まさかのCatalystMaker登場にぶったまげて、更に名前でぶったまげた、というお話。(続続・AMDのブロガー勉強会に出て、ぬるぬるしたり懐かしんだりしてきた件。)

 さて、NDA期間も満了(って言うのかね)したので、前回・前々回で後回しにした、今回の勉強会の一番のネタについて書いておきましょうか。

 ◇

 ところで、OMEGA DRIVERって覚えている人どれだけ居ますかね?
 ATIがまだRageシリーズで頑張っていた頃、Windows未だ98SEとかだった頃、有志が配布していた改造(パッチ当て)ドライバ。
 互換性向上・解像度追加・画質向上等の効能があり、ATIだけでなくnVIDIA、3dfxやS3用のモノもあったんですな。

 #設定ファイルで行けるものについてはそちらの書き換え、ドライバが持っている隠しパラメータについてはバイナリパッチで変更していた筈。

 まぁこの頃はドライバの出来が現在とは雲泥の差で、環境によるトラブルも多かったし、地雷バージョンも普通にリリースされたりしていたんですな。
 そのため、公式ドライバで問題が発生した際の回避手段として、或いは最初っから公式ドライバの代替として、濃い人の間では結構有名だったと思われ。

 #今でもggればWebページとかが引っかかる筈。

 さて、あの頃から10年経って。
 あの頃はAMDがATIを買収するなんて思いもしなかった。そして、まさか公式ドライバが・・・名乗るなんて。

 ◇

 というワケで、セッションその2。
 登壇したのはTerry Makedon氏。

 ・・・えっと、こんな大物が出てくるなら事前にアナウンスしてよ>AMD。。
 通称「CatalystMaker」ことATI時代からの生え抜き、RadeonのSoftware(ドライバとユーティリティ)を作り続けている大御所ですよ。びっくり。

 #そしてノリのいい人でした。英語も聞き易い発音で助かったし。

 更に、説明の箇所によってはAdam Kozak氏に交代しつつ、セッションは進められる形に。

 ・・・この人もさらっと出てきて特に何も説明も無かったのだが、AMD globalのSenior Product Marketing Managerということで、簡単に言ってしまえばAMD営業職の世界トップグループに居る人。この名前もggれば英語の記事やら動画がわんさと出てきますよ。

 さてこんな大物が出てきて何を話すのかいなと思いきや。

 「AMDはグラフィックプロダクトではなくソリューションを提供する。ソリューションが提供されるからこそユーザーは製品に満足してくれる」
 「そしてのソリューションにはソフトウェアが非常に重要であり、Catalystは2002年からソリューションを提供し続けてきた」
 「今年、新しいバージョンとしてCatalyst OMEGAを発表する」

 ということで、本日の目玉はこの新バージョンの発表でした。

 にしても、「OMEGA」の名前を公式ドライバが使う時代が来るとはね。
 それと、簡単に言ってしまえば「ドライバのバージョンアップ」で終わってしまうことをこれだけ宣伝するということは、AMDはこれを「反転のきっかけ」にしたいということなんでしょうな。何しろ一時期NVIDIAを押しまくっていたのに、直近ではまたNVIDIAにかなり押し返されてシェアを落としたという調査も出ているし。

 さて、ではその「OMEGA」の進化点は何かというと、要するに以下の3つだそうな。

 ・多数の新機能
 ・パフォーマンス改善
 ・多数のバグ修正

 まぁ、総花的な話はそこらに転がっていると思うので、以下では自分的に気になった点について、この流れで少し書いてみましょうか。

 ◇

 1.多数の新機能

 全体の傾向としてのキーワードは「高画質化」かな、と。

 そして3D描画ではなく映像再生支援絡みの内容が多いのも、伝統的にメディア系に強いRadeonの立ち位置を示しているってことでしょうな。

 ♯ブラウン管にアナログ接続が常識だった頃にはATIの発色の良さは定評があって、メディアクリエイション系ではATIが指名買いされていたし、AppleもずっとATIを使っていたのよね・・・って年寄ネタ多いなこのエントリ。

