個人で仮想マシンを並べる日、構築編。

 さて、昨日の続き。

 こうして部屋に来たSupermicro with Xeonだが、3台のうち一番まともなケースを徴用してセットアップ。
 早速バラック状態になってしまった1台からは、速攻で仮想マシンに移行する。
 更に、フットプリントの一番軽いヤツについても即移行。

 システム丸ごと仮想化のやり方はまああちこちに情報があるので細かいことは割愛。
 取り敢えず、最近のWindowsのハードウェア変更追随能力はなかなかのものですな。

 というワケで、常時2台化に難なく成功。
 ・・・でも180W超えてるし。

 ♯つかフットプリント一番軽いヤツって、HP MicroServerなのよね。そりゃ減らないよ。

 さてここで問題が。
 残り1台もさっさと統合してしまいたいのだが、こいつには「3TB HDD」ってのがぶら下がってるんですな、コレが。
 そしてこのXeonシステム、RAIDは例によってRocketRaid 2720。3TB HDDの複数挿しでコケるソフトウェアRAID。

 ・・・どうするよ。
 これはAdaptec RAID 6805Eに逝けという天命か?
 それとも3TB UEFI Bootの危険を背負ってIntel Matrix RAIDで頑張るか?
 それしももしかしてもしかして、RocketRaidの最新ドライバで3TB問題が解決されたとか?

 とまぁこういうワケで、RocketRaidの最新ドライバの検証をやる羽目になり。
 取り敢えず大丈夫そうだという結論を以て、3台目の移行となったワケです。

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個人で仮想マシンを並べる日、導入編。

 さて、今更ですが。
 話は「そもそも何でSupermicroに手を出したか」というネタでも。
 それはちょっとした目論見が外れた結果、これしか選択肢が残ってなかったということですよ。

 まず、そもそものきっかけが一番の大ポカ。
 自室のPCが常時3台も電源Onという状態に陥ってしまったこと。

 それぞれが別々の役割を果たすために構成されているものを寄せ集めた結果、こうなったのだが。
 物は試しと3台分の常時消費電力測ってみたら、これが恐怖の3桁、合計220W。

 しかもこれだけの電気を喰っていると排熱も凄いということで、部屋の温度が上がる上がる。
 多少省電力仕様なCPUだろうが、多少低回転なHDDだろうが、数ありゃダメだよねそりゃ。
 更に、当然ながら騒音までもれなく付いてくる。
 世間標準よりは多少静かめなマシンとはいえ、数ありゃ(以下略。

 ・・・さっさと状況を整理しないと電気代が怖ろしいことに・・・。

 ところが悪いことにこの3台、内容物(って言うのかね)の都合で、1台に全部まとめて突っ込むということがほぼ不可能。
 とはいえこの3台のどれもがCPUパワーを持て余している状態で、これはヒジョーに勿体ない。
 メモリとHDDはあんまり持て余してはいないが、それは単純に個々があまり積んでないからで、3台分まとめたところでこれまた大問題ではない。

 ということで、こうなったらもうコレしかないですよ。仮想マシンですよ。
 1台のハコにHypervisor経由で3台分を載せてしまいますよ。

 さてこうなると検討すべきはこのHypervisorの種類なのだが。
 今回はゲストが揃いも揃ってWindowsなので、Hyper-Vで行きますかね。

 #動いているモノ的にはLinuxの方が本流のような気もするのだが、いかんせんうっかり最初にWindowsで始めてしまったのでそのままなのですよ。

 とはいえそのHyper-Vのホストになるのに適当なマザーも石も無いなあ・・・買ってくるか。
 今ある3台分のパーツを売り払えば多少の費用も捻出出来るでしょ、多分。

 ・・・ということで、気がついたらSupermicroとXeonを買ってしまっていましたとさ。

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Buildで見えたWindows8の本気と、ほんのちょっとだけの微妙さと。

 ということで、Buildの詳細レポが出てきたので個人的にWindows 8絡みの感想でも。
 ホントはTechnology Previewを突っ込みたいんたが、現在空いてるハコが無いもんで・・・。

・WinRTというトロイの木馬。

 WinRTってのは結局NTカーネル上で動く「仮想アプリ動作環境」そのもので、目標点はJavaと、着地点はAdobe AirかSilverlightと一緒。レイヤ1枚被せてみました、と。技術的には別に驚く程のものでもない。
 とはいえこのWinRTの効果というか威力は絶大。何よりMicrosoftは、ここをさくっと拡張することで非WindowsアプリすらWindows上で動かして見せる、ということまで出来る土台を手に入れたのだから。

 例えば、それこそWindowsPhone用のアプリをWindows上で動かせるようにすることすら全然難しくない。もちろん裏ではバイナリトランスレータなりWindowsPhone VMなりがワシャワシャと動くのだろうが、そんなモノはユーザからは見えないバックグラウンドなのであって、ユーザからは同じアプリが同じ「METROスタイル」で動いているように見せられる。

