SugarSyncからCopyに乗り換えてみた(後編:結局Copyに乗り換えた)

 さて、前回はCopyを本命かなと言いつつCarouselを入れてみた、というところで話を切ってしまった、が。
 結局Copyに乗り換えてしまったのですよ。以下顛末記。

 ◇

 まず、Carouselのアプリについて。
 ちょっと触った感じでは「まぁUIは悪くはないかな」といったところで、タイムラインスケールをスクロールさせるとサムネイルもどんどんスクロールするというのは面白いかと。レスポンスも悪くないし。
 また、レビュー記事なんかを見てみると細かい所はまだまだ荒削りらしいのだが、アップロードも特に遅くもなく、ツボはおさえている感じ。

 ここまで書くと「んじゃソレでいいやん」となりそうなのだが、そうは問屋が卸さなかったのですよ。
 個人的に「これは無いな~」と思ってしまったのが、システム的なコレ。

 「Dropboxに写真をアップロードされる際、ファイル名は日付時刻に変更されていて、元の(SDカード上の)ファイル名とは全く違うものになる」

 要するに、ファイル名ベースで動く他のアプリ等との連携やバックアップということは全く考えられていないのですよ。
 まぁ確かに全てをDropboxの中で閉じていればこれもアリかも知れないが、こちらはPCローカルとも同期を取りたい以上、そりゃ無いでしょうよ、と。

 更に、いくらCarouselを使い始めるとボーナス容量が付くといっても、Dropboxの初期容量と合わせて5GBというのは最近の写真の容量を考えるといかにもキツいんですわ。
 いわゆる写真だけならまだ兎も角、ちょっとした動画ならSmartphoneでもさっくり撮れる時代なのよねぇ。
 なので、Carouselを使い続けるには実質的には有料契約が必須というか。

 ♯ある意味正しいアプリの作りではある。

 ・・・ということで、結局Carouselはアンインストールとなりましたとさ。

 ◇

 ということで、次にはCopyの使い心地でも。

 まず、Androidアプリについては、デザインセンスもUIの整理も悪くないが、多機能でもないごく普通のモノ。今回の目的のように「写真を撮ったらその場で自動でCloud Storageにアップロードする」という使い方では今のところ問題は出ていない。

 但し、大量のファイルを一気にアップロードしようとすると、途端に挙動が怪しくなるのもまた事実。
 これはアプリの問題かCloud Storageの問題か切り分け出来ていないのだが、実際に初期同期で大量のファイル(約500)を一気に同期しようとしたところ、以下のような問題が発生。

 ・サムネイル画像が一部ファイルで生成されない
 ・ファイル同期中に何故か同期が終了してしまう
 ・PhotoCopy(写真の自動同期)をOn/Offしても再同期が始まらず、Smartphone自体を再起動しないと再同期が始まらなくなる

 最終的には手動でアップロードをする(上書きではNG、エラーが発生したファイルを一旦削除し再度アップロード)ことで一度全てを正しく同期させたところ、それ以降は特に問題なく自動同期が使えているのだが。
 この辺りは早いところ改善して欲しいですな。

 次に、Web UIについて。
 UIについては全てJava Scriptベースで作られていることもあってか、レスポンシブルのシンプルなデザインに反し正直かなり重い。特に単一フォルダ内に大量のファイル(3桁に乗ると辛い)が存在する場合、操作によってはブラウザが固まって「特定のスクリプトが原因でブラウザが重くなっています」な警告か出てきてしまう程。

 更に、現時点では「複数ファイルをまとめてダウンロード」機能が存在しない等、取り敢えず使う為の最低限という印象は否めない。
 勿論、こちらも現在進行形で機能追加というか改修中なのだが、既にUIが一通り完成している他社と見比べると・・・控えめに言っても「物足りない」。

 ◇

 とまぁここまでCopyの悪口を書いておいてそれでも自分が使うというのは、結局

 ・自分の普段使いには現在のAndroid appでもWeb UIでも正直困らない
 ・タダで使える容量が大きい
 ・MSのような妙ちくりんな規約が無い

 というメリットがあるから。まぁ要するに、適材適所ですな。

 ♯そういう言い方が適切かどうは兎も角。

 そしてこれにて当方のSugarSyncからの移行は完了しました、とさ。

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SugarSyncからCopyに乗り換えてみた(前編:Carouselに寄り道してみた)

