2015年のPC業界を個人的に振り返る。

 さて、書いていたらまたしてもあまり面白くない感じになってしまったのが本人をしてイマイチなのだが、取り敢えず今年のPC周りを振り返ってみましょ。

 1◇Windows10の提供開始とゴタゴタ。

 今年のPC業界全体を見ると、落ち目のMicrosoftに振り回されて業界全体が更に弱った、というのが個人的印象。

 トップが変わってから色々頑張っているのは分かるのだが、多少頑張った程度でMS品質がどうにかなるワケもなく。
 しかも何故か当初予定より前倒しで展開した挙句、相変わらずのポンコツ状態で「正式」登場したWindows10。

 ♯もう少し品質を上げておけばもっとスタートダッシュが効いたと思うのだが、ここまで前倒しにした理由が個人的には全く思いつかないんよ。

 そして先日配信されたNovember Update=事実上のSP1でもバグ修正と仕様変更を一気出し、しかも配信できちんとトラブルを起こす、という相変わらずの展開。
 とはいえ漸く「SP1並」の品質になってきたので、EarlyBirdがぼちぼち移行し始めているといったところ、というのが2015年末ってトコですかね。
 次の大型アップデート=Redstoneではまた色々手を入れるという話もあるので、取り敢えずここで一旦、という人も居るのでは。

 とまぁここまでの展開が約半年。
 ユーザもPC業界もそろそろ学習しましたね。Windowsは未来永劫安定することはない、と。
 そしてトップが変わろうがアグレッシブになろうが、やはりMicrosoftは品質とタチが悪いと。

 変化することと安定しないことは違う筈なのだが、Microsoftにこの2つを区別出来るだけの能力があるワケもなく。
 Micfosoftが目指すと公言したモノと、現実とのギャップが激し過ぎて、でも業界としてはそれに付いていくしかない。

 しかも一蓮托生だと思っていたら、自社製ハードウェアのラインナップ拡張で競合範囲を広げてきたし。
 更にTH2の出来云々よりも強引なアップデート誘導という面で個人ユーザとベンダの余計な混乱と反発と顰蹙を現在進行形でかっているし。

 そんな姿勢そのものがPC業界を弱らせているということに、MSは気付いていなのでしょう、きっと。

 ちなみにWindows10 Mobileは・・・あ~そいやそんなのありましたね的な。
 個人的にはこのまま永遠の弱小勢力で終わる確率が非常に高いと思っています。
 OS提供も遅れ、Windows Bridgeも全然進んでいない、その間にもAndroidとiOSは拡大中、もうこの差はは取り返せないだろ、と。

 確かに最近のAndroidは肥大化というか品質低下が目立っているし、その辺りWindows10 Mobileと並べるとという話もあるが、OSとしてのプラットフォームが一度広まってしまったらソレがどれだけ強いかということは、Microsoft自身のWindowsが証明してきたトコなのでね。

 ♯ネタ商品的にはアリだと思う。

 2◇OneDriveを巡るゴタゴタ。

 Microsoftネタ連発だが、これも今年のデカい話として外せないと思うので。

 ミクロで見ればいつものMicrosoftというだけ。「新生」Microsoftは存在しなかった、ということを一番分かり易く知らしめたということで。
 マクロ的視点だと、クラウドサービスってこういうモノだよ、ということを広く再認識させた効能があったかと。
 一般PCユーザの視点で見てみると、Microsoft離れを加速させたとしか。

 個人的な意見だが、古臭いPCユーザといわゆるスマホネイティブユーザの大きな違いの一つに、サービスに対する忠誠度があると思っている。
 これはPC万能時代の「移行の面倒臭さ」の記憶と裏返しであり、一つのアプリなりサービスなりに腰を据えて使い続けるのがPCユーザの習性。良く言えばロイヤリティが高い。
 一方、スマホネイティブユーザはアプリを選んで入れて捨てて御仕舞が当たり前。大多数がコンテンツ消費者なので移行するデータも無く、データ移行作業なんて基本存在しないので、アプリを入れ替えても特に困らない。
 サービス提供側から見た場合、どちらを掴んでおいた方が幸せか、ということですよ。

