壊れるものには訳がある。

 BackBlazeが定期的に出しているHDDぶっ壊れレポート、新しいのが出ていますな。
 内容についてはまぁ従来通りの傾向といったところか。
 ということで、目立ったところをちょっとだけコメント。

 ◇相変わらず壊れまくってるST3000DM001。

 この会社では随分派手に壊れまくっているので気になってちょっと色々調べてみたのだが、やはりこういうことの模様。

 ・デスクトップユース、つまり稼働時間が短いうちでの故障率はそこまで高くはない。
 ・但し稼働時間が伸びて来ると加速度的に故障が増える。

 このHDDは想定稼働時間のあまりの短さに発売当時は極一部で衝撃が走ったのだが、設計も部材も相応ということなんでしょうな。一言でまとめると「ヤワ」。
 ある意味正しいコストカット策ではあるのだが、稼働時間が4桁後半になる辺りからぼちぼち・・・のようなので、おうちサーバやNASでは回避した方が良い模様。

 ♯ちなみに24365通電だと稼働半年でおよそ4,300時間。

 そういう意味では、現在壊れまくっているのは設計通り、という言い方も出来るかも知れない。

 ♯但しプラッタ品質はそう悪くないので、どちらかというとオフライン倉庫向き?
  とはいえHDDをオフライン倉庫にすること自体激しく推奨しないが。

 ◇壊れないHGST。

 MegaScaleなんて24365稼働を最初からターゲットにして開発されているモノなので、ある意味これだけの品質は「当たり前」とも言えるが、Deskstarも相変わらずの不良率の低さ。

 で、この数字をぼけ~っと見てて今更思い出したのが、そういえば日立のデスクトップHDDって原則24365稼働で設計していたよな、ということ。
 デスクトップユース前提にも関わらず24365稼働を想定するというのは過剰品質とも言える訳だが、BackBlazeのような長時間駆動ではこの設計の余裕が圧倒的な低故障率を実現するカギになっている、と言っても良い気がする。

 そして良い意味で日本的な発想の下に「可能な限り高品質なものを作る」を徹底していた結果、コスト高を反映して価格は高め(ここ重要)という悪い意味でも日本的な製品となり、ボリュームゾーンは取れなかったものの、信頼性についての定評は得られたのが日立のHDDだった、と。

 ♯一方で「稼働時間=コストと価格のバランス」を見ていたSeagateは、低価格で圧倒的ボリュームゾーンを手にしたものの、こういう風に設計時想定外の連続稼働をすると次々と壊れていく、と。

 ・・・とはいえWD傘下に入って以降、「可能な限り丈夫なものを作る」考え方が現在もHGSTで活きているかどうかは不明なのだけど。

 ◇

 まぁ、こんな感じですか。

 にしても、Seagateの4TB随分買ったのね。
 コレも想定稼働時間はあまり長くない筈なのだが、果たしてどうなりますやら。
 デスクトップユースではこれまた特に何かあるという話は聞いたこと無い機種なので、ある意味楽しみではある。

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