どうせ買うなら楽しい方、は伝わっているか。(続続・A10-7800とA68HM-P33(MSI-7721)で組んでみた。)

 さて、レビュー〆のエントリでは、毎回恒例だがちょっと考察っぽいこと書いてみましょうか。

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 まず、個別要素について。

 Kaveri世代のAPUについては、現在の市販ラインナップは4種類(A10-7700Kは出荷完了済なので除外)ということで、クロック0.1GHz差でラインナップがずらっと並ぶIntelと比べると実にシンプル、若しくは素っ気ない感じではあるが、実際問題としてどの石も方向性がはっきりしていて、選択に困るという状況ではないと思う。

 #A10-7850K→パフォーマンス追求、A10-7800→省電力枠でのパフォーマンス追求、A8-7600→コスパ最強、A6-7400K→兎に角安く、って感じかね。

 そして今回実際手にしたマザー、MSIのA68HM-P33のチップセットであるA68Mについては、正直「やっとここに来たか」と。
 AMDの真髄は「低価格」よりも「コスパ」の筈なので、低価格マザー(このマザーについては¥5,000割れの価格も結構見るよね)でもUSB3.0は正直外せない。そういう意味で、低価格マザーに相応しいチップとしてA68Mが登場した意義は大きいと思われる。

 #もしA58を抱えちゃってるマザボメーカーがホントにあるならその手当もきちんとしてね>AMD。
  そういうトコでポイント稼いでおかないと次の世代のマザボに響くのよね。

 更に、Fluid Motion Videoについては、正直言って「これは良いモノだ」。
 アニメ見るなら、というキャッチは伊達ではない。チャンスがあれば是非店頭その他で確認すべし。

 が、現時点ではソースを選び過ぎるのが切ないところ。個人的には帯域節約の名の下に簡単にフレームを削られてしまうネット動画に是非使いたい。例えば当方の大好きな前面展望とか、YouTubeにあるのはFullHDでもうっかり15fpsだったりするので、これが30fpsとか60fpsにぬるぬる変換されたら、物凄く幸せなんだが・・・難しいのかねぇ。

 #イベントの時の話の感じだと、結局対応するfpsやビットレート、解像度が変わったりするとそのプロファイルに向けて最適化が必要・・・っぽい感じだったので、やっぱ難しいのかねぇ。

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 そして最後に、APU製品全体のポートフォリオについてぐだぐだと。

 現状は一言で「勿体ない」というのが個人的な印象。

 正直言って、私個人としてはAPUの商品力というのは価格相応分は確実にあると思っている。
 が、それを伝え切れていない。当方がTrinityの時に書いた「どうせ買うなら、楽しい方」という雰囲気が、ユーザーには殆ど伝わってないのが悲しいかなAMDの現実で、課題だろうと。

 そんな中、Fluid Motion Videoについてはこの「楽しさ」が「見え」て前面に押し出せる(数少ない)要素で、しかも日本市場の特性を考えて「アニメ見るなら」なんてキャッチを付けたというのに、これがまた全然店頭やら小売りチャンネルでプッシュされていない。これってどうなの、と。

 それに、これだけ映像面でインパクトがある機能なのだから、従来チャンネルを超えてのアピールも是非すべき。今のAMDは前例が無いとか業界が違うとかそういうコト言っている状況じゃないだろ、と。

 例えば、BDパッケージを買う層に向けて、映画屋・アニメ屋と組むのは物凄くアリだと思う。今時ネットレンタルで済まさずパッケージを買ってくれる人というのはそこそこ拘りがある筈なので、PCパーツ屋で闇雲にキャンペーン張るより効果があるんじゃないかと。
 一足飛びにそこまで行くのがハードルが高いってなら、例えばSofmapやヨドバシカメラといったPCパーツもBDパッケージも扱っている店でキャンペーンを仕掛けるとか、やり方はいくらでもある筈。兎に角、何としても「BDパッケージを買う層」に向けてのアピールは行うべきでしょう。他にもツクモなんてヤマダ系列だし。

 更に、PowerDVDのバンドル版を激安提供するとか、クーポン添付ってテもアリでしょう。Never Settle bundleはゲームをターゲットにしているが、同じようなスキームは取れないのかしらん。
 何しろ現実として世間の大多数はIntel CPUであり、しかも内蔵VGAで済ましている層がかなり居るということは、潜在顧客の絶対数はそれなりに居る筈。そういう層に「ゲームが速いです」以外の、文字通り目に見えるメリットを提供するというのは、是非やるべきことだと思うのだが。(まぁこれは単品GPUでの話だけど)

 直近でも例えば、現在限られた店舗ではバンドル扱いでPowerDVD Ultra(当方大感激のDTCP-IP対応MediaPlayer付)が激安で付けられるようになっているが、これをAMD&CyberLinkの公式キャンペーンとして全国津々浦々で使えるようにすればまただいぶ違うのでは。

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 まぁ兎にも角にも、Kaveriについても「やっぱり同一価格帯ならIntelを選ぶ理由無し」というのが当方の感想。

 皆様もコスパ高い「楽しい方」はお一ついかがですか、ということで。あとアニヲタにはぬるぬるで。

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3 thoughts on “どうせ買うなら楽しい方、は伝わっているか。(続続・A10-7800とA68HM-P33(MSI-7721)で組んでみた。)

  1. 記事に直接関係なくて恐縮ですがNAS用に以下のHDDを検討しています。よければおすすめとか教えていただけると助かります。

    ・日立:0S03361 (世代的にはやや古い模様です800GB/プラッタ)
    ・東芝:MD04ACA500 (以前ひねもすさんも購入されていたもので1TB/プラッタ)
    ・WD:WD60EFRX (この中では一番プラッタ密度が高いですね1.2TB/プラッタ)

    信頼性を考えるとWDに一部買収された今でも日立か東芝かなーと思っているんですがどうなんでしょうかね?

  2. どうも、S.Kazです。
    以下、あくまでも個人の感想レベルということでよろしくお願いします、ということで。

    ・WDの1.2TBプラッタは容量が大きく静かなのも事実ですが、品質的にはチャレンジレベルだと思っています。
     選別落とし先のGREENよりはREDの方がまだマシでしょうが、にしても750GBプラッタという地雷を作り、1TBプラッタでもあまり良い話を聞かなかった以上、警戒し過ぎる程度で丁度良いのでは。
     同じ理由で、選別落とし先となっている1TBプラッタの5TBも・・・と。

    ・東芝は7200rpmの1TBプラッタ5枚ということで、性能も信頼性も悪くないと思っていますが、そこそこ騒音も発熱もあります。
     排熱が悪いと温度が上がってしまい、設置場所や立てつけが悪いと騒音が耳につくので、そこがポイントかと。
     騒音や発熱は1台だと大差なくともNASで4台も5台も挿すとなると結構大きな違いになりますので。

    ・HGSTの5900rpmは800Gの5枚プラッタで東芝よりは静かですが、今時感覚ではぶっちゃけ容量少ない&遅いです。
     しかもWD並の静かさ・発熱の低さを期待するとガッカリしたり、HGSTの悪い癖で電源の質が悪いと簡単にエラー吐いて壊れたりするのですが、その辺りが問題なければ鉄板の選択かと。

    以上のような状況から、何処に重きを置いて選択されるかということになるのではないでしょうか。

  3. S.Kazさん
    返信ありがとうございます。

    なるほどー参考になります。やはりWDはリスクが高そうですね。
    騒音と排熱の問題はPCケースで解決できそうなので東芝の5TBにしようと思います。

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