 ということで、例のFluid Motion Videoの他にも、ハードウェア再生支援機能の拡張、ブレ補正、画像圧縮ノイズの軽減機能、そしてここからは高性能単品GPU限定ながら4K対応の画像補完、その逆にsoftwareには実画面以上の解像度情報を渡しつつ画面では縮小して高画質化やマップ全体表示を行う「Virtual Super Resolution」等々の説明が。

 ・・・えっと、つまりますますAPUがHTPCに最適になっていきますと。

 そんな中で個人的に一番大きいトピックだったと思うのは、「FreeSync」正式対応の件かと。

 発表されてからぼちぼち1年、初登場時には「いろんなデバイスですぐに使えるようになる」的な話が各種Webに出ていた気がするも、続報無し。
 その後、VESA AdaptiveSyncとして規格化されたのが確か5月。その時も「もうすぐ対応デバイスが出ます」てきな話があった気がするが、またその後も音沙汰なし。
 黙殺というか総スルーされたんかコレは・・・なんて思ったことも無かったといえば嘘になる状況で。

 それが漸く、やっと、正式に実装されたんですな。
 対応ディスプレイ第一弾はSAMSUNGの4Kで、この後のSAMSUMGの4Kは全てFreeSync対応になるし、その後も別メーカが続いていくとのこと。
 ということで、発表から1年、漸く店頭に実物が来るようです、はい。

 ♯この他ディスプレイ関係だと5Kモニタ対応とか、Eyefinityの拡張とかも。
  つか24画面まで管理出来ます、といったところで、純粋なデモ以外で24画面なんてどっかで使っているのかね。

 ◇

 2.パフォーマンス改善

 よく「ドライバの熟成」とか言われているアレのことですな。
 ハードウェアに一切手を入れず、ドライバ側の最適化だけでパフォーマンスが改善するというのだから、誰も損しないし純粋に良いことでしょう。

 今回、汎用ベンチマークの一発ではなく複数のゲームの実タイトルベースで具体的なfps数字を出してきているのは、AMDがゲームの本気ですというアピールも兼ねているんでしょうな。

 にしても、タイトルによっては20%以上もfpsが改善されているとは、頑張って改善しましたというのが正しいのか、今までがちょっと酷過ぎましたというべきなのか迷うところではある。

 #にしても「メモリの使い方を工夫して」って台詞が入っていたのは、GPUにとってメモリ帯域がそんなにボトルネックになっているって解釈で正しいのかしらん・・・折角CatalystMakerが来ていたのにこれ訊きそびれたよ。

 ◇

 3.多数のバグ修正

 こう言ってはナンだが「品質」という言葉がAMD側から出てくることに安堵したというか。
 自動テストのケース数を増やしたり、有名サイトで「トラブル事例大募集」して上位から潰していったり(Top10は全てFIX出来たそうな)して、兎に角品質向上に向けて頑張っていますよ、というお話。

 いやね、昔のCatalystの酷さを知っている人間としては「だいぶ良くなったよねぇ」とかいう感覚も無くもないのだが、やはりまだまだ「並」であって「品質高い」というレベルには達していないと思うので、改善を頑張って貰うしか。

 ♯前述したTop10も結構致命的というか当たったらキツいものばっかりに見えるのよね。

 あと、AMDとしてエンドユーザが直接使えるバグ報告フォームを準備したとのことだが、現時点では英語版のみとのこと。日本人は兎に角英語がアレなので、鋭意準備中の日本語版が早急にローンチされることを期待しておきます、はい。

 ◇

 この後はQAコーナー。この時間がある意味一番このイベントのハイライトといいますか。
 そしてまた例によって遠慮ない発言が飛び出すワケで・・・まぁ会場内で一二を争う無遠慮なのが当方ではあるのは間違いないのだが(ぉぃ。

 Q・G-SYNCに対するFreeSyncのメリットは?
 A・追加ハードウェアが不要で低価格、VESA標準規格、DisplayPort以外でも技術的には対応可、広いリフレッシュレート可変幅

  まぁこの辺りは実物が出てこないと、消費者としては何とも言えないよね。
  でもNVIDIA製の追加ハードが不要でVESA標準規格である以上、FreeSync対応にしたところで製造コストという面では従来とほぼ差が無い筈なので、あとはディプレイメーカーのご機嫌をAMDが取れるかでしょう。

