容量無制限の魅力をクライアントの不出来で叩き潰す、Microsoftの平常運転。

 折角魅力ある製品要素を作ったのに、他の要素が決定的に駄目なせいで、トータルで見ると激しく製品に魅力が無い、というのはここ最近のMicrosoftの平常運転のようで。

 サブスクリプション中は容量無制限で使えるようにするというOneDrive。これ下手したらOffice使わない人でも登録するんじゃないか的な価格破壊だが、これとWindows 8.1が組み合わさると、とてつもなく色褪せて見えるというオチが。

 それは何故かというと、OneDriveのローカル同期アプリがOSにMicrosoft Accountログインしないと使えないので。

 別にOSにクラウドストレージを統合する自体は構わないが、その状態でローカル同期アプリに「OSにMicrosoft Accountログインしていないと起動しない」なんて妙な制約を仕込むのはさすがMicrosoftというか。

 ♯ストアアプリの仕様としては、そのアプリだけをMicrosoft Accountログインで起動することも出来るのに、それをさせないのがMicrosoftの素敵センス。

 ◇

 仕方ないのでどうするか。
 OneDriveに繋げられるストアアプリを使う、というのは正直解決策にならないので、ここは非公式ではあるがWebDAVで接続することにする。

 実はOneDriveのデスクトップ連携はWebDAVで繋いでいるので、非公式とはいえ無くなることはまず有り得ない。普通に使って大丈夫ではないかと。
 但しこのWebDAVのURLは公開されてはいないので、Office Online(Webアプリ)のローカル連携機能を使ってURLを取り出すこととする。

 方法は簡単で、(1)IEでMicrosoft AccountにログインしてOneDriveのWebにアクセスし、(2)OneDriveの中で何でも良いのでOfficeドキュメント作成・或いは開き、(3)Web上のOffice Online画面から「xxxxxで開く」をクリックすると、(4)ローカルのOfficeがWebDAV経由でOneDriveのファイルを開くので、(5)「名前を付けて保存」とすると保存ダイアログのパス欄にWebDAVアドレスが表示される。

 後はさくっとURL文字列をコピーして保存、「ネットワークドライブの割り当て」を使ってエクスプローラで開いてもよし、お気に入りのWebDAVクライアントがあればそれを使っても良し。
 MSのWebDAVは速度的にも安定度もイマイチという話もあるが、いかんせんWindows 8.1では純正クライアントがクソ仕様(しつこい)なので、ローカルアカウントでまともに使おうとしたらコレしかないという。

 最後に、Microsoft Account関連のネタを一つ。

 Office 2013のパッケージ版の認証プログラム(アクティベーション)には、うっかりMicrosoft Accountにログイン中にアクティベート作業を行うと、パッケージ記載のシリアルが通らないというトンでもなバグがある。
 間違いなく正規パッケージ品(高ぇよ)なのに「プロダクトキーが違います」はホント心臓に悪いでっせ。さっさと直してくれ・・・。

 #どうやらOffice 365(サブスクリプション登録時のローカルプログラム)と認識されてしまう模様。

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Active Directoryのドメイン名を変更してみる(注:とってもやりたくない)。

 タイトルがアレだが、本音でもある。

 WindowsのActive Directoryは一応ドメイン名の変更がサポートされているし、必要なツール一式もWindowsに標準で入っているので作業が出来ない訳ではない。・・・が、本音ではやりたくないのよコレ、大体何か起こるし。

 ということで、今回は取り敢えず自分がやった作業記録っぽいものを以下に。
 日本語で手順一式が書かれたページはあまり無いようなので、もしかしたら誰かの役に立つかも、的なノリで。

 ◆事前準備

 1◇兎に角、全てのAD間のレプリケーションが正常に走っていることを確認する。

 個人的な経験からして、見落としがちなのが、片方向はOKだが反対方向はNGというパターン。
 以下のコマンド、全てのサーバでレプリケーションが常時正しく行われているかどうか確認しましょう。

 repadmin /showrepl [ADサーバ名]

 もし「失敗しました。」なんて出ている場合で、且つ「ネットワークが物理的に切れていない」「名前解決がコケてない」となると、大体はRPC絡みでトラブっているので、その場合は取り敢えずパスワードリセットで。

 netdom /resetpwd /Server:[サーバ名] /UserD:[ドメイン名]¥[ドメイン管理者名] /PasswordD:[パスワード]

