けいおん!から始めるキーボード (その1)

 タイトルに書いた漫画>アニメ放送開始の影響と思われるのですが、当方に「今買うならシンセって何がいいの?」という話が聞こえてきたりしたので、さらっとメモしておきます。

 ◇

 ちなみにアニメで使っていたのはKORGのTRITON Extremeでしたな。KORGが真空管ブームだった頃(笑)に出た、TRITONシリーズの最終モデル。
 61Keyモデルが発売当初の2004年には¥20万ぐらい、販売完了の2006年には¥13万ぐらいで売られていた気がします。

 バンドのメインキーボードとして見ると、これは悪くないチョイスでしょう。
 TRITONシリーズの集大成というとやや方向性がズレるものの、この世代ではトップクラスのワークステーションであり、且つライブパフォーマンスでも十分使い物になる。
 敢えて欠点といえば、ガールズバンド用としてはややゴッツイ&重いことぐらいでしょうかね。

 #ちなみに、実機はあんなに明るくタマ(真空管)は光ってなかった気がします。

 あと、他の楽器についても、(シンセ畑な自分でも一通りモノは分かったぐらい)ベーシックで良いチョイスだと思います。原作者、楽器好きなんでしょうな。

 ◇

 閑話休題。

 まず、バンドキーボードの選び方について。

 「弾いて気持ち良くて、おカネが足りるモノ」

 ・・・いや、これマジですって。
 といっても、これじゃ不親切極まりないので、もう少し。

 最重要チェックポイントは、以下の4つです。
 全て重要です。この4つについては優劣はありません。

 1・バンドキーボードとして適切か。
 2・お値段は予算内か。
 3・キーボードは演奏し易いか。
 4・コントローラは使い易いか。

 3・4については「必ず実機に触って確認」が鉄則です。
 安い買い物ではないんです、間違っても「触ったことない機材を最安値の通販で買う」はやってはいけません。

 #触って納得したら、最安値の通販で買うのはアリですが。

 あと、余裕あれば以下も。これらは上4つの項目を全て満たしてから、です。

 5・ルックスは好みで、持ち歩きは現実的か。
 6・音質は好みか。

 以降、具体的にいきます。

 ◇

 1・種類。

 まず、キーボードといっても、実は世間には大きく4つのグループがあることを御存知でしょうか。
 それぞれ特徴があり、使いどころも異なります。
 このグループ選びを間違えると、ぶっちゃけ後悔しかしません。

 その4つのグループとは、以下の通りです。

 1・シンセサイザ
 2・ワークステーション
 3・キーボード
 4・アレンジャー

 ※注意!このグループ名称はあくまで便宜上であり、業界で統一されているワケではありません。
  他所では通用しなかったり誤解されたりする可能性がありますので、ご注意下さい。

 このうち、バンドキーボードとして適切なのは3の「キーボード」です。

 それぞれについては、以下に軽く。

 1・シンセサイザ

 ステージで「演奏」することを主眼においたキーボードです。
 ステージ上で音を操る・加工する機能やコントローラは満載ですが、曲作りには向いていません。
 また「飛び道具」として使える(それ以外には使えない)、低価格だが個性的な製品も各種あります。

 2・ワークステーション

 1とは逆に、スタジオで「曲作り」をすることに主眼を置いたキーボードです。
 シーケンサ等の「作曲支援」が充実している一方、その分どうしてもお値段がお高く。
 値段が高い分、最近ではステージでもメインキーボードとして使える製品が殆どです。

 3・キーボード

 1と2の合いの子「良いとこ取り」のようなものです。
 「ワークステーション」としての機能は必要最低限のものに抑えつつも搭載し、片やシンセサイザの「操作性の良さ」をも取り込んだ製品です。
 ファースト・シンセ、ファースト・キーボードならまずコレ。

 4・アレンジャー

 日本じゃ売れてなんですよね、コレ。欧米では普通にメジャーな一ジャンルです。
 簡単に言うと「一人バンド」向けのキーボードです。
 バックやドラムの自動演奏等、「曲を飾る」機能が充実しています。
 明らかにバンドキーボード向けではないですね。