 さて、米国に引き続き全世界でSugarSyncが完全有料化すると共に、何とSugarSync社自体がj2 Globalに買収されてしまったとのこと。
 まぁ日本ではj2 Globalという名前にはあんまり馴染みはないが、eFax辺りはまぁ知ってる人は知ってるだろうし、同社の展開するサービスラインを見ると正直どこが違うのかよく分からない複数のCloud Storageサービスブランドを抱えているので、恐らくそのうちの1つに組み込まれるのでしょうな、ということで。

 とはいえこちとら、有料になりましたそれではおカネを払いましょ、という程素直ではないのであり。
 まぁこの世には無料で使えてそこそこまとも(そうに見える)なCloud Storageが他にも沢山あるので、さっくり乗り換えましょ、と。

 #いくらタダで容量大きくともさすがにMEGAとかは使いたくない。

 で、結局Copyに辿り着いたのだが、以下その紆余曲折でも。

 ◇◇

 SugarSyncの後釜ということで、まず「Androidの純正アプリで写真の自動アップロードが効く」という大前提を置いてみたところ、ざっくりしたところで以下の3サービスがターゲットか。

 ◇Dropbox (Carousel)

 会社のおサイフを直撃するストレージ容量拡大競争からは距離を置き、ライトユースコンシューマー向けの使い勝手の良さで差別化して生き残ろうという最近のこの会社の方向性は悪くないと思うのだが。
 片やライトユーザーでもGB単位の写真データを持つのが普通になってきていたり、OneDriveから強烈な嫌がらせを現在進行形で受けたりしている現在、果たして何処までこの戦術が通用するかねぇとか思ってしまう自分は底意地が悪過ぎるだろうか。

 #いやね、無料はあくまでもお試しなのよ、ということは分かっちゃいるが。

 まぁそれは兎も角、そんなDropBoxが最近始めたのが写真ギャラリーアプリのCarousel。自動で時間軸で整理されたり写真を見せ合うことを前提にしていたりと面白いアイデアも多いので、ちょっと試してみるのも良いかも。容量制限はキツいけど。

 ◇OneDrive

 公式にはとっくに終わっていることになっているが、実は現在でも全く問題無く「カメラロールOnで容量ドン」が出来てしまうのがMicrosoftのOneDrive。元々15GBにカメラOnで追加15GB、合計30GBもタダで使えるとなるとこれはまぁ悪くない。

 が、いかんせんOneDriveは公式にも謳っている「検閲」がどうにもキモい。まぁSmartphoneで撮ってる風景写真(しかもどう見ても世間平均以下の腕前)を同期したところでアカウント停止になることは無いとは思うが、いい加減コレどうにかならんのかねホントに。
 ということで、コレは最後の最後まで敬遠するということで。

 ♯ローカルで暗号化した後でアップロードする前提ならそこまで神経質にもならないが。

 ◇Copy

 我が道を行く感が滲み出ているように見えるのは私だけではないと思いたい、Barracuda NetworksがやっているCloudStorageサービスがコレ、Copy。
 元々ビジネス向けの箱モノやサービスと絡めてバックアップ領域として提供しているモノの一部を個人向けにも解放している、ぐらいの体裁なので、他社と比べてもぱっと見では無料の初期容量が比較的多いぐらいしかポイントも無いのだが。

 ♯ちなみに日本語サイトも存在せず。

 が、この素っ気なさと無料容量の多さというのは、今回の当方の使用目的としては一番合致している気がする。
 更にこれは個人的な妄想だが、「ビジネスユース向けの製品」を提供している会社が特別派手なプロモーションもせずに提供しているという以上、そこそこ手堅いのではないかなぁとか思ったり。
 ・・・やっぱコレが本命か。

 ◇◇

 ということで、ざっくりCopyが本命っぽいと思いつつも、取り敢えずはCarouselをスマホに放り込んでみたのだ、が・・・。

 イロイロと思うところがありながらも、結局Copyに乗り換えてしまったのであり。
 まぁ続きは次の記事で。

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またSeagateの国内流通が妙なことに・・・。

 さて、SeagateのHDDというと、最近では「国内正規品」のシールが貼られているのが当たり前で、一部のショップが独自に海外から直輸入するとか、どっかの棚ズレ品がスポットで突然出てくるモノぐらいしか「並行輸入品」「組込品」が出てくることは無い、というのが当方の認識だったのだが。
 このところめんどくさいブツが国内市場で出回っているので、ちょっとメモ書き程度に。

