検証まとめ・・・ Trinity APU の立ち位置は。(Trinity Review No.5)

 さて、Trinityシリーズも5回目。そろそろ〆といきましょう。
 今回はTrinityの用途とか、適したフォームファクタとか、そういう話。

 その1◆Trinityのキャッチコピーを考えよう。

 「どうせ買うなら、楽しい方」

 現在のTrinityの立ち位置を一言でまとめるなら、こんなキャッチコピーになるのでないかと。

 #何だかクルマ風だけど。

 パーツ一式揃えてから、Win8環境でのテストも兼ねて普段使っているアプリの類(非ゲームばかり)を触ったりもしてみたのだが。
 およそ一般的な「ビジネスアプリ」では力不足を感じることは無く、概ね快適に使えてしまった。
 また、電力管理はさすがに完成度が高く、全力稼働時の消費電力は低くないにも関わらず、通常使用では平均消費電力はかなり抑えられている。

 更に、GPUの項目で取り上げ損ねたが、GPUの動画再生支援能力もかなり強力。
 30fps・3MbpsのFull-HD mp4(YouTubeの前面展望動画)を再生して、CPU負荷が3%ってのはさすがにどうかと。

 #ちなみにRadeon 6450+Phenom IIX4 910eだとCPU負荷15~20%程度。

 一方で、CPUの演算能力はというと、はっきり言ってIntelに全然敵わない。
 確かに「大抵の用途で間に合う」レベルには達しているが、でも決して「パワーが溢れている」状態ではない。

 こんなことを考えていたら、何となく最初に書いたキャッチコピーが浮かんだワケですよ。

 その2◆最適な用途は。

 HTPCと、非ヲタク系PCユーザーの普段使いPC。

 「HTPC」

 まずは本命、ホームシアターPC。映像出力が強いのだから、これは当然の帰着点。
 強力な動画再生支援に、充実したデジタル出力。オーディオは何ならお気に入りのDACをUSBにぶら下げましょう。
 プロジェクターや立派なオーディオ機材が無くとも、自宅TVがある程度大きかったり、ちょっと高いヘッドホンを持っているなら、HTPCの楽しさに入門することは出来ますよ。

 ・・・とはいえこれは当たり前過ぎる話。
 個人的には次が本命だと思っている。

 「非ヲタク系PCユーザーの普段使いPC」

 Trinityの性能バランスを見れば見るほど、ヲタよりも非ヲタにこそウケがいいのではないかと真剣に思ってしまうのであり。

 何しろ、日常での使い方を前面に押し出す非ヲタ向けのアピール方法ならば、CPU性能がネックになる場面は圧倒的に少なくなる。
 今時非ヲタでもYouTube・ニコ動・USTREAM辺りはほぼ常識だが、強力な動画再生変換支援はCPUの弱さを十分にカバーしてくれる。
 デスクトップでのアプリ画面描画も、何しろGPUが強力なのでサクサク動く。

 これがヲタ向けとなると、途端に「CPUが弱いから・・・」という話になる。

 なので、非ヲタに売るPCにこそTrinityは向いている筈。ここはAMDの営業が頑張ってPC各社に売り込むべき。

 #「低価格エンターテイメントPC」は全部Trinityで良いと思うんだ。

 その3◆最適なフォームファクタは。

 Mini-ITX。これしかない。

 全部載せで、小さくて、楽しくて、AV機能の充実したマザーが欲しい。
 3画面フルデジタル出力と高音質HD Audioは最低限、Bluetoothや無線LAN辺りも積んでると嬉しい。
 リモコンなんか付いていると更に遊べるかも。

 こういうマザーに65W版のTrinity、この組み合わせが恐らく一番「Trinityの強み」を活かせる組み合わせだと思う。

 #この記事を書いている時点で未発表だが、個人的にはAsusとかZOTAC辺りに期待かな。GIGABYTEはどうかしらん。

 それともう一つ、Trinityに絶対に必要だと思うマザーがある。
 それは、OC可能なフル装備Micro-ATXマザー。

 MicroATXというお手頃サイズで、ちょっとしたOCも楽しめて、且つ安定度は抜群という一品。

 というのは、TrinityにATXマザーは「大きすぎる」と思うので。
 何しろCPUとオンボードでほぼんでしまう。ストレージもSSDなら小さくて済む。
 単品GPUを追加するにしても、他に刺すものが無ければMicroATXマザーで十分。

