Desktop HDDに無茶させちゃいけません。

 今回はかなりどうでもいい話。

 何か最近、デスクトップ用の爆安HDDをRAIDで数並べて結果的に撃沈、なんて話をよく聞く気がする。

 HDDメーカが「ニアライン」「エンタープライズ」なんて肩書きを付けた$の高い製品をわざわざラインナップしている理由を考えれば、自ずと答えは出るだろうに・・・。

 いやね、世間一般では「エンタープライズ」「ニアライン」用のSATA HDDなんて「高いだけ」って思われている節があるけど。
 ある程度の数のHDDをブン回してみれば、目に見えて分かりまっせ、肩書きの意味が。故障率がホントに違うから。

 但しまぁ、この故障率の差が値段差に見合うか、という点については個々人毎の判断でしょうな。
 少なくとも当方は「業務で使うならアリ」「個人使用ではちょいキビシイ」と思ってる。

 #個人使用だとRAID-1を自前で組んだ方が安いことも多いし。

 ◇

 ちなみにどうしてもデスクトップ用HDDを使ってOS以下のレイヤでRAID-1以上を組まざるを得ない場合、具体的にはRAIDカードを使ったり、チップセットのRAID BIOSを使うような場合、何とかなる可能性が一番高いのはHGST。
 それでもエンタープライズHDDを並べるのと比べて故障多発を覚悟する必要はあるが、取り敢えずアレイを作る程度なら何とかなる。

 逆に絶対やってはいけないのはWD。特にWD Greenはヤバい。
 というのは、WDのデスクトップ用HDDは部品の耐久性という以前にファームが非RAIDを前提に構成されているので、これが原因で(物理的にプラッタが逝ってなくとも)トラブルになるコトが結構多い。

 一方、OSのIO Kernelより上のレイヤで動作するSoftware RAIDでなら、IO Kernelがこの辺りを吸収してくれるのが普通なので、部品としての耐久性を別とすればWD Greenでも普通にRAIDは組める。
 具体的にはLinuxのSoftware RAIDとか、Windowsなら「ディスクの管理」で作るSoftware RAID ボリュームとか。

 そしてこの辺りになってくると、パフォーマンスさえ問題にしなければ全く違うメーカや型番のHDDを組み合わせてRAIDを組むということも出来るし、殆どの場合でOSさえ一緒ならハードウェアを変更してもアレイを使い続けることが出来る。
 なのでこれ、「特定のハードウェア」「特定の型番のHDD」に縛られる高価なHardware RAIDよりも可用性に優れている、という言い方も出来るワケで。

 ♯確かLinuxがSoftware RAIDを推奨している理由にも挙げられてた気がする、この辺りの話。

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AHCIの悪い癖。

 当サイト何度目かの、eSATA絡みのお話。

 USB3.0も当方の予想以上の、でもPCヲタ以外には存在すら知られていない程度の勢いで普及が進んでいる一方で、相変わらずeSATAの方は空気というかなんというか。まぁPC/AT業界のFireWireよりはまだマシだと思うが(ってもMacでも最近忘れられつつあるような)。

 で、世間の殆どではeSATAというとAHCIで、チップセットから引っ張り出されるかJMicron辺りのチップで接続されるモノらしい。
 一方自分的には相変わらずメインはSiI3124とか3132なのだが、最近時折チップセット引出やJMicronのAHCIを使うこともある。

 ところが、このAHCIなeSATA、使い勝手がよろしくないものがあるのがどうにも気になって。
 もう少し具体的に、何が問題かといいますと。

 ・JMicron製チップの一部で「データ転送中にHDDを見失う」という恐ろしい症状が出る。
  1.5Gbpsに落とすと軽減する(完全に解消するワケではない模様)というので、ノイズや信号品質の問題と、ハードやドライバの処理のマズさとの複合要因だとは思うが、さすがにコレはなんというか・・・。

 ・AMD7xx/8xx系列のチップセット引出しAHCIでホットプラグに問題が発生することあり。「電源ONの状態のHDDを接続する」と正しく認識するが、「電源OFFのHDDを接続してから電源を投入する」ではHDDを認識しない、という何だソレ的トラブルが結構多い。

 #ま~どんな実装されているかは挙動見れば一目瞭然なのだが、それって何か違わね?という。

 ちなみにチップセット絡みでは、取り敢えず手元にある分で判明しているのはAMD7xx/8xxなのだが、他にも同じ問題を抱えているチップはあるらしい。

 #AMD7xx/8xx系列の場合、AHCI互換を謳うRAIDドライバを入れると「この症状だけは改善」されることが多い。
  但し勿論、こんな面倒な話はとてもお薦め出来ないので、ふーんそーなんだー、程度で。

 ・・・せめて、こんな分かり易いトラブルなんて直して欲しいのだけど。
 eSATAの世界には「こなれた」という評価は永遠に来ないのかも。

 #ちなみに、SiliconImage製の3114以降のチップでは上記したような恐ろしい症状に遭遇したことは無いですよ。
  ケーブル品質問題等が出た場合、Eventとして転送エラーが記録されるので。
  ・・・あ、そいえば全然関係無いが。6GbpsなeSATAの正式規格ってもう出てたっけな?
  取り敢えず6Gbpsで繋げられちゃうeSATAなら、製品も出回っているけど・・・。

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