・ARM版Natvie Binaryは存在する。

 結局やっちゃうのね、ARM版Binary。
 とはいえ、InstallerはFAT Binaryになるのかどうかについては良く分からん。但しMSがWindows関連でOSリソースをここまで気にしているのは初めてなので、必然的にBinaryがデカくなるFAT Binary導入には消極的なのかも。
 現状見た感じ、ARM版Binaryは「割と特殊」という立ち位置になりそうなので。ならば「インストール媒体が違う」という運用でも何とかなるかと。

・ARMのハードウェアはもうひと頑張り。

 ハードウェアが全然追いついてないやん、というツッコミは「あと一年あれば追いつける」という実にアレな答えが「Solution」(=解決策)らしい。何だソレは。
 逆に言うとあと一年後のARMハードウェアは現在とは一線を画す程度の性能を実現している(予定)ということで、それはAppleなりAndroid陣営にも条件は同じワケで、さてどうなんだろう。結局「Windowsは重い」というのは相対的には変化無いワケだし。

・Hyper-V 組み込みは大歓迎。

 2008 Server R2に積んでるHyper-V 2.0も1.0に比べるとかなりマシでまぁ十分使い物になるレベルなのだが、更に進化したブツがデスクトップOSであるWindows 8に搭載となると、これはかなり良さげ。
 デスクトップOSのGUIとHypervisorが共存出来るってのは、一見地味だが実はかなりポイント高い。

 #2008 R2の「Desktop Experience」はWindows 7の代替にはならないでっせ、実際問題として。

 ちなみにもう一つ、Hyper-Vが組み込まれるというのは実はWindowsの内部構造に大変革が起こるということ。
 Hyper-Vの下では全てのハードウェアレイヤが仮想化されるということで、これは最初にインストールされた標準OS(要するにHyper-V 管理コンソールのあるOS)も例外ではない。2008 Serverでは既にそうなっているが、ついにデスクトップOSも。
 これどういうことかというと、標準OSと一緒にしれっと別OSをインストールして、標準OSと同格として動かすことが可能ということ。
 極端なこと言うと、従来との互換性を全て捨て去った新OSと従来Windows OSそのものを一緒にインストールして、新OS上からシームレスに使うなんてことすら出来てしまう。
 ・・・もしかしてMSは最終的にコレを狙ってる?

・従来型デスクトップからスタートボタンが消えた?

 現デスクトップはWin8ではMetroスタイルと切替えになるらしい。それ自体はまぁそうですか、という程度なのだが、現状のUIでは大問題が一つ。
 というのは、要するにアプリを起動するのがエラい面倒だということ。

 現状のWindowsのUIは「スタートボタン→アプリ一覧→起動」という構造になっていて、それぞれが隣接しているため、見かけのデザインは兎も角として、スタートボタンからアプリ起動までが「一連の流れ」になっており、ポインタの移動量も必要最低限になっている。

 ところがWin8 UIではこの流れは見事に左右にぶった切られ、左のボタン→右のパネルとポインタを動かしまくりないとアプリひとつ起動出来ないらしい。・・・ダメだろそれは。
 別にスタートボタンに固執するワケではないのだが、アプリの一つぐらいちょいちょいと起動させてくれよ、と。

 #何かレジストリいじると旧来型のボタンが出てくるらしいが、結局ソレが解決策なのか?

 ◇

 全体的にはかなり印象は悪くないのだが、どうしても引っかかってるのが最後に書いた従来型GUIの「スタート」部分。
 取り敢えずコレさえどうにかなれば、Windows 8への移行も悪くないかなぁ・・・と。
 特にHyper-V標準装備、の辺りはかなりポイント高い。Hypervisor仮想環境の便利さを一度知ってしまうと後には戻れません、はい。

 #個人的にデスクトップPCでMetroスタイルはあんまり使いそうにないけれど。

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かなりのじゃじゃ馬、RocketRaid 2720。

 さて、衝動買いしてしまったRocketRaid 2720。
 暫く使ったり遊んだりしていると、色々まぁ見えてくるトコもあるワケで。

 ということで、取り敢えず留意点を軽~くまとめてみた。
 まぁ何かの参考にでも、ということで。

 ◇

 その1◇IO重いのは諦めて。

 SASって割には重いんよねぇ、Marvellのチップって。
 まあSATA Onlyの昔っからの伝統なんで今更変わりませんか。

 とはいえ、LSIとかAdaptec辺りと並べると結構目立つんですよコレが。
 MarvellはSAS界の「蟹」、ってのはどうだろう。

 その2◇2TB超は期待しないで。

 3TB超HDD、3台まではセーフ。4台以上はヤバい。
 2TBなHDDなら全ポート繋いで問題無い。

 こんな感じっぽい、手元で試した感じだと。
 ちなみに海外の掲示板なんかでも3TB HDDの多数接続でコケる話ってのはぼちぼち話題には出てるんだけど、HighPointのドライバは更新される雰囲気は・・・。
 まあ長らくほったらかしだって互換性リストがつい最近更新されただけでも・・・っていいのかそれで?

