Steinberg印のUR12を買ってみた。

 さて、手元の環境のWin10化で泣く泣く捨てざるを得なかったのがサウンドカード。いい加減Vista用βドライバではWin10ではコケまくるというか青画面の原因になってしまうようで、まぁそんな代物が今更Win10用ドライバなんて出してくれる筈も無く。

 で・・・オンボードのサウンドも使ってはみたものの、筐体内の電源ノイズを拾ってしまって仕方ないのと(実はサウンドカード時代も拾っていたがオンボードの方が更に酷い)、そもそもやっぱりオンボードなので。

 ♯とは言っても昔に比べると随分良くなっているのは聴いてて分かったけど。

 そんなワケで、ASIOが使えてある程度しっかりしていて且つ低価格、という条件で探してみたところ、YAMAHA製なSteinberg印のUR12がヒット。既にコスパ高いという定評もあったので、何も考えずにぽちっと。

 ◇

 以上のような経緯で、手元に来たUR12。第一印象は「(物理的に)重い」だったというのは兎も角、ちょっと触ってみた感じ、確かにこれは「コスパ高い」わ。
 ラインナップ最上位しか真面目に作らないYAMAHAにしては珍しいことがあるもんだ、といったら怒られるかも知れないが、確かに色々価格相応にケチられているものの、しっかり作られている印象。

 Cubase AIも付いてくるし、この価格帯としては決定打と言ってもいいかも。
 正直言っていい買い物したと思っていますよ。

 ♯桁が違う純業務向けと比べると音の輪郭や解像度が、という話は確かにまぁなぁとは思うが、この値段でこれだけ出ていれば逆に御の字では。

 但し、それではコレもう完璧かと言われるとそうでもないね、と。
 大雑把に言っても4つも注意点があるので。
 以下、列挙。

 ◇その1:電源にシビア過ぎ。

 まぁこれはUSBバスパワー機あるあるではあるが、世間の口コミ以上に電源周りに余裕が無い。
 電圧が低いとしれっと電源が入らないし、何とか電源が入って認識されても今度は稼働中に突然音が途切れてしまう。更に、電源ラインからノイズが入ると音が途切れることも。

 最近では電気喰いデバイスが増えたせい(だと思う)でUSB電源周りは以前よりかなり強化された気がするが、一昔前のPCで少ないコネクタにUSBデバイスを複数繋いでいるような環境だとこれは厳しいかも。
 あとモバイルノート系は要注意。バッテリ節約の為にUSBの給電能力が低かったり、AC繋いでいると問題ないがバッテリ駆動にすると・・・なんて話は最近の機種でも時々聞く話なので。

 実際自分のPCのうち1台は構成そのものが古いこともありUSB周りがヨワヨワで、他のPCでは全く問題なく起動するバスパワーのUSB HDDが起動できないなんて事態になっていたりするのだが、素でこのPCに繋ぐと一応認識こそするものの、10分も持たないうちに音が途切れ(て数秒~十数秒後に復帰)、終いには認識されなくなってしまうという有様。

 ♯ちなみにこの「音が途切れ」ている状況ではUSB Link LEDが高速点滅する(電源ON時はホストに認識されるまでゆっくり点滅)。マニュアルにはこの高速点滅の意味が書かれていない気がするが、要するに取り敢えずエラー、ということでいいんか?

 とはいえこのUR12、この問題に対しては簡単に対処可能。
 やり方は簡単、PC接続時でも外部給電を使用すれば即解決。コネクタがUSB MicroBでスマホの充電用アダプタやケーブル、そしてモバイル環境ではスマホ用のモバイルバッテリがそのまま使える辺りは気が利いている。

 実際、当方の場合も、1.5A出せるモバイルバッテリ(普段持ち歩いているもの)から給電した状態で前述のUSB周りダメダメ環境に繋いでみたところ、取り敢えず7~8時間は全く音途切れが発生せず、極めて安定してしまいましたとさ。

 しかも、これは当方のようにPC電源がノイズだらけのような状況に限られるだろうが、外部給電した方が明らかに音が良いという。
 自分のような駄目耳と安物イヤホンですら気付くぐらいの差があるので、きちんとした耳とヘッドホンを持っている人なら雲泥の差ってやつでは。

 ちなみに、給電能力不足解消のド定番の手法である「セルフパワーUSB HUBを挟む」でも勿論問題は解決する。
 が、手元でで試してみたところ、確かに不安定さこそ解消されるものの、明らかに外部給電の方が音が良いのですよ。

