ベンチマーク値と、本当の性能と。

 さて、光サービスがまだ現在程普通でなかった数年前、とてもホット「だった」(←過去形)話題の一つが、「ブロードバンドルータ」選び。

 というのも、光回線でまともに使い物になる「ブロードバンドルータ」が市場に殆ど存在しなかったため。
 それでは市場に多数存在した「ブロードバンドルータ」はどんな代物だったかというと、「ベンチマークは高速、でも実通信でちょっと負荷かかるとすぐ落ちる」というモノ。
 まあ要するに、通信機器として本来一番重要な性能である「安定性」が「カタログに数字で表記できない」という理由で無視された結果、意味のない数字と低価格競争に陥ったということ。一言で言ってしまえば「通信機器としてのレベルに達していない」と。

 とはいえ、そんな時代から「鉄板」「間違いない」と言われ続けていた製品が、マイクロ総合研究所のNetGenesisシリーズ。高速スループットと鉄壁の安定性を誇り、各社の光サービスのテスト等にも使用され、正に日本の家庭向け光サービスの開拓者と言っていい存在。

 もちろん他にも安定性という意味ではヤマハのRTシリーズという選択肢もあり、こちらも業務用で鍛えられた別次元の安定性を誇っていたのだが、問題はコンシューマー向けではスループット向上が遅れていたこと。そのため本格的に光回線対応を謳ってきたRT57iまでは「ADSLには完璧なんだけど」と言われ続けていたんですな。
 ・・・とはいえ、実は速度という意味ではRT57iでもかなりイマイチで、光をフル活用するなら最新のRT58iが欲しいところだったりするのだけど。あと、RTは伝統的に比較的温度に弱い(熱暴走する)。

 ◇

 長過ぎた前フリは置いといて。当方、今まではNetGenesis SuperOPT50を光回線用ルータにしていたんですな。鉄板の安定性の前に、7年以上も本当に不満が何もなかったので。勿論購入当初は正直「高ぇなぁ」とは思っていたものの、これだけ長く使えていれば正直安い買い物でしたな。

 ところが、本日秋葉原をウロウロしていた時、某所にてNetGenesis SuperOPT90が捨て値で転がっているのを確認。状態も良かったのでうっかり確保してしまい、本日SuperOPT50と差し替えてみましたよ。

 が、ここで大問題。何しろ今までも不満が無かったので、単純に設定を入れて置き換えただけでは、全く何も違いが分からない。仕方ないので、回線ベンチマークをしてみた。

 前:SuperOPT50 → 45Mbps
 今:SuperOPT90 → 67Mbps

 お、違い出た。
 ちなみにOPT50とOPT90は基本的に構成は一緒(なのでファームも一緒)で、CPUであるSH4のクロックが167MHz→240MHzと約50%増になったというもの。見事にCPU性能通りのベンチ結果ですな。

 #ちなみにここの回線、業者がフレッツスクエアで確認した時は95Mbpsとか出ていたので、多分SuperOPT GFiveとか持ってくればそういう数字になると思われる。

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 とはいえ・・・確かにベンチが速くなったのは確認出来たが、実際問題として全く差が分からん。
 何というか、モノも悪くないし、金額的にも捨て値だったというのに、実に満足感の無い買い物でしたなぁ・・・と。

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ECC+広帯域I/Oはそんなに贅沢ですか。

 今AMD構成で高性能+広帯域I/Oを安価且つ安全(=ECC必須)に組む選択肢というのは無いのだろうか、いやマジで。

 I/Oだけなら、まだ多少の選択肢はなくもない。
 AM2+対応だと、M3N WSというM/BにはPCI-Xがあるにはあるが1本だけ。
 +が付かないAM2用ならM2N WS PROというマザーがあるが、AM2+対応でないので性能的には淋しさが。とはいえ3D Gameをやらないなら、AM2CPUにはMemory Controllerが内蔵されているのでまぁギリギリで許されなくもないところか。

 ・・・って、ちょっと待て、BIOS見たらどちらも9350eどころか9150e、おまけに5050eすら使えないのか。M2N WS PROなら9100eだけはセーフ、辛うじて4850eならどちらでも行ける、か。
 どちらもMicrocodeだけ見れば動いてもおかしくないと思うし、第一M3N WSなんて最近BIOS上がったばっかりで、AGESA(BIOS内にあるAMD製CPUテーブル)見たら最新の3.3.2(M2N WS PROは3.1.7)なのに・・・CPUリストテーブルに載せてくれないの?

