HGSTの6Gbpsドライブって割とワガママ?

 気づいたら11月はエントリ無で終わるとこでしたな。
 個人的にちょっとドタバタしてて、正直blogのネタもあんまり無かったのであり。

 但し、その間にもトラブルには遭遇していたりして、今回はそんなネタでも。
 お題は、WDに喰われて間もなく消滅予定のHGST製HDD。

 以前、7K3000と特定のチップの間で相性問題が発動するというネタを書いた、が。
 今度はCool Spinな5K3000シリーズにもSATA I/Fとの相性問題が発生することが判明したんですわ。
 ・・・というか、HGSTの6Gbps対応HDDはどっちもダメってことか。

 しかも5K3000の方が7K3000より相性が激しい模様。
 6Gbps SATA I/FとしてはメジャーなSB850ですら、BIOS等で3Gbpsに固定すると発動する(ことがある)ことが判明。
 「相性問題が出たら低速側に固定」というのが一番普通の対応策なのだが、このHDDに関しては6Gbps側にしないと安定しないというオチが。

 ちなみに相性が出ると、さくっとI/Fが固まります・・・。
 ドライバはだいぶ枯れて安定しているせいか、Windowsの青画面にこそならないものの、普通にI/F自体を見失うので。

 ついでにこのHGSTのCoolSpinドライブについて、実際触っていじって分かったこと。
 一言で言うと「WD Greenの追っかけ」を地で行くようなドライブ。
 I/Oの挙動も正直言ってHGSTらしくないというか「プラッタ容量が切り替わった直後の未だこなれていないWD Green」に近い感じで。

 コレではおっかなくて、とてもじゃないけどRAIDには使えないですよ。
 パッケージに書いてある通りでした、はい。

 #まあシリーズが続いていればWD Greenみたいに大人しくなっていってた、のかもね。
  新シリーズの第一世代モデルなのだから「こなれていない」ってのはある意味当然でもあるワケだし。

 ちなみに、非公開とされている回転数は一説によると5700rpmらしい。
 未確認情報なので、あくまで一説ということで。

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HGST 7K3000 3TBの思わぬ相性問題。

 以前、3TB HDDをいじっていたら不安定に・・・というネタを書いたと思うが、実質的にその続き。

 いやはや、参った。HGSTの最新ドライブと古めパーツの組み合わせで、相性問題確定。
 ちなみに症状は以下の通り。

 ・完全にハング。
 ・青画面。ちなみにパラメータはF4 (腐ったドライバか壊れたハード)。
 ・Software RAID崩壊。所詮Software、I/O周りのハングでは壊れることもあるのよ、念のため。

 そして、この恐怖の症状を発生させる組み合わせは以下の通り。

 RATOC SA-DK1EU + HGST 7K3000 3TB + SiI3124搭載カードの一部

 DK1EUはRATOC製品のREX-SATAシリーズHDDケージを使うための外付けケース。USB2.0とeSATAのDual Interface・・・ってソレが悪さしてるんだろうなコレ。
 ちなみにアイボリーモデルは販売完了になったが新たに黒色モデルが発売されている。中身は変わっていないだろうから、多分この問題もそのまま。

 7K3000は言わずと知れた高速3TB HDD。7200rpmでは最強。

 そして最後のSiI3124搭載カード「の一部」なのだが、これ例えば手元のLycom PE-124ではモロに該当。痛タタタ。何故か極希に上手く行くことも無くはないのだが、まずコケる。

 一方でRATOC自身のどう見てもPE-124のOEMなカードを売っているんだが、RATOCのサポート曰く「問題ない」とのことなので、かなり微妙なレベルの話なのかも。ケーブルぐらいならまだ兎も角、ヘタするとマザーの違いとか電源の違いとか、そんな話かも知れないし。

