さて、今回は最近買ったPCケースの話題でも。
最近では全く注目されていない、全段5インチベイケース。
現在市場に残るのは僅な種類の製品のみ。
その中でもメジャーなものといえばAntecのHundredシリーズだが、いかんせんゲーミング特化筐体なので、正直扱いづらい。
そんな中、ややゲーミング臭はあるものの、ソツのない仕上がりで多用途に使えるケースがsharkoonから発売されている。
これは良い、ということで購入してみたので、取り敢えずファーストインプレッション。
◆総合評価
値段相応。特別良いものでもないが、値段相応のものではある。
多段ベイ活用には悪くないケースですよ。
◆構造について
まず、板厚はペラい。但し折り目を上手く取っているようで、妙な共振や極端な歪みはないですな。
板のペラさに合わせてケース自体も比較的軽い。
工作制度は「並」。もともと全段5インチベイというのはベイ部分が歪み易いのだが、このケースではまぁ合格レベルかな。
とはいってもやっぱり5インチベイ部分に歪みはゼロではないので、例えばベイ設置物のネジを締める順番等、経験値がないと組立は厳しいかも。
適当に締めると最後のネジ穴がどうしても合わない、なんとことになるので、実際。
♯全段5インチベイケースはニッチ且つ上級者向けです、えぇ。
あと、このケース、実は意外と奥行きが短いことに注意が必要。
今時全段5インチベイなんてのを欲しがる人間だと、5インチベイに奥行があるものを載せたいのだろうが、ケース自体の奥行が(比較的)短いため、ちょっと長いと速攻でマザーとぶつかることに注意。
実際に乗せて測ってみたところ、フルサイズATX(奥行244mm)だとドライブの奥行は214mmが限界の模様。ちなみにこの214mmってのは奥行が長いので有名なRatocのリムーバブルHDDケージの奥行です、はい。
♯ケース内でホントに接触しつつも、ギリギリ収まっているので。
◆パーツ構造について
フロントパネルは力でガバっと開く方式。値段なりなので仕方ないかな。
標準で付いてるベゼルがエアフィルタも兼ねてますよ。つまりこれ意外と目が細かい。
ここで一つ問題が発覚。フロントパネルのコネクタ類のケーブル長が・・・。折角の窓付側板、裏にもそれ用のスペースがあるので、れっつ裏配線、としようとすると全て長さが足りない。
特に、マザーによってはとんでもないトコにあるオーディオコネクタへの接続ケーブルの長さはかなり中途半端で、殆どのマザーで裏配線は実質不能になると思われる。
その他、電源とかLED表示の部分ですら結構ギリ。本気で裏配線やるならいわゆる延長ケーブルの類をそれなりに準備する必要があります、はい。
次に気づいたこと。合計5ドライブ分10コも付いてくるプラ製ドライブロックパーツ、これは正直いらない。
前述したように全段5インチベイケースはベイ部分に歪が出易いのでドライブ類はきちっとねじ止めしないと不幸になることが多いのと、このパーツ自体が全プラ製の廉価品なので強度的に話にならない、という。
(高いものだと一部金属パーツになっていて保持強度を高めているので。とはいえそれでも基本的には使用しない方が良いパーツなのよね)
最後に、3.5インチHDD用変換マウンタは防振ゴムブッシュが付いていて嬉しいのだが、ネジ穴の大きさ的に↑のロックパーツにはハマらないというオチが付く。
折角頑張って3台分も入れてくれてるのに、何ですかこの残念感は。
◆付属ファンについて
1200rpm程度。ややカクカク感と軸音があるものの、立派な「静音」ファンと言って良いと思われる。この価格帯のケースの付属品としては「大当たり」の類。
但し風量もそれなりなので、うっかり熱いCPUやグラボを入れてしまうとこのファンでは厳しいかも。ちなみにLEDは割と明るいですよ。
♯T9 Value(窓なし・付属ファン無し)との価格差を考えても、おトク感がありますな。
◆その他
HDDアクセスランプ(左上のLED、右上のLEDは電源ランプ)は「アクセス時に消える」仕様なのだが、このLEDがかなり明るいため、HDDアクセス時に一瞬消えても人間の目には「ちょっと暗くなってるかな?」程度にしか感じられない。
事実上アクセスランプの役割は果たしていないよね、これ。
◆梱包について
最後におまけ。
出荷時には付属品箱とかは押さえてあったっぽいんだが、実際開けたら、ヒモと付属品箱と付属ベゼル(3.5デバイス用)転がり落ちてきましたよ。
キズ等の実害は無かったが、もちっときっちり縛っておけって。
あと、箱が低価格品(T9 Value)に小さいシールを貼ったモノなので、宅配なんかで頼むと少し驚くかも。
◆
以上、こんな感じで。
取り敢えず自分的には買って良かったが、ニッチ商品だよねこれホントに。
そういう意味ではこんな製品ラインナップを残してくれていたSharkoonに感謝です、はい。