 あと、I/Oだけに割り切るならM3N-HTでもまぁアリかも知れない。但しこの場合はVGAに負荷がかからないこと、NF200がVGA以外もまともに認識すること、この二つの大前提が付くのだけど。
 まあ、こちらの場合は最新マザーということで9350eも5050eもきちっと動くことになっているので、CPU周りは全く問題ないのだが、ECC本当に有効になってるのかね?
 このマザーに限ったことではないのだが、AWARD+AMDの組み合わせだと、ECCが有効になるBIOSでも自動認識Onlyで現在有効になってるかすら確かめられないモノが多いのよね。何でだろ。

 とまあどれもそれなりに欠点がある中、高性能+広帯域I/Oを実現するほぼ唯一の選択肢である790FX+SB750、しかもAM2+ハイエンドではド定番のAsus M3A79-Tを買ったというのに、現状この有様。

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 何でこんなにAMDにこだわるかって、確かに好き嫌いの話もあるんだけど、実はもっと切実な話なんですよ。
 というのは、IntelプラットフォームでECCを使おうとすると、勢いとんでもない金額になるので。

 そもそもIntelはECCは「プレミア」だと思っているらしく(私に言わせれば「必須品」)、最新Core i7ですからECCサポートなし。同じコアを使ったXEONでは当然ECC有効だが、CoreシリーズではECC用の配線までデータ転送に使って速度稼いでるなんて噂も。

 こうしてCPUでプレミア価格を取っておいて、更に問題はチップセット。ワークステーション向けX型番の一部と純サーバ向け4桁チップセット以外ではIntelはECC付けられる選択肢が無いときましたよ。
 こんな状況なので、うっかり「全部入り」を買おうとするととんでもない値段に。

 ♯SuperMicroとかTyanとか・・・確かにモノは確かだが・・・(泣。

 その点AthlonやPhenomなら、Asusの殆どと一部のGigabyteという限定条件がかかるものの、¥一万を切るVGA内蔵マザーと¥一万を切るCPUでもECC使える。

 もちろんメモリはnon-ECCとECCで多少の値段差はあるが、そもそもとんでもない値段になっているのは(昔データ化けで痛い思いして以来絶対買わない)怪しいノーブランドバルクメモリなので、真っ当なメーカ品とTranscendのECC付の品なら、実はそこまで値段差も無かったりするし。

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Intel outside, 崩壊。

 一昨日からネタしているAMD790FXで動かないeSATAカード。個人的には問題はPCIe BridgeをAMI BIOSがまともに認識しないことじゃないかと睨んだのだが、このチップはヒートシンクが上に載っている(しかもこれ動作させるとクソ熱い)ので具体的にどんなチップが乗っているのか分からない。
 仕方ないので、色々な目を盗んで、前回動作確認に使ったシステムに突っ込んでPCI IDをチェックしたんですよ。
 そしたら・・・・

 VEN_8086
 DEV_032D
 CC_0604

 ・・・べんだID、はちまるはちろく。いんてる、はいってる。
 PCI-BridgeなんてNEC(製品としては最初に出たド定番)かPLX(SwitchがメインだけどBridgeも売ってる)辺りだろうと踏んだのに、よりによってIntelかよ。

 ぐおぉ、ついにIntelを掴んでしまったー(爆
 Intel製品に自分の財布でカネを払ってしまったー(爆死

 #念のため、仕事ではフツーにIntel製品買ってるし使ってますよ。

 ◇

 気を取り直して。

 CC_0604ってのは「標準PCI-to-PCIブリッジ」というヤツ。
 DEV_032Dってのは不明なのだが、とりあえずIntelでPCIe Brigdeというと41210というブツを知っているので、Product Brief [pdf注意]見てみたら、確かにヒートシンクの隙間から見たチップの形が同じだ。