 ◇

 2・予算

 種類について触れたところで、次に値段。
 キーボードの価格帯ですが、おおよそ以下の3段階になっています。

 ・¥5万前後
 ・¥10万前後
 ・¥20万以上

 それぞれに特色があり、高ければ・安ければイイというワケでもなかったりします、が。

 「キーボード」として使うなら、¥10万円前後というクラスが最安値です。
 ¥5万円クラスには「シンセサイザ」しかありません。

 勿論、おカネが余ってるなら日本の景気のために¥20万以上という「ワークステーション」を買っても構いませんが・・・。

 ◇

 以上、種類と予算の話が出てきてしまったので、一気に実機名を出してしまいましょう。

 KORG TR
 想定価格:¥7万
 個人的お薦め度:☆☆☆

 ・生産完了品のため、モノがあれば割安な処分価格で入手可能
 ・高度な演奏表現が出来るアフタータッチに対応

 既に生産完了のため何処でも売ってるワケではないですが、処分価格で入手できたらラッキーな機種です。

 TRITONの流れを汲む軽量なキーボードですが、ポイントは鍵盤。実は現行のM50より良質な鍵盤を搭載していて、高度な演奏表現が出来るアフタータッチに対応しています。

 もちろん、音質や機能といった面でも、現在でも第一線で使用するのに全く問題ありません。確かにタッチパネルこそありませんが、値段も割安で良質な鍵盤が手に入るということで、個人的なお薦め度は高いです。

 
 KORG M50
 想定価格:¥9.5万
 個人的お薦め度:☆☆

 ・タッチパネルと大きなボタンで操作し易い
 ・小型軽量

 KORGの最新モデルのウリは、タッチパネルと大きめボタン。ことシンセというのは操作性が独特で慣れないと分かり難いというのは事実なので、この価格でのタッチパネル採用はポイント高いです。

 また、音源もアップデートされた上本体も軽量化され、キーボードとしての魅力をかさ上げして来ました。
 価格・機能・性能、どれを取っても初めてのキーボードとして悪くないと思います。

 #音はやっぱりKORG色です。

 
 Roland JUNO-G Version 2.0
 想定価格:¥10万
 個人的お薦め度:☆☆

 ・サンプラ/簡易レコーダ搭載
 ・オプションで音色追加が可能

 Rolandのこちらのモデルは実売価格で微妙に高いですが、ウリはサンプリング機能。
 予め録音したり、パソコンから転送した音を使って演奏したりすることが出来ます。例えば猫の「にゃ~ん」という声を録音して、それに音階を付けて鍵盤で演奏する、なんてことも。

 こちらも初めてのキーボードとして悪くない選択だと思います。

 #音はやっぱりRoland色。

 
 YAMAHA MO6
 想定価格:¥9万
 個人的お薦め度:☆

 ・最上位機種MOTIFの機能限定版
 ・音色や機能もMOTIFから継承

 YAMAHAのプロ向け製品は良くも悪くも本当に「玄人向き」です。
 このモデルも、KORGやRolandと違い本当に「最上位機機種の廉価版」という発想で作られています。

 そのため「スジは悪くないのに、ぱっとしない」という、少し可哀相なモデルです。
 つまみやボタンが多数配置され、カラダが覚えてしまえば操作も素早く出来たりもするのですが。
 その分本体も重く大きく、キーボードとして見た場合、これといったウリも見あたりません。

 まあYAMAHAの音が好きな人には良いんじゃないでしょうか・・・としか。

 ◇

 以上、4機種程取り上げてみましたが、いかがでしょうか。

 実は「10万円前後のキーボード」というのは、価格と内容を比べてみた場合、とっても「お買い得度が高い」一品なのです。

 ちなみにこれでも「高い」という方には、おカネをもっと節約出来る「中古シンセ」というテもあるのですが、これは後で。

 ◇

 ・・・えっと、単独blog記事としては妙に長くなってしまいました。
 書いてる方の想定を越えてしまったので、続きは明日にします。

 #あと、この記事も後でもう少し整理して単独頁に切り出します。

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Posted in DTM

DTMer、64bitへの壁。

 さて、世間ではSonar 8が出ているご時世、手元はSonar 7。
 とはいえ、最近メモリがキツい。調子に乗ってplug-inをロードしてると、32bitの限界なんてあっという間に見えてしまうという。