 まぁこれは給電にどんな電源ソースを使うかにも依るとは思うので、当方の環境限定かも知れないが・・・既に手元にセルフパワーUSB HUBが余っているような状況でもない限りは、スマホ充電にも使えるACアダプタを外部給電用に買って来るのが正解かね。

 ♯ちなみに、手元に転がってたUSB HUBのうち1つはセルフパワーで5V2AのACアダプタからUR12だけ繋いで給電しているのにも関わらずイマイチ安定しなかったったりしたので、USB HUBを挟んでもダメな時はあるっぽい。ここまで来ると相性レベル。

 ◇その2:PCを省電力に使うのはかなり厳しい。

 元々DTMを本気でやるなら省電力モードなんて使わないだろうが(VSTがモタるので)、単なる低価格なDAC代わりにしようとするとこの欠点が目立つ。
 手元のPCでは、どれも「高パフォーマンス」モードにすれば問題は起こらないものの、「省電力」設定にすると全ての環境で音切れ多発、「バランス」モードでも音切れする環境がある始末。

 それと、どうやらデバイススリープ周りにも不具合がある模様。
 症状としては暫く使用していないといつの間にか切断されてOFF状態になっているというもので、この症状が出てしまうとケーブルを物理的に抜き差ししないと復帰しない。
 取り敢えずの対応としては、デバイスマネージャ上でUR12のぶら下がるUSBの接続ツリーを開き、途中に挟まる全てのHUBの電源管理でデバイススリープ(電源OFF)を不許可に(標準だと許可になっている)することで解決するように見える・・・が、短時間の確認なので完全かどうかは不明。結局すぐに外部電源繋いでしまったので。

 ◇その3:USBバスとの相性は確かにある。

 手元でこれヤバいと発覚したのはASMedia USB3.0。ここに繋ぐと兎に角安定しない。
 逆にUSB3.0でも旧NEC=Renesas USB3.0では特に問題は発生せず。
 ではUSB2.0の世界では無問題かというと、AMD SB850・950だと偶に音が飛ぶことが(1時間に1~2回程度)。Renesas USB3.0ではこんな症状出なかったので、これまたコントローラ若しくはドライバとの相性と思われる。

 ♯にしてもここまで分かり易くASMedia USB3.0で相性問題起こすデバイスは初めて見た。
  USB3.1登場で捨て値になってるRenesas 3.0チップ搭載PCIeカードでも買ってくること考えるかね。

 ◇その4:コネクタどうにかならんのか。

 そして最後の注意点。
 標準添付のUSBケーブルが悪いのかコネクタが悪いのか、それともハズレ引いたのか、Type-Bケーブルのガタが酷く、ガタガタしていると突然接触が切れることがある。

 一応モバイル用途も謳っている以上、これはどうにかならんのかいね。
 まぁType-Bコネクタ自体がアレだという話もあったりするのは分かっていってるけど。

 ◇

 ・・・まぁ色々言ってしまったが、基本出来が悪くないだけに欠点が余計に目立ってしまっているような。
 他人に薦められるかと言ったらおススメ出来ます、程度には満足してます。

 それでは、今回はこの辺りで。

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Windowsのドライバが何故か組み込まれなくなってしまったら。

 今回は稀に突然発症するWindowsの病気、「何故かドライバがインストールされない病」のネタでも。
 何でこんなネタを出したかというと、自分の端末が喰らってしまったから。

 ◇

 まず、この症状の解説から。

 「ある日突然、それまで使えていたUSB等の機器が認識されなくなった」

 これが病状。
 ってさらっと書いているが、これ結構致命的で、使い方次第ではこうなったらPCが役立たずになってしまうことも珍しくない。
 例えばUSBメモリなんかが、昨日まで使えていたのに今日突然使えなくなった、とか。
 まぁメモリ程度なら兎も角、データ山盛HDDなんかだとかなりシャレにならないことに。

 なので、ここからは原因切り分けを開始ということで。
 まずは、デバイスマネージャを起動。この時、

 「何故か使えないデバイスが「ほかのデバイス」というトコに繋がっているように見える」

 この状況の場合、この病気の可能性が高い。
 逆に、そもそもデバイスが見えていない場合はハードウェア故障の確率の方がかなり高い。
 次にイベントビューアをチェック。