 コンセプト的にはMAXIMUS IV GENE辺りに近いが、アレよりはもう少しお手頃に。
 手元の GA-F2A85X-UP4 のまんまmicroATX版、なんてのがあるとドンピシャかと。
 値段は10K台前半で。フォームファクタ考えればチップセットはA75でも十分かも。
 そんなコンパクトなマザーにA10-5800「K」を載せて、ちょっとしたチューニングを楽しむ、ぐらいの方が「丁度いい」。

 何しろこのデフレ、そして自作PC離れ時代。
 自作PCの醍醐味である「チューニング」を低価格かつお手軽に楽しめる、そんなプラットフォームがあっていい、いや必要だ。
 APUはもうそこにある、値段も悪くない。ケースもCPUクーラーも電源も、SSDもHDDも選択肢はいっぱいある。

 後は、マザーだ。
 APUの魅力を最大限引き出せるマザーが出るか、これがTrinityの命運を握ると言っても過言ではないと思う。

 ◆

 ・・・まぁ、こんな感じで。
 取り敢えず、5回続いたTrinityな連載も今回が最終回。

 次回は「ついでに」AMDのプラットフォーム戦略をちょっと考えてみることにしましょ。

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GPUとしてのTrinityを検証する。(Trinity Review No.4)

 さて、Trinityシリーズの4回目。GPUについて見てみましょう。
 とはいえ、そこらのベンチマークアプリの値なんていくらでも見られるので、その辺りは割愛して。

 その1◆「メモリクロックがGPUパフォーマンスを直撃する」は健在か?

 兎に角GPUにはメモリ帯域が苦しいのがAPUの特質。なのでメモリのクロックアップは速度向上に直結する。
 Llanoは実際そうだった。では、Trinityはどうだ?

 論より証拠。3DMark 11で試してみた。

 DDR3-2133 → P1603
 DDR3-1866 → P1540
 DDR3-1600 → P1466
 DDR3-1333 → P1360

 ・・・相変わらずですなこりゃ。

 定格であるDDR3-1866からOCである2133に引っ張り上げるだけで、これだけパフォーマンスが改善される。
 1600→1866と比べると伸び率は落ちてはいるが、それでもDDR3-2400の値を期待出来る程度ではある。

 #DDR3-2400は設定を詰め切れずベンチ取れず・・・何しろここの管理人はOC慣れしていないもので。

 つかこの数字を見ると、AMDが当初DDR3-2133を定格にしたかったというのも納得というかなんというか。

 逆に、低価格故に選択する人が多いと思われるDDR3-1600では、APUの定格であるDDR3-1866と比べても相当パフォーマンスが落ちていることにも注目すべき。
 これじゃ折角のGPUが活かせてない。

 その2◆メモリクロック向上でパフォーマンスバランスはどうなる?

 取り敢えず、メモリクロック向上でグラフィック性能が上がるのは明確になった。
 ここで、先程の数字をもちっと詳しく。

 DDR3-2133 → P1603 / 1471 ・ 3560 ・ 1393
 DDR3-1866 → P1540 / 1414 ・ 3554 ・ 1307
 DDR3-1600 → P1466 / 1345 ・ 3466 ・ 1234
 DDR3-1333 → P1360 / 1250 ・ 3382 ・ 1102

 それぞれ Graphics・Physics・Combine。

 ここで注目すべきは、DDR3-1866とDDR3-2133でGraphicsの値は+57と伸びているのに、Physicsの値が殆ど誤差程度しか変わっていないこと。
 これは即ち、DDR3-1866より上にはCPU側が追いついてこないということに他ならない。

 #但しDDR3-1600・DDR3-1333時のPhysicsの値の落ち込みにも注目すべきね。

 対するGPU側は明らかに伸びしろがあり、DDR3-2400ではP1650、Graphics 1515ぐらいは望めそうではある。
 メモリの設定を詰めればもう少し伸びるかも、とも思わせる数字ですな。

 結局、パフォーマンスバランスという意味では最初っからGPU偏重なのがAPUなのだが、そのバランスは定格使用時にギリギリ保たれていると言って良いのかも知れない。

 その3◆GPUまとめ。

 ・A10-5800Kの内蔵GPU速度は、定格のDDR3-1866メモリを使っていても単体VGAであるRadeon 6570とほぼ同等。
 ・GPUに限ってみるとメモリ速度は相変わらず重要、DDR3-2133を使えばP1600は出せる。これは単体VGAであるRadeon 6570以上の速度ということ。
 ・逆に低速メモリは命取り。