 ♯というか、FCBGAなPCI-Express BridgeってIntelだけな気がする。

 とはいえ、Device IDが違う。PCI Databaseによると、41210では0340と0341だそうな。

 なのであれれ?と思ったら、Intelはいつの間にか41110なんてPCIe Bridgeを売り出していたらしい。

 取り敢えず間違いなく41210の後に発売されているので(Product Brief [pdf注意]に付いてるIntel Documentの通し番号も新しいしね)、breaf読んでみると、少なくとも外見は一緒らしい。

 で、PCI Detabaseで032Dを検索かけてみるとnVIDIAのGeForce FX Go5100なんてのが引っかかってきたのだが、これは明らかに違う。
 どうやらこのチップ、PCI Databaseには未登録らしい。

 ◇

 ということで、結論。
 このボードに乗っているのは、41110である。
 道理でIntel 3000じゃ何の問題も無く普通に動くワケだ。

 とはいえこのNORCO-4629自体は、Intelから41110が発売される前から売ってた気がするのだが・・・
 って、やっぱり古Revのボードだと41210が乗ってた模様。

 ♯古Revボードの写真はこの辺りに。頁中程にあるMac ProのPCI Cards画面ショットに注目。

 というか、Revが変わって基盤パターンが変わって、昔の基盤だと付いていた筈のポートアクセスLEDヘッダが無くなっちまったのが悲しいです。ぐすん。

 ♯でも発売元のボード画像もいつの間にか新Revに切り替わっていたのよね。確認を怠った当方のミス、ぐっすん。
  にしても、LEDヘッダが無くなった上にPCIe Bridgeがここまで熱くなる(別途ファンで風当ててあげないと熱で死にます)こと知っていれば、例えばこの辺りにさっさと逃げていたんだけどなぁ・・・。

 にしても・・・良くも悪くも(出来不出来に関係なく)Intelチップは業界では定番なのだが、ソレが動かないってのはちょっとまあ、何と言うか。
 しかもAMD7シリーズならいざ知らず(ぉぃ)、nForce 3400でも認識しないってのはねぇ。やっぱり問題はハードウェアでなくAMI BIOS側な気がする。

 取り敢えず、Asus globalのサポートボードに書き込んでみるか・・・。

 ♯Intelがいくら駄目チップセット出したところで拡張カード・バス接続チップ側で不具合を回避してくるのが普通なのよね、商売上の理由から。悲しいことに。

 ◇

 以下、今回調べたメモのまとめ。

  • 4111041210の違いはPCI-Xの系統数。110が1系統、210は2系統。って要するに41210の片CH死亡品が41110か。
  • カタログでは41110はx1対応を謳っているのに41210では謳っていない。別シリコンとは思えないし、単純に検証が間に合わなかったのかね?
  • 41110は8W、41210は10.2Wという電気喰い。そりゃ熱いわな。
  • Device IDは41210は0340と0341。41110は多分032D。
  • Intel純正のPCIレジスタエディタは結構便利。

NORCO-4629

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AM3マザー発表開始。

 AsusからCES合わせでAM3対応M4シリーズが一気に発表されましたな。実際にモノが出てくるのがどれぐらいだか知らないが、これでウチのM3A79-T Deluxeも見事に「古物」に。

 ところが、よく見たら型番に「T」が付くDDR3対応は上から2つのみ、他は全部DDR2ときましたよ。
 個人的にはDDR3に対応しないなら現行AMD 3シリーズでもBIOSさえ対応すれば特に問題ない気がするのだけど、何故一気に4シリーズに移行するんだろう?

 既に大量に出てる3シリーズに新BIOS入れて「AM3 Support!」シール貼って出荷すればいいだけな気が・・・。

 あそれとも、今年の夏に出ると言われてるAMD8系チップセット、予定通り出るワケが無いと踏んで、製品ラインリフレッシュに出たのか?(笑。

 ◇

 そいえば、昨日ネタにしたCenturyの5台入HDD箱、早速某所にファーストインプレッションが。エアフローはそれなりにあって、騒音も少ないらしい。つまり、出来が悪くないっぽい。

 ・・・うわ、ちょっと待て。あれがお題目通りの出来なら、PMP系HDD箱の決定打とも言うべき製品だぞ。PMP規格上限の5台フルに入るし。買うしかないのか?これは。

 まあ何はともあれ、取り敢えず、このSATAカードがまともに動いて、PMPが本来の性能を発揮してくれるようになるまではお預けだよな・・・ぐすん。

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