  ♯何ともアレだが、IntelがVESA標準リフレッシュレート可変技術を採用したらその時点でFreeSyncの勝利確定でしょうな。
   いくらIntelでも後追い採用ならG-SYNCよりVESA標準を使うだろうし、今更独自の作ったりはしないだろうし、どんな名前が付こうが要するに実体はFreeSyncと同じものになるんでないかね。

 Q・FreeSyncのNote PC対応はどうなったの?
 A・現在のところデスクトップで対応を拡大することが優先になっている

 Q・FreeSync対応製品がちっとも出てこないんだけど?
 A・これから多数出てくる筈なので期待してくれ、SAMSUNGの後もある

 Q・Catalyst UninstallerがWebから消えちゃって不便なんだけど?
 A・OMEGAではUninstallerも改善している。Webサイト再構築中で不便なところがあるのは順次直していて、必要なツールは提供する

 Q・直近でNVIDIAに結構負けてるんだけどコレの他にも何か方策無いの?
 A・自分はソフトウェアでRadeonの商品力を高めるのが仕事、販売戦略はセールスに訊いてくれ(by CatalystMaker)
   (方策は)いっぱいあるよ~(by 森本氏)

  最後の失礼極まりない質問したのは当方です。
  でその言葉、ホントにホントよね?>森本氏 (益々もって失礼)

 ◇

 以上、勉強会のレポートはここまで。個人的には十分楽しめましたよ。
 次のエントリでは「豪華なお土産」を組み立てます。

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仲間増えてますとか、ぬるぬるするのも大変だったとか、そんな話。(続・AMDのブロガー勉強会に出て、ぬるぬるしたり懐かしんだりしてきた件。)

 さて、前回の続き。
 NDAに触れない範囲で書けることは今のうちに出しておきましょう、ということで。

 さて、今回のイベントで取り上げられたネタは、要するに「AMDのGPUに対する取り組みの紹介」。
 APU=CPU+GPUなので当然GPU要素もある、というかGPUがむしろウリではあるのだが、今回については完全にCPU要素は無し、そして実際にGPUを使うエンドユーザーが使う際のメリットアピールが中心。
 そういう意味では、ある意味アキバのイベントに近いような、分かり易い内容ではありました。

 ♯個人的には技術話も大好物なので、CarizzoのExcavatorコアのこともHSA1.0「完全準拠」のことも色々訊きたいのだが、今回は完全にOut of Range・・・というかCarizzo自体「まぁだだよ」状態。

 ◇

 その1。Min Hyuk IMM氏によるAMD GAMING EVOLVEDについてのアピール。

 そいえば少し前(9月)のアキバのイベントでもこの人が似たようなこと説明してたような。というか、その時のアップデート版って感じですかね、内容は。
 ちなみにこの人、肩書きはAPAC&JapanのGaming Alliance Managerということで、正にGAMING EVOLVEDプログラムのAPAC(Asia PACific)のキーパーソン。そういう人が頻繁に出てくる=AMDとしては日本のマーケットに力を入れている、ということでしょうな。

 ということで、スライドが次々と出てきたのだが、大雑把に言うと

 「AMDは今ゲーム市場に注力している、自社でも色々やってるし、ゲームメーカーとの協業も拡大している」
 「その成果として、Never Settle Buldleのタイトルもどんどん充実している」
 「MANTLEも対応タイトルが続々と出てきているし、新タイトルも続々と現在20以上が開発中」
 「MANTLE使うと画面が綺麗になったりfps稼げたりいいことがいっぱい」
 「日本でもスクエニとの協業でドラクエのバンドルキャンペーンをやっているし、CAPCOMもMANTLEに興味を持ってレビュー中」

 こんな流れ。大雑把だが流れは間違ってていない筈。
 まぁ中身としては「おさらい」かと。とはいえ、先日シンガポールでやっていた発表会から日本関連のネタはしっかり引っ張ってきてありましたな。