 こんな感じかな。
 いやはや優秀ですよ。マザーさえ選べば3画面出力も出るし、GPUに関しては死角無し、と言っていいかもしれない。

 とはいえ、APUのメモリ帯域はもう限界に来ているのも確か。
 Trinityでは何とかギリギリ踏みとどまれた、という感じだが、次はどうするのかしらん。

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PiledriverコアとしてのTrinityを見てみる。(Trinity Review No.3)

 さて、Trinityのシリーズ3回目。いよいよベンチとかが来ます。
 今回はテーマ毎に一段落ということで。
 まずは、Piledriver Coreの出来をチェックしてみましょ。

 その1◆処理速度はどうよ?

 ということで、実際にベンチを回してみることに。
 以下は全て、メモリはDDR3-1866相当で駆動。要するに完全定格ですよ。

 CrystalMark 2004R3(4.0GHz@TC作動 2Unit4Thread)
 → ALU 52707、FPU 43442、Memory 31944。
 → GDI 10487、Direct2D 2728、OpenGL 3760。

 非常にLegacyなベンチマークだが、現在でもゲームとコンテンツクリエイション系以外の殆どのアプリはこの頃から構造的に進歩していないので、実際問題としては比較基準として使い物になると思われる。
 といっても比較対象が無いと比べようがないので、参考値を。

 参考値>Intel Core i3-2100(3.1GHz 2Core4Thread)
 → ALU 45000、FPU 45000、Memory 35000。
 → GDI 16000、Direct2D 2700、OpenGL 3800。

 参考値>AMD PhenomIIX4 910e(2.6GHz 4Core4Thread)
 → ALU 40000、FPU 39000、Memory 31000。

 整数演算のIPC(クロックあたりの命令実行効率)はDenebと比べて2割減といったところの模様。
 Deneb 2.6GHzとタメになるのはPiledriver 3.1GHz程度と想定される。
 なのでクロックダウンを行い、実際に検証してみた。ついでにCore i3とクロックも揃うし。

 CrystalMark 2004R3(3.1GHz固定 2Unit4Thread)

 → ALU 40953、FPU 33109、Memory 29243。
 → GDI 8739、Direct2D 2515、OpenGL 3726。

 うん、こんなもんだ。
 一方、泣きたくなるのが対SandyBridge。
 ぱっと見るPiledriverの方がおおよそ10%減、まぁこの程度なら・・・とも思いきや、コア数が倍違うんですよコレ。

 更にオマケ。2.6GHzまで落としてみた。

 CrystalMark 2004R3(2.6GHz固定 2Unit4Thread)

 → ALU 34011、FPU 27391、Memory 27306。
 → GDI 7877、Direct2D 2390、OpenGL 3676。

 う~む。正直コメントしづらい。なので、話を進めて。

 浮動小数点演算のIPCを見てみると、対Denebだと約3割減、対SandyBridgeで4割減といったところか。
 構造的に浮動小数点演算を「見捨てて」いる形にも関わらずこの数字というのは、個人的には善戦していると言っていいと思う。

 #というか、ここまで割り切った構成で且つこれだけの成績を出せるってのは、ある意味整数演算よりPiledriverの思想を体現している気がする。

 とまぁ、こんなところで。
 Piledriverは良くも悪くもBulldozerのマイナーバージョンアップである、ということを再認識しましたとさ。

 その2◆消費電力はどうよ?

 取り敢えず他に思いつかないのでOCCTを使って試してみる。 

 4.2GHz → 128W
 4.0GHz → 122W (3.8GHz定格設定だがTurboCoreが効いて全コア4GHzで動作状態)
 3.0GHz → 108W

 3.8GHz →  40W (アイドル)

 当方の環境ではTurboCore ONにすると全コア4.0GHzで駆動する模様。最初のベンチでもTCで4GHzになっていたので。
 そういう意味では、TurboCoreって結構効き易い模様。

 但し全コア4.2GHzでVcore定格のままではかなりフラフラで、OCCT放置も1時間は大丈夫だったが2時間は超えられず。
 TC4.2GHzってコア性能をかなりギリギリまで攻めている模様。
 まあCPUの個体差もあるし、電源がヘボい(&くたびれてる)ということもあると思うので、もっとまともな電源使えば余裕なのかも知れないが。
 とはいえこの価格帯のシステム組む人が¥20Kを超えるような「しっかりした」電源を選ぶとも思えないので、一つの目安程度にはなるかと。

