WD Greenに6Gbpsって…

 別に6Gbpsが欲しかったワケでなく・・・。

 先月末辺りからアキバ中のWD30EZRSがCFD扱品※になってしまい、「あれ~正規代理店品は無いの~?」なんておたおたしていたらEZRSはいつの間にか消滅。
 そして先週末、アキバで買えたのはWD30EZR「X」、6Gbps対応品でした、という話。

 ※基本的にCFD扱=メーカーRMAを切ってある、ということ。
   恐ろしかったのはWD30EZRS-DTL(カード付お買い得Ver)については外箱に「3years Warranty」と書かれた「メーカー純正箱」を使って「RMAの一切無い」モノを売っていたことで、これうっかり騙された人居るんじゃないか?

 で・・・6Gbpsになってどうなったか。
 結論、何も変わっちゃいない。

 EZRS(3Gbps)とEZRX(6Gbps)であまりにも代わり映えしない。軽くベンチも取ってみたが、誤差しか違わない。
 というか、メカ側が変わっていないのにIFだけ変わったところでそんなに劇的に差が出るワケがないんで、当たり前っちゃ当たり前だ。

 ◇

 最後に、前回ネタにしたRATOCのHDDカートリッジ外付けケース。
 2機種目の6Gbps HDDが来たので、早速試してみましょ・・・っと。

 EZRX、全く問題無いです。普通に認識、普通に使えます。

 ・・・ということで、前回の「相性問題」は、6Gbpsが原因なのではなく、純粋にHGST製品による相性でした、ということで。

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HGST 7K3000 3TBの思わぬ相性問題。

 以前、3TB HDDをいじっていたら不安定に・・・というネタを書いたと思うが、実質的にその続き。

 いやはや、参った。HGSTの最新ドライブと古めパーツの組み合わせで、相性問題確定。
 ちなみに症状は以下の通り。

 ・完全にハング。
 ・青画面。ちなみにパラメータはF4 (腐ったドライバか壊れたハード)。
 ・Software RAID崩壊。所詮Software、I/O周りのハングでは壊れることもあるのよ、念のため。

 そして、この恐怖の症状を発生させる組み合わせは以下の通り。

 RATOC SA-DK1EU + HGST 7K3000 3TB + SiI3124搭載カードの一部

 DK1EUはRATOC製品のREX-SATAシリーズHDDケージを使うための外付けケース。USB2.0とeSATAのDual Interface・・・ってソレが悪さしてるんだろうなコレ。
 ちなみにアイボリーモデルは販売完了になったが新たに黒色モデルが発売されている。中身は変わっていないだろうから、多分この問題もそのまま。

 7K3000は言わずと知れた高速3TB HDD。7200rpmでは最強。

 そして最後のSiI3124搭載カード「の一部」なのだが、これ例えば手元のLycom PE-124ではモロに該当。痛タタタ。何故か極希に上手く行くことも無くはないのだが、まずコケる。

 一方でRATOC自身のどう見てもPE-124のOEMなカードを売っているんだが、RATOCのサポート曰く「問題ない」とのことなので、かなり微妙なレベルの話なのかも。ケーブルぐらいならまだ兎も角、ヘタするとマザーの違いとか電源の違いとか、そんな話かも知れないし。

 #どちらもPCI-Express電源ラインのノイズが・・・という話。高速IFだとこのテの「ノイズ」が原因、ってのは結構無視出来ない問題。

 一つ気になるポイントは、HGSTのHDDが6Gbps対応品だということ。もしかしたらHGSTとの相性ではなく6Gbpsとの相性かも知れないし、そうなると将来的にHGST(WD?)から3Gbpsや1.5Gbpsに固定出来るユーティリティでも公開されれば状況は変わるかも知れない。

 ・・・とはいえ、IFがRATOC製でない以上、現状RATOCにこの相性問題をどうにかする義務は無いしなぁ。
 ん~まあ、こういうこともあるか。

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WDのHGST買収とSamsung 4TBに見る、HDD業界の未来。

