突然だけど必要になったので。

3TB以下、7200rpm限定、非SMR限定、512でのLBAサイズを調べてみた。

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東芝 DT01シリーズ(512e)
DT01ACA050 976,773,168
DT01ACA100 1,953,525,168
DT01ACA200 3,907,029,168
DT01ACA300 5,860,533,168

東芝 MD04シリーズ(512e)
全モデル非公開

東芝 MG04シリーズ(512e・512Native両方あり)
全モデル非公開

Seagate Barracudaシリーズ(512e)「Guaranteed Sectors」
ST500DM009 976,773,168
ST1000DM010 1,953,525,168
ST2000DM006 3,907,029,168
ST3000DM008 5,860,533,168

Seagate Barracuda Pro 「Guaranteed Sectors」
ST2000DM009 3,907,029,168 ※512B Native

Seagate IronWolf Pro 「Guaranteed Sectors」
ST2000NE0025 3,907,029,168 ※512B Native

WD・HGST(512e・512Native 両方あり)
全モデル非公開
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こんな感じ。
にしても思ったより数字を出していないブツの多いこと。そしてLBA数がカッチリと固定されているのはこの中では一番の古参、DT01だけという有様・・・あひゃあ。

あ、Seagateは「保証セクタ数」であって、実ディスクのセクタ数が必ずコレとは保証していないのよね・・・まぁ実際は揃っている筈・・・だと思う・・・けど。多ければおトクという発想もあるかかも知れないが、用途によってはセクタ数って完全に揃っていないと困るんですよコレ。具体的にはRAID組む時、或いはRAIDのHDDが故障したので交換する時。
まぁそんなのデスクトップ用HDDで期待するなという言い方もとても正しいとは思うが、Seagateは5年保証のニアラインでも「保証セクタ数」でしか出していない・・・う~ん。

ちなみにWDとHGSTは非公開なので、ラベルに嘘書いていないレベルから逆算すると、最悪3TBは5,859,375,000セクタあれば嘘ではないことになる(3TB=3,000,000,000,000Byte計算で)。

P.S.
記憶が正しければ日立時代のHGSTはデータシートにセクタ数を乗せていたような。
というか、HGST傘下になってデータシート内容がどんどん削られている気が。

とまぁ、本日はここまで。

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米国デザインのVIA CPUが中国国産の看板を背負っていた話。

 本日のお題は先日見た「やじうまPC Watch」の記事から。

 その記事は「IDT WinChipの血統のVIA CPUは実は新製品が出ていました」というお話で、まぁそれだけならば「あ~」という程度で終わったのだが。
 ふと脳味噌の中で引っかかることがあったので、軽く調べてみたらあらまぁだったというお話。

 ♯当方はNehemiah(C3-1GHz)を自宅サーバにしていた時期もあります、はい。
  ちなみにM/BはAOpen製ののMX36LE-UN。当時は珍しい黒基盤がカッコ良かったんですよ。

 さて、本日何でこんな話を書いたかというと、以前「中国が国産のx86 CPUを開発した」的な話をどっかで見かけた記憶が残っていたので。
 実際問題としてx86 CPUを今更スクラッチで開発するなんてコスパ悪過ぎなのと、本当にスクラッチで開発していたらもっと大ニュースになっている筈なのにちっとも話題になってない→開発してね~な、ということで「まぁリブランドでもしてるんやろ」ぐらいに思っていたのだが。

 なので、記事に出てきた「兆芯」という会社は何じゃらほいと調べてみたところ。
 これ、英語名だとVIA Alliance Semiconductorという名前で、2013年4月に上海で設立されたJV(ジョイントベンチャー)。出資元は台湾VIAとShanghai Alliance Investment Ltd=上海SASAC=上海国務院国有資産監督管理委員会、要するに中国共産党ですわ。
 一方、米国側の関係会社というか母体というか踏み台になったのがVIA Alliance Technologyで、コレは遡ること2年半前、2010年9月に設立されている。

 そして現在、Centaur Technilogyは事実上VIA Alliance Technologyの傘下の模様。
 御存知だと思うので念のため、Centaur Technilogyはアメリカの会社です。