 #ちなみに、電圧盛ったら全コア4.2GHzでもさくっと安定したが、消費電力も盛り分にふさわしく増加。
  VCore盛りは2乗で消費電力に効いてくる、その分発熱にもダイレクトに反映される、のでね。

 一方で、クロックを3.0GHzまで落としても消費電力は意外と減らない。つかたった14W差?
 なんというか、この辺りがPiledriverのアキレス腱なのね、と納得してしまった。

 そもそも、CMOS回路の消費電力は大雑把に言うとクロックに比例し、電圧の2乗に比例する。
 ところが最近のCMOSでは微細化の影響で、この比例分に加えて「漏れ電流」という、常時流れっぱなしの電流による「使用電力の底上げ」があり、こいつがヘタすると比例分よりも大きかったりするというとっても辛い状態になっている。
 今回、CPUクロックという「比例分」を下げても消費電力があまり下がらないということは、要するに「漏れ電流」が多いということ。逆に言うと、消費電力全体のうちCPUが実際に使える分が少ないということでもあり、端から見ると「電力効率がよろしくないCPU」ということになってしまう。

 勿論、このままではモバイル等では使い物にならないので、実際には色々と工夫をして消費電力を押さえ込んでいるワケであり。

 その辺りの状況が垣間見えるのがアイドル時の消費電力の低さで、フルパワー稼働時との差分(と電源の変換効率)を考えると、これはかなり優秀な値と言っていい。
 実際に消費電力やクロック変動を監視しながらベンチ等を回してみると、「すぐに跳ね上がるがすぐに落ちる」という挙動を繰り返している様子が見て取れるし。

 その3◆Piledriverコアのまとめ。

 ・CPU性能では同クロック・同スレッド数のSandyBrigeと比較して、整数演算で1割減、浮動小数点で4割減。
 ・現在のソフトウェア状況を鑑みればコア構成も特に問題無いと思われる。
 ・TurboCoreって意外と効き易い。
 ・相も変わらず得手不得手が強烈。
 ・省エネ制御は優秀、けど本気出すとやっぱ熱い。やりくり上手の大喰らい。

 取り敢えずまとめるとこの辺りかな。

 まず、性能面。
 IPCとかコア絶対性能は確かにボロ負けだが、パッケージとしてのコストパフォーマンスという見方をすれば悪くない。
 この辺りはもうAMDは「織り込み済み」でしょう、この値段だし。
 これはコレでありだと思いますよ。

 #勿論もっと高性能なCPUコアが載っていれば嬉しいに超したことは無いのだけど。

 CPUコア・スレッド構成についても然り。
 WindowsXPが出回った頃と違って、Windows 7や8、そして最近のアプリなら4コア程度ならそこそこ効率的に回せるようになっている。
 なので、実際にシステムを使う状況では、Intel CPUとのコア特性の違いもあまり問題にならないかと。

 #逆にこの時代だからこそPiledriverコアでも許されるというか。
  これが8コアとか言い始めるとまたおかしなことになるのだが・・・FXシリーズはここがネックだよなぁ。

 あと、TurboCoreは意外と回る模様。
 当方はSAMURAI MASTERという時代物を取り出したが、世間を見ればこれより冷えて静かなCPUクーラーなんかいくらでもある。
 かなり多くの環境でTCの恩恵にあずかれるのでは。

 更に、相も変わらず得手不得手は強烈。
 消費電力を監視していると面白いのだが、ベンチ全力で回している筈なのに電気全然喰ってないよ何コレ、という状況が結構見られる。
 要するに命令デコーダが追いついていなくて実行ユニットがサボっている、或いはその逆になっている状態になっているということで、そんな状況では勿論ベンチの値も低い。

 #これでもBulldozerより改善されたらしいので、そうなるとBulldozerって…(以下略。

 最後に、省エネ制御については優秀だという感想。
 かなり細やかに制御していて、何としても最低限の電力で動かそうと涙ぐましい努力をしている様子が伺える。
 が、フルパワーを出すとIPCの低さが露呈してしまうワケで。
 一言で言うなら「やりくり上手の大喰らい」というところか。

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Trinity+A85XにOSを入れてみる。(Trinity Review Series No.2)

 さて、Trinity APU搭載PCネタ、第2回。
 前回組み上がった「遊び心満載PC」でいよいよTrinity APUに迫ってみようかとか。
 でもその前に、OSを入れないと。
 今回は検証ということで、Windows 8 ProとWindows 7 SP1 Ultimateを用意しました、はい。当然ですがどちらもx64。DVDからのインストールですよ。