 そんな時代に、コンテンツ消費者がPCを買ってくれるという幻想はもう通用しない。
 PCが掴んでおくべき顧客はひと昔前「プロシューマ」と呼ばれていたコンテンツ作成側のユーザであり、これは即ち古臭いPCユーザであり、取りも直さずWindowsユーザであり、Microsoft製品ユーザなのですよ。
 そんな彼らに「やっぱMicrosoftは信用ならんわ」と知らしめた今回のイベントは、確実にMSのコンシューマ向け戦略に未来永劫影響を与えると思うんですわ。Windows Mobileの展開も含めてね。

 3◇メインストリーム向けNVMe離陸開始。

 さて、いい加減MSネタばかりだと飽きるので、きちんとハードウェアの話しましょ。

 今年のハードウェア的トピックの中では、個人的にはNVMeがいよいよコンシューマ向けに来たことかと。
 OS側は実はWindows 8.1からフルサポートになっていたが、チップセット側の正式サポートが100シリーズからとなったので、DDR4移行と同時のタイミングで離陸開始と。

 そんなNVMeの価値は、世間で良く言われている「ベンチマーク値がSATAの理論速度超え」ではなく、プロトコル上のオーバーヘッドが少なくSATAよりレイテンシが低いこと。
 今は未だ出始めということでコストも拡張性も全くこなれていないが、現状CPUの足を引っ張りまくっている大容量記録装置周りが漸く一歩前進したワケで。

 個人的には是非早期の値崩れを期待したいところだが、同時にIntelにPCIeバス本数拡大も期待したいところ。
 NVMeだとPCIe x4を使ってしまうので、現行CPUのPCIe x16では拡張性が足りないよね、と。

 4◇HBMが実製品に。

 次に、今年HBM搭載製品が(ハイエンドとはいえ)一般向けに出回り始めたのは、あまり世間では話題になっていないが個人的にはポイントだと思うのですよ。

 着目点ととしてはNVMeと一緒で「高速な演算装置と、追い付いて来ない周辺回路」というPCの中の構図を一歩改善する為に、非常に広帯域なメモリが採用されたということ。
 勿論現時点では価格その他問題も色々あるが、AMDはAPUでもメモリ帯域不足で頭を抱えているということ、GPU ComputingにはPCI-Expressも相対的に低速でボトルネックとなっていること、その他諸々を考えると、まずは将来に向けての一歩を踏み出した、と言えるのでは。

 5◇HDDもSSDも揃って停滞中。

 続けて大容量記憶装置の方を見てみると、今年は正直停滞の年でした、と。

 まずSSDは順調に値下がりし、年初比で3割~4割安くなったが、正直それだけ。
 低価格品ではTLCの採用が拡大。TLC故の書込の遅さはキャッシュで誤魔化すしかなくその取り回し方法で多少個性が出るものの、基本的にはコントローラが一緒なら挙動も一緒という、正に「コモデティ」と化してきたというところ。

 HDDの方を見てみると、コンシューマ向けには年初に8TB品が出回り始め、年内で大体3割程値下がりしたものの、10TB品は未だに影も形も見えず。
 アキバの店頭では地味に4TB・5TBが下がったものの、今年1年ずっと3TBが主役のままで、このラインに至っては値動きもほぼ無し。

 以上、要するに全く面白くなかったですな。

 ちなみに、現時点でPMRの最高密度品は東芝の2.5′ 3TB HDDの750GBプラッタ。
 製品発表は年初、その時は5月出荷予定とアナウンスされ、アキバには9月に流れ始めましたな。これが最高密度。
 3.5’ではHGSTの10TB製品で、コレは1.43TBプラッタという密度。SMRでは去年この密度になっていたのだが、今年にはPMRでこの密度になりました、と。