 #あと結構説明自体が早足だったので。

 にしても、MANTLEのクローズドベータって100社以上が参加してるんでっか。
 まぁ下請け開発屋も含めれば会社数なんていっぱいあるし、今ではPCゲーム開発最大のガンは古くて効率の悪いDirectXだなんて言われているし、次世代DirectXであるDX12はMANTLEと命令構造の親和性が非常に高いという公然の秘密な話もあるし、興味を持っている会社はいっぱいあるってことでしょうな。

 ◇

 その2・・・はNDAにガチ触れなので後回し。

 ◇

 その3。CyberLink 相蘇(あいぞ)和貴氏によるFluid Motionの話。

 さて、ここで突然CyberLinkの広報担当者が・・・え、何で?
 あぁそっか、今のところCyberLinkのPowerDVDしかFluid Motion対応のPlayerが出ていないから、仲良くしてくれているベンダ製品のアピール枠ということで参加したのか・・・と思ったんですよ、最初はね。

 ところがこの直後、実態は全然違うという衝撃の発言が。
 何とこのFluid Motionの開発にはCyberLinkが全面的に関わっていたんだとか。

 このブツ、所謂API叩けば完了の「ハードウェア再生支援」の類(GPUによるMP4デコードは既に常識だし)という程簡単なモノではないそうで、実際にいろんなBDタイトルを見まくって開発・調整した代物で、しかも開発に1年以上かかっているとか。
 ・・・へぇ~っ。

 #しかもAMDから最初この話がCyberLinkに来た時、CyberLink開発陣は正直「信用していなかった」そうで、実際ブツもフレームがひっくり返ったり映像が破綻したりとかいうレベルだったそうな。

 でもまぁそれだけ頑張って開発したにも関わらずCyberLinkの名前が普段表に出てこないというのは、要するにそういう契約だからなのだろうが。
 CyberLink広報氏も「是非知って欲しい」と言っていたし、AMDもゲーム屋だけでなくこういうアプリ屋ももう少し「立てて」もいいんでないのかね。
 
 とまぁこんな話をしつつ、某アニメやデモ用映像を使った実働デモを使って、確かにFluid Motionが効いていると動きが違うね、ということを見せたりしつつ。

 最後に、「CyberLink製品にはこんなのもありますよという紹介」ということで、PhotoDirectorで「写真に入ってしまった別の家族を消す」というデモを実演して見せ、会場が「ぉぉぉー」となったりしたところで、相蘇氏のセッションは完了となりましたとさ。

 #いやぁ技術としてあるのは知っていたが、¥4桁のソフトでちょいちょいするだけであんなに精度高く写真を捏造出来る時代なのね。普通に見ただけじゃ絶対分からないよアレ。

 ところがこの後AMDの森本氏等も入ってきたQAコーナーでは、何だか微妙な話がぽろぽろと。
 まぁいちいち書いたりはしないが、またしてもAMDの悪い癖「詰めの甘さ」が炸裂してしまっているようで。

 それと、Fluid Motionの店頭デモは現在「店員が私物で」やっているアキバの2店舗ぐらいだが、やっとというか漸くというか「公式」店頭デモを代理店と組んで現在準備中で、年明け後に50箇所程度は展開しようとしているとのこと。
 やっと・・・ではあるが、正に「百聞は一見にしかず」、多くの人に目に触れさせるのは大事です、はい。

 ♯こういう店頭デモの類は予めさくっと準備しておいて、発表直後に大々的に展開するのが常套手段だし宣伝効果も高いと思うのだが、それが出来てないってのも一種の詰めの甘さだよね。

 ◇

 取り敢えず、NDAに全く触れずに紹介出来るのはこれぐらいですかね。

 それでは次のエントリはNDA部分の解禁日後ということで。

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AMDのブロガー勉強会に出て、ぬるぬるしたり懐かしんだりしてきた件。

 さて、今回もまたAMDの「ブロガー向け勉強会」に行ってきましたよ、ということでそのレポでも。

 会場はいつものAMD日本オフィスの会議室。
 ところが入った途端、演説者側の席に何とまぁ明らかに外国人。何だか不穏な雰囲気を感じつつも、司会進行はいつもの森本氏・・・でない?!

