WD製HDDの外箱に気をつけろ。

 さて、一昔前はCFD扱のWD製HDDはRMAがありませんでした。
 組込用でドカっと仕入れたものをちょろちょろ横流し、というか販売していたから、というのはこれまた有名な話。

 その後、WDとどういう話をしたのか知らないが、「CFDのサイトで申請するとRMA番号が有効化される」という妙な方法に変更されました。

 ・・・何だろねコレ。つーか、CFDって相当数仕入れている筈だから、数にモノ言わせてWDに交渉したのかな。
 「後だしでRMA有効化出来るようにしてくれ」って。

 対してTekWind (=Synnex)は昔っから正しいRMA付き製品を流通させておりました。
 なので、個人的にはWDのHDD買うならSynnex扱い品、は鉄板だったのですが。

 暫く前にWDが方針転換して、原則パッケージっぽいモノで流通させるようにしたことで。
 パッケージに入っていれば代理店がどこであれ(CFDの場合ひと手間かかるけど)RMAが使えるようになり。
 この辺りに頭を悩ませる必要はなくなりました、とさ。ちゃんちゃん。

 ◇

 ところがここに至って、この「パッケージっぽいモノ」に大問題が発生している模様。

 というのは、今年に入って生産された「RMA2年のHDD」が、「3年保証」と書かれたパッケージに入って販売されている例があるとのこと。目撃例もそれなり・・・というか、既にある程度まとまった数が市場に出てしまっているっぽい。

 ・・・ちょっとなあ。
 つーかパッケージの印刷、修正し忘れだよね。シールでも貼って修正すればいいのに(以前にもそういうケースはあった)。
 それとも手違いでパッケージと中身の対称が狂った?

 ♯もしコレだとすると逆に「2年保証」と書かれたパッケージに入ったRMA3年のHDDも存在することになるの?

 まぁ、そんなワケで。
 今店頭で買えるWD製HDDのRMA期間はパッケージにどう書いてあろうと2年ですよ、というお話でしたとさ。

 ♯で、WDのサイトでRMA期間を確認したら2年を切っていた、なんて場合は以前ネタにしたように、延長申請するといいですよ、と。

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WDの意地キター。

 Seagateが375GBプラッタ4枚をSAS仕様14.7mmケースに詰め込んで「世界初の1.5TB 2.5′ HDD」なんて言ってから暫く、WDから意趣返しというか意地の張り合いというか、そんな製品が出てきましたよ。

 その「世界初の2TB 2.5′ HDD」は500GBプラッタ4枚をSAS仕様14.7mmケースに詰め込み、更にメーカー曰く専用制御基板搭載で外付のUSB-SATA変換ブリッジはナシとのこと。

 しっかしついに、2.5インチで2TBの壁にブチ当たる時代になってきたのね。
 こうなってくると、3.5インチHDDの立場って・・・

 昔「BigFoot」ってあったよね、って思ってしまうのはオッサンの証拠ですな。
 あの製品自体は割とあっさり撃沈したけど、思想が時代が追い付いていなかったってことなのかも。

 でも冗談抜きに、これからの時代のHDDがどうなるかは見ものだと思う。

 ◇

 データストッカーというかストレージ向というか、兎に角「容量が正義」な製品は最後まで残るでしょう。
 個人向け・組込向け・エンタープライズ向け問わず。

 個人向けだと、SeagateはBarracuda LP/Greenを止めて7200rpmのBarracuda 1本に絞ったのでコレしかない。
 WDはもちろん、容量が正義のGreen。というか「容量は正義」というコンセプト自体、このWD Greenが元祖なんだよなぁ。

 エンタープライズ・組込系ならいわゆる「ニアライン」、SeagateならConstellation ES、WDならRE。
 同じ組込でもAV向けはセミカスタムなのでシリーズ名なんてあって無いようなものだが、SeagateならPipeline他、WDならAV。

 ◇

 次に、エンタープライズSASの15Krpm系の製品もそれなりに続くと思われる。
 もちろん2.5インチフォームファクタ限定だが、エンタープライズの信頼性をSSDで求めるとまだ価格容量比がシャレにならないのと、エンタープライズでも常にSSDクラスのIOが必要ってワケでもないので。