 #どちらもPCI-Express電源ラインのノイズが・・・という話。高速IFだとこのテの「ノイズ」が原因、ってのは結構無視出来ない問題。

 一つ気になるポイントは、HGSTのHDDが6Gbps対応品だということ。もしかしたらHGSTとの相性ではなく6Gbpsとの相性かも知れないし、そうなると将来的にHGST(WD?)から3Gbpsや1.5Gbpsに固定出来るユーティリティでも公開されれば状況は変わるかも知れない。

 ・・・とはいえ、IFがRATOC製でない以上、現状RATOCにこの相性問題をどうにかする義務は無いしなぁ。
 ん~まあ、こういうこともあるか。

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WDのHGST買収とSamsung 4TBに見る、HDD業界の未来。

 さて、まさかこのテに出てくるとは思いませんでしたよ。
 WDがHGSTを買収するとな。
 とはいえ、結果だけ見てしまうと極めて合理的な経営判断であり。

 何しろ、WDと言えば・・・

 コンシューマー向け大容量HDDの大量出荷で「低価格、中品質」と「利益の出し方」は極めたものの。
 「高価格、高品質」なエンタープライズ製品は最近始めたばかり、しかも未だ軌道に乗ってないどころか苦戦中。

 片や、HGSTというと・・・

 コンシューマー向け製品はぶっちゃけ得意じゃない上に、商売だってヘタクソもいいところ。
 但し「高価格、高品質」なエンタープライズ製品はお手の物で実績も相当あり、ぶっちゃけコレで喰い繋いで来ました、ハイ。

 両方が上手く組み合わされば・・・

 コンシューマー向け大容量HDDの大量出荷で「低価格、中品質」と「利益の出し方」を極めつつ。
 「高価格、高品質」なエンタープライズ製品もバッチリ売って更に利益上乗せ、儲けウハウハ。

 ・・・になるのかねぇ。
 少なくともWDの経営陣はこうなることを期待している筈。

 ◇

 さてこうなると、微妙に気になるのが他社への影響。
 順番に見ていきましょうか。

 ◇

 まず、Seagate。短期的にはプラスだが、長期的にはどうだか。

 理由はというと、まずWD+HGSTという形でHDD供給を受けていたメーカがWD&HGST+Seagate、という形に乗り換えてくるのが相当数見込めるため、短期的にはプラス。何だかんだで現時点ではSamsungよりは信頼されているし。

 一方で、長期的にはというと・・・ここ数年の品質&開発能力の低下からいつ復活出来るかにかかっていますな。個人的にはもう少し時間がかかると思うが。
 現状はというと、「カネはかかるがコレをやらないと生き残れない」という高密度プラッタ開発競争で既に最前線から脱落済の上、大騒ぎになったファームウェア問題も記憶に新しいところ。

 具体的な製品で見ていけば、低回転品のBarracuda LP(Green)で667GBプラッタを漸く採用するも、WDからは出遅れること半年以上。
 3TB HDDについてはBarracuda XTがアナウンスこそ早かったものの、600GBプラッタの安定に手こずり、大量生産の見込みが立ったのは本当に極最近という有様。
 というか・・・一昔前のSeagateの天下っぷりを見ていた身としては、なんだかなぁ・・・と。

 #HGSTですら7200rpm/667GBプラッタの大量生産がイケイケ状態なのに。

 ◇

 次、Samsung。こちらも短期的にプラスだが、長期的にもプラスの可能性が高いと思われる。

 理由は。短期的にはWD&HGSTに加えてSamsungを選んでくる会社も多くはないが少なくもないだろうという予想から。
 価格競争になると頑張ることが多いので、価格重視のベンダ系にはウケが悪くないのよね、Samsungって。
 昔に比べれば品質も接続性も安定してきたし。

 一方、長期的には。
 個人的にはデスクトップ分野では今後確実にシェアを上げて来ると思っている。理由は「ライバルのSeagateが自滅中」且つ「価格競争を諦めるつもりは無い模様」だからで、正直な話製品自体の競争力が強くなったとは思っていない。
 そして、Samsungの財力+日本のパーツメーカの技術力、という後ろ盾を最大限活用した結果、プラッタ密度競争でも現状悪くない立ち位置をキープしているのもポイント。
 特に先日の展示会に1TBプラッタの試作品を出してきたということは、製品化の目処も立っているという意味で、ヘタすると世界初の1TBプラッタ採用品出荷会社になる可能性も。