 #つか思いっきり海外企業なんだから外国人が出てくることはある意味当たり前なワケなんだけど、さ。

 ということで、何とまぁ今回の司会進行は只今絶賛売り出し中(らしい)芸人の宮川大好。宮川大輔のそっくりさん。
 いやはや、まさかこの規模のプライベートイベントで芸人を呼ぶとは思いませんでした、はい。そして当人はPCに強いとかそういうのでも何でもないという・・・どうしてそういうチョイスになってしまったのか。しかしそんなアウェーな会場でも最後まで勢いで盛り上げ続けたのはさすがプロ、37歳にしてものまね芸人になってしまう人は気合いが違うようで。

 #自分は芸人詳しくないんでこれぐらいしか書けません。

 まぁそんなこんなで、個人的には過去2回参加したものとはかなり違う・・・かと思いきや、始まってしまえばまぁいつもの感じといいますか。英語の説明も(自分的には)聞き取り易い、綺麗な発音で助かりました、はい。逐次訳も付いていたので、英語聞き取り切れなくとも十分だったしね。

 ◇

 さてここまで来ると、次にはイベントの中身の紹介、ということになるのだが、今回はイベントのメイン部分が思いっきりNDAに引っかかってしまうので、ちょっと書き方考えながらまとめ中。解禁日の後のエントリでは細かいこと全部書きますが、NDAに引っかからない所は先出し出来るかな・・・と。
 取り敢えず、個人的には色々と思うところがあったなぁ、ということで。

 全体的な雰囲気としては、運営というか進め方については「こなれてきた」感が出てきたな、と。自分は参加3回目だが、ブロガー向けイベントという意味ではもう5~6回やっている筈だし。
 そして、今回もまた色々とぶっちゃけ話が飛び出したり、オープンな場所だとさすがに訊きにくい話を遠慮無く訊けてしまったりするので(無遠慮でスミマセン>セールス森本氏)、個人的には濃い2時間でしたな。

 一方、製品の魅力の「伝え方」については未だにTrial&Errorというか手探りというか、要するに「こなれてない」感が強い。
 AMD製品の持っているウリは「ピンポイントで刺さる」ものが多い(個人的偏見)ので、マス(大衆)に宣伝するのは難しいのかも知れないが、にしてもAMDブランドにとってはコレが目下最大の問題なのではないかね。

 #自分なんかにはこういうイベントは結構刺さるんだけど、んじゃこれと同じことアキバでやったところで会場ガラガラになる気しかしないし。

 まぁ最近のAMDは一般向けイベントも頑張って色々やっているし、一時期明らかに絞っていた頃に比べるとアピールする機会を積極的に増やしているので、後はへこたれずに頑張ってもらうしか。

 ◇

 さて、そして今回の豪華のお土産は。

 APU:A10-7800(Kaveri)
 マザー:A68HM-P33(MSI)
 ソフトウェア:Cyberlink PowerDVD14 Ultra
 ダウンロードクーポン:CIVILIZATION BEYOND EARTH(2015年2月末まで有効)

 以上を、AMD(ATi)のGPU30周年記念ロゴ入りエコバッグに入れて、ということで。
 実は他にも条件付きで「選べるおみやげ」もあったのだが、今回はそちらは見送り。まぁ他の人がレビュー書いてくれる筈なので、そちらを見て下さいなということで。
 あと、MSIマザーも自分的には何気に初、の筈。

 #取り敢えず覚えているのは>AOpen(7-MVP4・370-PLE133・370-CLE266)・ASUS(7-430TX・AM2+-780G-785G-790FX・1366-X58・AM3-880G-890GX-890FX・AM3+-990FX)・ABIT(Slot1-440BX・370-440BX・939-AMD760)・BIOSTAR(A/462-nForce2)・ECS(A/462-KT133A)・GIGABYTE(A/462-AMD750・939-AMD760・AM2-nForce550・FM2-A85X)・SOYO(7-MVP3・Slot1-440FX・370-i810)・Supermicro(1155/H2-C204)。多分結構抜けてる・・・忘れてたらゴメンナサイ。