 ・・・ここまできて、もしやと思って「中国の国産x86 CPU」ネタを軽く調べたところ・・・ビンゴ。
 「兆芯から中国国産のx86 CPUが登場した」という文面が、中国語のサイトからガシガシ出てくるんですわ。

 ということで、以上から導き出される結論は。

 懐事情が厳しくなってきたVIAはCentaur Technilogyを「事実上」中国共産党国営企業に譲り渡した。
  ↓
 中国共産党国営企業は米国でデザインされたCPUをいつものノリで「国産x86 CPU」と言っている。

 という、まぁあるあるでしょうな。

 現在のVIAの主要ビジネスは組込向けマザーの供給だが、このビジネスの継続の為にx86の独自CPUを持っている必要性は正直無いし、それどころか自前で半導体チップを開発する必要すらない。実際、VIAのラインナップ見てみるともう半分以上はARM。

 一方で半導体チップの開発やサポートには正直コストがかかる。
 なのでVIAはそこそこ売れていたUSB Audio等も含めて自前のチップ開発を終了してしまった(結構あちこちから買い集めてラインナップ揃えたのにね)。
 ところが、CPUについては中国が欲しいといったので、JVを作って事実上譲り渡した、と。

 ♯恐らく開発費の大部分は中国が出してくれるだろうから、VIAからすると開発済CPUの供給継続と新規開発の成果を低コストで手に入れられる美味しい話だったのでは。

 ちなみにこの兆芯、割と最近35W/8C/2GHzというCPU「C-OctaCore FC-1080」を発表しているのだが、ベンチを見ると数字が何故か「2x VIA Quad Core 2GHz」という謎のボード(ちなみにチップセットはVX11)と誤差程度しか違わない。VIA Quad Coreの最新バージョンはMCMではなく1ダイになっていることと併せて考えると、何だか味わい深い感じですな。

 そしてこのベンチ結果、数字の絶対値を見るとPentium G3420(53W/2C/3.2GHz)とかCore i5-3230M(35W/2C/2.6GHz)と大差ない感じ。
 コア性能1/3かよ、というツッコミが入るだろうが、コアあたりの消費電力はノート向けIvyBridgeと比べても1/4なんですよ。

 つまり電力性能という見方をすると実は結構悪く無いのです、念のため。
 WinChipの伝統は脈々と受け継がれていますな・・・。

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いろいろとおあずけが続くHDD。

 さて、久しぶりにHDDの話でも。
 といっても最近新展開もなく、正直全然面白くないんですが、まぁ定期ネタということで。

 ♯Seagateが10TBをいきなりあの値段で出すとは正直思っていなかった、ぐらいか。

 ということで、最近ではSSDに押されまくって全く面白い展開の無いHDDの、ここ数年の展開見込みを見てみましょうか。
 勿論当方の予想が多分に入っているので、その辺りはご理解下さいな。

 1◆容量単価はもう(暫くは)下がらない

 理由はというと、垂直磁気記録の限界だからです、はい。
 今までの容量単価の低下は、極論言えば物理的な構造をそれ程変えずに詰め込めるデータ量が増えていたことによって実現されていたもの。
 もうこれが限界なんですわ。
 これ以上容量を増やそうとしたら、物量で行くしかないんですよ。つまり原価が下がらない=価格も下がらない。

 後継と目されていた熱アシスト記録については、テストプロダクトとしては完成しているものの、製品として売り物になるレベルに達しているかと言われると、という状況のようで。
 長時間動作時のメカの安定性、加熱冷却を繰り返すことによるプラッタの耐久性、部品のコストとクリアすべき問題は未だ多く、揚げ句には現在のところ垂直磁気記録に比べてそこまで高い記録密度が実現出来ていないという話まで。

 こんな状況なので、仮に熱アシスト記録の製品が出てきたとしてもそう簡単に容量単価が下がることになるとは思えない。

 結果として、当分は容量単価の低下は見込めないということです。

 2◆3.5′ HDDの容量は12TB~15TB程度で一度頭打ちになる 

 これまた理由はというと、またしても垂直磁気記録の限界だからです、はい。
 ヘリウム詰めでプラッタを増やすことに成功して容量を増加させたHDD業界なのだが、もう記録密度は限界。