 ADサーバの中に1箇所でもレプリケーション不良があった場合、一見正常に見えるサーバも含めて全てのサーバでパスワードリセットをかけた方が良い模様。というか、そうしないとレプリケーションが復活しなかったことも。
 で、パスワードリセットが正常に働けば、止まっていたレプリケーションが流れ始める筈なので、一休みしてから再度repadminでステータスを確認すればOKの筈。

 ・・・これで駄目だと結構面倒臭い、というかそもそもADが危険な状態の可能性が高いので、ドメイン名変更云々の前に現ドメインを修復して健全にしてからね、と。

 2◇可能であればGC(グローバルカタログ)をプライマリの1つに減らす。

 GCのレプリケーションは時間がかかるせいかどうか、GCが複数ある状態での作業だと思わぬエラーが発生したりする確率が高い「気がする」。
 なので、この作業を始める前にプライマリの1つ以外は全てGCの役割を外し、作業が終わってたら再度GCに設定すれば良い・・・と「思われる」。

 #動作原理だけ考えれば、レプリケーションさえ常時問題無いならばGCの設定がど~かなんて一切関係ありませんが、という話の筈なのだけど。

 ◆作業開始

 1◇現在の設定のエクスポートとリストの修正

 rendom /list

 このコマンドを打つとカレントの下にDomainlist.xmlというファイルが作成されるので、コレを適当テキストエディタで開く。

 <DNSname>現在のADドメイン名</DNSName>
 <NetBiosName>現在のADドメイン名のNetBIOS名</NetBiosName>

 という項目が複数あるので、このADドメイン名とNetBIOS名を変更後のものに書き換える。
 ちなみに

 <NetBiosName></NetBiosName>

 という風に項目があるが値が入っていない箇所はそのまま放置でOK。

 2◇新ドメイン名のロードと同期

 rendom /upload

 これで、現在のADサーバに変更された設定がアップロードされる。

 ♯と同時にドメイン名変更用の特別モードに入るので、再度設定変更をアップロードすることは出来なくなる。

 repadmin /syncall /e /d /P

 これで、全てのADサーバに変更された設定を同期させる。

 但しこれ、/Pが付いているので「同期要求」であることに注意。
 片方向のレプリケーションが正常で反対方向のレプリケーションがエラー、なんて状況だと、実はレプリケーションエラーなのにこのコマンドでエラーが出なかったりする。理由は簡単、同期要求だけは正常に伝達出来ているので。
 なので、先程も出した /showrepl コマンドできちんと同期出来ていることを確認しましょう、と。

 3◇更新準備と更新開始

 設定同期が完了したら、以下のコマンドで更新準備開始。

 rendom /prepare

 ローカルはすぐ終わるだろうが、リモートサーバ等ではたまに待たされることも。
 また、レブリレーションが終わっていなければ当然エラーになるので、細い回線越しのサーバがあるような環境では少し待ってあげるのも吉。
 ちなみに、何度コマンド打っても特に問題無いですよ。

 そして、全てのサーバが準備完了なったら、全てのADサーバが自動再起動しても問題無いことを確認して以下のコマンドでアップデート実行。

 rendom /execute

 エラーが無ければ自動的に全てのADサーバで再起動がかかります、はい。

 4◇設定修正

 ポリシー周り等、自動で更新されない箇所を修正しましょう。

 gpfixup /olddns:古ドメイン /newdns:新ドメイン
 gpfixup /oldnb:古ドメイン /newnb:新ドメイン

 ここで一旦、再び全てのADサーバを再起動。

 5◇DNS名修正

 プライマリDNSが自動で修正されないことがあるので、その場合は手動で修正する。
 GUIから新ドメインの前方参照ゾーンを「Active Directory統合」で作成。

 新ドメイン
 _msdcs.新ドメイン

 ゾーンさえ作成すればあとはADが勝手にレコードを作ってくれるし、セカンダリDNS以降はまぁ待っていれば複製されるかと。
 新ドメインのゾーンが作成されていることを確認して、ここで更に全てのADサーバを再起動。