 あとペーパーではSMRではSamsungが2.5’で1TBプラッタを開発したとPRを出ているが、現物はちっとも出てこないですな。

 6◇IntelがSkylakeでDDR4に移行開始。

 最後にIntelからSkylake登場、DDR4に移行を開始しました、と。
 ある意味定例アップデートで面白くもなんともないし、消費電力は減ってきているものの実処理性能ではあまり伸びてもいない。
 これは取りも直さず「アップデートのメリットが少ない」=「コストばかりかかる」=「コスパが悪い」ということで、こういう商法を続ければどうなるか・・・は自明の筈なんだがなぁ。

 但しプラットフォーム入れ替えというのはパーツ屋にとっては一大イベントで、これがあったからPCパーツ屋は今年が乗り切れたなんて話もあったり無かったり。

 ♯「DDR3が使えるSkylakeマザーが動かない(売れない)」なんて台詞をどっかで聞いたが、当然でしょうよ。

 ◇

 以上、今年のPC市場は自分から見たらこんな感じでした。
 今年のblog更新はこれで終了です。

 それでは皆様、良いお年を。

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もうゲームにしか頼れない、そんなアキバを見ながら。

 さて、勝手に恒例、今年1年をPCネタから振り返るとエントリ、懲りもせず今年もやりますよ。
 とはいえ今年の頭には何も予想していないのでマルバツはもう無しで、だらだら文だけ垂れ流してみますか。

 ◇

 さて、今年1年、個人的には自作PC業界的には「末期症状」が一気に広がったと思っていますよ。

 それがタイトルに書いてしまった「ゲーム」。
 象徴的なのはアキバのゲーム系PCショップの相次いだ開店/模様替えで

 ・DOSPARA系のGALLERIA Loungeはリニューアルした上にゲーミングデバイス特化店舗(秋葉原別館)を立ち上げ
 ・MCJ系Mouse ComputerのG-Tune:Garageは表通り移転
 ・更に何を思ったのか同じMCJ系UNITCOM傘下IIYAMAまでLEVEL∞ブランドをブチ上げてLEVEL∞HUBオープン

 この他ツクモでもゲーミングデバイスの取扱量と店舗面積占有率が一気に跳ね上がったり、Intelがゲーム中心のイベントを開いたり、正にアキバのPC界隈はゲーミング一色と言っても言い過ぎではないくらい。

 何でこんなに一気に広がったんでしょ?
 突然ブームが来たから?それが盛り上がっている?そんな話何処かに転がってましたっけ。
 違うよね、と。

 「盛り上げるしかない」んですよ。

 何でこうなった。

 ◇

 もうPC自体、目に見えて衰退ルートに入っています。
 無くなることはないですが、現在の規模と数の業者が生き残れるほどパイの大きな市場は残らない。
 HP分割やDELLのEMC買収等、グローバルでいろんな動きが既に出ている。
 東芝と富士通がVAIOにPC事業ブン投げるなんて噂が出るぐらい、国内も水面下では大荒れになっている。
 そしてアキバの店頭にもいよいよ目に見える動きが出てきたと。

 #余談だが東芝+富士通+VAIOが実現すると国内PC市場は事実上レノボとVAIOの2強、その他大勢という流れに。

 そもそも、自作PCは安くないし、手間かかるし、一般人が自作PCを手にする理由は何処にもない。
 昔多数あったPCパーツ専門店は既に消え、今残っている店は結局アキバの店舗以外で稼げるアテがあるから生き残れているだけ。極論言ってしまえばアキバの店舗は損しなければそれでいいレベルだったりするワケで。

 #特定分野で断トツ・垂直統合型グループ構成・規模の経済を駆使・法人需要を確保・・・とか。

 とまぁここまでは規模の話だが、ここからは単価の話。

 要するにPCは高性能になり過ぎてしまったんですな。主人公のパワーアップがインフレしてストーリー破綻寸前のバトル漫画的な。
 そうすると「普通の人がやむを得ず使うPC」は相対的に低価格になってしまい、平均単価の低下が超特急状態。