 ちなみにこの中で悩ましいのがソフトウェアクーポン、例のAMD GAMING EVOLVEDロゴの入った厚紙の「Radeon買うとゲームクーポンが付いてくる」アレ(290買うと貰えるのと恐らく同じモノ)。何しろ自分、普段はスマホやWebモノも含めてゲームを全くやらないんですな。
 とはいえ世界的に評判の悪くないタイトルだし、折角貰ってしまったので期限が切れる前に少し起動してみましょうかね。まぁMANTLEがあったところでAPUだけで起動するというのは厳しい(重い)タイトルだと思うのだが、このゲームはベンチモードがあって既にいろんな環境の数字が出ているというのもあるし、もし続けたいと思うぐらいゲーム自体が面白ければその時はその時、メインPCのHD6450どうにかすることでも考えましょか。

 #といってもファンレスだとR7-250が限界なんだよなぁ。しかもそのSapphireのUltimateはOland(=無印250=8570)じゃなくてCape Verde Pro(=7750)だし。
 誰か260でファンレスか、285辺りで全力駆動時でも25db以下ぐらいの静かなVGA作ってくれませんかね(無茶。

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続続・再びAMDの「ブロガー勉強会」行ってきて、技術話に萌えてきた件。

 AMD FX Logoさて、余りにも長過ぎたので3本目になってしまいましたが。
 前々回「個々の内容は次エントリに持ち越します」と書いたネタ、後編。
 ASUSセールスのセッションと、最後のゲストトークについて。

 ◇

 三番目、ASUSのセールス担当によるアピールタイム。

 まずは「少ないけども明確な方向性を打ち出したマザーを取りそろえてます」というラインナップの話は横に置いといて、ASUS製品独自の機能「USB BIOS Flashback」について。
 いやね。この機能の説明を初めてWebで見た時、ホントに思ったんですよ。「これが欲しかった」そして「何で今まで無かった」。

 当方はOCマニアではないのでOCでBIOSを吹っ飛ばすことはまあ無いのだが、困るのがCPUアーキテクチャやリビジョンが変わった時。必要な時に必要なCPUと必要な環境が手元にあると思うなよ・・・というのは、ある程度濃い自作erでは分かるのではないかと。

 そんな中、正に「究極のBIOS復旧機能」なのがコレ。CPU不要、メモリも不要。電源とUSBメモリがあればBIOS強制上書きが出来る。ステキ過ぎる。
 勿論、OCでBIOS吹っ飛ばしたような場合でも復旧出来る。

 仕組み的にはオンボードに載せているシステム管理用のマイコンにBIOS Writerの機能も持たせてみました、というところ。
 濃い自作er以外にもWhiteBoxを出しているSIerには相当ウケると思うんだが、世間の評判はどうなんだろうね。自分的には感涙モノなのだけど。

 そしてこの後は今回の「お土産」、SABERTOOTHシリーズのアピールとか。

 まずは部品にも品質チェックにも良いモノを使っています、という話。品質チェックにサーバ用コンポーネントと同一基準を使っているというのは、サーバ用でもOEM/自社ブランド含めて実績のあるASUSだからといったところか。
 次、セラミックコーティングで表面積を稼いでいるヒートシンクは実際冷えまっせ、というのは「へー」としか。セラミックコーティングと言われるとフライパンしか思い浮かばないのだが、実際効果があるなら面白いですなコレ。

 最後に、オンボードに多数の温度センサを配置してあって、それがWindows上から監視出来ます&ファン制御と連動出来ますという「TUF Thermal Rader」機能。システム温度の監視が出来れば最適なクーリングも出来るということで、これは中々面白いかと。着想自体はサーバでは当たり前のコンポーネント温度監視辺りからかね。

 とまぁここまで製品のアピールをやって、最後にASUSブランドとしてのセールスアピール。
 「ASUSはTCOを推進しています」

 法人相手にこの話をしても「何を今更」という感じでウケないそうだが、DIY市場に向けてもアピールしています、とのこと。
 とはいってもDIY市場に向かってTCOといってもキーワードとして通じにくいだろうなぁ、と思う正直。余りにもビジネス臭いし。
 ということで、もう少し簡単に言ってしまうのはどうだろう。要するに