 さて、まさかこのテに出てくるとは思いませんでしたよ。
 WDがHGSTを買収するとな。
 とはいえ、結果だけ見てしまうと極めて合理的な経営判断であり。

 何しろ、WDと言えば・・・

 コンシューマー向け大容量HDDの大量出荷で「低価格、中品質」と「利益の出し方」は極めたものの。
 「高価格、高品質」なエンタープライズ製品は最近始めたばかり、しかも未だ軌道に乗ってないどころか苦戦中。

 片や、HGSTというと・・・

 コンシューマー向け製品はぶっちゃけ得意じゃない上に、商売だってヘタクソもいいところ。
 但し「高価格、高品質」なエンタープライズ製品はお手の物で実績も相当あり、ぶっちゃけコレで喰い繋いで来ました、ハイ。

 両方が上手く組み合わされば・・・

 コンシューマー向け大容量HDDの大量出荷で「低価格、中品質」と「利益の出し方」を極めつつ。
 「高価格、高品質」なエンタープライズ製品もバッチリ売って更に利益上乗せ、儲けウハウハ。

 ・・・になるのかねぇ。
 少なくともWDの経営陣はこうなることを期待している筈。

 ◇

 さてこうなると、微妙に気になるのが他社への影響。
 順番に見ていきましょうか。

 ◇

 まず、Seagate。短期的にはプラスだが、長期的にはどうだか。

 理由はというと、まずWD+HGSTという形でHDD供給を受けていたメーカがWD&HGST+Seagate、という形に乗り換えてくるのが相当数見込めるため、短期的にはプラス。何だかんだで現時点ではSamsungよりは信頼されているし。

 一方で、長期的にはというと・・・ここ数年の品質&開発能力の低下からいつ復活出来るかにかかっていますな。個人的にはもう少し時間がかかると思うが。
 現状はというと、「カネはかかるがコレをやらないと生き残れない」という高密度プラッタ開発競争で既に最前線から脱落済の上、大騒ぎになったファームウェア問題も記憶に新しいところ。

 具体的な製品で見ていけば、低回転品のBarracuda LP(Green)で667GBプラッタを漸く採用するも、WDからは出遅れること半年以上。
 3TB HDDについてはBarracuda XTがアナウンスこそ早かったものの、600GBプラッタの安定に手こずり、大量生産の見込みが立ったのは本当に極最近という有様。
 というか・・・一昔前のSeagateの天下っぷりを見ていた身としては、なんだかなぁ・・・と。

 #HGSTですら7200rpm/667GBプラッタの大量生産がイケイケ状態なのに。

 ◇

 次、Samsung。こちらも短期的にプラスだが、長期的にもプラスの可能性が高いと思われる。

 理由は。短期的にはWD&HGSTに加えてSamsungを選んでくる会社も多くはないが少なくもないだろうという予想から。
 価格競争になると頑張ることが多いので、価格重視のベンダ系にはウケが悪くないのよね、Samsungって。
 昔に比べれば品質も接続性も安定してきたし。

 一方、長期的には。
 個人的にはデスクトップ分野では今後確実にシェアを上げて来ると思っている。理由は「ライバルのSeagateが自滅中」且つ「価格競争を諦めるつもりは無い模様」だからで、正直な話製品自体の競争力が強くなったとは思っていない。
 そして、Samsungの財力+日本のパーツメーカの技術力、という後ろ盾を最大限活用した結果、プラッタ密度競争でも現状悪くない立ち位置をキープしているのもポイント。
 特に先日の展示会に1TBプラッタの試作品を出してきたということは、製品化の目処も立っているという意味で、ヘタすると世界初の1TBプラッタ採用品出荷会社になる可能性も。

 #このプラッタは昭和電工製というウワサもあるが、未確認。
  同社のプラッタは密度競争ではWDと並んで世界の最先端を走っており、Samsung製HDDの多くで採用されているという事実がウワサに信憑性を与えている。
  ちなみに1TBプラッタはHGSTも既に試作品を完成させているという話もあるが、こちらもあくまで根拠無しのウワサだけ。