 とはいえ実際問題として高密度化の要求は強く、それに対するHDD業界の答えは「プラッタを増やす」。
 既に9枚プラッタ量産の方向性は示唆されており、技術的なハードルはほぼクリア済な模様。
 つまり、あとはいつ量産開始するだけの根性があるか。
 恐らく来年には9枚プラッタ品のアナウンスはあるかなぁと個人的には思っているのだが、さてどうなる。

 ♯現在の7枚プラッタですら正直詰め過ぎな気がするので「うへぇ」という気もするが、他に選択肢が無いんだから仕方ない。

 一方で、それ以上のプラッタ枚数はと言われると、現在のところ目途が立っているという話は無い。
 物理的にもいい加減厳しいと思われるので、そう簡単には9枚以上に増えることにはならないと思われる。

 以上を総合すると、9枚プラッタ×1.43TB=12.8TB、SMR使って色々頑張っても15TB、この辺りで「頭打ち」が来るのではないかと。

 この頭打ちを解消出来るのが熱アシスト記録なのだが、前述したように技術開発が遅れている上、なまじ従来型記録の容量が上がってきてしまったので余計ハードルが上がってしまっている。
 結果的に「9枚プラッタ発売後、熱アシストが出るまで」は容量頭打ちになるのでは、と。

 3◆そもそもHDDの将来が怪しくなってきた

 HDDって所詮精密メカなんで、開発費も生産ライン構築費も馬鹿にならんのです。ドカンと投資してコツコツ回収、このビジネスモデルは正直しんどい。
 だから各社が撤退して今残っているのが3社だけという状況なんですわ。

 一方で、SSDの方が予想を上回る速度で密度を上げてきており、既に単純な記録密度ではHDDを上回るところまで来ている。
 勿論フラッシュメモリの方の開発費も生産ライン構築費もバカにならないというか、正直トンでもないカネがかかっているのだが、こちらの方が何しろ量が出るのと、「半導体」という大きな括りの中の製品の一種ということで、相対的に見れば各社の費用持ち分がうまい具合に按分されていて、結果的には潤沢な投資がされている。

 そして今、HDD生き残りの頼みの綱のエンタープライズコールドデータ用途まで、このままSSDの値段が下がればテープ+フラッシュのハイブリッドか、それとも単純にSSDか、みたいな未来が見えてきてしまったんですわ。
 QLCのような多値セルは価格と引換に速度も耐久性も落ちるが、コールドデータ用途なら信頼性さえ確保出来れば他は問題にならず、ストレージとしての信頼性ならメモリチップより上位のレイヤで担保する方法はいくらでもある。更にランダムアクセスでも速度がそこまで落ちないSSDを前提とした重複排除やデータ圧縮技術も日々進歩してきている。これらは全てSSDの容量単価を下げる方向に働いているので。

 勿論、フラッシュに関しても既に記録密度の問題にブチ当たっていて、3D化というのは言うなれば容量拡張の最後の手段。容量無限Upみたいな話はフラッシュ見てても何処にも無い。
 が、いかんせん物理的なサイズが全く違うことと生産量の桁が違うことで、量産効果による価格低下がハンパないことに加え、世間ではデータ記録の需要が減少するどころか拡大する一方。特定のモデルがニーズにハマるかとうかは横に置いといて、全体としてのフラッシュの需要が萎むなんてことは考えにくい。

 こうなってくると、そもそも高いカネかけて高密度なHDDを開発してソレ元が取れるの、という根本的な問いが、いよいよもって現実味を帯びてきてしまったのですよ。
 さて、HDD生産3社はこれからどうしますか、ね。

 ♯熱アシスト記録の製品化が遅れている理由の一つとして「そこまで開発にカネかけてない」なんて話すら出てくるぐらいなので。

 ◆

 以上、こんな感じで。
 自分で書いていても何だかなぁという感じですが、大きく外してはいない筈。

 一昔前には「2020年には3.5’HDDの容量は40TB」なんて話もあったんですが、まぁ無理だろうなぁ、せいぜい半分あれば御の字でないの、というのが個人的な意見です、はい。

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IK Multimedia iRig Keys 25を買ってみて、3オクターブの大事さを知った。