 「「Windowsログ」「システム」の中に「情報」として「イベント20001」が「UserPnp」から出力されている」
 「「ドライバー NULL Driverをインストールするプロセス」というメッセージが見える」

 上記状況にヒットしてしまった場合、ほぼ100%今回の病気ですな。

 ◇

 さて、この病気の原因なのだが。

 一言で言うと、HDD上のドライバ情報またはドライバ本体が壊れてしまった為。

 Windowsには悪い癖があって、この「ドライバ情報」というのは意外と壊れ易い。
 そしてこの「ドライバ情報」が壊れてしまうと、ドライバ本体まで使えなくなってしまう。
 更に悪いことに、この状態でドライバ自体を修復や再インストールしようとしても「ドライバは問題ありません」とか言われて蹴飛ばされてしまったりする。

 #ちなみにドライバ情報にはキャッシュ(のようなもの)があるので、そのキャッシュが捨てられて再構成されるまではドライバ情報が壊れていても特に問題は発生しない。なので、実はとっくの昔に壊れていたものがある日突然明るみに、というパターンは少なくない。

 こんな状況を打破するには、要するに壊れたドライバ情報を修復するしかない。
 修復手法は2ステップ。

 但し以降に書くこの方法、システムが壊れかけている場合はとどめを刺すことになる可能性があるので、システムフルバックアップを必ず取ってから実行すること。
 一見治っているように見えて実は他のトコが巻き添えで壊れた、なんてことも実際あるので。

 #たまに「取り敢えずコレ打て」的な書き方を見かけるが、取り敢えずで打つ程安全なコマンドではないよ念のため。

 ◇

 まずは事前準備。

 chkdsk /f C:
 (Windows10では chkdsk /f /offlinescanandfix C:)

 システム障害が起こっている環境ではかなりの確率でシステムドライブに論理エラーが出ていることが多い。
 それを放置したまま次の作業を進めてしまうと更に傷口を広げてしまう可能性があるので、まずはそこを潰しておく。
 但しこのコマンドの時点で既に打つ手なし状態だと判明する確率も実はそこまで低くはなかったりする。

 #ちなみに物理エラーが疑われるなら/rで。環境次第ではやったら時間はかかるが、そういうモノ。

 そして軽い方から。コマンドプロンプトから以下のコマンドを打つ。

 sfc /scannow

 Windowsのシステム修復機能を起動して、壊れているコンポーネント情報を修正するコマンド。
 修復はあまり期待出来ないが、エラーが出たら基本的に何処か壊れている。
 ちなみに環境にもよるが30分とか普通にかかる。

 Windows7迄の場合はここまで。
 Windows8以降では次のdismコマンドも打っておく。
 こちらはWindowsのImageを掃除するコマンド。
 詳細は横に置いておくとして、これもそこそこ時間かかる。

 DISM /Online /Cleanup-image /Restorehealth

 で、上記2つのコマンドを実行した後、再起動。
 その結果・・・改善することもあるが、環境よっては却って悪化することも。
 その場合は諦めて次へ。

 ◇

 次に、手間のかかる方。
 まずこの手法を使う場合、

 ・正常なドライバ
 ・空きHDD
 ・WindowsのインストールDVD

 この3点が存在することが大前提。
 ではこれらで何をするかというと、

 1. 現在の問題あるHDDを取り外し、空きHDDを取り付ける。
 2. Windowsをインストールして起動出来るようにする。
 3. 問題あるHDDを接続し、問題あるWindowsパーティションを見えるようにする。
 4. パーティション内からドライバの格納先を探し、インストール直後の正常なドライバで全て上書きする。
 5. 環境を戻してデバイスを認識させる。

 こうなる。
 ちなみに5.のデバイス認識では通常より時間がかかることがあるがそれは正常。

 以下、4のステップの詳細。

 ・ドライバの保存場所は大体のマシンでC:¥Windows¥System32¥DriverStore¥FileRepository。
  この下にドライバ毎にフォルダが切られていて、このフォルダ名=ドライバのinfファイル名。

 ・このドライバ毎フォルダ内にはinfと対になるsysファイルやdllファイルが保存されている。
  何かの拍子でこの中のファイルが壊れたり不整合を起こしてしまうと、ドライバのインストール不良になってしまう。

 ・Windows標準ドライバでこの症状が出た場合、同一Windowsの正常な環境からフォルダ内ファイルまるごと全コピーで上書きしてしまうのが簡単。
  サードパーティ製ドライバならドライバディスクやインターネットからコピーして入れ直す。

