を持つIM Flash TechnologiesがMicronの単独子会社になりますとさ。MicronがIntelの持ち分を全て買い取るそうで。

 ・・・いやね、以前から流れている話の続きとしては、まぁ分からなくもないんですよ。
 但し、現在のIntelのサーバー向けCPU=Xeonの販売戦略上3D XPoint=Optane Memoryは外せないパーツの筈だったのでは。これはどう解釈すればいいんでしょ。
 ということで、取り敢えず今の自分で思いつくところを書いてみた・・・のだが、どうにも外している感が大きくて。誰かがっつり解説してくれないか期待しつつ、取り敢えず続き。

 まず、前提認識。IM Flashは元々IntelとMicronがフラッシュメモリの共同開発をやっていたが、最近 では両者が其々独自に3Dフラッシュを開発しており、IM Flashに残っているのは実質的に3D XPointのみ。つまり、IM FlashをMicronが引き取るということは、現行世代の3D XPointの生産設備を全て独占することになる。

 そうなると、最大の疑問がコレなんですよ。
 あのIntelがこれから大々的に売り出す予定の3D XPointを(割と仲良しのMicronとはいえ)他社からの供給に頼るなんてことがあるのか?

 で、当方が考えたその質問に対する答えはコレ。
 IntelはOptaneに対する戦略をこっそり改め、従来のような推しまくりから姿勢を一歩引いた。少なくとも現行世代のOptaneにはそこまで「本気」になっていない。

 では、その代わりに何に「本気」になっているか。それはずばりdGPUとパッケージング技術でないかと。

 勿論dGPUというのはAIアクセラレータと表裏であり、dGPUとパッケージング技術も表裏。
 前者は最近IntelがAIというキーワードを推しまくっているので分かり易いと思うが、後者はどういうことかというと。
 dGPUなりAIアクセラレータなりを高速でブン回すには兎に角大容量&広帯域なメモリが必要なのだが、NVIDIAの先行実装例を見ても分かるようにそこに登場するのはアクセラレーター直結の広帯域メモリ=HBMであり、DRAMより遅い3D XPointに出番は無い。
 そしてこのHBMをdGPUと接続するのに活用されるのがパッケージング技術。所謂MCM技術であり、以前からIntelは開発に力を入れている。KabyLake-gでAMDから買ってきたRadeonコアをMCMに仕立てているのも、ずっと開発してきたパッケージング技術があるからこそ。

 一方で、AIアクセラレーターを使う際にはCPUは所詮バスコントローラであり、ストレージとアクセラレーターの間を繋ぐ役割しかないので、3D XPointが有利となる程の大容量のメモリを積む必要もない。
 そうなると、もう3D XPointの大量装着する理由が無くなる。鶏と卵の関係で大量装着しない=大量生産しない=価格が下がらない=絶対数量が出ないので以下略、ということ。
 つまり、今ままではうま味が出なさそうなので手放した、と。

 とまぁ、自分の中ではこんな感じで整理してみたのだけど。
 とはいえIntel程の売上げがある企業が将来有望な技術にそんな気まぐれなことするのか?というのは自分で書いてて疑問だし、やっぱり良くわからん。

 というワケで、今回も前回に引き続きモヤっとした気分のまま、取り敢えずはここまで、と。

Share

iPhoneになりたいお年頃@Pixel、ってことなのかね。

 さて、以前から出る出ると言われていたPixel3がいよいよ発表になりまして。
 自分の第一印象は、多分日本での大方の印象と一緒だと思うのですよ。

 「モノはそう悪くなさそう、けど内容に対して値段が高過ぎる」

 コレ。
 これが例えばPixel3無印64GBモデルがナナヨンパ(=現在の値札の約2割引)ぐらいで出てきていれば「Googleの最先端サービスが楽しめる純正モデル」として多少の割高感があったとしても「だってGoogleの最新サービスが先行で使えるんだよ」という面で十分カバー出来ると思うが、ちょっとこの値段になってしまうと、ねぇ。

 そして色んな媒体から出てくるレビュー記事を見てみても、この印象は変わらず。さすがにGoogle純正だけあってソフトウェアの出来は悪くないようだし、純正品ならではの「アップデート保証」も心強いし(つーかAndroidはアップデートが放置されてる端末多過ぎ)、ハードウェアの出来も手堅く、なるほど「値段以外は」悪くない出来の模様。さすが、きっちりしたものを作ってきた(でも華が無い&プロモが下手で商売的にはコケまくってきた)HTCの開発部隊買収しただけのことはある。