 さて、物凄く久しぶりにDTMっぽい話でも。
 先日からやっていたIK Multimediaの強烈な期間限定キャンペーン、簡単に言ってしまえば最安で¥8K(小売最安価格帯)からのミニキーボード(鍵盤の方ね)を買うと¥55K(定価)程度の音源ソフト、SampleTank3フル版を付けちゃうよ、というシロモノに、飛びついてしまった人間がここにも一人居たワケですよ。
 つか、いくら会社設立20周年キャンペーンだからって太っ腹にも程がある。

 ・・・ということで、全く予定していなかったのだが、シンプルな2オクターブのミニ鍵盤キーボードが手に入ってしまったので、軽く感想でも。

 ◇

 まず予め言っておくと、ぶっちゃけハードウェア単品の魅力というか商品力というか、そのレベルの話を始めるとKORGやALESIS、M-AUDIO、AKAI Professional等のライバルに正直太刀打ち出来ません、はい。モノが劣る訳ではないが単純に価格が高い。
 逆に、普段からバンドルされているSampleTank3 SEというソフト代込みだと考えると、これはこれでかなりアリではないかと。確かにタイトル数だけ見れば多数のバンドルソフトが付いている製品もあるが、内容を見ればもう全く問題ない。

 ♯という風に昔からSampleTankが好きだった自分は思うのだが、世間一般の人にはどう思われてるのかねぇ。

 という前提を置いておいて、実際にハードウェアを触ってみると。
 正直言ってしまうと「思っていたよりはしっかりしてる」。激安何とかトーン並のぺらぺら感を想定していたら、それよりはだいぶマシだった。
 何より、この小ささとキーの軽さでタッチセンスがそこそこ綺麗に入ったのが驚き。まぁこのタッチセンスの感度やらセンスカーブやらというのは個々人の演奏スタイルというかフィーリングに激しく依存するので、他の人からすればキモチワルくてツカエナイ、かも知れないが、自分的にはコレはもう十分にアリ。

 ・・・が、ここでタイトルに戻るんですな。
 実際触ってみたところ意外と弾けてしまったので、そうなると今度は2オクターブという音域がキツくてキツくて。せめてもう1オクターブ欲しい・・・とふと思ったら、世間で売られているミニシンセ、大体3オクターブはキーが付いているということ。
 そっか・・・そういうことか・・・小さくても「弾ける」の限界は3オクターブだったんだ、と身をもって実感してしまったワケですよ。

 ♯最近の機械でもKORG Minilogue、microKORG XL+、YAMAHA Refaceシリーズ、Roland JD-XI、Novation MININOVA、古いトコではKORG PROPHECY、MS-20、ARP ODYSSEY、その他色々。

 ん~これだったらもう少しカネ払って37鍵版のiRig Key 37買っておけば良かった。
 ブツ自体がアレということでは無いが、買うもの間違えたかも。

 ◇
 
 ちなみにキャンペーンで手に入れたSampleTank3のフル版は・・・さすがSampleTank、マルチティンバー音源だというのに生音系が中々いい感じですよ。楽器の種類のメジャー所は揃っているし、専門ソフトに比べれば少ないとはいえ奏法違いのバリエーションも入っている。まぁこれでも足りなければMiroslav Philharmonik 2を買えということよね。

 一方でこれまたさすが前評判通りだったというか何というか、エレクトリック&シンセ系の音は正直え゛~っと。どうしてこうなった。
 まぁこの辺りがST3の変わったところというか。一般的になマルチティンバー音源は音色数稼ぎが出来ることと音源自体がショボくてもまぁそこそこ聴ける音になることとで、シンセ系の音を充実させてくることが多いのだけど、ST3はそのテの音数稼ぎはやっていなんですな。

 まぁ兎に角、実質的に¥8Kで買えてしまったと考えたら超の付くお買い得品、フツーに買っても中々悪くない一品ではないかと。
 ・・・って、今回はキャンペーンでタダだったが、普段でもIK Muitimedia製のMIDIコントローラ買って、バンドル版のSEからフル版にアップグレードした方がフル版パッケージをいきなり買うより総額が低かったりするのよね。このテの話はソフトもハードもやってる会社ではあるあるだけど、IK Mutimediaも御多分に漏れず、と。
 しかもさっきWeb見たら期間台数限定だった筈のiRig Keys PRO+SampleTank 3フル版のバンドルパッケージが未だ残っているし。コレST3単品で買うよりかなり安い上に37フルサイズ鍵盤が付いて来るという一品で、特に告知も無く商品リストの隅っこにしれっと載っている辺り何だかなぁと。