 再起動後、既に用済みの旧ドメインの前方参照ゾーンは削除する。削除完了後再度再起動。

 ・・・何度も再起動していていい加減にしろ的な感想も出てくると思われるが、この辺りはホスト名他色々書き換わっている関係で、面倒でも素直に再起動した方が良い模様。省略すると後で「アレこれ反映されてない」的な場面に出くわすことも。
 また、再起動してから実際に新しい設定が反映され始めるまで、最低でも10分程度は待った方がいいというも当然ということで。

 6◇ホスト名修正

 再起動&反映待ち完了後、「フルコンピュータ名」が

 サーバ名.新ドメイン

 に正しくなっていることを確認。普通は修正されている筈だが、もしなっていなければ修正する。
 例によって「コンピュータ名/ドメイン名の変更」から「詳細」ボタンを押して「このコンピューターのプライマリ DNSサフィックス」を書き換え。

 7◇後片付け

 AD上のゴミ片付けコマンドを入力。

 rendom /clean

 特に問題が無ければ、一連の作業完了コマンドを入力。

 rendom /end

 これでADがドメイン名変更用の特別モードから通常モードへ移行するので、作業完了、と。

 ◆クライアントは

 入り直すタイミングで新ドメイン名が反映される。
 但しクライアントキャッシュ上では旧ドメイン名が残ってしまっているので、変更直後の最初のログインだけは、電源投入直後の表示されるログインユーザー履歴からはログイン出来ない。

 ◆◆◆

 ・・・まぁこんな感じですか。

 作業として大したことは無いのだが、うっかりレプリケーションエラーが出てしまうと変更作業自体が止まってしまうので大変ですな。

 それでは、今回はこんなところで。

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Microsoft Windowsのスタートメニューは何処へ行く。

 今回はWindowsの迷走っぷりについて少しぶ~垂れてみる。

 まず、最近ではWindows8.1 Update3は出ないという話が有力に。代わりに従来Update3と言われていたスタートメニューを実装した代物はWindows 9として登場し、更に8.1から9へは無償アップデートするとか。

 巷では有力だというこの話だが、個人的にソレってはどうなんだろうという印象が拭えないのですよ。

 いやね、いくらイメージ戦略的に8が大失敗なので早く看板を9に掛け替えたいってのは分かるのだけど。
 だからといってスタートメニュー「復活」だけで9を名乗ってしまうの?と。その程度だったら8.2で十分でしょ、と。Windows 1.0なUIだって変わらないようだし。

 とはいえ、こんなイメージ戦略なんて実にどうでもいい話ぐらい、本当の問題はビジネス側にあると思うのですよ、自分はね。

 一つは、Windows Serverとの兼ね合いの話。従来通り、同一カーネルでクライアントとサーバで世代を揃えるってなら、Windows Serverの方も2012 R2から2014に更新するしか無いですよね。で、これも無償アップデートにするの?と。

 何故って、スタートメニューなんてクライアント的理由や、細かい拡張・バグフィックスだけでサーバOSのアップデート料金を取るというのはいくらMSでも無理な話。コストに敏感なクライアントの皆様、今時その程度じゃカネ払ってくれないですよ。
 更に、そもそもエンタープライズの世界ではソフトウェア更新なんて最も嫌われる作業で、ソレを頻繁に繰り返すラピッドリリースとエンタープライズとの相性はとてつもなく悪い。
 仮にライセンスそのものは2014へ無償アップデートがされたとしても、ドライバ絡みやソフトウェアサポートの関係でアップデートが不可欠なんてことになった日には、エンタープライズユーザからは非難囂々の筈。

 ♯世間ではXP問題が過去のモノになろうとしているが(実態としてはまだまだ解消されていない)、ビジネス用途では更にWindows Server 2003問題というヤツがありましてね。

 もう一つは、ここで8.1→9のアップデートを無料にしてしまうと、今後MicrosoftのOSの更新はずっとタダ、という印象が出来てしまう恐れがあること。
 普通に考えてOSの開発費用をOSの売上から賄えなくなるので、これMicrosoftにとっては由々しき事態だと思うのだが。