 #テクが無いからその分色々plug-inとか突っ込んで誤魔化そうとしてるのっ。
  そこんとこツッコミ不可。事実なんだから。

 一方、メモリは原価割れで販売されまくっているせいで、とってもお手頃価格。
 ホントはモジュール当たり4GBなモノが欲しいのだが、メジャーメーカーからモノが出ていない以上手は出せず。仕方ないので2GBモジュールを買うが、ソケット満タンの4本買ってもこれも大したお値段ではなく。

 ということで、Sonar8にお布施を払うついでに、64bit化というのもアリかと思ってしまい、ちょっと調べてみたのだが。
 Sonar7の時も色々出ていたが、8の不具合報告、ちょいと多過ぎやしないか?
 ・・・うわぁ、8.3.1の国内評価が定まるまで様子見かなコレは。それとも、8.3.2とか出るのか?

 何しろミクのこともあったんで、色々言われていることは分かって居ても7は入れたのだが・・・
 その後何だかんだで色々VSTやVSTiが増えてしまって、今ではすっかり「環境」が出来上がってしまい。

 コレを再構築するのはそれなりに手間なので、この手間に見合うだけの価値となると・・・。

 #FX Teleport?アレは別にPCが必要だし・・・。

 ◇

 ところがここで、更に次のネタが。

 当たり前なのだが、手元のVST pluginにVSTi、全部32bit版。ついでに何故かDXiもいくつかあり、当然32bit版。
 DTMと言いつつ手元にソレっぽいハードはUSB鍵盤とオーディオカードだけしか無いので、音を出すのも加工するのもソフト頼み。
 これらが動かないと、お話にならないのだが。

 動作原理上、64bitアプリから32bitDLL(=32bitVST/VSTi)は余程アレなことをしない限り、呼び出せない。
 つまり、手元の大量のVST/VSTiが使えない。

 #余程アレなことをすれば呼べる。32bitアプリから16bitDLLも呼べるし。

 ところが、コレをやってしまうと実際まともに音が出せなくなるのはメーカ側も分かっているので、Sonarの場合はBitBridgeという機能が実装されている。間に別プロセス咬ませて32bitDLLを呼び出す仕組みですな。
 Sonar自体64bit版はSonar6から存在しているので、Sonar8でコレは3代目ということになる。

 #Cubaseよりこういう所は進んでいる。

 とはいえコレも、どうも評判が宜しくない。そりゃあくまで過渡的処置なのは分かっているが。
 システム負荷にクるものがある、呼び出し側が1プロセスなので32bit VST全体で2GBの壁がある、ここまでは仕方ないとしても、不具合やら不安定報告やらがぼろぼろと。

 まあ結局「64bit版使えよ」というのが正しく、そんなことは言われなくとも分かっているが。
 そりゃ、そりゃカネがある人は新しい64bit版のVSTを買うのだろうが。

 手元の大量の32bit版のVSTやVSTiは・・・。
 それに、フリーとか少額シェアのVSTやVSTiなんて、当分64bit化されないだろうし。

 ◇

 とまぁこれだけ悪条件が重なるとさすがに当方でもドン引きなのだが・・・
 世間ではVista64に32bit版アプリを乗せて使っている人達が居る模様。

 そういう話を調べてみると・・・

  • システム全体で4GB以上認識出来るので、32bitアプリでも2GB(or3GB)の壁の中を全て使える。
    32bit環境ではハード制限やらOS使用領域やらがあるので、この差は結構デカい。
  • Rewireで繋げば、そちらも2GBフルに使えるので見かけ上使えるVSTが増える。
    FLとか、CPPPあるならProject5LEでも繋いでみれば?
  • Vista64にして64bit版入れてみたけど、いろんな意味で使い物にならない。
    音楽作りしたいなら64bit版は正直未だ無理。

 等々。意外と使い心地よろしいようで。
 まあ、いろんな意味で折衷案というか。メリットも多くはないが、デメリットも小さいというやり方ですな。
 これ確かに、ある意味一番正解な気がする。ただ、この程度のメリットとシステム再構成の労力が見合うかどうか。

 ◇

 ・・・え゛~っと。
 結局、どうすればいいのかね。困ったもんだ。

 取り敢えず、焦って飛び付いてもあんまり嬉しくないということは良く分かった。
 そうなると。

 ・Vista64+Sonar8に飛び込んで思いっきり後悔する
 ・TrackDown(TrackFreeze)でチマチマとメモリ上限から逃げつつ現状の環境を維持する