 ・そのままだと上書き出来ない場合は、一旦ファイル・フォルダの所有者を自分に変えてから権限を付けると作業可能。
  ローカルの管理者権限を持っていれば所有者の変更だけは出来るので、所有者変更→権限付加、の2ステップ。
  勿論作業後は元通りにしておくこと。

 ◇

 以上、こんな作業でWindowsでの「デバイス認識しない問題」「ドライバが何故か入らない問題」の大多数は片付く。

 勿論これで全部直るワケではなく、例えばレジストリが壊れていたりするともっと大事で、そこまでいってしまうと再インストールの方が幸せになれる。
 だがレジストリ自体の不整合は最近はかなり発生しづらくなっている一方、DriverStore以下のファイル不整合は相変わらず発生し易いので、大多数はドライバの不整合だけ直せばどうにかなるのではないかと。

 とまぁこんな感じで、今回はここまで。

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Win10のKB3140768、環境修正もやっている模様。

 今回はだらだらと長いのでまず3行まとめ。

 ・Win10のKB3140768は既存環境の修正も入っている模様。
 ・今までの累積パッチが入らなかった環境でも入るかも。
 ・S.Kaz手元の1~3月累積が入らなかった複数環境には全て入った。

 ということで、以下だらだらと。

 ◇

 さて、管理人の手元にはKB3140743の当たっていないWin10環境が複数存在しております。
 揃いも揃って使い込んだWin7からのIn-Place Update環境ということでまぁ環境が汚いというのはあるとは思うが、にしても毎回当てようとして失敗するので、MS謹製ツールで取り敢えず隠してしまったり。

 ところがここで更なる累積パッチというか、内容的には事実上修正アップデート的なKB3140768なるものが来ましたよ。
 まぁこれも今まで通りの累積だから当たらないよね・・・ほらやっぱり。
 コレ以外のパッチは全て問題なく当たっているのも、ある意味予定通り。

 ということで「こりゃRedStoneが出たら腹決めてクリーンインストールでもするしかないかねぇ」とか思っていたんですよ。
 何故って、これらの累積パッチが入らない環境は揃ってここまで全てsfcでもdismでも問題は検出されていなかったのです。

 ♯にも拘わらずうち1台に修復インストールかけてみたところ、最初のリブートの後暫くして黒画面でハングし、リセットボタン押すと環境復旧が始まり「0xC1900101 – 0x3000D MIGRATE_DATA 操作中にエラーが発生したため、インストールは FIRST_BOOTフェーズで失敗しました」とか出てる始末でして。

 ・・・取り敢えず、毎回のお約束を叩いてみますか、と。
 今回も「整合性エラーは出ないのにパッチが当たりません」という状況の確認ということで。

 >sfc /scannow
 >Windows リソース保護は、整合性違反を検出しませんでした。

 問題なし。ほらやっぱり。

 >DISM.exe /Online /Cleanup-image /Scanhealth
 >復元操作は正常に完了しました。
 >操作は正常に完了しました。

 ・・・え?!
 これ何か障害があった時の表示よ?
 今までずっと無問題で来ていたのに、何故?

 それじゃ念の為、もう一度sfcかけてみるか。

 >sfc /scannow
 >Windows リソース保護は、整合性違反を検出しませんでした。

 やっぱり問題なし。だよね。
 何だったんださっきの。

 とか言っている間に、裏ではWindowsが勝手にもう一度KB3140768を当てていますよ。
 無駄な努力だというのに・・・。
 とはいえさっさと再起動しろとか言ってきているので、まぁ再起動しますか。

 ・・・(数分経過)・・・

 あれ?
 KB3140768当たってしまったよ?
 Winver見たら10586.164になってるよ?