 ここで仮にクライアントだけタダです、Server OSではおカネいただきます、なんてことブチかましたら、エンタープライズのクラウドシフトが加速するだけだろうし。AmazonやらGoogleやらが手ぐすね引いて待ち構えてまっせ。
 そしてそれは間違いなく、将来のMSの売り上げを減らす方向にしか働かないと思うのですよ。

 巷ではAndroidやMac OS/iOSと比べてOS費用が云々という言われ方もするが、事実上ハードウェアのオマケのMac OSやiOS、端末屋サイドから見れば塵も積もれば的にカネのかかるAndroidとはそもそもビジネススキームが違うので、当分MSはWindows OS単体で売り上げを作って開発費を賄わないとやっていけないので。

 ◇

 ・・・ということで、自分的には多分これが一番安全なのではないかと。

 ・Windows 8.2で一旦スタートメニューを無償提供し、8系はここで打ち止め。
 ・WindowsServer 2012はR3でWindows 8.2と同期を取り、2012系もここで打ち止め。

 ・Windows 9は更に新しい機能を実装して「有償でもアップデートしたくなる」OSに仕立てる。
 ・Windows Serve 2016(?)も同じく。

 ♯個人的には更にDeepに使い物になる第4世代Hyper-Vと、記憶域プールの単体ストレージ並の機能拡張を期待。MSFC不要の物理マシン跨ぎなHyper-V VMの自動Fail Over、5層ぐらいの自動&手動ストレージ階層化、RAMDISK作成&ホットデータキャッシング、無停止ボリュームスナップショット、ボリューム遠隔同期辺りは標準サポートして欲しいですな。いい加減単体ストレージ箱ど~にかしてくれ。

 というか、MicrosoftがこれからもWindowsのメジャーアップデート=有料というセンに踏み留まりたいのならこれしか無いと思うのだが。

 ・・・しかしまぁ、いかんせん、どうなることやら。

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Windowsのサウンド全部にがっつりVSTをかけてみる。

 さて、前回はWinAMPのPlug-inにVSTを突っ込んでカセットテープ時代を懐かしんでみたが、WinAMP以外のMediaPlayerを使っている場合や、ゲームサウンド等のWindowsの出力全般にVSTを突っ込むということも実は出来る(そしてこれが結構楽しい)ので、以下に前回と同じフォーマットで書いてみる。

 ◇

 1)準備するもの

 ・VB-Audio Virtual Cable 又は Hi-Fi CABLE
 ・HermannSeib VSTHost
 ・D82 Sonic Maximizer (Nomad Factory BBE SonicSweet)
 ・Voxengo Tube Amp
 ・Sleepy-Time Records Stereo Channel

 上記のうちVSTの3つは前回と一緒。お好みに応じてGEQ、PEQ、スペアナ辺りを追加して下さいな。

 2)セットアップ

 ・Virtua Cableをインスートール。
 ・Windowsのサウンドの設定から「再生」の「規定のデバイス」をCABLE Inputに変更する。
 ・VSTHostを起動し、Device→Waveから Input portを「DS: CABLE Output」、Output Portを通常サウンド出力しているデバイスを選択。Sample RateとBufferは通常適切に自動設定されるが、されない場合はそれぞれ「44100」と「1050 samples」辺りを選択。
 ・VSTHostにVSTデバイスのTB Reelbus、D82、TubeAmp、Stereo Channelをロードし、直接ルーティングを設定。
 ・お気に入りのplayer等で音声出力を確認。

 3)解説

 ・Virtual Cable

 仮想サウンドカードというかミキサーというか。要するにサウンド出力を入力に戻すことが出来るドライバで、コレを使ってスピーカーに出力される筈の音を横取りする。コレはDonationwareなので気に入ったらRegistしましょう。
 今回のルーティングは以下のようになる。

 Windows Media Player等→VB-Cable Input→VB-Cable Output→VST Host→Realtek HD-Audio等

 ・VSTHost

 VSTをロードして使うことが出来るFreeのホストアプリ。
 入出力にはMME、DirectSoundに加えてASIOも使えるので(但しASIO出力時は制約あり)応用範囲が広い。
 Voxengo SPAN等のスペアナ類も正常動作するので画面を更に派手にしたい場合はそういう遊び方も。
 但し多機能故に最初の設定がやや面倒だったり、入出力に関しては環境によってはあまり安定しなかったり。