 で、めんどくさいブツというのは、「国内正規品」のシールは貼られていないのにも関わらず、SeagateのサイトでチェックするとRMAがきちっと通るという代物。
 当方が見かけた限りではRMAチェックすると全てSYNNEX INFOTEC扱いですな。勿論正規代理店ですよ。

 今後全代理店がシール貼付を止めるのか(在庫限りってヤツ)、それともSYNNEX INFOTECだけが手を抜いているのかは不明だが。既にWDが国内正規品でもシール貼付を中止しているので、Seagateも貼り付けを止めたとしても不思議は無い。

 ・・・誰か真実を教えて下さいな。

 #当方が訊ける範囲ではどうにもあやふやな話ばかりで真実が不明なのですよ。

 ◇

 以下、ここからは古い人間のボヤキというか、昔話。
 暇人だけ読んで下さい。
 PCパーツを扱う人間ならお馴染み「SYNNEX」なんですが、コレ以前と今では全くの別会社なんですよ、というヨタ話ですわ。 
Continue reading “またSeagateの国内流通が妙なことに・・・。”

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BitLockerってWriteが結構重いのね…

 さて、とある事情でデータ暗号化が必須という事態が発生したので、色々なソリューション(←IT業界が大好きな表現)をチェックしていたのだが。
 Windows Serverなら追加ライセンス等不要で使えてOS統合なので(統合管理が不要なら)お手軽、というBitLockerをチェックしていた時に、何だか引っかかるモノがあったので真面目にチェックしてみたのだが・・・。

 BitLockerってReadは兎も角Writeが重てぇ

 ということに今更気づいてしまったのであり。
 具体的には、仮想マシンを使った検証環境の(巨大)ファイルコピーで、以下のようなCPU負荷率の数字が。

 暗号化なし → 暗号化なし  8%
 暗号化なし → 暗号化済み  19% (暗号化のみ:+11%)  
 暗号化済み → 暗号化なし  13% (復号のみ:+5%)  
 暗号化済し → 暗号化済み  25% (復号+暗号化:+17%)  

 ♯一応仮想4コア・4GBメモリ・Windows Server 2012R2・Hyper-V。

 以上のように、暗号化の方が復号より2倍近く重い、という実験結果が。
 上記環境で転送速度は大体100~120MB/Sなので、本番環境で要求される数字と比べても控えめなのだが、それでこの数字かぁ・・・と。

 まぁコレを「復号を頑張って軽くした」と評価するのか「暗号化が重過ぎる」と評価するのかは判断の世界だと思うが、一般的なクライアント環境では読込の方が圧倒的に多いので、それに向けてチューンしたという手法自体はまぁ悪くないかと。

 ・・・というか、BitLockerってやっぱりクライアント向け実装でないのかね。
 サーバ用途だと(今回想定のように)ガンガン書き込むのが前提なんて特別珍しくもないワケで。
 ん~やっぱりハードウェア暗号化を考えた方がいいかねぇ・・・。

 あ、最後に。
 MicrosoftはHyper-V環境で仮想マシンからBitLockerを使うことをサポートしていません、念のため。暗号化したければホスト側VHDや外部ストレージ側で暗号化しろとのこと。
 とはいえ実際には動いてしまうしちょっと触っている範囲では不具合や制約にも遭遇したことは無いのだが、あくまで検証ですから、ということで。

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テープメディア礼賛。

 ※予告しておきますが、この記事にはS.Kazの個人的嗜好によって成り立っております。

 さて、LTO7の実製品の登場が2015年中にはほぼ絶望的になり、個人的にも超ガッカリな状況なので、ここで日本では極少数派のテープメディア信奉者から、テープメディアがいかに現代のニーズとマッチしており、優れたメディアかということを力説してみようかと。
 ということで、普通の人はどん引きかも知れないが、所詮個人blogなので言いたい放題ということで。

 なお、S.Kazの言うことが信用ならんという人は、JEITA(電子情報技術産業協会)が作った資料がテープストレージ入門として非常に出来が良いので、これを読むべし。

 テープストレージ動向 -2013年版- ←JEITAのサイトよりpdfへリンク

 ◇

 まず、テープメディア信奉者としてもテープが万能であるとは思っていない。ここは誤解しないでいただきたい。
 が、現在のデータの爆発的増加の中では、テープの特性が最大限活きる場面が増えている、ということだけは間違いない。