 ◇

 最後、東芝。・・・短期的には影響無し、長期的にはマイナスか。

 東芝はWDがメインにしていたデスクトップ分野には参戦していなかったんですな。ノート向け2.5インチと、富士通から引き継いだサーバ向けのみ。
 まぁノート向けではWD&HGSTからの乗り換え組が来る可能性はあるが、WDのノート向けは数量で見るとたいした数ではないので。
 そういう意味で、短期的に「おこぼれ」を授かるチャンスは無いと言っていいと思われる。

 そして長期的には・・・WDのカネとノウハウで旧HGSTのエンタープライズ部門は競争力を強化してくるだろうからその分不利になるのは確実。
 更に、もしSeagateが復活してくるとこれまた不利に。

 専業のWDやSeagate、国策Samsungと違って、他にもイロイロやっている東芝にはHDD事業を死ぬ気で維持する気合いも根性も無いだろうし。
 個人的にはSamsungと我慢比べ状態に突入した挙げ句、先に音を上げるんじゃないかと思っていたりする。
 その時の市況次第ではSamsungが買うかもね。

 ◇

 最後に、おまけ。
 実はWDとHGSTの3TB HDDを少し前に購入済みだったり。
 取り敢えず問題無さそうですが、詳細は次回の更新ででも。

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来年は3TBがボリュームゾーンへ。

 DigiTimesの記事から。

 Hard drives with 1TB platters to mature in 2011
 >http://www.digitimes.com/news/a20101222PD222.html

 2011年には1TBプラッタが軌道に乗るという話。わ~お。
 本日現在ではWDでも750GBプラッタでひぃひぃ言っているのだが、早くもその上は目処が立ってるってことかしらん。

 ◇

 にしてもHDD業界はホントに競争が激しいというか、浮き沈みが激しいというか。

 一昔前、プラッタ容量拡大の先頭を走っていたのはSeagate。実際、250GBプラッタまではかなりいい感じで来ていたのだが。
 あのSeagate騒動の元となった333/375GBプラッタで派手にズッコケてから泥沼な展開に。その後も意地というか何とか500GBプラッタを早期にリリースはしたものの、ぶっちゃけ未だに安定していないし。その状況でつい先日から(漸く)667GBプラッタドライブ出荷開始って・・・。
 ちなみにこのグダグダ、コスト削減を名目に開発費を派手に削って技術者を大放出したのが原因と言われている。

 さてこのSeagateが自滅したところで、プラッタ容量拡大競争はSamsung vs WestanDigitalという構図に。
 ところがこの競争は早々にWDに軍配が上がり、667GBプラッタ、750GBプラッタと現在に至るまで拡大一直線。WDの場合は密度を上げ易い低速回転ドライブを相当数出荷していたのが幸いして、まず低速回転ドライブに採用→こなれてきたところで高速ドライブにも採用、という流れが出来ている模様。とはいえ750GBプラッタは未だ選別品レベルとか、そんな噂も。

 一方、ひたすら我が道を行くのがHGST。この会社のHDD記録密度はSeagateやWDが「刻んでいる」のと見比べると明らかに「飛び飛び」だし、出荷製品は大体他社よりプラッタ密度低いし、それでも同じ容量が必要だからとコスト高を承知でプラッタ5枚なんてドライブをSATA市場に投入してしまうし。製品開発に対するポリシーのようなものが明らかにWDやSeagateとは違うように見える。
 ということで、この会社は密度競争とは無縁だと個人的には思っていたのであり。実際、最新3.5インチHDDでも600GBプラッタで、これは「要するに600GBプラッタが安定期に入った」ということだと思っていたのだが。

 ♯ちなみに物理フォーマットの違い故、HGSTの600GBプラッタとWDの667GBプラッタとは実際の記録密度はほぼ同一。

 ところがそのHGSTが、2.5インチで500GBプラッタを投入するとのこと。
 これ、面積を単純計算すると3.5インチだと1TB近いプラッタが作れるそうな。

 ・・・ってことは、既に3.5インチの1TBプラッタ採用ドライブは既に開発中ということだよな。いや、もしかしたら開発はほぼ終わっていてテスト中とか、或いは量産準備中とかなのかも。少し前にはHGSTが4TBドライブの開発をしているなんてウワサも出ていたし。

 ってまさか、HGSTがWDを追い越してプラッタ密度でトップに立つってことか?そんなことが実際起こるのかね?