 で、ここまでだったら「Googleが自社純正の『のれん代』を大変高く見積もった端末」ということにしかならない筈なのだが。個人的にはこの端末の扱いにどうにも引っかかるものがあるんですな。
 それが%TITLE%なのですよ。

 もっと具体的に言ってしまうと、Pixel3を見る限り「GoogleもPixel教を立ち上げたいのか」という印象をどうにも拭えないのです。
 あ、当方は未だにAppleは宗教と発言して憚らない人種ですよ、念のため。元々の個人崇拝から教祖が死去して組織宗教にやや衣替えした(旧CEOが創始者で教祖ならば今のCEOは言うなれば事務局長)ものの、本質は変わっていない、という認識で。ついこの間立派な新宮殿も出来たことだし。

 では、Pixelに何故宗教を感じたか。

 勿論「高過ぎる端末=お布施」感もあるが、それに加えて妙にフワフワした中身のない、けどカネは取るマーケティング(宗教の「教義」なんて大体そんなもん)と、それを是とさせたい思惑(そりゃ「真理」にあっさり辿り着かれたらお布施が集まらないから)の組み合わせ、ということが大事。
 まぁこれは宗教だけでなく詐欺でも活用されるメソッドだし、会社ではなく業界そのものがそういう世界でしかないハイファイオーディオなんて分野もあったりするのだけど。

 ただ、Googleの場合上記に加え、単純にGoogle自体のブランドイメージが劣化してきたのでPixelという看板を宗教にしたのか、と個人的には感じてしまったのですよ。
 何故って、Googleのブランドイメージといえば、昨今の中国内検索(=検閲容認)に関する一連の話題、Google+やめるんだってよに纏わる個人情報の漏えい等、ChromeのGoogleログイン必須化(これだれがどう考えたって一担当者の「やらかし」ではないわな)と、「Don’t Be Evil」を捨ててからは悪化する一方でしょうよ、というのが個人的な印象なので。
 そんな昨今の状況を鑑みて「Google離れ」した方が心穏やかに居られるのかな・・・と思っていた矢先に出てきた端末がコレだったワケですよ。

 というワケで、実はスマホ機種変の候補にPixel3を入れてきただけに、当方、たいへんモヤモヤしているのだが、取り敢えず今回はこんなところで。

 P.S.
 ところで、今までNexusからPixelに名前が変わっても実質的に引き継がれ来た「開発標準機」というポジションは、この機械だとどうなるんだろ。
 Pixel3はどう見たってGoogle独自拡張が入り過ぎていて「開発標準機」としては使いづらいと思うんだが、この辺り開発コミュニティではどう見られているのかね?

Share

RMEがAVBをメインに据えるらしいので、AVB/TSNについてちょっと書いてみる。

 さて、先日国内で行われたRMEのイベントで、これからはAVBに注力するという発言があったとのこと。Music Messe 2018でDigiface AVBとDigiface Danteの両方が発表されたので平行で扱うのかと思ったら、基本AVB注力なのね。

 ある意味非常に理屈臭い会社なので個人的には「やっぱり」という感じなのだが、これでAudio-Over-NetworkはAVBが本命となったと個人的には思われるので、ここでAVB/TSNについてちょっと書いてみますかね、と。

 ♯Digiface Danteは「既存の(「純正品」の)PCIeカードが色々酷いので自分達でもっとマシなもの作った」とかいういろんな意味でアレな発言がRMEの幹部からあったとか無かったとか。

 ◇

 まず、AVBとはAVBとは Audio/Video Bridging、TSNとはTime Sensitve Networkの略。

 で、TSNというのは別のオーディオやビデオに限らず名前通り「遅延時間が短く、且つ一定内に保障されないと困る」用途向けの規格。なのでこの上で運ぶものは別にオーディオとかビデオに限られず何でも良いワケなのだが、この仕組みの上でオーディオ・ビデオを乗せる標準規格をAVBという。
 なので、AVB/TSNというのが本来的には正しいと思われるのだが、長ったらしいので最近ではAVBとだけ言う人が多いですな。AVB/TSNの旗手であったMOTUですら最近はAVBとしか書いていないし(初期は、AVB/TSNと書いていた)、ここでも以降AVBと書いたらAVB/TSNの略、ということにします。

