まさかの力技、WDの3TB。

 >【PC Watch】 Western Digital、3TBのCaviar Greenを出荷開始
 >http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20101020_401166.html

 さて、Seagateに続いていよいよ正式発表と出荷が開始されたWDの3TB Drive。3TBは世界初750GBプラッタ、2.5TBは667GBプラッタやね・・・という話は兎も角として、問題は2TBの壁。どうして来るかと思いきや、まさかの「SATA-I/F 同梱」と来たモンだ。

 ちなみにこのドライブもBigSectorの512b Emulationということなので、どうやらHDD業界はNatvie BigSectorより前に64bit Adressingを広める方向で行きたいらしい。
 まあどう考えても64bit Adressingへの移行が一番真っ当なので、Natvie BigSector先行でほんの一息(16TB迄の気休め)・・・ということをするよりは業界の流れとしては評価するが。

 しかしわざわざIF同梱で出荷って、要するにそこまでしないと普通に使えないPCが世間では多数ということで・・・何だかなぁ。
 当方の希望としては、SiI3124と3726/4726には是非にもFirmware Updateで64bit Adressingをサポートして欲しいのだが・・・どうなんだろ。
 この辺りのチップは今Mac環境でもぼちぼち使われているので、その辺りの絡みで何とか・・・ならないかねぇ。

 ♯Macの場合EFIなので2TB越えでも本体/OS側には全く問題は無く、コケるとしたら原因はサードパーティ製のハード・ソフトに起因するので。

 にしても、実際にEFIが使われている場面というと、Macを外すとIBMのSystem X、後はIA64ぐらいかね?
 パーツ方面ではMSIが昔EFI対応マザー出したけど、あれ殆どネタ扱いだったような。
 そういえばIntel純正マザーの中にはEFI対応のものもいくつかあるが、未だ妙な制限が残っていたりして完成品とは言えない程度の出来らしいし。

 それと、WDのHDDに同梱されるIFのチップが微妙に気になる。値段を考えるとJMicronが有力候補だろうが、出荷元がHDDメーカだからMarvellの可能性も多いにある筈。
 まあ他にもJMicronにはUSB変換チップ等で結構昔から64bit Adressing対応を謳ってきたということもあるし、片やMarvellはHDDの信号処理チップも手がける会社だからその辺りに抜かりは無いだろうし。

 さてさて、いつ実物が来ますかね。

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最近アキバでSeagateのHDDを見ることが少なくなった気がしていた、ということについて。

 ・・・どうやらホントにあんまり見ないようになってしまっていたらしい。
 Tsukumoのblogにこんな記事が。

 >今月のストレージ 中間集計 (10/1~10/15)
 >http://blog.tsukumo.co.jp/ex/2010/10/post_600.html

 10位迄、WD、HGST、CrucialのSSDにBuffalo外付と来てSeagateが1つも無いという。
 例の騒動以前と以後で、完全にWDと立場が入れ替わってしまいましたな。

 まあこれにはWD Greenがプライスリーダーになっていることが一番大きいと思うが、他にもHGSTはリテールパッケージになったことで保証が欲しいと思う人に売り易くなったということ(でも販売店は例外なく「ハコが無駄にデカくて邪魔」だと思ってる)で、Seagateを選ぶ理由が無くなってしまったのかと。

 ♯HGSTは固定ファンも居るしね。

 まあ全世界のHDD販売数に占めるアキバの割合なんてそもそも有効数値以下で誤差以下という数量だろうが、それでも直近のWDの好調さは決算なんかにも表れているし、何だか、ね。

 ♯Seagateがこの世の春を謳歌して、WDがマイナー扱いされていたのもホントつい最近なんだけどねぇ。
  あと、Seagate大コケで一瞬スポットの当たったSamsungは、以前より取扱店舗数が増えたというトコでお終いで、流通量大幅増ということにもならなかったな、結局。

