手元のWindows 2012 Server仮想マシンを2012 R2に更新してみた。

 先日Windows 8.1にアップグレードかけたので、次はこの出番ですな。
 ということで、Virtual Box上のWindows Server 2012も同じように、インストール媒体のsetup.exeを起動する方法でアップグレードインストールをかけてみた。
 こちらも大体45分ぐらいで作業完了・・・環境引継ぎが「あんまりない」レベルだとこの時間がスタンダードなのかね。

 ♯ちなみにサーバだとMSアカウントの作成は要求されません、念のため。

 インストール完了後は例のソレジャナイスタートがデスクトップ画面に出てきたぐらいで、ぱっと見全然違いませんな。
 勿論スタート画面は8.1と同じパターンになっているのだが、Serverだと元々並んでいるアイテムが少ないこともあり、まぁ殆ど見分けが付かないレベル。
 当然ながら、まぁ全く問題無く動いてます、はい。

 ◇

 ところでこの「R2」、世間での正式適用はどうするんだろうね、と。
 今までなら「サーバにアップグレードインストールなんてあり得ない」だったのだが、今回のコレは位置づけ的にもSP程度、という言い方も出来なくもない。
 そしてSPなら(勿論検証はした後だけど)今まででもパッチ当てインストールしているシステムも結構ある筈だし。
 運用中の2012にパッチ当てで2012 R2に・・・はしないかねぇ、さすがに。

 まぁいかんせん、MSが本当に高速サイクルでOSを出していく気かどうか知らないが、今の状況だとクライアント用とサーバ用が完全同期という普通に考えてあり得ない状況なので。サーバOSをそんなにガラガラと更新するなんて、ネタ以外の何者でもないっしょ。

 そもそもそれ以前に、2012で正式運用しているシステム自体少数派だから、そんなの放って(以下略。
 ・・・ってワケにはいかないのよね。2008R2のメインストリームサポートも2015年迄、延長サポートが2020年迄なので、ぼちぼち2008R2の後考えないと、という話も出てるし。

 ♯クライアントのWindows 7も同じ時期だけど、延長サポートが切れる迄には「最後のデスクトップOS」ことWindows 9が出ているだろうから、その時に「そもそもWindowsが必要か」ってトコから移行を考えればいい筈。

 ということで、ラピッドリリースとサーバOSは兎に角相性が悪い、ということで。
 この件、MSはどう解決する気なんだろうね、ホントに。

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手元のWindows 8検証機をWindows 8.1に更新してみた。

 何だかんだと言っているが、個人的には「思ったより早く仕上がったから公開しちゃえ」だと思っているWindows 8.1 RTMのMSDN/TechNet公開。
 取り敢えず来たので、手元のWindows 8 検証機をアップデートしてみることにする。

♯ちなみにハードウェアはA10-5800K+GA-F2A85X-UP4+Patriot DDR3-2133(OC)4GB×2。

 やり方はWindows 8.1 Install DiskのSetup.exeをWindows 8上から起動。
 シリアルキーを突っ込んで、所要時間は45分程。ちなみに再起動しまくり。
 まぁ、この機械は検証用ということであんまり凝った設定を入れていないので環境移行がさっくり終わったが、色々入れている人は環境移行がもう少しかかると思われる。

 あと、御約束だがインターネットに接続可能な環境だとMSアカウント作成を強要される。
 対応策は例によってLAN線引っこ抜きとか、要するに外部と繋がらない状況で作業すれば問題なし。

 ところで、このインストール方法はあくまで検証用ということで。
 最終的に一般ユーザに公開される時にはどういう形になるのか未だに不明だが、個人的にはWindows Updateで来ると思っている。所詮はSP1なんだし。

 ♯というかWindows Storeだと色々とうざったいので。
  この場合Update適用中にケーブル引っこ抜いておけばMSアカウント強制作成は回避ということかね?

 ということでWindows 8.1になりました。
 相変わらず使う気ゼロだがスタート画面は「無印よりは」マシになりましたな。

 ♯まぁ速攻スキップに設定するけど。

 あと、Windows 8系の唯一のウリである「動作の軽快さ」は損なわれていない感じ。
 ならばWindows 8無印に留まる理由も無いでしょう。
 アプリの対応は・・・8に対応してくるアプリ屋だったら8.1にも対応してくるでしょう、普通。

 ♯8を見切ったアプリ屋だってなら知らん。というかそんな会社あるの?