 頼みの綱のMicrosoftのクソ重いOSですら、最近はモバイルとの統合とか寝惚けて「新しくなったら軽快にになります」とか言い出す始末。
 今まで「こんなに新しいモノが必要です」と嘯いて高いモノを売りつけていたのに、その商法が完全に通らない時代になってしまいましたよ。

 こんな状況で、(無駄に)高く(少しだけ)高性能なパーツを買ってくれる客層を探したら。
 次々と重たいアプリを生み出してくれるソフトウェアベンダを探したら。

 PCゲーム市場しか残ってなかった、というワケです。

 幸い、高性能なパーツの組み合わせは国内大手コンシューマ向けPC屋では手を出していないし、小回りが必要で色々面倒なので多分手を出せない。
 そうなればBTOをやってきたPCパーツ屋の強みが活かせる上に、単価も高いので利幅も大きい。

 これ幸いと、一気に各社が飛び込んで来た、と。

 #というか大手だと海外でもDELLがALIEAN WAREで頑張ってるぐらいで、他にはHPはDELL対抗でENBYブランドを立ち上げたもののずっと迷走中だし。

 ◇

 でも、ね。
 個人的にはこれPCパーツショップが消える前の「最後のあだ花」に見えるんですよ。

 冷静に考えてみて下さい。
 e-SPORTSといったところで、所詮はゲームです。F-1というカーレースをMOTOR SPORTSと言うのと同じぐらい「言葉のあや」でしかない。
 しかもカネも暇もかかります。暇は兎も角カネの話は今の日本人にはなかなか厳しい。
 片やPCより圧倒的にハードルの低い据え置き型ゲーム機ですら、スマホに客を取られて苦しい状態なのが現実です。

 そんな状況の中で。
 ただでさえ減少傾向のPC人口の、いったいどれだけの割合が、そのゲーミングPCに興味を示すんですか?
 そしてそのPCにカネを払うんですか?
 そのカネだけで、業界支えられますか?

 ・・・こう書くと思いっきりゲーミングPCそのものを批判しているようにも見えますが、別にそういうワケではないのです。
 アレはアレで全然アリでしょう。オーバーパワーに夢と浪漫と正義が詰まっているのは間違いない。

 ただ、業界全体が極小パイの奪い合いに突撃していく今の状況がホントに必死過ぎて、引いているだけです。

 ◇

 えっと、このまま終わるとあまりにも切ないので、もう一回、今度こそPCパーツと業界全体の話をして、年内最後にします。
 今回はここまで。

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Win10のKB3124200、病気持ちにつき注意。

 昨日辺りからWindows Updateに乗ってきたKB3124200だが、適用された環境でコントロールパネルを含む一部アプリが起動出来なくなる不具合が発生中。
 このテの症状はレジストリが壊れたりシステム必須ファイルが壊れたりしても発生するのだが、該当KBを明示的にUninstallすると全ての症状が消えることから、このKBが病気持ちなことはほぼ確定。

 対策は該当KBをUninstallすること。繰り返しになるが、それで問題は解決する。

 ◇

 コレでS.KazがWindows10のWindows Update絡みで喰らったトラブルは2回目。 
 1回目はTH2で出たDigiOn製品の不具合で、前回書いた通り。
 2回目がコレ。

 さて・・・3回目は何時来ますかね。

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やっちまった。

 TH2が公開されたので取り敢えず公開β程度の完成度にはなったのではないかという期待を持ってしまい、うっかりメインPCをWindows10にアップグレードしてしまいました。
 方法は・・・思いっきり手抜きの「アップグレード」。大体2時間弱ぐらいかかりましたかね。