 というか、エンタープライズHDDのうち少なくない割合が「信頼性だけを求めて」採用されていると個人的には思っているのよね。
 もちろんその中には、より安価なニアラインHDDとか、ヘタするとデスクトップ用で代用する動きもあるのだけど、ニアラインとエンタープライズの間の線引は今のところ結構かっちりしている(当然デスクトップとは雲泥の差)ので、これは本流にはならないと見ていまっせ。

 もちろん、この辺りも最終的には時間の問題でしょうな。
 SSDの怒涛の進化と、デスクトップ用途やI/O特化用途で導入されたモノの運用実績やノウハウが溜まってくれば、ジワジワとSSDがシェアをあげてくる筈。エンタープライズHDDの容量単価と高速IOのメリットを考えれば、「一線を超えれば」デスクトップよりも浸透は早いかも知れない。

 ただ、この「一線を超える」まではもう暫くあるんでないかな~、と。
 エンタープライズ甘く見るなよ、と。
 今のところ、エンタープライズ用途に耐えられるのは最初からそれ前提で作られた極一部の製品だけ、当然値段もぶっとび価格。

 ♯実際使ってみるとIOの強さにこれまたぶっとんだりするんだけどね。特にVMとDB。

 ◇

 そして最後に、デスクトップ向け3.5インチはそのうち無くなるんでないかな、と予想。
 だって3.5インチにこだわる理由が無いんだもの。

 私自身も一部の(デスクトップ)PCには2.5インチHDDを使っていたりするが、既に小容量では2.5インチと3.5インチの価格差も無ければ、パフォーマンスの差異も(問題になる程には)存在しない。

 HDDメーカの方を見ても、3.5インチの小容量品を生産し続ける動機が見当たらないし、実際に小容量品はどんどん無くなってる。
 まあ、PCメーカーのオーダー品なんかでは時折製品ラインナップに無い筈の小容量品が出てきたりするので、市販PCのフタ開けてびっくり、なんてこともあるんだけど。

 で、このまま順調に3.5インチの容量が伸びていくと、そのうち「普通の人が取り敢えず欲しい容量」と「3.5インチHDDの最低容量」が乖離していって、必然的に2.5インチに移行すると思うのですよ。
 だってほら、今時のPC部品で、小さくて省電力で、おまけに発熱低くて静音で、困ることなんて何もないし。

 それに、もしメーカーが既存の筺体をどうしても使いたいという場合でも、変換マウンタ一つ噛ましてあげれば良いだけだし。
 その際に筺体のHDD固定方法が特殊で・・・という話があっても、コネクタ位置&ネジ位置が3.5インチHDDとぴったり合うマウンタ類も実際存在するので、別に困りやしない。つかその場合、WDのRaptorみたいにHDD屋がマウンタとセットで供給すれば話は更に簡単。

 ◇

 とま、こんなところで。

 とはいえ、現在の垂直記録技術では3.5インチで1.6TBプラッタ、2.5インチで800GBプラッタぐらいが密度限界と言われているので、さてどうなることやら。
 この密度だと3.5インチではプラッタ5枚の8TB、9.5m厚の2.5インチでは1.5TB、12.5mm厚の2.5インチで2.4TB、SAS互換の14.7mmでは3TBとなりますな。
 ・・・今3.5インチの最高密度が4TBだから、ざっとその倍ぐらいですな。

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WD RMAの延長方法、或いはもし店頭で随分古い新品HDDを買ってしまったら。

 余りにも知られていないみたいなので書いてみる。

 WDのHDDはメーカー出荷から2(ちょっと前まで3)年のRMA保証が付いている。

 ところが最近、例のHDD高騰&品薄の流れを受けて流通が不安定化している煽りで、一部ショップでは製造から随分と時間が経ったHDDが販売される事態になってきたんですな。
 具体的にはタイ洪水前の品で、製造から半年か、それ以上経っている「新品」。