 「安物買いの銭失いをする前に、ちょっと高いけど高品質で安心のASUS製品を買ってね。後々のことまで考えたら結局お買い得だから」

 こんな感じ?。
 まあ「安かろう悪かろう」を選べるのも自作の楽しさの一つではあるのだが、そっち方向は現状でも選びたい放題なので(ぉぃ)、ASUSには是非カタい商売を続けていただきたいところ。

 まあこんな感じで、セッションが終わって質疑応答になったので、以前から思っていた件を一つ要望として出させて貰いましたよ。
 それは「説明書にブロックダイアグラムを入れて」ということ。

 昔はASUSも含めて殆どの会社のマニュアルには必ずブロックダイアグラムが載っていたのだが、最近では逆に載せている方が少数派。
 主としてオンボードデバイスやスロットの「ぶら下がり方」を確認するのが目的で、購入前にはこれを見てマザーの選択したり、購入後はどのスロットに拡張カードを挿すか検討するしたり、場合によっては拡張カードの種類や採用チップを検討するのにも必須なのだが。

 #勿論、購入後にWindows等のOSを入れてしまえば接続方法は調査可能だけど。

 この件についてのセールス担当者の回答がはっちゃけまくっていたのでその部分は飛ばすが、要するに大人の事情ってヤツで意図的に載せてない、今後も載せるのは相当難しいとのこと。なんでこんなことになってしまっているかというと、ユーザが確認したい「オンボードデバイスやスロットのぶら下がり方」そのものがメーカのノウハウとなってしまってるから、だそうな。

 確かに言われてみれば、IntelのメインストリームCPUは直結PCIeが16レーンしか無い、しかも分割は2本のみにも関わらず、何故かオンボードデバイスてんこ盛りなマザーの多いこと。あの帯域のキツさで大量のオンボードデバイスをどうやって振り回すか、についてはノウハウ必要だよね・・・確かに。

 #普段自分がチェックする範囲とは完全に反対方向なので気づかなかったよ。
  スループット・コンピューティング信者には広帯域バスは必須でございます。

 勿論要望としては伝えていただけるそうなので、まあそういうユーザの声もあるということだけでも知って貰えれば。

 ◇

 最後、TGNのMatsujun氏による酷使PCあるある話。

 そもそもeSportsになんて言っている時点で既にPCは全力でブン回しているのだろうなとしか思えないが、ゲームをプレイしている裏で(動画保存用の)録画して(放送用の)エンコード回して・・・なんてのはもう完全に「酷使」の状態。
 しかもこの上、LANPartyやったり、或いはスタジオにPCを持ち込んだりするとなると、スポットライトがガンガン当たって温度急上昇、なんて状況にもなっていたりするそうで。

 で、まあ当然といえば当然な気がするが、こんなことやってると大体1年でマシンが不調になるそうで。
 そりゃそうだわなぁ・・・メーカにしても想定外だろそんな状況でブン回されるのは、とか思いつつ。
 「ASUSのセッションの中で(セールス担当者が)『普通のマザーは3年ぐらいで不具合が出始める』とか言っていましたが、正直絶対そんなに持たね~とか思ってます」なんて発言が飛び出して笑いが起こったり。

 そんなゆる~い雰囲気のトークでしたとさ。

 #つかホントにそんな条件で日常的にPCを振り回しているなら、ASUSは是非TUFマザーを提供して「ホントに丈夫で長持ちします」ってのをフィールド実証して貰えば良いと思った、うん。

 ◇

 ま、今回のイベントレポートはこの辺りで。

 「豪華なお土産」でPCを組んでみたレポートについては、また後で。

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続・再びAMDの「ブロガー勉強会」行ってきて、技術話に萌えてきた件。

 AMD FX Logoこのエントリは前回の続き。「個々の内容は次エントリに持ち越します」と書いたネタですよ。
 ということで、テクニカルに濃いところ、がっつり行きましょう。

 ◇

 二番目はAMD Japanで普段はOEM(=PCメーカね)のテクニカルサポートをやっているという方が登場。
 PiledriverがBulldozerに比べてどう改良されたか、という話を中心に、AMDのアーキテクチャの変遷なんかも交えた話をしてくれました。