 とはいっても「TH2で動かなくなった」ソフトもちらほら出ているので、万人にはお勧めしません。
 そういう自分も取り敢えず上げてはみたものの、普段使いのソフトが一つ使えなくなってしまい、さてどうしたものかという真っ最中なので。

 #最悪パーティションイメージから元に戻せる状態にはしてありますよ。

 ・・・つか、こういう互換性に関わる部分の重大な変更を告知無しで強行するなんて、Windows As A Serviceってそういう意味なんかね。
 そんなことするようじゃ、そもそもWindowsなんて・・・っととと、
 閑話休題、このネタは長くなりそうなので別エントリにします。

 #仕様変更でなくバグだよねきっと。まぁそれだって(以下略

 ということで、以下はあくまで参考情報ということで。
 実際にWin7からWin10へアップデートしてみたので、自分が一番ハマった点をメモっておきます。
 といいましてもネタとしては実に古典的な、定番の、使い古されたシロモノですが。

 ◇

 それでは、今回自分が痛い目を見た原因を。

 「カーネルに近い動作をするアプリはかなり危険、基本抜いておけ」
 「ドライバは7と8.1以降対応両対応のものがあれば最新版に、それが無ければ思い切って抜いておけ」

 ほら、よくある話でしょ?
 更に、TH2以降にする(なる)場合には、以下の項目も大事。

 「DigiOn製のDTCP-IPに関連するソフトはTH2でBSODの原因になるので確実に抜いておけ」

 これからIn-place Updateをしようという皆様、本当にコレ重要ですよ。

 当方のように、ランダムに頻発するBSODに脅されながら、一生懸命ドライバのUpdateしたり、疑わしいアプリのUninstallしたりするという、非常に非生産的且つ被虐的な時間を過ごしたくなければ。

 ♯以前ちょっと書いたように、当方メインPCでは結構色々な常駐モノ・組込モノを動かしていてのも原因の一つと思われる。

 特に当方のようにWindows7からの移行だと、Win8からの移行だと恐らく問題無いのだろうがWin7からの移行だとヤバい、という代物が結構ある模様。
 この原因はほぼ100%、ドライバのお作法がWin8から変わっていることなのですよ。
 Win8.1で動くドライバがWin10でコケる確率は高くないが、Win7となるとコケない確率の方が高くない。

 こういうブツが日和見BSOD(というか)の最大の原因なのだが。
 おっかないのは、この日和見BSODを起こす原因の中に、USBやGPU等の必須ドライバも(当然)含まれること。

 ♯前述したDigiOn製DTCP-IP関連ソフトもこの類。
  インストールするとDTCP用ドライバが裏で自動的に動き始めるのだが、こいつがCRITICAL_STRUCTURE_CORRUPTIONを日和見で吐いてくれる。
  ドライバの問題なので上物のアプリを起動しなくともインストールしてあるだけでBSODになるし、大体1時間も持たない。

 だったらそのテのドライバぐらいインストーラが事前に検出して警告してくれれば良いのに、とは思うのだが、そんなことに気を使ってくれないのはMSのいつものことなので。
 実際、当方では検証用環境をWin8.1から10に上げた方では特にBSODなんて発生しなかっのに、本番機のWin7からの(なんの事前準備もしていない)アップデートだとまぁBSODの嵐となったワケですよ。

 しかも、USB3.0等の「そもそもWindows10ではベンダドライバ不要」なんてブツでも、Win7用のドライバが存在すると、何故かこの古いドライバとWindows10用ドライバが衝突して、BSODだけでなくデバイス自体も正常に動かないなんて羽目に。

 なので、こういう困ったドライバ対策として、オススメなのは「一度全部抜いて、MS純正ドライバが当たっている状態にしてしまえ」ということ。
 この状態だと確実にUpdateプロセス中で更新されるので。

 そしてこの「事前準備」は確実にUpdate前に行うこと。
 Update後にはUninstallが正常に出来ないモノが・・・まだコレはまし。
 レジストリやらを直接修正するハメに・・・これでもまだマシ、起動出来ているんだから。