 ♯今更流れてるって一体何処に転がってきたデッドストックだよ。

 で、これを開封すると当然、RMAは「メーカ出荷から」付いているので、パッケージに書いてあるより保証期間が短くなってしまう。
 これどうしよう・・・なのだが、実はメーカ(WD)では、ちゃんと対応しますって言ってるんですな。
 但し英語が最低限どうにかなることが大前提。

 ◇

 その方法とは、レシートの写真をサポートに送ること。
 但し、向こうも担当者が目視でチェックしているので、日本語が読めなくても確実にWDのHDDを買ったということが分かるレシートでないとダメ。
 具体的には以下のようなもの。
 ————–
 対象:レジ印刷のレシート、若しくは機械印刷の納品書。

 手書きはNG。理由はサポートセンター担当者(タイ?)が読めないので。
 英語なら手書きでも何とか大丈夫らしいんだけど。
 あと、カード売上票とかも当然NG。

 印字項目:日付、店名、品番(WDxxxxx-xxx)、数量、値段、店側の売上管理番号っぽいもの

 普通にPOSレジ使っていればこれぐらい印刷されるので。
 「HDD」とか「トッカヒン」なんて印字だとNG喰らう可能性が高い。
 ————–

 まぁこんなモノが手元にあったら、取り敢えずデジカメで写真を撮りましょ。
 マクロ(接写)モードで、ずずっとアップで。
 スキャナを持ってる人はスキャンの方が速いですな。

 そうして画像を取り込んだ後、きちっと「数字が読める」ことを確認して、適切な大きさ(500Kb以下)まで縮小。
 相手がレシートなんていう無彩色ブツだと、ドット数的には多くても意外と画像ファイルは小さくなりまっせ。
 所詮読めればよいので。どうしてもって人はコントラストとエッジぐらい修正する、のかな?

 ◇

 次に、WDのKnowledgeBaseのアカウントでログイン。

 ♯以前にRMAを実際にしたことがあればアカウントを作成している可能性がありますな。
  無い人は作ってね。

 ログイン後、サポートにメールを飛ばすフォーム(http://wdc.custhelp.com/cgi-bin/wdc.cfg/php/enduser/ask.php)へ移動。
 ここでメールを作成する。

 ・タイトルは「Update warranty」固定で。
 ・本文は「レシート見てね」を英語で。
 ・レシートの画像ファイルを添付で。
 ・HDDのシリアル番号の記入もお忘れ無く。

 以上を記入して、送信、と。
 自分のメアドに送信内容のコピーが届きますよ。

 ◇

 この後だいたい一週間程度で、担当からメールが返ってくる。
 OKなら「RMA延長したよ、新しい日付はxxxxね」と英語で書かれている。
 NGなら理由が簡単に書かれている(もちろん英語で)ので、写真ファイルが開けなかったとか写真不鮮明でした等のポカミスなら再度チャレンジしてみるのがよろしいかと。

 ・・・とまぁ、こんな感じで。
 一手間はあるが、タダで保証がそれなりに伸びるんだから、やらない手は無いと思うんだけど、ね。

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取り敢えず保証が3年あったらまた違った印象になると思うのだけど。(Seagate 1TBプラッタ Barracudaを手に入れた… )

 さて、容量単価で見ると依然として去年の倍近くを維持しているHDDネタ。

 このところイロイロあったので敬遠しまくっていたSeagateのHDDなのだが、HGSTが品薄で入手困難という緊急事態を前に、仕方なく買う羽目になってしまったのがBaracuda。7200rpmで1TBプラッタな品でございます。

 ちなみにSeagateのデスクトップは今年製造のHDDからは1年保証になっていて、実際には昨今の流通事情を考慮してか製造日から1年+2ヶ月程度のRMAが設定されているのだが、流通在庫の中には昨年12月製造品が未だに少数(だと思う)残っている模様。
 というのは、例によって複数個仕入れたら「何台か」製造日が昨年12月になっていて、そちら方はRMA期間が2年分付いていたので。