 ◇

 ・・・ということが複数環境で発生しまして。
 どれもパターンは一緒で、

 最初にKB3140768当てると失敗する
 →その後dismかけると今まで出なかったエラーが出る
 →その後もう一度KB3140768当てると成功する

 これはもう再現性があると言っていいのでは。

 ♯どの環境もWin7からのアップデートというのは気になるけど。

 実はdismで修復メッセージが出たというトコにはついては、微妙に心当たりがあるのであり。
 というのは、エラーの出方やログから.NET Framework周りの環境不整合はありそう、というぼんやりした目途を付けていたので。

 ♯それに.NET周りがおかしくなっている可能性のある場面なんて今まで散々あったし。

 そうなると、今まで壊れていたにも関わらずエラーとされてなかった部分が今回正しくエラーとされ、dismで修復され、環境が整ったので累積パッチが当たりました、という分かり易い説明が成り立つので。

 ◇

 以上、こんなこともありました、という話でした。

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使っていない常駐系ツール一発でWindowsブートがめっちゃ遅くなっていた話。

 さて、このところWin7機を片端からWin10にアップデートしてしまったS.Kazですが。
 この中に1台、Win7の頃から「何故か起動が妙に遅い」機械がありました。

 ♯そりゃまぁ色々常駐させてるからだろという正しいツッコミは横に置いておいて。
  にしたって数分単位で時間がかかるのはおかしいでしょうよと。

 そしてコイツもWin10にアップデートしようと思ったのだが、いくら何でもこの状態でアップデートするのは気が引ける。
 仕方ないのでシステムファイルの整合性やら何やら、起動時にエラーが出ていないか等もチェックしてみたのだが、これも「Windowsだから仕方ないよね」というレベルのもの以外は特になし。

 ♯S.Kazは基本的にHDDはRAIDを組んでいるのでフツーのPCに比べてOS Bootに辿り着くまでも遅いのです。
  そんな環境で再起動しまくってチェックしたので無駄に時間のかかったことといったら。

 首を傾げながら(ついでに)ドライバ類も更新していたところ、昔繋いでいたSATAカードやRAIDカードのドライバが入りっぱなしになっていることに気付く。あ~そいや全然抜いた覚えないわコレ。
 ・・・アレ、もしかして。

 ということで、ビンゴでした。
 具体的に言ってしまうとスタートアップに居たJMicronの常駐型ツールのXinsIDE、こいつが曲者で。
 SATAカードが刺さっていなければさっさと諦めればいいのに、存在しないデバイスを探してタイムアウトを繰り返すという極悪仕様であることが判明。
 しかもその極悪仕様に引っ張られて、Windowwの起動自体がPAUSE状態になってしまうという。

 まぁ原因が分かれば対策は簡単、ドライバ共々引っこ抜いたところ、世間一般並みの起動時間に戻りましたとさ。

 ♯当たり前としか言いようが無いのだが、妙に感動してしまった。

 ということで、本日の結論。

 使い終わったドライバはきちんと掃除しよう。

 まぁ要するに、当たり前のことはきちんとやりましょうということで。
 あなたのPCの起動も早くなるかも知れませんでっせ?

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2016年PC業界の(個人的な)見所は。

 さて、2016年初と言いつつもう1月も終わりというエントリはこんな感じで。
 毎年恒例?PC業界ネタを書いてみますか。とはいっても今年も特に予想は無しで、個人的「今年の見所」的な感じで。

 まずはPC業界から。

 1◇PC離れの一段の加速、現業各社は踏み止まれるか。

 いやね、ホントにコレですよ。
 国内PCメーカーの大集約の噂は絶えないし、パーツ業界は兎も角パーツの元=デバイス業界では大激震が継続中。
 これは本当に今年(も)何があっても驚かないというか。

 ちなみにエンタープライズITの世界はコンシューマ以上に色々動きが激しいので、ここでは詳しくは書かないけれどもやっぱり見逃せないですよ。

 2◇アキバのPCパーツ屋はeスポーツの夢を見るか。

 少し前にも書いたが、昨年から急に「盛り上げてる」eスポーツことPCゲーム。
 自分はeスポーツ自体にもゲーミングPCにもケチを付ける気も否定する気もないが、ソレが今年一年で国内でそんなに広がるか、アキバ発のムーブメントと言われる程盛り上がるか、と言われると「そりゃないわ」としか思えないんですよ。

 そしてパーツ屋なんて元々薄利店舗、いくら先行投資だと頑張ってもムーブメントが来なければ息切れしてしまうのは目に見えている。
 ということで、「eスポーツショップ」が今年1年を乗り切れるのか、1年後のゲーミングPC市場はどうなっているのか、というのは結構注目して良いネタだと思いますよ。

 ここでもしS.Kazの予想が完全に明後日に外れてeスポーツ関連が大盛り上がりしようものなら、アキバのPCパーツ屋は暫くは安泰でしょう。
 でも当方の予想が的中してしまったらいよいよ、アキバのPCショップは電気&電子パーツ屋・アマ無線店・オーディオショップと同列の「あぁそういう店もあるよね」という一群に入っていくのでしょうな。