 その1◆Windows 8 Pro x64で。

 先日UIをボロクソに言ったばかりの気がするが、OSコアとしてはWindows 7より良くなっているとも書いた覚えが。
 折角の新しいマシンなので、新しいOSから始めましょ。

 すると・・・驚きの結果が。
 なんてこったい、ドライバが全部入ってしまったでないの。

 USB3.0とかGbEとかHD Audio周りとかチップセットとか、何か一つ二つぐらい引っかけるかと思ったら、キレイさっぱり残しません。
 最新ハードウェアにインストールしてinboxで用が足りる、取り敢えず外部ドライバが不要って・・・ちょっとした衝撃。
 ちゃんとCPUもGPUも正しい型番で認識されてます。
 タスクマネージャの表示を見るとCPU「2コア4スレッド」・・・うぅ、ほらね。

 とはいえVGAやUSB3.0等のアップデートが頻繁なドライバについてはアップデートはした方が良い模様。例えば、Inboxドライバと最新Catalystでは3D系のパフォーマンスが1割以上違うとか、他にもちらほらと。
 但しそれでも、基本的にフル機能のドライバがセットアップされるというのは素晴らしい、いや本当に。

 #分って貰える人は必ず居る筈、OSインストール直後にLANが使えてWindows Updateを当てられることの幸せ。

 とまあそんなこんなで、DVI+HDMIの2枚Full HDを使うWindows 8マシンはあっさりと出来上がりましたとさ。
 ・・・もしかしてこのマザー、Windows 8に最適化済?

 その2◆Windows 7 SP1 Ultimate x64で。

 さて、正直言うとTrinityにはWin8よりWin7の方が圧倒的にインストールされる率が高いと思っているのだが、それは兎も角。HDDを別のものに付け替えてこちらも試してみる。

 すると、こちらは期待通りの結果に。
 インストール直後の状態ではチップセットドライバも無ければRadeon用ドライバも無い。ついでに蟹LANのドライバも無い。お約束のオールスター揃い踏み。
 他にも色々と「取り敢えず動くだけ」ドライバが入っているので、山ほど後入れする必要がある。Win8と違ってこの状態では「使い物にならない」ので、USBメモリを使ってガシガシと入れていきますよ。

 とはいえ、ドライバが入りきってしまえば見慣れたデスクトップがお出迎え。
 こちらも快適な1台が仕上がりました、はい。

 その3◆Win 7とWin 8、軽く比べてみた。

 ある意味デュアルブートというかセレクタブルブートというか、そんなマシンになりました。
 何でこんなことをしたのかというと、実はこの後「Windows 8とWindows 7でパフォーマンスの違いはあるのか」ということをベンチ等で確かめるためだったんですな。

 で、この後早速色々やってみたのだが・・・
 結論、パフォーマンスに目立つ差は無い。

 傾向的にはWindows 7の方が若干良い値が出ることが多いのだが、数字のブレの範囲だし、恐らく原因はドライバの成熟度でないかと思われるので、そのうちこの現象も解消するかと。

 で、こういう結論が出ると、以下のようなOS違いの環境でもベンチ比較が有意ということに。

 ・常用機、Deneb 2.6GHz+Radeon 6450 DDR3-512MB (Win7)
 ・検証機、Trinity 3.8/TC4.2GHz (Win8)

 というワケで次回以降の記事では、当方が現在もこのblog記事を書いている現行機と比較しつつ、色々と検証してみることにしますよ。

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AMD Trinity APUで一台マシンをセットアップしてみた。(Trinity Review Series No.1)

 さて、Desktop版 Trinityがいよいよ発売になりました。
 ということで、先日のイベントでの「豪華なお土産」で、当方も一台組んでみました。
 以下、構成。

 ◇

 CPU → A10-5800K。

 豪華なお土産その一。
 PlileDriver 2モジュール4コア、3.8GHz/TC4.2GHz、384sp@800MHz、100W。
 今回はK型なので、クロックいぢりを併せて「石の素性」を探ってみようかと。

 マザーボード → Gigabyte製GA-F2A85X-UP4。

 豪華なお土産その二。
 A85X搭載でSATA8ポートとCROSSFIREサポート、ついでに真っ黒な配色が特徴。
 更に型番が示す通り「OC出来ます仕様」なので、仕様通りに使ってやろうかと。
 実際UEFI画面に入ると、これでもかという程電圧やタイミングの設定がいじり放題に。
 まぁ細かいコトはまた後で。