 選択肢はどちらかだ。

 ・・・やっぱ見送りかね、Windows7までは。

 #古い人間なもんでTrackDownには慣れております、えぇ…。

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NAMM合わせチェック(後編)。

 今年も来ましたNAMM Winterの季節、その2。
 前編に続きまして、今回は当方のようなライトDTMerにとってめぼしいモノをチェックしてみるとします。

 とはいえ、そんなに色々出てきたということでもなく。取り敢えず目に付いた、2点ほど。

 ◇

 その1、ACID Xpress 7

 タダで使えるACID XpressがバージョンアップしてVer.7に。有料のフル版が5→6→7とかなり機能増強されたことを反映して、フリー版にもだいぶ機能増強がなされているようです。

 とはいえ、相変わらずのトラック制限は10と厳しいのは無料版故仕方ないところ。
 あと英語版だけなのも相変わらず。

 ただ、トラック数故「曲作り」には厳しくとも、ちょっとしたトラックメイク、サウンドトラックの切り貼りにはかなり重宝しますよ。操作性も画面構成も分かり易いですし。

 どうせタダなんだし、触ったことが無いという方は一度ダウンロードして試してみるのをお薦めします、はい。

 #これだけ制限の厳しい無料版だというのに、世の中にはこれだけでカッコいい曲を作ってしまう人も実際に居るんですよねぇ・・・sigh…

 ◇

 その2、Roland UA-1G

 RolandのUA-1シリーズの最新版はCakewalkブランドで出てきました。

 現行のUA-1EX最大の問題はマイク入力がプラグインパワーOnlyということだと思っていたので、写真を見る限りではコレが解消される模様。ただ、低価格機ということでダイナミックOnlyですな。

 まあ、内部のプリアンプが腐ってさえいなければこの価格帯ではダイナミックOnlyでも合格だと思うので。
 後は現物が出てきてから、ノイズレベルやマイクとの相性をチェックしないと分かりませんな、正直。

 しかしMIDI I/FやV-STUDIOもCakewalkブランドにしてきたといことは、EDIROLは映像モノ向けに振って、音響・MIDIはCakewalkで統一するってことですよね、多分。
 ・・・今更分けんでもええのに。 

 #Rolandってホントに昔っからブランディングは下手だねぇ。

 ◇

 まぁこんなもんですかね。今年はあの「音響界の100円ショップ」ことbehringerも特段の新製品は投入してこなかったし。

 ◇

 Seagate方面は本日特に動きなし。

 一方で、突然死の原因として別のネタが登場。
 これによると、テストに使う予約領域の初期化忘れとバグったファームの組み合わせで、あるタイミングでHDDがテストモードに入ってしまうのが突然死の原因であり、アップデートファームで解消済み、とのこと。

 ・・・これ、バグ発動の流れを見ると、以前maxtormanが投稿した内容と重なる部分が多い気がするんだけど、気のせいかな・・・。

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NAMM合わせチェック(前編)。

 今年も来ましたNAMM Winterの季節。
 このところSeagateのトラブルネタが続いてしまったので、ここらで一息入れましょう。

 毎年数社がNAMMのレポートを出していますが、今日時点できちんとしたものが公開されているのはRock On Musicのものぐらいですかね。
 他の会社なんかもあと1~2週間待てば各所で公開されると思います。

 ◇

 さて、今年も色々出ては来ましたが。
 当方の個人的興味には、特別ピンポイントで引っ掛かったモノは無かったですな。
 とはいえ、気になるモノが無かったかというとそういうこともなく。

 まず、ハードシンセではRolandですか。色々出してきましたな。

 その1、どうやら今回の目玉だったらしいモデリングデジタルピアノ、V-PIANO。いよいよハードシンセでコレが来たか、とも思うが、実はソフトシンセでは「Pianoteq」という有名なモノがあるのですよ。

 その2、AX-Synthはステージプレイヤーにとっては目が行く製品の筈。「ショルキー」って言い方は最近でも通じるのかしらん。
 ただ、当方のようにステージに縁のない人間には、ね。個人的には買うなら「ショルキー」より「イーウィ」(AKAIのEWI)だと思うし。