 ♯その時アキバは何の街と言われるようになるのでしょうかね。
  今まで通りの「ヲタクタウン」のままかしらん。

 3◇撃沈が先かZEN発売が先かのAMD。

 何度もネタにしているように自分はAMD派だが、その自分をしても正直こう思わざるを得ないぐらい本気で瀕死の状態のAMD。
 QualcommやらMSやらが買収に興味を持っているという噂が絶えない中、今年中ZENが出せなかったらいよいよ爆死しまっせ。

 取り敢えずAM3+のリフレッシュマザーが今更各社から出ていることを見ると、AM4のデビューは最短でも6月のCOMPUTEX TAIPEI、下手すると9月ぐらいになると思われるが、せめてアキバで財布握りしめて頭抱えられるぐらいにはなって欲しいのですよ、いやホントに。

 ♯その為にもAM4には是非ECCを。

 4◇NVMeブレイクなるか。

 Flash Memory Summitでの各社の製品の準備具合を見るに、今年は各社から一気にNVMeなSSDが登場する筈。
 フォームファクタもM2、M2にPCIe変換アダプタ、性能重視のPCIe形状のものと幅広く出揃い、R/W共に1GB/S超えが「フツー」に。

 それともう一つ、今年現物が出て来るかどうか見物なのが、性能はそこそこながら非常に低価格なNVMe SSD。
 俗に言うDRAM-Less SSDなのだが、NVMeでは最新のコントローラの仕様(1.2)としてホスト(PC)のメインメモリを作業領域として使う手法(HMB)が定義されているので、これを駆使することでSSDの部品を減らし価格を抑えるというシロモノ。
 ポイントはSATA版のDRAM-Lessと違い性能へのダメージがそこまで大きくないことで、PCIeバス速度も手伝って、実装次第では現在のSATA接続のSSDを上回る速度を出すことも難しくない。なので、これが出回り始めたら相当インパクトあるのではと。

 ちなみにSATA版のDRAM-Less SSDは現在進行形で勢力拡大の真っ最中。
 NVMeと違ってSATAではDRAM-Lessのハンデは大きいのだが、Windowsならメインメモリをキャッシュに使うソフト(RAPID CacheとかPlexTurboとかあるアレ)である程度カバー出来るし、いくら遅いとはいえHDDよりは速いし、何しろストレージに対するコスト圧力はハンパない。

 なので、このままNVMeが広がり高速SSDは順次移行し、SATAなSSDには最終的には低価格なTLC+DRAM-Lessしか残らないとも予想されていますが、さて実際はどうなりますかね。

 ♯にしてもこの勢いで行くと、SATA Expressは結局出番が無いままになるような。

 5◇Microsoftは何処へ行く。

 今年も一年、色々とトラブル起こしたりPC業界沈没に加担したりする予定のMicrosoftは目が離せません、いやマジで。

 年明け早々「SkylakeはWindows7サポートさっさと切るぜ」宣言をしてみたり、やりたい放題ですわ。
 そこまでしてWindows10に移行させたいMSの意思は理解は出来るが同意はしない、それは兎も角。

 自作PCユーザーの中でも一定数存在する、どころか大多数だという話すらある「Windows7で頑張ります」派。
 SkylakeではUSBドライバ絡みの話もありWindows7の導入がただでさえ面倒臭いことになっているところに、MSのこの発表。
 「んじゃHaswell RefreshやBroadwellで」となる群がどれだけ出るのか、エンタープライズの端末更新サイクルに影響が出るのか、はっきり言って自分には影響が全く読めません、はい。

 そいえば今年秋にRedstoneとかいう旧来表現で言うところの「R2」が出るらしいが、これもまた一悶着あるんでしょうな。

 ◇

 次、もう少し大きくIT業界で。

 6◇ファウンダリ各社は14nm量産開始出来るのか。

 Intelに突き放されまくっていたファウンダリ各社、大金を投資してきた14nmプロセス開発の成果がいよいよ今年から花開く予定ですよ。
 特にスマホ向けARMとGPUにはこの恩恵は大きく、20nmでは思った程消費電力の下がらなかったARMハイエンドプロセッサも14nmでは一段消費電力が下がる見込みだし、GPUに至っては現状の28nm比で「ワッパ」こと電力性能比が2倍程度まで上がる筈。