 ・・・ということで、取り敢えずこれだけ。
 正常にアップデート出来ました、特に何も起こりませんでした、以上、みたいな。
 OSの挙動として実に正しいが、blogネタとしては面白くも何ともないですね、と。

 ♯え、無印8の検証?VirtualBoxがありますから。

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ソフトウェアもSEDも駄目だと言われたら、HBA暗号化しか残ってないので。

 今回は前回ネタの続きみたいなもの。
 前記事で「ソフトウェアに依存せず起動ドライブも使えるSED」というネタを取り上げたが、今回は「他にないのか」という意味で。

 ・・・あるにはあるんですよ。そういう需要が極めて限定的ながらもゼロではないので。
 HDDに書き込む時に暗号化して、読み出す時に復号する、そんなハードウェアが。

 メリットは安価で入手も容易なSED非対応のHDDを使えること。
 何しろSED対応ドライブの入手性はあまり宜しくないので、本気で運用するなら、故障対応の為に手元に大量のストックを抱えることも考えなくてはいけなくなったりするし。これは辛い。
 一方SED非対応で良ければ(エンタープライズ品でも)代理店や商社だけでなくアキバの濃いめの店舗にも在庫があったりするので、手元の予備ドライブは最低限持っていれば後はどうにかなる。

 但しこの便利さのトレードオフとして、完全に各メーカの独自実装になってしまうんですわ。
 ということで、余程のことでもない限り「考慮外」にされてしまいそうなのだが。
 その余程のことが起こったら、ということで。

 まず、ネタというレベルで済まされる代物なら探せば結構あったりする。
 台湾や中国のOEM/ODMの会社のサイトなんかを見ると、商品として掲載されていたり。
 セキュリティ専業の会社のラインナップの中に入っていたり。
 その他にも、出所不明だが取り敢えず動く代物とか。
 ところが最低でも「真面目な使用」に耐えうる品質を「特別なことはせず」入手しようとなると、なかなか厳しい。

 ◇

 で、Adaptecはそこに目を付けたようで、MaxCryptoなるモノを作ってきたのであり。
 これ、HBA上のハードウェアキーを暗号化キーとして、HDDへの読み書きをリアルタイムで暗号化/復号する機能です。
 暗号化関連部分が完全にハードウェア上にあるので、ソフトウェアからは完全透過でHDD上のデータが暗号化されるということですな。勿論OSブートも可能。

 但し現状、このMaxCryptoというハードウェア暗号化が実装されているのがRAID機能を持たないHBAだけなので、SEDを使用した時のように「暗号化ディスクを使いRAIDする」ということが出来ないという何ともハンパな状況なのであり。
 それでも良いならば、まともな品質のハードウェア暗号化HBAが比較的低価格で手に入る、実質的に唯一と言って良い選択肢です、はい。

 ちなみにこれ、個人的には結構面白いモノだと思っていますが、実際に何かしようと考えるとRAIDカードでないのというのが厳しくて。
 まぁ商品の企画意図として、上位レイヤで冗長性は担保するからHBAだけあれば良い、って用途を想定しているのは分かるんですが。要するにストレージシステムやアプライアンスなんかへの組込用途がメインターゲットなんでしょう。

 とはいえ、ディスク丸ごと暗号化が低価格で出来るようになると、色々便利なことが多いんですよ。
 ちょっとセキュアで大きなデータを扱う現場なんかでは、問答無用で全HDDが暗号化されていたら運用面なんかでもだいぶラクになれることが多いし。

 ・・・ということで、12G SAS対応でRAIDカードも8シリーズが出るだろうから、その時はRAIDカードにもMaxCrypto対応入れて下さいな>Adaptec。

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Self Encription Driveの知名度が低過ぎて。

 寂しい思いをしたので、ちょっとボヤいてみる。

 そもそも、Self Encryption Drvieって何じゃいという話。
 一言で言うと、暗号化機能を内蔵したHDD。
 入力されたデータを、暗号化してからプラッタに書き込みます。読むときは復号するのね。
 で、データの暗号化に使うキーは内部に持っています。

 とまぁこれだけじゃ何のメリットがあるか不明だと思いますが。
 ポイントは、このHDDはパスワード(パスフレーズ)を使った認証機能を持っているんですよ。
 初めて使う時にパスワードを登録して、次からはそのパスワードで認証されないと読み書きどころか一切の操作が出来ないので、HDDを勝手に持ち出してデータを盗み出す・・・なんて手法に対抗できるんですな。

 勿論、通常はこのパスワード認証は対応したHBA(ホストバスアダプタ)が自動的に実施するので、ユーザは最初のパスワード登録の時以外は特にSEDの存在を意識する必要はない。
 つまりソフトウェアからは完全透過なので、起動領域であっても普通に暗号化出来るし、OS依存も無く、CPU負荷とかパフォーマンス絡みの問題も発生しないワケなのです。

 ちなみに一部Server用・Workstation用マザーとMobile Workstation(=高いノートPC)ではBIOSが機能を持っていたりして、その場合はオンボードSATAでSEDが使えたりします。
 更に、Windows8/Server 2012からはSEDドライブの管理がWindows上で出来るようになり、BitLockerと統合されてドライブ暗号化を提供していたり・・・これも全然知られてないですけどね。

 ◇

 とはいえ・・・通常殆どの場合で暗号化が必要なのはデータ領域だけで、それならハードウェアに依存しないソフトウェア暗号化ボリュームなんてモノがあるワケだし(その上暗号化によるCPU負荷も最近では事実上問題にならないことが多いし)、ソフトウェアから完全透過というSEDの利点が活きる場面ってのも、実際には結構限られている。