 まぁとはいえ、迫り来るSSD時代に向けて、Desktop向けHDDが大多数を占めるWDの現在の商売は将来考えるとどうなのよ、という話はあちこちから出ていたり。
 WD自身も自覚はあるからこそSSD屋を買収したり、利益率の高いEnterprise向け2.5インチSASドライブを発売したりしているが、Enterpriseで実績と数出しているHGSTやSeagateと比べるとホント、これからどうするんだろね。
 ・・・ま、当分は大容量Diskを売りまくるってのは確定事項だろうけどさ。

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Desktop HDDに無茶させちゃいけません。

 今回はかなりどうでもいい話。

 何か最近、デスクトップ用の爆安HDDをRAIDで数並べて結果的に撃沈、なんて話をよく聞く気がする。

 HDDメーカが「ニアライン」「エンタープライズ」なんて肩書きを付けた$の高い製品をわざわざラインナップしている理由を考えれば、自ずと答えは出るだろうに・・・。

 いやね、世間一般では「エンタープライズ」「ニアライン」用のSATA HDDなんて「高いだけ」って思われている節があるけど。
 ある程度の数のHDDをブン回してみれば、目に見えて分かりまっせ、肩書きの意味が。故障率がホントに違うから。

 但しまぁ、この故障率の差が値段差に見合うか、という点については個々人毎の判断でしょうな。
 少なくとも当方は「業務で使うならアリ」「個人使用ではちょいキビシイ」と思ってる。

 #個人使用だとRAID-1を自前で組んだ方が安いことも多いし。

 ◇

 ちなみにどうしてもデスクトップ用HDDを使ってOS以下のレイヤでRAID-1以上を組まざるを得ない場合、具体的にはRAIDカードを使ったり、チップセットのRAID BIOSを使うような場合、何とかなる可能性が一番高いのはHGST。
 それでもエンタープライズHDDを並べるのと比べて故障多発を覚悟する必要はあるが、取り敢えずアレイを作る程度なら何とかなる。

 逆に絶対やってはいけないのはWD。特にWD Greenはヤバい。
 というのは、WDのデスクトップ用HDDは部品の耐久性という以前にファームが非RAIDを前提に構成されているので、これが原因で(物理的にプラッタが逝ってなくとも)トラブルになるコトが結構多い。

 一方、OSのIO Kernelより上のレイヤで動作するSoftware RAIDでなら、IO Kernelがこの辺りを吸収してくれるのが普通なので、部品としての耐久性を別とすればWD Greenでも普通にRAIDは組める。
 具体的にはLinuxのSoftware RAIDとか、Windowsなら「ディスクの管理」で作るSoftware RAID ボリュームとか。

 そしてこの辺りになってくると、パフォーマンスさえ問題にしなければ全く違うメーカや型番のHDDを組み合わせてRAIDを組むということも出来るし、殆どの場合でOSさえ一緒ならハードウェアを変更してもアレイを使い続けることが出来る。
 なのでこれ、「特定のハードウェア」「特定の型番のHDD」に縛られる高価なHardware RAIDよりも可用性に優れている、という言い方も出来るワケで。

 ♯確かLinuxがSoftware RAIDを推奨している理由にも挙げられてた気がする、この辺りの話。

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AHCIの悪い癖。

 当サイト何度目かの、eSATA絡みのお話。

 USB3.0も当方の予想以上の、でもPCヲタ以外には存在すら知られていない程度の勢いで普及が進んでいる一方で、相変わらずeSATAの方は空気というかなんというか。まぁPC/AT業界のFireWireよりはまだマシだと思うが(ってもMacでも最近忘れられつつあるような)。

 で、世間の殆どではeSATAというとAHCIで、チップセットから引っ張り出されるかJMicron辺りのチップで接続されるモノらしい。
 一方自分的には相変わらずメインはSiI3124とか3132なのだが、最近時折チップセット引出やJMicronのAHCIを使うこともある。