 とはいえ世間では4TB HDDなんてブツも出てきたことだし、まぁそのうちドライバorファームの更新でこの症状は改善されるとは思うけど。
 ってか、これ放ったらかしはさすがにヤバいだろう・・・。

 その3◇多重RAIDも出来るだけ避けて。

 RAID-10/50等の、内部的にRAIDが2段重になるものはなるたけ敬遠。
 何故かというと、普通の1や5と比べアレイが圧倒的に不安定なので。

 個人的な実験の結果では、50や10については正直「ボロボロ」という印象。折角ストライプ+冗長という構成になっているのに、「冗長」の部分が原因不明のトラブルを起こしてしまう。同じHDDをRAID-5とか1で構成すれば全く問題無く行けるのに・・・明らかにドライバの不具合でしょコレは。

 ちなみにWindowsをはじめRocketRaidがサポートする多く(もしかしたら全ての?)のOSはソフトウェアRAIDを自前で持っているので、ソレとRocketRaid側の機能を組み合わせて使うのがよろしいかと。
 RAID-1or5を複数ペア作ってOSにディスクを見せ、OS側でストライピングかけるなんてのは悪くないと思われ。

 ♯RocketRaidだって所詮はソフトウェアRAIDなんだし。

 その4◇WD Greenは微妙かも。

 WD Greenって、個体間のバラつきが(比較的)大きいドライブなので。
 片やRAIDってのは基本、ドライブ間の特性は揃っていないと苦しい。

 勿論、個体間のバラつきがあるといってもそれぞれ単品では必要な性能を満たしているので、単発で使っている分には「普通は」問題無い。まあちょいと壊れ易い気もするけど。
 ただ、2台並べるとそのバラつきの大きさ故、キビシイことになる話もあるということ。
 逆に言うと、偶然ばらつきの少ない個体同士で組み合わせられたら、WD Greenだからといって特別問題を起こす理由もあまり見当たらない、と。

 更に、最近のモデルでは登場後暫くすればバラつきも少なくなってくるようなので、既に生産がこなれまくってるWD20EARSとか同モデルの超マイナーチェンジ品WD20EARXとかならぱ「まあ・・・多分問題無い」と。
 このあたりの微妙な感じが、WD Greenってなワケです、えぇ。
 もう少し安定が欲しければ、HGSTの7200rpm品がよろしいかと。HGSTの7200rpmといえば、Desktop用HDDでRAIDが一番安定すると言われるド定番なので。

 ◇

 とまぁ、こんな感じで。

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Windows 7/2008のアクセス権で、一つだけ気をつけること。

 ドツボにハマっている場面を見かけたので、小ネタを。

 結論:
 Windows 7/2008で、プログラム実行時なアクセス権絡みの妙な挙動や何故か拒否されるという挙動が出たら、フォルダに「Authenticated Users」権限が正しく付いていることを確認すること。

 以下、うだうだ。

 7や2008では普通にNTFSでフォーマットすると「Authenticated Users」というグループにアクセス権が付与される。このグループは「Windowsで認証済のアカウント」という意味で、「サブフォルダーとファイルの削除」「アクセス許可の変更」「所有権の取得」の3つ以外の全ての権利が付いている、かなり自由度の高い権限となっている。

 一方、よく見ると普通に「Users」グループも作成されていて、こちらはフォルダ内の読みと実行のみ、とまあ実に制限されている。また、「Administrators」は例によってフル権限。

 さてここで問題です。ここで「Authenticated Users」を削除するとどうなるでしょう。
 結果:プログラムからディスクへの書き込みが出来なくなります。

 Vista以降、プログラムは通常時は実に制限されたユーザー権限で動作している。
 このため、放っておくとディスクからは読込しか出来ない。
 これでは困るので、ここで出てくるのが「Authenticated Users」。
 コレがあるおかげでプログラムはディスクへの書込が出来るということ。
 この辺りの制御をしているのは内部ユーザー認証=UAC。

 Usersとの微妙だが決定的な違いもこの辺りの話。
 UsersにはGuestアカウント(と昔の匿名ログオン)も含まれるが、Authenticated Usersでは明示的にユーザとして定義されているもののみ。
 これが、正規ユーザ実行として認証されない状態のままディスクに突撃するようなマルウェアに対する、セキュリティ防壁になっているというワケですな。

 ちなみに、具体的にこの権限周りでコケるのは以下のような場合。

 1:今まで他で使っていたHDDを繋いだような場合
 2:知ったかクンが勘違いして明示的に権限を削除しちゃったような場合

 殆どは1。今回の元ネタもこのパターンだったのだが・・・2の実例を知っているモンで、ね。

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