 では、そのテープの特性が最大限活きる場面とは何かというと、これは「バックアップ」と「アーカイブ」です。
 これらのデータの保存、「静的保存」にはテープが最強と言い切ります、当方は。

 ではその「バックアップ」そして「アーカイブ」とは何か。
 「バックアップ」はまぁ説明不要だろうが、「アーカイブ」については少し説明をば。

 今時、大量のデータを個人でも抱える時代。その大量のデータを相手にするデータセンタの類では、桁の違う大量のデータを抱えることに。
 が、このデータのうち、保存されると同時に直ちに読み出される可能性の高いデータは、うまく分類さえ出来れば実は大した量では無い。とある調査ではデータセンタが抱える全データ量のうち、7割は「直ちに取り出される可能性は非常に低いが、保存しておかないといざという時に困る」データだとか。

 ♯これでも控えめな数字で、別の調査によると95%なんて話も。

 このような「直ちに取り出される可能性の低いデータ」は一般に「コールド・データ」と呼ばれ(逆に、すぐに取り出される・書き換えられる部分は「ホット・データ」と言う)、量が多いだけに保存コストが大問題となる。
 この場合のコストというのは一元的にはおカネ的な話だが、そのおカネがかかる元ネタを探すと、例えば土地代だったり電気代だったり、媒体そのものの購入費用だったりするワケで。
 で、このような「コールド・データ」の保存即ち「静的保存」に、テープメディアは最強なワケですな。

 ◇

 では、次に何故テープメディアが静的保存に最強か、ということを書いてみましょうか。

 1. テープは安い。

 エンタープライズクラスの信頼性を求めると、容量単価ではっきり言って勝負以前。テープの方が圧倒的に安い。
 特にLTO6では2.5TBの媒体が¥8,000程度で入手可能で、容量単価で見れば「信頼性って何ですか」なデスクトップHDDともいい勝負という。

 こんなに価格が違うのは、テープの構造が極めて簡単だから。
 メカ的な要素の殆どをテープドライブ側に持たせているので、媒体としてのテープは構造簡単&低価格に出来るワケ。
 片やHDDアーカイブでは全てのHDDドライブにモータやヘッドといったメカ的要素満載のため、必然的に構造が複雑で且つ高価になる。

 ♯昔はこのテープとHDDのイイトコ取りを狙った「リムーバブルHDD」という製品もあったが、今時のHDDはメカが繊細過ぎてこんな手荒な手法は使えない。というか当時から「リムーバブルHDD」というと価格は高く信頼性が低く、ヒットという程売れた製品は結局存在せず。

 もちろんテープドライブ自体LTO6では最安値でも¥40万ぐらい、ライブラリとなると¥100万からという話になるが、テープ自体が安価なのでトータルコストで見ると全く問題にならないレベル。
 というかHDDも実際使う為にストレージアレイ(装置)を買う必要があるので、これも正直安くない。

 2. テープはエコ。

 テープが安いのは構造自体が簡単だから。
 そして当たり前だが、テープメディア自体の保存には電力は不要。まぁ棚や金庫の類は欲しいかも知れないが。
 もちろん長期保存では時々テープのリテンションやエラーチェック作業か必要になり、テープデッキが電力を消費するワケだが、それでも常時通電中のHDDと比べると話にならない。

 一方のHDDはというと、最近でこそ一部HDDを停止させるようなシステムも出てきてはいるが、基本的にはHDDは通電しておく必要がある。理由は複数あるが、HDDは起動・停止のタイミングで故障する可能性が高いとか、通電しておかないとHDD自体のバックグラウンド処理が起動しないとか、システム自体がHDD常時稼働を前提に設計されているとか。
 まぁ要するに、普通におウチでやっている「書き込んだHDDをオフラインで保存する」という発想はエンタープライズでは通用しません、はい。

 3. テープはタフ。

 LTO媒体を例に取ると、おおよそ500回のフルアクセスをメーカー保証値にしていることが多い。つまり、寿命という言い方をすると2.5TB×500回=1.25PBとなる。
 方やニアラインHDDはというと、年間書き込み量が保証値では180TBとかその辺りに設定されているものが多い。これにメーカー保証期間である5年を掛けると、寿命は0.9PBとなる。
 てなワケで、保証の範囲内で使うのが大前提のエンタープライズ世界では、普通に寿命を考えるだけでもテープは優秀なんですな。