 Memory → Patriot製Viper3 DDR3-2133 4GB×2 11-11-11-27

 DDR3-2133どころかDDR3-1866も未だNativeのダイは存在しないが、DDR3-1600の大量増産でOCメモリながら1.5V品もそこそこの値段で買える時代に。
 ここは真っ黒でヒートシンクも控えめなPatriot製の新製品をセレクト。同社は「AMD Memory」のOEM元でもある。
 ちなみに、DDR3-2133の設定はUEFIからOCプロファイルを読み込み指定するだけで一発完了、即安定動作でしたとさ。

 #にしてもDDR3-2133ともなれば手作業で詰めようとすると結構面倒だってのに、それが1発指定で即安定とは。

 ◇

 新規の品はここまで。
 これ以降は、手元にあったもののかき集め。

 CPU Cooler → ANDY SAMURAI MASTER。
 HDD → 日立 DeskStar7K2000 2TB。
 ケース → Shakoon T9 Window。
 電源 → Antec EA-430。
 光学ドライブ → ASUS DRW-1814BLT

 何だか時代モノも混ざっているが、気のせいということで。いや、SAMURAI MASTERは良いクーラーですよ。ファンはとっくの昔にダメになって交換されてますけどね。

 以上、光りまくりの1台が出来上がりました。
 あいやね、12cmファンが都合4つ(フロント×2、リア、CPU冷却)、全部光り物なんですよ。
 何しろ普段使いのPCは実用性と安定性を最優先で定番パーツしか選んでいないので、「折角だからこの際光らせてみるか」みたいな「遊び心」が組み立て中妙に楽しかったりしてね。

 ◇

 ということで、ここからは個々のパーツについてのちょっとした話。

 ・マザーボード雑感。

 最後に触ったのはGA-M55S-S3(nForce 550)辺りだった気がするので、ずいぶん久しぶりのGigabyteマザー。
 にしてもこれはスッキリしてますよ。元々FM系ソケットは必要部品が少ない上に、最近のマザーでは存在感主張し過ぎのVRMも100Wまでと控えめだし、しかもマザー全体が黒で締まって見えるから更にスッキリとした印象に。

 #フツーのGigabyteの青と白のコテコテ感も嫌いじゃないけど。

 ちなみに、Gigabyteというと伝統的にCPUソケット周りが窮屈で、大型ヒートシンクで静音化を狙おうとすると干渉に悩まされるというお約束があったが、このマザーでは部品自体が少ないこともあり、SAMURAI MASTERが何の干渉もなく取り付け可能。
 コレが付けられるなら、世間に出回ってる大抵のモノは付けられるのでは。

 #あ~あとこのマザー、Unbuffered-ECCメモリでもエラー吐きません。
  一時期Unbuffered-ECCメモリを蹴飛ばすマザーが流行ってたよね。

 ・メモリ選択について。

 Trinityは定格でDDR3-1866。ここは定格にしておくか、それとも・・・と3秒ぐらい悩んで、値段が大差なかったのでDDR3-2133を選択。

 ちなみにTrinityのメモリレシオはDDR3-1866の上にDDR3-2166とDDR3-2400。
 Llanoでは定格DDR3-1600、OC設定が1段のDDR3-1866、という構成だったが、TrinityではOC設定が2段あるのはやはり「当初はDDR3-2133を正式サポートする予定だった」名残かしらん。

 あと、OCメモリと言えば定番のCorsair、お手軽版のVENGENCEですが。
 選ばなかった理由はヒートシンクの背が高過ぎること。はっきり言って邪魔です、はい。
 最近では背の低いVENGENCE LPってのもあるが、これがまだ流通が少なくて、本家サイトで発売中になっていても国内では影も形も・・・なんてモデルが結構。これじゃ選べない。
 いやね、青色のヤツなら店にあったんですけどね(しかもViper3より安かった)、マザーが真っ黒なんで青はちょっと・・・と。赤だったら買ってたかも(AMD機だし)。

 ◇

 とまぁ、こんな風につらつらと書いてしまいましたが。
 次からはOSをセットアップして、使用感書いてみたりベンチマーク取ってみたりしていきますよ。

 ちなにワットチェッカーも準備済です。
 え、その電源で測るのか、正気かお前、とか言わないで(泣。

 #一応80PLUSですよ、無印だけど・・・。

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