 まずは軽く、AMDのコアアーキテクチャの変遷について。
 AMDの屋台骨を長く支えたのはK7から始まるアーキテクチャの流れ。K7(Athlon)をベースに64bit拡張とメモコン統合化したのがK8(=Hammer)(Athlon 64)、それを更にブロック化して各所に改良をかけたのがGreyhound(Athlon X2~Phenom)。ここまでは基本的には「改良」ということで血統が繋がっていたのだが、ここで打ち止め。「革命的」デザイン変更が行われたのがBulldozerアーキテクチャ。

 #ちなみに世間では良くGrayhoundアーキテクチャを「K10」と呼んでいるが、AMD社内ではK10とは言わないとのこと。
  一方、BobcatはNexGenのNx686に発端を持つK6アーキテクチャに近い、と。

 Bulldozerの設計上の特徴は電力効率とダイ面積使用効率を追求し、使用率の低いユニットを2コアで共有すること。
 ・・・まあその初代実装であるZambeziについては(以下略。

 で、Zambeziをベースに細かい改良を積み重ね、IPCで10%改善という数字をたたき出したのがPiledriver。
 この「細かな改良」は具体的に何なのか、という話が本題ですよ。
 さすがにここで全部は書けないが、通しで聞いての正直な感想は「思ったより小規模だな」といったところ。「アンコア」部分(メモコン等)については全く変更ないし。
 だからこそAMDとしては異例の速度でZambeziからPiledriverへ移行出来たのだろうが、逆に言うとこれだけで10%もIPCが改善されるとは、Zambeziって・・・。

 #同一アーキテクチャで実IPC 10%改善ってかなり凄いことなのですよ。

 ◇

 そして一通りの話の後に、質問コーナー。
 ここぞとばかり訊いてみました、はい。

 Q:ボトルネックになっている命令デコーダについてZambeziから改良されているのか?
 A:追加命令対応のみで速度改善は無い。ボトルネックになっていることは把握しているが、ここに手を入れるとマイナーチェンジでは済まないので今回は見送っている。

 AMDの答えはSteamroller(=次世代Bulldozer)でデコーダを演算コア毎に分離するということ、な模様。

 Q:PiledriverコアはOCでの性能伸びが非常にリニアで、当初の設計ターゲット周波数は現行製品より高いと思われるが、ボトルネックはプロセスか。
 A:その通り。

 結局、GF 32n SOIではこの辺りが限界で、GFもAMDも苦労しているらしい。
 OCで性能がリニアに伸びるということはクロックを上げても足を引っ張る部分が内部に無いということで、これはアーキテクチャとしては非常に優秀だということなのだが、高クロックで回すと加速度的に消費電力が上がる特性のプロセスに実装されると(以下略。
 この辺りはAMDも相当シリアスに考えているようなので・・・まあ色々とウワサも出てくるんですな。

 Q:これだけの処理性能だとメモリがボトルネックになる場面が少なくないと思われるが。
 A:本音を言うと帯域はもっと欲しいが、チャンネル数を増やすのはコスト的に無理なのでハイクロックへ引っ張ってる。ハイクロックメモリの規格策定のためにパートナー企業との協力やJEDECへの積極的な働きかけ等を行っている。

 Q:DDR4への移行は。
 A:トレンドに遅れることはない、状況次第では他社に先駆ける。

 メモリ周りの話。本音はやっぱり帯域欲しいそうです。
 そしてDDR4の話で「先駆ける」というのは、現在のTrinityで既にメモリ帯域が限界になっていることを念頭に置いているのかな、と。ソケットFM3?ではDDR4なんて話が見えてくるのかも。

 ◇

 とまあこんな感じで、とっても濃ゆい時間は終了。

 あと、ちょっと面白い話を一つ。

 前回ネタにしたTrinityの省電力管理が非常に優秀だという件。
 これは「省電力はモバイル用CPUの生命線」ということで、AMD Japanの技術スタッフの頑張り分が相当入ってるそうな。
 成る程、Trinityが神経質と言ってもいいぐらい細かく電力管理していた裏には、日本人の芸の細かさというかコダワリというか、そういうものが入っていたのね。

 ◇

 ・・・って、ここまで長くなってしまったので、ASUSのセールスセッションとゲストトークについては次項目へ。

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