 ところが、このAHCIなeSATA、使い勝手がよろしくないものがあるのがどうにも気になって。
 もう少し具体的に、何が問題かといいますと。

 ・JMicron製チップの一部で「データ転送中にHDDを見失う」という恐ろしい症状が出る。
  1.5Gbpsに落とすと軽減する(完全に解消するワケではない模様)というので、ノイズや信号品質の問題と、ハードやドライバの処理のマズさとの複合要因だとは思うが、さすがにコレはなんというか・・・。

 ・AMD7xx/8xx系列のチップセット引出しAHCIでホットプラグに問題が発生することあり。「電源ONの状態のHDDを接続する」と正しく認識するが、「電源OFFのHDDを接続してから電源を投入する」ではHDDを認識しない、という何だソレ的トラブルが結構多い。

 #ま~どんな実装されているかは挙動見れば一目瞭然なのだが、それって何か違わね?という。

 ちなみにチップセット絡みでは、取り敢えず手元にある分で判明しているのはAMD7xx/8xxなのだが、他にも同じ問題を抱えているチップはあるらしい。

 #AMD7xx/8xx系列の場合、AHCI互換を謳うRAIDドライバを入れると「この症状だけは改善」されることが多い。
  但し勿論、こんな面倒な話はとてもお薦め出来ないので、ふーんそーなんだー、程度で。

 ・・・せめて、こんな分かり易いトラブルなんて直して欲しいのだけど。
 eSATAの世界には「こなれた」という評価は永遠に来ないのかも。

 #ちなみに、SiliconImage製の3114以降のチップでは上記したような恐ろしい症状に遭遇したことは無いですよ。
  ケーブル品質問題等が出た場合、Eventとして転送エラーが記録されるので。
  ・・・あ、そいえば全然関係無いが。6GbpsなeSATAの正式規格ってもう出てたっけな?
  取り敢えず6Gbpsで繋げられちゃうeSATAなら、製品も出回っているけど・・・。

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値段に負けてリファレンス5750を買ってしまった。

 ブツはXFXのXF-575X-ZNF、今や絶滅寸前のリファレンス5750。
 ウリは兎に角安いこと。他社の5750が最安値でも¥14K前後というトコに、¥11Kなんて値段で売っている。

 ・・・5770買いに行って、うっかりこの激安5750を見つけてしまって、「どうせゲームなんてやらないし」とこっちを買ってしまいましたとさ。

 #この値段だと普通5670だよね・・・何でこんなに安いんだろ?

 ◇

 まぁ買ってしまったので軽くレビューでも。
 といっても5750のパフォーマンスについては散々語られているので、問題のリファレンスファンについてだけ。

 御存知の通り、Radeon 5750の俗に言う「卵型ファン」、世間での評価ははまぁ「可も不可もなく」といったところ。特別こだわらなければまぁそのままでも使えなくもないかも知れない、と。

 んで実際どうだったかというと、正に「可も不可もなく」といった感じ。起動時等に全力回転すると爆音だが、アイドル時の回転速度が下がってる状態ならまぁコレもありかな、という程度。そして、回転速度が50%を超えた辺りから爆音化、という世間の噂も実際そうでした、はい。

 一方、このPCはHardware RAIDカードが入っている関係上ケース内に12cmファンが鎮座していて、配置的にこの風がモロにVGAカードに当たる。これが効いているようで、FFベンチを延々と回してもファン速度は45%程度で安定。爆音ギリギリ手前で踏みとどまってくれましたよ。

 #この時のコア温度はCCC読みでピーク70度(コアを750MHzにOCすると75度まで上がる)。低い温度ではないが筐体のコンフィグレーションを考えるとそう悪くもない。この状態ではさすがに静かとは言い難いが、個人的には値段との兼ね合いでギリギリ許容範囲かと。

 ◇

 おまけ。
 モノは試しで筐体内12cmファンの風が当たらないようにしてFFベンチを回してみたところ、あっという間にファンが全力回転を始めてとんでもない爆音に。
 ・・・リファレンスファンが流行らなかった理由、納得。

 あと、換装前は何とGF7600GSファンレス。
 そういうワケで、音については敏感になりますよ。
 ・・・ほらそこ、笑わない。

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