 片やソフト系は、といいますと。

 DAWソフトではSONAR8もCubase5も、いわば「お約束の」アップデート。
 今回はSONARがやや停滞という印象の一方で、Cubaseは漸く停滞域を抜けてアグレッシヴに進化したようなので、実物が出てくればまたちょっと面白いかも知れない。
 とはいえ、実物が出てくるのはだいぶ先だからなぁ・・・と。

 プラグインやソフトシンセはといいますと、毎年色々出てくる中で個人的に今気にしているのはMelodyne DNAだが、コレも実物が出てくるのはまだ当分先の模様で。

 ◇

 まあ個別製品は兎も角、全体で見ると最近の音楽制作風景が見えてくるというか。
 最近の流行はフィジコン。個人的には「漸く来たか」という感じなのだが、色々選択肢が出てくることは良いことです、はい。
 当然、元祖フィジコンであるキーボード類もコントローラ充実&ソフト連携という方向へ。これも大歓迎。

 #にしても、Live!のABLETONと組んだAKAIのAPC40と、NIのMACHINE、やることが似てるとフィジコンも似るものですな。設計者同士、お互いの製品を初めて見た時はびっくりしたんでないだろうか。

 あと、音楽制作系ソフトを売っている会社がオーディオI/Fやフィジコンを揃えたり、ラインナップ拡張したりしてきているのも最近の傾向ですな。
 まあ要するに、トータルラインナップへの拡張という、分かり易い方向性ですな。

 ◇

 ・・・えっと、思ったより長くなってきたので一端分割。
 次記事ではライトDTMer向けのネタを2つばかりメモることにします。

 ◇

 P.S.
 本日のSeagateは特に動きが無い模様。
 Brinksこと333GB/375GBプラッタ世代向のアップデートファームが公開され始めたぐらい、ですか。

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衝撃のキータッチ。

 いや、これ初体験ですよ。
 何がって、nanoKEYのキータッチ。

 ブツはこれ、最近Gadget系のplayerにヒット連発中のKORGが出したUSB接続の入力特化形ミニキーボードですな。
 小さくて安くてお手軽、を体現したこの一品、ライトDTMer必携の一品になる気がして、モノが出回り始めたところで店頭で早速触ってみたのだが・・・その感想が、コレ。

 何しろ、シンセサイザ用のいわゆる「鍵盤」だというのに、その構造はノートパソコンでおなじみのパンタグラフときたものだ。

 即ち、キーが「水平に沈み込む」んですよ。更に、黒鍵も白鍵も同じ高さ。
 私のように20年以上も「キーボードとは根元支持で、キーは奥が浅く手前が深く押し込めるもの」そして「黒鍵はキーが高いもの」という固定概念を持ってきた人間にとっては、もうこれだけで指先パニックですよ。

 ◇

 ただ、その感覚を抑えて冷静に評価してみると、やはりこれは「ライトDTMerには必携の一品」になる気がする。

 まず、DTMやるならやはり「鍵盤」があると便利さが違う。音作り一つにしたって、いちいちマウスでソフトキーボードを叩いたりするより、片手で鍵盤を適当に叩きながら音を好みに追い込んでいく方が何倍も効率がいい。
 ところが、従来ある「鍵盤」製品はあくまでも「弾ける」ことを前提にしているため、ライトなDTMerにとっては「デカくて値段も高い」ものに見えていた筈。

 そこに、この一品。低価格・手軽・小型。取り敢えずキーボードっぽいものが欲しいがサイズや値段で躊躇していたライトなDTMerにでも、これならまぁ「騙されたと思って」と言えるギリギリのラインに留まってる。

 それに、ノートPCとセットでモバイルDTMのお供なんかにも悪くないと思う。ノートPCのキーボードを仮想的に鍵盤にするソフトウェアも珍しくはないが、手に馴染んだDAWソフトならキーボードショートカットをそれなりに使っている筈で、ソレと仮想鍵盤は衝突してしまう。
 その点コレなら衝突する心配は無いし、こんな形してイニシャルタッチにまで対応しているので、指が慣れればそれなりに弾ける筈。

 ◇

 ということで、もしかしたらここ数年では一番「衝撃的」だったかもな、師走の某店頭での出来事でしたとさ。

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