 ・・・というか、GFの14nmが即立ち上がってくれないとAMDの爆死が確定してしまうので、マジお願いします、はい。

 7◇IntelはIAスマホに固執するのか、IoTに賭けるのか。

 このところずっとスマホ業界に御執心なIntelだが、カネばかりかかって彼ら的に満足出来るマーケットシェアには到底達していないままズルズルと来ているのが現実。

 ♯業界標準のARMから今更x86に移行する積極的理由が無いんだもの、当たり前。

 一方でIoTという更にスモールファクタで且つ数だけは捌ける世界が一気に広がってきており、ここにIntelがどれだけ肩入れするかは正直まだ見えていない状態。
 勿論小さなSoCやらは提供しているものの、自分にはあくまでも様子見モードにしか見えない。

 とはいえもし本気でIntelがIoTにもx86を入れたいなら、もう時間的猶予はあまりない。
 遅くとも今年中には何等かのアクションを示さないと、現状のARM占有を引っくり返すことは永久に不可能になる、というのが自分の意見なのですよ。
 なので今年IntelがIoT関連でどういうアクションを取るか、個人的にちょっと興味があるのです。
 なんてったって金持ちなので、カネの力を発動させるという手もあるんだし(スマホ業界では不発続きだけど)。

 8◇今年こそ来るのかARMサーバ。

 実際の製品という意味ではもう数年前から出ていたりするのだが、昨年はARMが純正(と言うのかコレ)のサーバをお披露目したり、今年頭にOpteron A1100が漸く正式発表になったり(つかアナウンスから1年経っているし開発ボードはとっくに出回っているのだが)、少しずつ近づいてきたように錯覚してしまうのがARMサーバ。
 現実には未だ「モノはあるんだけどね」状態なのでブレイクとは程遠いという。

 そんなARMサーバ、今年その遅い歩みが一歩でも進むのか、或いはまったく進まないのか。
 生温い目で見守ってあげましょう、はい。

 9◇何度も「元年」のVR、今年こそブレイクするか。

 IT業界でこのところ毎年「元年」が繰り返されているもの何~んだ、と訊かれたら自分は間違いなく「ARとVR」って答えますよ。
 Google glassがビミョーなことになってしまった以降もHMDの類は各社から登場しているのに、特定業務で採用されたという話ぐらいしか出てこないのがAR。一方、2012年にOculus Riftが発表されて以降、こちらも掛け声ばかりで実態はヲタクのオモチャから一歩も踏み出せていないのがVR。

 そんなVRですが、今年はOculus Riftのような没入型(ゴーグル型)HMDが他の数社からも発売されて、nVIDIAもAMDもソレをターゲットにした準備をしている等、久々に大きく動きが出るのが今年。
 さて、HMDが出て来るのは良いのだが、果たして売れるのかどうか、お手並み拝見といったところ。

 ちなみに個人的な意見を言うと、自分は結局VRってコンテンツ勝負だと思います、はい。
 VHSがエロビデオで天下を取ったように、誰もが高いカネを払ってでも欲しくなるコンテンツを用意できない限り、業務用途は兎も角コンシューマ用途では広がらないのではないか、と。

 ♯そして今のところそんなコンテンツは無い。

 10◇人工知能、爆発的普及に向けて地均し拡大中。

 個人的にはそろそろ「そもそもAIの定義って何ですか」とか言いたい気分なのだが、それは兎も角。
 自動運転等、今まで絵空事だった技術がいよいよ現実になっていく中で、AIの出番はこれから爆発的に拡大する筈。

 そして現在、例えばWatsonで新しいレシピを考案してみたり、なんてのは正にAIが「あって当たり前」の世界へ地均しをしてる、と自分は解釈しているんですな。
 それはDeep Learning等の技術面と、自動運転車の為の法律等の社会面、両方の側面から。
 それらは昔のように「AI」を前面に押し出すことはせず、単なる便利なシステムの一部として、静かに勢力を広げていく、と。

 そんなワケで、AIを前提とした世の中の動きが今年は色々出て来るのではないかと。
 やや遠回りではあるがビッグデータ活用だってAIに喰わせる為の下準備という考え方もあるワケだし。

 ◇

 以上10コ程、今年ネタになりそうな代物を挙げてみましたよ。
 さてさてどうなることやら。

 ということで取り敢えず、今年もうだうだ書いていくらしいので、よろしくお願いいたします。

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