さて、CESではイロイロとモノが出てきましたな。
1TB SSDはMicronが最初ですか。え、まぁ960GBだけど、許してよそこは。
でもまぁ$599っぽいので、ホントにモノが出たら各社追随するでしょう。2番手は何処になりますかね。
そしてAMDのプラットフォーム戦略がアップデートされまして。
まぁこのネタは後に回します。正直、去年よりは希望が持てる感じかな。
そんなことより、ですよ。奥さん(違。
AMDがAシリーズ用チップセットにあの「RAIDCore」を組み込むそうですよ。
余りにも懐かしい名前が出てきたので、思わずエントリを書いてしまいましたよ。
皆様覚えているでしょうか。「Hardware RAID並の性能をSoftware RAIDのコストで」というウリ文句で華々しくデビューしたものの、妙なケチが付き続けて結局メインストリームになれなかった3枚のRAIDカードのことを。
そうです、あのRAIDCoreが帰ってくるんです。
つか、RAIDCoreって、本当に不幸続きなんですよ。
世間には不幸萌えってのがあるらしいが、だったら相当萌えられるのでは。
◇
そもそもRAIDCoreは高性能なSoftware RAIDを開発したベンチャー。
このSoftwareにMarvellチップに組み合わせたRAIDCardは前述の通り華々しくデビューしましたよ。
ところがこの製品、何とMarvellチップのバグのせいでアレイ崩壊&データ化けというトンでもない事態が発覚。
データ保護とかいう以前にストレージコントローラとしてあり得ない状態で、これじゃ売れるワケがない。
こうしておカネが尽きたところをBroadcomに買収(2004)される。
Broadcomはこの頃自社のストレージ関連ポートフォリオの強化を狙っていた模様で。
こうして、BCM5770というBroadcom製(=ServerWorksのLogicCoreね)のROC(RAID-ON-CHIP)製品が出ましたよ。
ところがコレも商売的に大失敗。
当時は現在とは段違いにSoftware RAIDのイメージが悪かったというのと、強気過ぎた値付けが失敗の元かと。
モノはまぁそんなに悪くなかったと思うのだけど。
で、これでストレージは飽きたのか、BroadcomはRAIDCoreの資産を手放してしまうんですな。
買収(2006)したのは箱物ストレージの企業、CIPRICO。
CIPRICOも狙っていたのはストレージ関連ポートフォリオ。
落ち目だった箱物ストレージに代わる収益源として本気でRAIDCoreを育てようとしていたようで、IDCでIntel Chipsetに対するNative Supportを発表したりもしたのだが。
♯当時Intel Chipsetにエントリサーバ向けのRAID Softwareを供給していたのはAdaptecとLSI。この辺りと張り合うことを狙ったんですな。
が、本業の箱物ストレージの売上減が止まらず、CIPRICOはChapter11、つまり倒産。
この時、RAIDCoreの資産は同じく箱物ストレージ企業のdotHILLに買収(2008)されましたとさ。
こうしてRAIDCore SoftwareはdotHILLのものになり、同社のブランドである「Assured」シリーズに取り込まれ「AssuredVRA」という名前で扱われ。
この度、AMD Aシリーズチップセットに載ることになりましたとさ。
◇
まあこの話、普通に考えていいことです、はい。
プラットフォーム全体として魅力を引き上げていくというAMDの戦略として、ストレージ関連の強化は良いことでしょう。
♯次にはSATA IFの速度向上が必要ですな。
SSDもこれだけ流行ってるし、SATA 3.0ポートも8ポートと増やしてしまったんだし、CPUとChipset間もPCIe 2.0×4の現在の状態では帯域不足でしょ。
にしても、Aシリーズに組み込むということは、要するに今まで使ってきたPromise RAIDを捨てるということで。
まあPromise RAIDはもうこれ以上強化されることも無いだろうし、乗り換えるなら今、と考えたってことでしょうな。
そして将来はサーバ向けにもAシリーズと同一のチップが使用されるだろうから、サーバ向けもそうなると。
どちらかというとサーバ向けの方がウケそうな気がするけれど。
・・・あれ、本命はこっちかも?
まあ兎にも角にも。
Intelチップセットに載る夢は露と消えたが、AMDチップセットには載ることになったRAIDCore。
今度こそ日の目を見た、と思って、いいんだよね。きっと。