 ◇

 で、次はTSNの仕組みについて。
 この仕組み、詳しく見ると結構複雑なので、色々すっ飛ばして簡略化して説明しまっせ。

 通常使われるイーサネットは「送ったもの勝ち、早く辿り着いたもの勝ち」という設計なので、ネットワーク全体がガラ空きならまぁ特に問題にならない一方で、混雑してきたら帯域の取り合いになるのであっという間に流れ方がガタガタになります。余程のことがない限り「届かない」ということにはならないのですが、不均一な遅延が発生することは間違いない。
 一方でオーディオストリームのようなものは、常に均等に流れ続けてもらわないと困るワケです。音が飛んでしまいますわな。それなら対策として(ASIOのバッファサイズを増やすように)大容量のキャッシュバッファを付けてやればというと、取り敢えず音飛びにはかなり耐性はつきますが、今度はキャッシュバッファに貯める分の遅延が問題になる。ネットワーク経由だからって10秒前の音しか聞けません、では使い物にならないワケです。

 それではTSNではどうするか。
 ものすごく簡単に言ってしまうと、TSNではネットワーク全体が時刻同期して、周期的に特定の予約された機器間でのデータ通信のみを行うことによって、データが最低の遅延時間で間違いなく到達することを保証しています。

 要するに、ネットワーク全体を時分割多重して使うワケです。ケータイなんかと一緒、みんなで一緒に使っているつもりが、細かい時間単位で見るともの凄い勢いで切り替わりまくっているという。速いもの・強いもの勝ちで弱者は遅れるor潰されるだけだったイーサネットの世界に、革命的変化ですよコレ。

 それでは従来のイーサネットとの互換性はどうやって取っているのかというと、答えは簡単で、「周期的」な時間以外は従来通りの速いもの・強いもの勝ちで転送しているだけ。
 つまり、TSNネットワーク上で普通のデータ転送をやると、周期的に転送が一時停止するワケですな。なので、TSNネットワークで経路予約しまくると相対的に普通のデータ転送がどんどん遅くなるんですな。

 ちなみに技術的に見ると、TSNネットワークではその中のどれかの機器が「ネットワーク構成コントローラー」として指示を出し、他の機器がそいつの言う通りにしてみんなで協調して動く、的な実装になっています。

 ◇

 さて、そんな「イーサネットの常識」を覆したTSNなんですが。
 問題はこの「ネットワーク全体の時刻同期」「特定の経路の予約」「周期的にデータ転送」といった諸々の実装はなかなかに面倒臭い&難しいこと。
 この難しさはそのまま価格に跳ね返るワケで、現状では対応ハードウェアのお値段がイマイチお高いトコで止まってしまっているのも、数が出ていないということだけでなくこういう理由もあるんですわ。

 とはいえ、元々このTSNという仕組み、インダストリアル用途や車内通信(CANなんて言う)を睨んで開発された、オープン且つ標準化された規格。上手いこと波に乗れれば乗用車という音楽制作業界とはケタ違いのパイの大きさを持つ商品の構成部品の一部となるため、大量生産によるコスト低下が十分に見込める・・・だろうと。

 更に、実はTSNというのはTCP/IPでなくても使えたり。上記した通り、TSNが保証するのは「エンドポイント(=機器)間で確実にデータ転送を行う」だけなので、別にIPプロトコルでデータ流さなくてもいいのよね、と。
 なので、必要に応じてIPより簡単だったりお好みの手法でデータを送ることも出来るんですわ。要するに、ネットワーク側で面倒なことを全部背負い込んだ代わりに、データを送受信する側から見るとその分ラクが出来る規格なのね。

 実際、先ほど書いた「インダストリアル用途」だとTCP/IPじゃないデータ転送が主流になるという見方もあったりするワケでして。この辺りの(データを送受信したいだけの側から見た場合の)使い勝手の良さも、よく考えられているんですな。

 ◇

 以上、確かに現時点ではちょいとお高いし、且つRMEは結局ソフトウェアスタック部分をほぼ手組みする羽目になったなんて噂もあるが、将来性はバッチリ、な筈、のAVB。
 MOTU、Presonusに続いてRMEと強力なプレイヤーが参入し、これからも要注目ですよ、という話でした。

