多プラッタはHGSTのお家芸、ですな。

 いやマジで、さ。

 というのも、つい先日HGSTから発表されたのは「3プラッタだけど9.5mm厚」な1.5TB HDD。
 プラッタ密度上げてくるかと思ったら全く逆の方向性、ケース内構造を見直して3プラッタのまま9.5mmに押し込んできましたよ。

 いやね、知ってる人は知っているけど、IBMから続くHGSTの歴史って、ホントに「多プラッタドライブ」の歴史なんですよ。
 最近だって、SeagateとWDが500GBプラッタを使って4枚重ねの2TB製品を作っている横で、400GBプラッタを5枚重ねて2TBにしていた「7K2000」、WDが750GBプラッタを4枚重ねて3TBを作っている横で600GBプラッタを5枚積み上げていた「7K3000」なんてのを大量販売していたし。
 勿論、それ以前、IBMの時代にも他社より多いプラッタ数で容量稼いだ製品はいっぱいありました。

 ♯中には「やらかした」ことで有名な製品もあったよね・・・。

 兎に角、プラッタ枚数が多いと手間かかるし、軸精度は求められるし、ケース剛性も高くないといけないし、モータトルクも要求されるし、要するに全てのベクトルが「コスト高」「不良増」という方向だというのに。
 親会社のWDが5mm厚1プラッタの「激薄」HDDを発表したので、ヘンな方向にスイッチが入っちゃったのかね。
 「あっちが1プラッタで薄くするならこっちは同一サイズに出来るだけ多くのプラッタ詰め込んでやるぞ」「おー」
 みたいな。

 しかしまぁ、本当に3.5インチHDDの立場がどんどん削られているというか、なんというか。
 今のところ3.5インチディスクの天下なエンタープライズアーカイブ用途のディスク大量搭載ストレージにすら、じわじわと2.5インチHDDが進出し始めているし。省電力性と省スペース性が評価されているんですな。

 更に、SSDのエンタープライズ進出も2.5インチHDDの増殖に拍車をかけているこの現実。サーバ筐体も小型化・高密度化していく中で、SSDと物理サイズが共通で、コンパクトで発熱も振動も少なく扱い易く、その気になればSSDに交換することも簡単な2.5インチHDDの需要が高まるのはまぁ当然ですな。

 ・・・にしても、9.5mmで3プラッタ1.5TB入るなら、本気出せば12.5mmに4プラッタ詰め込んだ2TBも作れる気がする。
 まぁ本気出す理由は無さそうだけど、残念ながら。

 それに、3プラッタが9.5mmに収まったなら、あともう少しプラッタ密度上げられれば、いよいよ2.5インチ9.5mmというノート内蔵可能なHDDでの2TBが見えてくる・・・ってのはさすがに夢見過ぎ、かな・・・。

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