 最悪なのは、そのドライバのせいで自動修復すら起動出来なくなって、要するに「環境が死んで」しまうこと。
 起動時に必須ドライバとして読み込まれるブツにNGドライバが混ざっていると、最悪こういうことになるんですわ。
 ぁぅぁぅ。

 ♯なのでもう、開発系は出来るだけ触らずに一旦大掃除することにしました、はい。

 ◇

 とまぁこんな感じで、取り敢えず上げた時の雑感ということで。

 ・QuickLaunchは以前と同じ方法で復活可能。個人的にはコレ超重要。

 ・CtrlとCaps他、キーレイアウトのレジストリでの入替もそのまま使える(Updateの時消えるので要再導入)。個人的にコレも超重要。

 ・当方のように単色背景を使う人間にとっては、以下の2つのコマンドラインは必須。
  というかコレなんでGUIから削ったん。

  control /name Microsoft.Personalization /page pageWallpaper
  control /name Microsoft.Personalization /page pageColorization

 ・BSODを発生させないにしても、一度Uninstallした後再Installしないと正常動作しないアプリも少なくない。
  修復ではダメ、アレ?と思ったら取り敢えずUninstall&再Install。

 ・正常にUninstall&再Install出来ればアプリもドライバも意外と古いモノでも普通に動く模様。この辺りはさすがMSといったところか。

  但し「普通に動く」ことを確認するまではものすごく大変。
  ドライバ類だと前述した「日和見BSOD」起こすブツが正直言って少なくないし、アプリでもウィンドウやボタンが妙にズレて肝心なトコが押せなかったりなんてパターンも。

 ◇

 以上、S.KazのWindows10 In-place Updateドタバタ騒動記、若しくは「常駐モノや組込モノが多い人は御注意あれ」というお話でしたとさ。

 今回はこの辺りで。

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いやはや、何やってるのさ。

 さて今回のネタはMSの突然の暴挙から。
 よりにもよって、OneDriveの容量を「減らしますよ」と来たもんだ。

 このことが最初に発表されたOneDrive blogのコメント欄は見事に炎上したが、まぁソレが普通でしょうと。
 取り敢えず、今回の件でMSが得たもの

 1・ストレージの少しの空き容量
 2・Microsoftはユーザに不便や出費を強いるサービス変更を簡単に行うという実績
 3・Microsoftの製品に対する「漠然とした」不信感
 4・現在無料アップデート中のWindows10も突然サブスクリプションに強制移行するのではないかという「漠然とした」疑い

 自分の感覚ではコレどう考えたって割の合う話ではないと思うのだが、本当にMSは割が合うと思ってやっていたのだろうか。

 ◇

 まぁ既に色々なことがあちこちで言われているので、ここでは極めて冷静に分析してみましょうか。
 そうすると、こういう結論になるかと。

 「MicrosoftはOneDriveを魅力的な商品とする意思が無いことを明言した」

 Office365の1TBストレージセットはGoogleと見比べた際に見劣りしない為だけに付けているという解釈が十分成り立つ。
 有料プランに関してはもう単純に、「買ってくれるな」と言わんばかりの高値付。
 感情論を全部拭い去っても、スペックを見比べただけで明らかに見劣りする以上、OneDriveを選ぶ理由が見当たらないんですわね。

 ◇

 とはいえ、実際には人間の行動原理に感情が入らないなんてことはないワケですよ。
 そうすると、最初に書いたような実績を基に「漫然とした」不信感がと疑いを持ってしまった以上、今後のMicrosoft製品の個人への売上には少なくない影響があると思うのだが。

 ちなみに他社はというと、有名処は基本的にサービスそのものからの撤退以外でユーザーベネフィットのデグレードはやっていない。
 もちっと日本語分を多めにするならば「既得権益」を削っていない、とも言える。
 そうしてユーザーに「取り敢えずはまぁ使い続けられるのかなぁ」という「漠然とした」期待を持たせるワケですよ。

