三位一体 (=Trinity)、デスクトップへ。

 本日のお題は先日の『AMDの「APU新製品」に関するブロガー勉強会、なるイベントにてほっこりして来た件。』続き。
 「解禁日以降」と書いた部分の、解禁日以降のネタです、はい。

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 ・第一部、デスクトップ版Trinityについて。

 国内でもHP製デスクトップに組み込まれた状態で既に出荷されていたりするデスクトップ版Trinity。
 いよいよ単品での販売開始に合わせて、セールスプレゼンテーションが始まりますよ。

 ということで、まずはコア構成のおさらいから。
 Piledriverコア+Radeon 7000シリーズのGPUがSocket FM2にパッケージされており・・・ということをコアのダイ写真を見せながら解説。
 GPUについては当然ながら大幅強化、これは納得。CPUも強化・・・ん~、そこは微妙かも。
 ここでの個人的注目ポイントはディスプレイコントローラの強化。画面出力周りが弱かったLlanoと比べて、やっと単品GPUと同等の画面出力が出来るようになります、と。

 ♯ダイ写真を見るとGPUコアが全体の半分近くを占めていて、もうこの写真がAPUの性質そのものを表しているといっても過言ではない気が。

 そしてソケットがFM2に変わります、というお話。結局キーになるのは「電力周り」ということで「変えざるを得ないんです」とのこと。
 まあBulldozerについてもそもそもAM3+で動かすのは相当キツいという話もあったりもするので、PiledriverそしてSteamrollerとコアを変えていく中でこっちはソケット変えるしかない、という結論に至ったのでしょうな。
 ちなみに「次の世代もFM2であることは確定してる」とも。

 #Socket754って昔あったよね。
  あと、FM2「+」ってのはありそうだよなぁ。

 次に、デスクトップ版Trinity最上位モデルが(最近では)軽量級と呼ばれる3Dゲームの類が十分に遊べるよ・・・同じパフォーマンスをIntel CPUとnvidia 単品VGAで揃えるとお値段が全然違うよ~、というコストパフォーマンスアピールが挟まって、いよいよ最後にお値段開示。

 ・・・ほお。最上位A10-5800Kで¥12,980(小売見込価格)とな。

 営業担当の方からは無茶苦茶自信ありますオーラが出ていて、会場も(所詮20人という頭数なので控えめに)盛り上がったが、いや、これは結構競争力あるお値段だと思うよ、ホントに。
 少なくとも自分は「同価格帯ならIntel選ぶ理由は一つもない」って本気で思ったし。

 もちろん、Core i5と正面衝突して勝てるワケがないが、i5とはそもそも値段が違う。
 AMD環境はマザーが比較的安いってのもメリットの一つなので、トータルで見ればコスパは更に良好に。この上うっかり「さすがにIntel HDだとキツいから低価格でいいから単品GPUを」なんてことになればお値段差か更に広がるしね。

 ・内蔵VGAも拡張しているんですよ。

 とまぁここで一息ついて、次はAMD GPUの機能向上のアピール。
 ハードウェア面では、動画再生支援が強化されたのと、更にハードウェアエンコーダまで内蔵してしまいましたという話。
 そしてそれを活かすため、ソフトウェア面でも強化していきますよ・・・という話。

 そしてこの流れで、GPGPUを活用するためOpenCLを推進していきますと(HSAもブチ上げたしね)。
 ソフトウェア屋さんとも連携していきますよ、そしてOpenCLが活用出来るアプリを紹介していくサイトを作りますよ、と立て続けに紹介。

 いやね・・・ここさらっと流されたけど、重要ですよこの「ソフトウェアの対応」と「紹介」は。
 一昔前、nvidiaはゲームベンダさんと協力しまくることで現在の「nvidia製VGAをレファレンスとするゲームが大多数」という状況を作り上げた。最近になって漸くAMDもその大切さに気づき、今ではゲームベンダとの協力もやっているというのは有名な話。

 で、ここではAppZoneというサイトを作って紹介していきます、という話だったが。
 個人的にはここはもっと推し進めていいと思う、というか、ぶっちゃけWebだけじゃアピールが全然足りないと思うのですよ。

 例えば、この際AppZoneというアプリそのものを作ってしまうというのはどうだろう。
 何故かというと、今時のユーザーはスマホのソフトウェアインストールの形に慣れている。カタログから選んで、ダウンロードして、インストール。
 同じことをAMDもすればいい。
 といっても決済機能まで持つ必要は無いだろうし、高機能なアプリである必要もない。極論言ってしまえば、AppZoneのURLを呼び出すだけのアプリでも良い。
 但し、検索がまともに動くことと、ソフトウェアを選んだら即ダウンロードor即決済サイトに繋がるようになっていないと話にならない。

 要するに、兎にも角にも多くのユーザにAppZoneにリーチして貰う為の手段なのですよ。
 そして、特に意識せずにAppZoneでOpenCL対応アプリを選んで貰い、使って貰うことで、OpenCLアプリの普及を促進し、APUが真価を発揮できる土台を広げる、と。

 後はこのAppZoneアプリをいかにインストールして貰うかだが、AMDにはCatalystというドライバパッケージが存在する。これを使えばいい。
 問答無用で入れるのはさすがにアレだろうが、ポップアップで案内画面を開いて確認すればそれで十分だろうし。

 ・・・とまぁこんなことを思いつつ。
 最後に、OpenCL対応アプリでは内蔵GPGPUのパワーが活きてパフォーマンスが大幅にアップすること、AMDとしては「日常PCを使う場面でパフォーマンスが出る」方向性を目指していて、OpenCLの活用もその方向でいってます、という話があって、セッション終了。

 #今のAMDにとってボリューム=シェアを取ることは至上命題だからねぇ。頑張っても貰わないと。

 ◇

 以上、これだけの内容を1時間で駆け抜けたんですな。内容特盛りですよ。

 タイトルだけ見ると「新製品凄いでしょ買ってね」という内容しかないように見えてしまうが、実の内容は「新製品凄いでしょ買ってね」+「APUが活かせる環境を作ろうと頑張っていますよ」という2段構えで、個人的には普段はあまり表に出てこない後者の方がより面白かったというか。

 兎に角、AMDはGPGPUやAPU環境への取り組んでいること、既に成果も出ていること、この辺りをもっと日常的にアピールした方が良いと思った、そんなプレゼンでしたとさ。

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