 ◇

 さて、音はきちっと出ましたかね。音が出ない場合は大抵はVSTHostの設定が上手くいっていないので再確認を。

 自分的にはまずはネットラジオの音響補正にいいかな、と。上記の構成だと単純なエンハンスだが、前回紹介したテープシミュを突っ込むとややレトロ風味に。他にも、真っ当に音響補正するならイコライザの類、表示を派手にするならスペアナやXYスコープと、VSTの世界は楽しいでっせ。

 ♯更にレトロ風味にするなら、ToneBoostersのTB TimeMachineなんかも嫌いじゃないですよ。

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カセットで曲を聴いていたあの頃を思い出してみる。

 ふと思いついたので、さくっと組んでみたら再現性の高さに思わず聴き入ってしまったという話。

 さて、時代は良くなったモノで、そこそこメジャーであれば古い曲でも簡単にデジタル音源が手に入る時代になりました。が、同じ曲を聴いても何か物足りない気がすることもあったり無かったり。

 きっとコレは音が妙にキレイ過ぎるからに違いない、ということで一念発起(言葉の使い方が違います)、取り敢えずそれっぽい構成を組んで聴いてみたところ、思った以上に懐かしい感じになったので思わずメモ。

 ・・・あ、レコード世代よりは若いです、自分。お気に入りのMix Tapeを作って聴いていた世代なので。

 ◇

 1)準備するもの

 ・WinAMP
 ・ASIO OUT Plug-in
 ・VST Host DSP Plug-in
 ・Acon EffectChainer
 ・ToneBooster TB Reelbus v3
 ・D82 Sonic Maximizer (Nomad Factory BBE SonicSweet)
 ・Voxengo Tube Amp
 ・Sleepy-Time Records Stereo Channel

 上記のうちBBE SonicSweet以外は全てFree又はDonation Ware。個人的にはBBEこそがキモだったりするのだが、自分のようにBBEに思い入れがある人は珍しいと思うので、そうでない人はテープシミュ+真空管シミュだけでも十分効くかと。更に色々いじりたい人はTube PEQのVSTでも追加でどうぞ。

 ♯取り敢えずFreeでTube PEQなVSTってならVariety Of SoundのBootEQ mkIIはどうでしょう。

 2)セットアップ

 ・VST Host DSP for WinAMPを使ってAcon EffectChainerをロードします。
 ・Acon EffectChainerを使ってTB Reelbus以下の4つのVSTを直列に繋ぎます。
 ・TB ReelbusはプリセットNo.9のCompact Casette、BBEはプリセットの04-VocalsからVox-brightnessをロードします。
 ・Voxengo Tube Ampは初期状態でOK、Stereo Channelは初期状態だとメータが上限に張り付いてしまうのでNormal Levelを下げてみましょう。

 以上で完了です。WinAMPの再生ボタンを押して、懐かしい感じの音をお楽しみ下さい。

 3)解説

 上記で準備したものを上から順番に。

 ・WinAMP

 何がともあれ標準プレイヤーです、はい。

 ・ASIO OUT Plug-in

 WinAMP使いの必需品。Bit-Perfectに拘る気はないが、やっぱりいい音で聴きたければASIOでないと不便。

 ・VST Host DSP Plug-in

 WinAMP使いの必需品2。コレがあればVSTを使って色々遊べるので。

 ・Acon EffectChainer

 WinAMP使いの必需品その3。開発元のサイトからはとっくの昔に消されているが、あちこちにアーカイブされているので入手は可能。
 コレはVSTとDXiを複数接続出来る簡単なVST Plug-inで、WinAMPのVST Host DSP Plug-inにコレを指定することで、複数のVSTだけでなくDXiも経由させることが出来る他、VST Host DSP Plug-inには画面の再描画機能が無いという強烈な欠点を補ってくれる一品。