 ◇

 まあ兎にも角にも、今年暫く2TBの壁から一歩踏み出した大容量HDDだが、どうやら来年の容量増加には期待できる模様、という話でしたとさ。

 ・・・って、いよいよ以ってマザーの2TB超え対応が大問題になるんじゃないのかね。おらAMD、どうすんのよ。

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3TBラッシュ。

 先日サイトにデータシートが載ったかと思ったら速攻で流通し始めたのがHGSTの3TB、7K3000シリーズ。
 これに関してHGSTはアナウンスもプレスリリースも出していないようなのだが、ブツが速攻で現れるのはさすがアキバといったところかね。

 このHDD、仕様を見てみると600GBプラッタで5枚・・・HGSTってホント好きだね5枚プラッタ。とはいえこちらはAFTではない=損が多いので、記録密度的にはWDでいうAFTな667GBプラッタと同等の筈。
 そしてここ数世代は安定性重視でプラッタ容量控えめ路線のHGSTが採用したということは、コレ位の記録密度についてはもう安定しているということかね。A7K3000のアナウンスこそ無いが、確かにWDも667GBプラッタな2TBを大量販売中だし。

 ♯それに、シリーズには2TBと1.5TBがあるので、600GBがダメでも500GBプラッタとして十分使えるし。それでもダメなら400GBプラッタにして7K2000作れば・・・。

 まあプラッタ密度の話は兎も角、個人的には7K3000より注目なのが同時にデータシートの出た「5K3000」と、そしてこっちは殆ど誰にも注目されていない「5K1000」。
 Deskstarで5K型番が出るのって物凄く久しぶりな気がするのだが、ずっと放置していた省エネ低回転路線にいよいよHGSTが参戦するということ。
 さて果たして何時どれぐらいの値段で出てくるのか、そもそもリテールパッケージが出るのか。そして販売戦略はどうか・・・例えばWDとの価格競争に5Kをぶつけて7Kは高価格維持を狙うのか等、イロイロと見ておきたいところ。

 ◇

 しかしまあ、現状ではやっぱり互換性と値段の問題が。

 このうち値段の方は、2TBが既にエンドユーザー以外誰も(作る人も売る人も)幸せになれない価格にまで暴落してしまっているので、当分の間割高感は抜けないととは思うが、とはいえバルクなら年内に¥2万は切るような気が。
 そして割高ではあるが絶対価格的には許せなくもない、というラインになら1年も待たずに到達する気がしますな。

 一方「どーなってんのよ」というのが互換性の問題。

 現状では、本命はSandy Bridge以降、という雰囲気が漂いまくっているような。何せIntel純正MBですら未だにEFIでは不具合が残っていたりするし、RAIDでは2TB超は未対応(そう遠くないうちにアップデートするらしいが)。
 でもまぁ、Intelは方針が明確なだけマシっちゃマシなのよ。

 AMDチップセットでの対応は?
 Marvell 6Gbps対応品以外のSATAチップでの対応は?
 USB変換チップ(特にUSB3.0対応品)の対応は?

 ホントどうなってるんだか。
 皆さんとっとと情報出してくれよ、と。
 APUの話もいいがもっと直近の話もしてくれよAMD、と。
 SATAの話をしているのにアンタは出てこなくて良いんかいSiliconImageよ、と。

 今のところ、ほんの少しだけでも情報を出しているのは国内では玄人志向ぐらいしか見当たらない。

 例えば世間で売られているUSB変換なHDDガワとかアダプタの殆どはJMicron製チップだが、コレは最近のものならハードウェア的には2TB超に対応している(一部はファームのアップデートは必要)。なので、このテのガワの対応情報なんて速攻で出回っても良い筈なのに、それが出てこない。売ってる側やる気無いよねコレ。

 なんつ~か、使う為の敷居が下がらないと数が出ない→値段下がらない→高いから売れない、という悪循環になりかねないような。

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