 ♯ちなみにIK Muitimediaの製品はパッケージ版がほぼ価格固定なのに対してDL版は為替の影響で日本円にした時の金額が結構振れると、割と頻繁にDL版のセールをやっているので、欲しいと思ったら頻繁な価格チェックは必須です、はい。

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Steinberg印のUR12を買ってみた。

 さて、手元の環境のWin10化で泣く泣く捨てざるを得なかったのがサウンドカード。いい加減Vista用βドライバではWin10ではコケまくるというか青画面の原因になってしまうようで、まぁそんな代物が今更Win10用ドライバなんて出してくれる筈も無く。

 で・・・オンボードのサウンドも使ってはみたものの、筐体内の電源ノイズを拾ってしまって仕方ないのと(実はサウンドカード時代も拾っていたがオンボードの方が更に酷い)、そもそもやっぱりオンボードなので。

 ♯とは言っても昔に比べると随分良くなっているのは聴いてて分かったけど。

 そんなワケで、ASIOが使えてある程度しっかりしていて且つ低価格、という条件で探してみたところ、YAMAHA製なSteinberg印のUR12がヒット。既にコスパ高いという定評もあったので、何も考えずにぽちっと。

 ◇

 以上のような経緯で、手元に来たUR12。第一印象は「(物理的に)重い」だったというのは兎も角、ちょっと触ってみた感じ、確かにこれは「コスパ高い」わ。
 ラインナップ最上位しか真面目に作らないYAMAHAにしては珍しいことがあるもんだ、といったら怒られるかも知れないが、確かに色々価格相応にケチられているものの、しっかり作られている印象。

 Cubase AIも付いてくるし、この価格帯としては決定打と言ってもいいかも。
 正直言っていい買い物したと思っていますよ。

 ♯桁が違う純業務向けと比べると音の輪郭や解像度が、という話は確かにまぁなぁとは思うが、この値段でこれだけ出ていれば逆に御の字では。

 但し、それではコレもう完璧かと言われるとそうでもないね、と。
 大雑把に言っても4つも注意点があるので。
 以下、列挙。

 ◇その1:電源にシビア過ぎ。

 まぁこれはUSBバスパワー機あるあるではあるが、世間の口コミ以上に電源周りに余裕が無い。
 電圧が低いとしれっと電源が入らないし、何とか電源が入って認識されても今度は稼働中に突然音が途切れてしまう。更に、電源ラインからノイズが入ると音が途切れることも。

 最近では電気喰いデバイスが増えたせい(だと思う)でUSB電源周りは以前よりかなり強化された気がするが、一昔前のPCで少ないコネクタにUSBデバイスを複数繋いでいるような環境だとこれは厳しいかも。
 あとモバイルノート系は要注意。バッテリ節約の為にUSBの給電能力が低かったり、AC繋いでいると問題ないがバッテリ駆動にすると・・・なんて話は最近の機種でも時々聞く話なので。

 実際自分のPCのうち1台は構成そのものが古いこともありUSB周りがヨワヨワで、他のPCでは全く問題なく起動するバスパワーのUSB HDDが起動できないなんて事態になっていたりするのだが、素でこのPCに繋ぐと一応認識こそするものの、10分も持たないうちに音が途切れ(て数秒~十数秒後に復帰)、終いには認識されなくなってしまうという有様。

 ♯ちなみにこの「音が途切れ」ている状況ではUSB Link LEDが高速点滅する(電源ON時はホストに認識されるまでゆっくり点滅)。マニュアルにはこの高速点滅の意味が書かれていない気がするが、要するに取り敢えずエラー、ということでいいんか?