 #このプラッタは昭和電工製というウワサもあるが、未確認。
  同社のプラッタは密度競争ではWDと並んで世界の最先端を走っており、Samsung製HDDの多くで採用されているという事実がウワサに信憑性を与えている。
  ちなみに1TBプラッタはHGSTも既に試作品を完成させているという話もあるが、こちらもあくまで根拠無しのウワサだけ。

 ◇

 最後、東芝。・・・短期的には影響無し、長期的にはマイナスか。

 東芝はWDがメインにしていたデスクトップ分野には参戦していなかったんですな。ノート向け2.5インチと、富士通から引き継いだサーバ向けのみ。
 まぁノート向けではWD&HGSTからの乗り換え組が来る可能性はあるが、WDのノート向けは数量で見るとたいした数ではないので。
 そういう意味で、短期的に「おこぼれ」を授かるチャンスは無いと言っていいと思われる。

 そして長期的には・・・WDのカネとノウハウで旧HGSTのエンタープライズ部門は競争力を強化してくるだろうからその分不利になるのは確実。
 更に、もしSeagateが復活してくるとこれまた不利に。

 専業のWDやSeagate、国策Samsungと違って、他にもイロイロやっている東芝にはHDD事業を死ぬ気で維持する気合いも根性も無いだろうし。
 個人的にはSamsungと我慢比べ状態に突入した挙げ句、先に音を上げるんじゃないかと思っていたりする。
 その時の市況次第ではSamsungが買うかもね。

 ◇

 最後に、おまけ。
 実はWDとHGSTの3TB HDDを少し前に購入済みだったり。
 取り敢えず問題無さそうですが、詳細は次回の更新ででも。

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日立のリテール箱HDD、・・・失敗かも。

 つい先日から出回り始めた一品。
 いやね、これマズいですよ、いやマジで。
 何が問題って、この箱が。

 ・・・デカい、邪魔。

 いやまぁそれだけなんですけどね。
 まあHDDの大きさより箱が一回り大きいのは致し方ないにしても、厚さがかなりとんでもないですよ。中身のHDDの3倍ぐらい。

 これが正規代理店Synnex扱のWDやSeagateのHDDなら、包装の類は全て捨ててしまってもRMAは普通に使えるのだが。こっちは包装一式が揃っていないとリテール品を購入した証拠が無くなってしまうので、恐ろしくて包装一式開封後即処分というワケにいかず。
 ところがこの箱、緩衝材の都合のため潰してコンパクトにすることが出来ないという、かなりあんまりなオチがつくんですな。

#HDD+α程度の大きさの箱ならまだ兎も角。

 ん~、SeagateやWDがやっている、ついでにHGST自身も海外ではやっている、シリアル確認方式での保証にしてくれませんかねぇ、いやマジで。
 既に海外で動かしているシステムにちょっと日本語UI被せれば、それで全部済むってぐらい簡単な話・・・ではないのかねぇ。
 バルクの並行輸入品と見かけで区別する必要があるなら、SeagateやWDと同じように導電袋に正規品シールを貼って済ます、で十分だと思うし。

 それに、今更こんな箱に突っ込んで売るのってエコじゃないと思うのよね。
 箱を作るのにも資源使う=エコではないし、無駄に大きいので輸送も保管もコストがかかる=エコではないし、挙げ句には販売店店頭でもエンドユーザにとっても単なる邪魔物だし。
 結局箱があっても誰も幸せになれない、ってのは言い過ぎかね。

#某店では販売用HDDストック棚に物理的に収まらないので、バックヤードに配送用段ボールに入ったまま積み上げてるとか。

 ということで、リテールパッケージ売という商売形態には文句言う気はないのだが、そのパッケージ自体は(かなり本気で)どうにかしてくれと思った、というお話でした、とさ。

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