 ・ToneBooster TB Reelbus v3

 個人的にはテープシミュレータの傑作の1つだと思っている、ToneBoosterのTB Reelbus。もうこのテープ臭さがたまりません、はい。
 しかもこれ、Demo版でもパラメータの保存が出来ないだけで使い放題という。本格的に曲作りにでも使わない限りはDemo版で十分だが、気に入ったらDonation代わりにレジストしましょう。
 取り敢えずのお薦めプリセットは最初に書いたNo.9のCompact Casette。角の取れた音と曲頭の無音部分で聞こえるヒスノイズが郷愁を誘うが、ヒスノイズは要らないというならそれだけOFFにすることも出来まっせ。

 ・D82 Sonic Maximizer (Nomad Factory BBE SonicSweet)

 BBEです、BBE。一時期AIWAがヘッドホンステレオやら激安ミニコンポにやらに搭載しまくったので音楽制作をやっていない人にも非常に微妙な知名度があり、知っている人は知っているかと。実際カセットでは結構効果あったしねアレ。
 勿論現在でも単品のBBEプロセッサは存在するが(中の回路はびっくりするぐらい簡単だったりしますコレ)、ソレのVST Plug-in版はNomad Factoryから発売されています。

 なのだが、実際コレはあのアナログな箱のBBEプロセッサと同じ音を期待するとガッカリする一品なんですわ。確かにBBE効果は出ているのだが、音が妙にデジタル臭いというか角張っているというか。お陰でPROCESSパラメータ(=効き具合)を半分より上には上げられません、自分は。ケバさが勝って聴くに堪えなくなる。

 しかも$高いしライセンス管理も五月蠅いし・・・それでも使っているのはBBEがそれだけOnly Oneということではあるのだけど。それと、つい最近バージョンアップ版が出たのだが、アレどうなんだろ。
 とはいえこの強烈なケバさ、実はTube Amp(エミュレータ)系とは意外と相性が良いので、そのテのと絡めて積極的な音作りにはアリです。個人的には滅多にやらないけど。

 ・Voxengo Tube Amp

 癖が無く使い易い、あっさり風味のFreeなTube Ampエミュレータ。とはいえ真空管の味付けはきちっと出ているので、今回のように最終段にブチ込むのには丁度良い感じ。

 まぁトラックインサート等で強烈な真空管サチが恋しい人は、Freeでなら12AX7エミュを自称するXenium Audio Tube Saturator辺りを試していただければと。これは兎に角色付け強烈過ぎてリスニングには有り得ないと思うが、音作りならばこれぐらいの効き方がキモチイイことも多い筈。

 ・Sleepy-Time Records Stereo Channel

 アナログなVUメータが表示されるFreeのPlug-in。え、アナログメータ欲しいじゃないですか。
 自分の場合WinAMPの視覚エフェクトにClassic Spectrum Analyzerを入れているので、この派手なスペアナとVUメータの組み合わせ見てると幸せになれます。
 更にこれはMSメータとしても使えるので、2つ挿してVU+MSで見てると針がいっぱいで更に幸せになれたりします。

 ♯今回の構成だとTB ReelbusにもアナログVU付いてますが、画面上にアレを占有されると邪魔なので。

 ◇

 どうでしょうか、アナロギ~な音は。自分はコレで数時間ぼ~っと聴き入ってしまいました、はい。

 極個人的には、音圧馬鹿なMixをまろやかに聴くのにテープシミュがここまで効くというのが最大の発見。大抵そういう録音は高音もイヤという程出ているので、テープシミュで多少落ちたとこで全く問題ないし。それでも耳障りなら真空管エミュも挟めばまぁ大抵は大人しくなるし。

 そいや音圧といえば、最近流行の2496なソース売り、全然構わないというかそれ自体は大歓迎なのだが、2496になってまで音圧馬鹿なMixは聴きたくないんですが・・・。
 まぁね、ジャンル的にはPOPSとかその辺りの、所詮は大衆音楽に、ダイナミックレンジを活かした伸びやかなMixってを期待している自分が阿呆なのは分かっちゃいるんですが、それでも、ねぇ。そりゃ全員では無いかも知れないが、そういうMixに堪えうるだけの歌い手なんてそこまでレアでもないと思うのだが。

 ♯勿論フロア向けMixなんかはヘッドルーム限界に迫る音圧GoGo大歓迎ですよ、念のため。

 ・・・おっとっと、話が変な方向に行き始めたので今回ははここまでということで。

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