 勿論「漠然とした」というレベルであって、クラウドサービスなんてその程度のものなのだが、その「漫然とした」期待が無ければそもそもサービスを使おうなんて気にもならないし、増してや課金してなんて発想なんて出てこない。
 そして実際使ってもらうことで「実績」が出来て「信頼感」が生まれ、それが延々積み重なってやがて「信頼」となり、ロイヤリティの高い(継続使用してくれる、高額な商品を買ってくれる)顧客を生み出す大切な要素となる。

 そういう意味でもこの「漫然とした」期待を持ってもらうことは極めて重要なワケですよ、これはもうビジネスに限らずあらゆる場面で。
 この基本的なステップの最初にある「漠然とした」期待をMSはさっくり裏切ってしまったワケですわ。
 それって最悪の選択でないの?と。

 ◇

 しかもこの「既得権益を削った」相手が、圧倒的多数の無料ユーザだってのはもう。
 母数が多ければ確率論の世界で声が大きい(中にはクレーマーだって・・・)連中も少なくないワケで。
 こういう連中は基本的に「売上に貢献しないが全力で足は引っ張る」のよ?

 短期的なストレージ費用負担(長期的に見れば相対的に「薄まる」筈)と、このテの悪評流されるリスクを天秤にかけて、わざわざ後者を取ったってのは、正直自分には理解出来ませんわ。

 一方、有料ユーザにとっては精神的には大事ではないかというと、これまた全然そんなことはないのであり。

 そもそも容量無制限と言ったなら無制限で提供しろよ、というのが基本行動原理が契約である世界の常識。
 にも拘わらず「大量のデータをアップロードしているユーザが居る」ことを理由にサービス内容変更というのは、世界の常識からすれば言い訳にも何もならず、単に「契約不履行である」としか言いようがない。

 #契約という関係に疎い日本人にはこの辺りの欧米人の感覚はどうにも理解されていない気がする。

 なので当然、「MSは契約を一方的に反故にする企業である」という印象を持たれたワケですよ。
 有料ユーザにしたって「そりゃねーだろ」となりますわ、コレは。

 ◇

 にしても今回のネタ、サービス内容変更が相当刺激的なことは勿論だが、その発表方法があまりにも朴訥だったのも騒動に拍車をかけた原因だと思うのだが。

 これが仮に「データ総量が見込みを上回って増大し、サービス継続に支障が出かねないので」と言っていたら、もう少しだけ世間の反応は違ったとは思うのだが。BidCasaもHPも過去に「やらかして」いるので・・・同じくブーイングの嵐ではあっただろうが。

 ・・・つか、こんな騒ぎを起こすならそもそも「容量無制限です」などと言わなきゃ全て丸く収まっていたのだが。
 余計なこと言って余計なことして自爆した、というか、オウンゴールだとか、そういう展開でしょうコレは。

 まぁ実態としてはどうせ、容量無制限を打ち出した時と現在とではMS側の人も入れ替わっているんでしょう。
 「前任者が何言ったか知らないが自分はこうやるんで」というとてもビジネスライクな判断をしたんでしょうな。
 ところがユーザーはそんな短期間で入れ替わるワケがないし、ましてやMSの中の人間の入れ替わりなんて知ったこっちゃないという。

 ◇

 まぁこの後暫くの注目は、思わぬ長期的なビジネスチャンスを与えられてしまったクラウド系各社と、国内では思わぬ棚ぼたなNAS屋各社ではないかと。
 最近イケイケのQNAPとかはアキバでは売り上げ右肩上がりだそうだし、少なくとも国内のエンタープライズ系では「ファイルサーバ」の扱いが面倒臭くなってきた連中がアプライアンスである(=運用を含めたトータルコストでは結構下がることが期待出来る)NASへ移行するケースも増えてきているので。

 とまぁ今回は、こんなところで。

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