 とはいえこのUR12、この問題に対しては簡単に対処可能。
 やり方は簡単、PC接続時でも外部給電を使用すれば即解決。コネクタがUSB MicroBでスマホの充電用アダプタやケーブル、そしてモバイル環境ではスマホ用のモバイルバッテリがそのまま使える辺りは気が利いている。

 実際、当方の場合も、1.5A出せるモバイルバッテリ(普段持ち歩いているもの)から給電した状態で前述のUSB周りダメダメ環境に繋いでみたところ、取り敢えず7~8時間は全く音途切れが発生せず、極めて安定してしまいましたとさ。

 しかも、これは当方のようにPC電源がノイズだらけのような状況に限られるだろうが、外部給電した方が明らかに音が良いという。
 自分のような駄目耳と安物イヤホンですら気付くぐらいの差があるので、きちんとした耳とヘッドホンを持っている人なら雲泥の差ってやつでは。

 ちなみに、給電能力不足解消のド定番の手法である「セルフパワーUSB HUBを挟む」でも勿論問題は解決する。
 が、手元でで試してみたところ、確かに不安定さこそ解消されるものの、明らかに外部給電の方が音が良いのですよ。

 まぁこれは給電にどんな電源ソースを使うかにも依るとは思うので、当方の環境限定かも知れないが・・・既に手元にセルフパワーUSB HUBが余っているような状況でもない限りは、スマホ充電にも使えるACアダプタを外部給電用に買って来るのが正解かね。

 ♯ちなみに、手元に転がってたUSB HUBのうち1つはセルフパワーで5V2AのACアダプタからUR12だけ繋いで給電しているのにも関わらずイマイチ安定しなかったったりしたので、USB HUBを挟んでもダメな時はあるっぽい。ここまで来ると相性レベル。

 ◇その2:PCを省電力に使うのはかなり厳しい。

 元々DTMを本気でやるなら省電力モードなんて使わないだろうが(VSTがモタるので)、単なる低価格なDAC代わりにしようとするとこの欠点が目立つ。
 手元のPCでは、どれも「高パフォーマンス」モードにすれば問題は起こらないものの、「省電力」設定にすると全ての環境で音切れ多発、「バランス」モードでも音切れする環境がある始末。

 それと、どうやらデバイススリープ周りにも不具合がある模様。
 症状としては暫く使用していないといつの間にか切断されてOFF状態になっているというもので、この症状が出てしまうとケーブルを物理的に抜き差ししないと復帰しない。
 取り敢えずの対応としては、デバイスマネージャ上でUR12のぶら下がるUSBの接続ツリーを開き、途中に挟まる全てのHUBの電源管理でデバイススリープ(電源OFF)を不許可に(標準だと許可になっている)することで解決するように見える・・・が、短時間の確認なので完全かどうかは不明。結局すぐに外部電源繋いでしまったので。

 ◇その3:USBバスとの相性は確かにある。

 手元でこれヤバいと発覚したのはASMedia USB3.0。ここに繋ぐと兎に角安定しない。
 逆にUSB3.0でも旧NEC=Renesas USB3.0では特に問題は発生せず。
 ではUSB2.0の世界では無問題かというと、AMD SB850・950だと偶に音が飛ぶことが(1時間に1~2回程度)。Renesas USB3.0ではこんな症状出なかったので、これまたコントローラ若しくはドライバとの相性と思われる。

 ♯にしてもここまで分かり易くASMedia USB3.0で相性問題起こすデバイスは初めて見た。
  USB3.1登場で捨て値になってるRenesas 3.0チップ搭載PCIeカードでも買ってくること考えるかね。

 ◇その4:コネクタどうにかならんのか。

 そして最後の注意点。
 標準添付のUSBケーブルが悪いのかコネクタが悪いのか、それともハズレ引いたのか、Type-Bケーブルのガタが酷く、ガタガタしていると突然接触が切れることがある。

 一応モバイル用途も謳っている以上、これはどうにかならんのかいね。
 まぁType-Bコネクタ自体がアレだという話もあったりするのは分かっていってるけど。

 ◇

 ・・・まぁ色々言ってしまったが、基本出来が悪くないだけに欠点が余計に目立ってしまっているような。
 他人に薦められるかと言ったらおススメ出来ます、程度には満足してます。

 それでは、今回はこの辺りで。

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