 え、保存寿命?もちろん長いでっせ。
 LTOならば媒体メーカーですら「10年で入れ替えてね」と言っている、つまり保存目的なら10年は大丈夫という意味。更に、メーカーの媒体実物保存試験では既に20年を超える実績値がある。

 その上に、磁気テープはHDDに比べ災害に強い。ケースに入っているので衝撃にも強いし(だからってラフに扱わない方がいいに決まっているが)、丁度読み書き中でもない限りは地震程度の振動でダメになることもない。更に、いざとなればケースから取り出してテープだけを丁寧に洗浄しデータを取り出す、なんて手法も使える。

#HDDもプラッタを取り外して洗浄後読み出す最終手段はあるにはあるが、テープの方が遙かに成功率が高い。それはヘッド等の物理的な危険物が同一ケース内に無いことに加え、テープの記録密度がHDDより段違いに低いからで、詳細は後述。

 4. テープは速い。

 LTO6では無圧縮でも160MB/S、2.5TBのテープを4時間半で駆け抜ける。
 勿論、IBMやOracleが売っている大規模エンタープライズ向け製品だと更に速い。

 一方、HDDアーカイブで使われているニアラインHDDでは、最近漸く1プラッタ1TB品が使われるようになったレベル。デスクトップ向けHDDで御存知の通り、1プラッタ1TBでは初速こそ200MB/Sを超えるものの、終端では100MB/S近辺まで落ちてしまう。

 ということで、テープが遅いというイメージは完全に勘違いであるのですよ、はい。

 5.テープはコンパクト。

 物理的サイズを見比べれば一目瞭然。
 LTOテープの体積は231立方cm、3.5インチHDDの物理サイズは379立方cm。
 小さいでしょ。

 そしてLTO-6は無圧縮で2.5TB、LTO-7は無圧縮で6.4TB(予定)。
 3.5インチHDDの現在のニアラインは6TB。

 ぱっと見だいぶ差がありそうにも見えるが、体積比で割ると3.6TB相当ということで、実はそこまで離されてるワケでもないんですな。
 ・・・だから早いとこLTO-7を商品化してくれと。

 6.テープは売れている。

 事実、テープメディアの出荷容量はどんどん伸びている。
 この辺りはJEITAやJDSFの資料でも確認出来るし、テープメディア専門でトラックしている調査などでも確認出来る。

 まぁ勿論、短期的には上下の波があったのは事実だが、トレンドという意味では上がり調子は間違いない。

 7.テープは将来性がある。

 このblogでも何度か取り上げているが、従来型HDDは既に容量限界が見えている。製品化の目処が立ってない実験室レベルの話でも、現在の7~8倍の記録密度までしか実証出来ていない。

 片やテープはというと、実験室レベルでは現在の60倍の記録密度、LTOカートリッジ1本で154TB超相当の記録再生に既に成功しており、まだまだ伸びしろがある。
 この理由は至極簡単で、LTOのテープというのは引っ張り出すと800m以上の長さがあるので、記録に使える面積という意味ではHDDとは格が違うということ。
 更にその面積の広さのおかげで、HDDと比べると記録密度は2桁も違う=密度が低く、その分余裕がある。
 その上、密度が低いので記録ヘッドもHDDではとっくに見かけなくなった旧式のものを使っていたりする。逆に言うと、記録密度を上げたければ現在のHDDと同じ方式のヘッドを採用するだけでもだいぶ違うということ。

 ♯何しろ現在市販されているテープ1本で2.5TBの容量のあるLTO-6ですら、1ビットは物理的にHDDの1ビットの300倍以上大きい。

 ちなみにこのテープの高密度記録技術を現在主に引っ張っているのはあの富士フイルムで、今や独走状態に近い。
 そしてLTOのロードマップが昨年9月に第10世代(48TB@巻♯無圧縮)まで伸びたのも富士フイルム(とIBMの)実証成功があったからこそで、更にはそれまでのロードマップでは第8世代(12.8TB@巻♯無圧縮)が最後となっていたのも、同じく富士フイルム(&IBM)が2010年に35TB相当の実証に成功しているからという。

 #テープといえばSONYも技術を持っているし、実験室レベルの研究成果出してはいるが、実証や製品化という話では富士フイルムにだいぶ後れを取っていると思う。

 ◇

 以上7項目、テープの優位性をくどくどと書いてきましたが、要するに。

 テープなめんな

 お後がよろしいようで(どこがだ)。

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