 それでは、本日はこの辺りで。

Share

結局一般向けRyzen APUはECCサポート無ですか・・・。

 ということですな。
 発売当初から色んな話が飛び交っていたが、結局PRO版以外はECCを殺して出荷しているというのがFinal Answerな模様。

 まぁこうなった以上、当方としてはRyzen PRO 2400Gまたは2400GEがバルクで良いので適正価格で入手可能になることを祈るのみ。1割~2割程度のプレミア&バルク扱は仕方ない、販売店限定でも構わないので、一般ユーザーにも入手可能になってくれないかねぇ。

 ◇

 にしても、Pinnacle RidgeではECC殺してはいないし、PRO版ではサポートするという以上、チップ機能上の制約ということではない筈。
 そうなると他に考えられる理由は・・・以下、個人的な推測ですよ、念のため。

 自分的に唯一考え付いたのは、ECC有効化した時のレイテンシ増加を嫌って有効化出来ないようにした、ということ。
 そもそもZenはメモリとコア間ファブリックが同期するアーキテクチャである以上、メモリクロックだけでなくメモリレイテンシも性能に直結する。クロックを上げればバースト転送速度が上がるかも知れないが、伴いレイテンシが縮まなければランダムアクセス性能はそこまで伸びない。この辺りは既に多数で回っているOCベンチマークの結果を見ても明らか。

 で、ですよ。ECCメモリを使っている人ならフツー理解していると思うのだが、ECCを有効にするとエラー検出のためほんの僅かではあるがレイテンシは伸びます。要するにあるブロックのデータが整合取れていることをハードウェアで検出するためには、ブロック内全データがレジスタに入りきるまで待つ必要があるので。全データが揃っていないとエラーかどうか計算出来ないでしょ、と。

 ♯もう一つオマケ、サーバーでお馴染みReg.ECCメモリは更にレジスタが挟まる分レイテンシが伸びます。そういう意味でRyzen ThreadripperでReg非対応にしたのはある意味正解だった思うのであり。

 んで、んでですよ。Raven RidgeはAPUの伝統に則り、メモリ性能が物凄くベンチ値に影響を与えることは
既に多数のベンチで判明しているんですが。
 これがもし、ECC有効にするとそれだけで数パーセント程度でもベンチマーク値に影響が出ることが判明している、或いはRaven Ridgeでは内部構造的にレイテンシ増加の影響が特にGPU側で大きい、なんて構造だったりしたら。
 ライバルのIntelではECCはXeonのプレミア機能、だとしたらこっちだって・・・。

 ♯CPUと違ってGPUの方にはメモリキャッシュが無いか、あっても物凄く小さいことが普通なので、レイテンシ増加のペナルティの影響がデカいという話は「筋としては」おかしくない。

 以上、個人の妄想でした。
 万が一どっかの部分だけでも掠っていたら中々愉快ですな。

 ◇

 にしても、最近のIntelの「才能の集めっぷり」が凄い。金満企業だから出来る「力技」ではあるのだが、こういうのって余程のヘマしない限り数年後には物凄い成果が出て来るのが普通なので、ある意味「コスパが非常に良い投資」なんですな。
 ・・・あ、こと買収企業のIP活用の下手クソ具合には定評あるIntelだが、有能な技術者に仕事させるのは決して下手じゃないですよあの会社は。文句言ったらカネで引っ叩いて黙らせるし。

 だから頭抱えてるんですわ、人材活用もヘッドハンティングも下手クソ、そもそもカネもない、大した製品力も営業力も無い癖に偶にプチヒット商品が出ただけで浮かれまくって、気付いた時には既にどん底に落ちている、そんなあの会社の生存可能性がどんどん狭まっているので。
 え、何処のことかって?AMDのことですよ。自分はAMD派であるが、いろんな意味でAMDって駄目だということは言われなくとも骨の髄まで理解してまっせ、えぇ。

♯THIS IS EPYCなんて浮かれまくった動画作っているし・・・あの会社があぁいうことやる時って大体爆死の前兆なんだよなぁ、というのは流石にひねくれ過ぎか?デモデモダッテ、過去実績が・・・(ぉ

Share