 #値段のせいで以前ほどは数が出てないことなのかな。

 で・・・届いたので義務として軽くベンチ。
 まぁ既にあちこちにベンチ結果は出ていて、同じ傾向しか出なかったので特別書くこともなく。
 取り敢えず、同じ1TBプラッタの日立ドライブと比べると、物理特性はもう殆ど一緒と言って良いが、キャッシュ周りの挙動は一方上ですな。体感出来る差が出る程とは思えないが、ベンチではソフトによっては結構「盛った」数字が出るので、メーカの売り文句もまぁ嘘ではない模様。
 発熱も7200rpmとしてはかなり抑えられている方では。

 ◇

 で、「真っ当に動いていればそんなに悪くも無さそう」なのだが。
 「真っ当に動いていれば」ってトコロが・・・ね。

 取り敢えず、病気持ちファーム問題は既に発生。
 さっさとアップデートしましょう。環境によっては起動不能になるって、結構深刻なバグだと思うよ?

 あと、これもファームにも依るようなのだが、高負荷下で挙動が怪しいって話も。
 7200.11から続くSeagateの悪い伝統がまた出ちゃっているのかね。
 7200.12の末期にはだいぶ大人しくはなったんだけど、代替わりしてまた悪い癖が出たのかね。ファームが上がっていけばそのうち収まるのかな。

 そして更に、気になるのがRMA期間の短さ。
 何で1年にまで縮めちまったかなぁ。せめてWDと同じ2年で踏み留まって欲しかった。
 というか、このHDDの稼働想定時間っていったいどれだけなんだか。

 ◇

 というワケで、1TBプラッタのBarracudaは性能面では悪くないものの、いかんせん過去のSeagateの実績が輝かし過ぎる上に保証も短いために、素直に評価も出来ないのが厳しいところ。

 取り敢えず自分が個人で買うとしたら、延長保証の付与を考えて、更にサポートに定評ある大手販売店で購入するでしょうな、という印象を持ちましたな。
 いやね、あくまで個人的印象だけど、2年目の故障って割とよくあるよ?

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東芝製デスクトップHDDが出る、とな?

 さて、時々取り上げているHDDギョーカイうぉっち。

 HGSTが抜けてSamsungが逃げ出していよいよ寡占化が進む・・・と思っていたら、ここに来てまさかの新展開。
 日立が抜けたストレージ市場に、東芝が入って来る、とな。

 というかこれ、ブツの流れを考えると、要するに「日立の資産をWDと山分け」だよね。
 独禁法関連で資産を山分けしたかったWDと、まぁそれならばと手を挙げた東芝と。

 まあWD側からのアプローチ、なんだろうなぁと。
 タイの東芝資産を受け取るってのも、依然として洪水ダメージの残るタイ生産拠点の強化策だろうし。

 但し、内容については若干気になることも。

 というのも、コレで東芝は「全方面ラインナップを打ち出す」と言っているのよね。
 これって、要するに今まで手を出していなかった「デスクトップ」HDDに手を出すということなのだが。
 御存知の通り、「デスクトップ」HDDは価格競争がとんでもなく激しく、既に消耗戦状態。何で今更そんな死地に、Red Oceanに手を伸ばす必要があるんだろ?と。

 東芝が今までHDD部門でそれなりの利益を出してこれたのは、個人的には「デスクトップをやっていなかったから」だと見ているんですよ。富士通から引き継いだエンタープライズ&ニアラインはデスクトップとは単価が違うし、自社でやっていた2.5インチも3.5インチと比べればまだマシな値段が付いているし、ね。

 まあ、前向きに考えれば、ボリューム拡大によるコスト削減とか、ニアライン選別落ちパーツの流用先確保とか、その辺りが狙いなんでしょうな。
 東芝から見ると「タイの資産あげるから、そっちの設備とか知的財産ちょうだい」って、物々交換みたいな感じだし。

 兎にも角にも、最近とんと面白い話が無くなっていたHDD業界に久しぶりの話題。
 これから登場するであろう東芝デスクトップHDDがIBM~日立の正統血統だったりしたら更に面白いんだけど、さてどうなるかしらん。
 騒音大きめ、発熱大め、壊れかけても割と根性がある。東芝とHGSTって、製品の特性も割と近い気がするしね。

 ♯3.5インチデスクトップやるならRMAの仕組みも整えて欲しいと思ったり。
  東芝製HDDを買おうとすると現状ショップ保証以外無いのでね。

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