 言わば超絶ニッチではあるのだが、仕組みが登場してそろそろ「こなれてきた」こともあり、今では導入コストも大騒ぎする程ではない(と思う)。そんなに特別なものと身構えずに、必要ならピンポイントで導入していけば良いと思いますよ、個人的にはね。
 ・・・一番の問題はSED対応HDDの入手性だったりするのだが。

 ♯LSI製SAS RAID HBA+暗号化ライセンスに、SeagateのSaviio(2.5)かConstellation ES(3.5)の対応モデルの組み合わせが定番ですな。

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 で、突然こんなネタを書いたのは、今回、こういう話が聞こえてきたので。

 ・結構アレなデータも入る可能性があるシステムがある。
 ・データ領域は暗号化ボリュームを使うとして、自動マウントの為にシステム領域に暗号化ボリュームの鍵を置かざるを得ない。
 ・鍵がバレるのがイヤなのでシステム領域を含めて全HDDを丸ごと暗号化したい。
 ・でも起動領域はOSから普通のHDDとして見えるようにしたい(でないとメンテが手に負えない)。
 ・ドライブ故障時の回復に出来るだけ手間をかけたくない(でないとやっぱりメンテが手に負えない)。
 ・¥のお高い暗号化対応FCストレージとかは勘弁して。

 ・・・え~っと、すっごいレアケースだとは思うのだが、こういう時こそ超絶ニッチのSEDがハマるワケですよ。
 ところがまぁ、SED自体の知名度がとっても低いせいで・・・以下略、と。

 #つかそこまで求めるなら物理的なセキュリティ管理とか運用面での管理とか、その辺りがきっちり出来ているのが大前提な、念のため。

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 とはいえ、こういう設計は正直あんまり「スジが良い」とは言えないですな。
 問題の元凶は「システム領域に暗号化ボリュームの鍵を置かざるを得ない」ってトコなので、これさえどうにかなればニッチなSEDなんてモノを選ばなくともどうにでもなるワケで。

 例えば:
 ・そもそも再起動=暗号化ボリュームの再マウントなんてそんなに頻度高い作業ではないので、暗号化キー(=パスフレーズ)をシステム上に持たず、再起動の都度入力する
 ・サーバ内部のUSBコネクタにまともなUSBフラッシュメモリ等を接続し、暗号化キーだけはそこに格納する

 とか。どちらも条件付きながらそこまで悪くはないソリューションだと思うんだけど。
 まぁシステムが求める要件なんてのは千差万別なので、諸事情が寄せ集まった結果こういうことになってしまうのも仕方ないこともあるのだけど、ね。

 ♯「まともな」USBフラッシュメモリなら通電さえしておけばデータ消滅の心配はまず無いですよ。ESXiもUSBフラッシュで供給される時代だし。
  ・・・安物だといつ吹っ飛んでも知らんけど。

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「デスクトップHDD」を今買うなら。

 ・・・訊かれたので、書いてみる。
 こういうのは購入者が何を重視するかとかでいくらでも変わってくるので、あくまで参考レベルで。

 ◇取り敢えずというならSeagateのBarracuda。

 当方が仕入れている情報の範囲では、ファームがボロい(=相性が出易い)以外、目立った不具合は無さそうなので。
 よく安売りしているので価格面でも有利。
 保証はRMAが2年。短いと思う場合は東芝を検討対象に、或いはショップの独自保証を追加するとか。

 ちなみに相性トラブルは酷い場合10分程度でSATA IFがハングしてHDDが見えなくなるというもの。
 それでも電源再投入すれば何事もなかったかのように動き出すってのがね。
 最近の新しいファームウェアでは初期の頃よりだいぶマシにはなってきてはいる。
 Intel製ICHだと比較的大人しいようなので特に心配しなくても良いかと。

 ◇Seagateがイヤなら東芝。

 バルクを買ってしまうと保証が無いのでパッケージ版を買うという大前提。
 3年保証が付くがSeagateより2割程度市場価格は高いので、その分の価値を見いだせるかが判断ポイント。 
 こちらはIF相性等も含めて、製品自体に目立った不具合の話は今のところ聞かない。

 但し(HGSTの伝統で)電源がヘタレだと故障し易い点には注意。 
 電源周りについてはSeagateの方が比較的ラフでも大丈夫な印象。
 消費電力や発熱もSeagateよりこちらの方が上。 

◇品質絶対重視ならSeagate Constellation ES.3。

 値段見て笑って下さい状態だが、通常のDesktop HDDの品質基準に飽きたらということで。
 当然、保証も5年と長いが、同一容量のBarracudaの2~4倍の値段です、はい。

 SAMSUNGの血統であるBarracudaと違い、Seagate純血種のエンタープライズ品なので品質のレベルが違う。
 とはいえ個人使用だとごく一部の例外を除いては過剰品質。
 但し、この過剰品質に慣れてしまうと逆に巷の「デスクトップHDD」が「揃いも揃ったヘタレども」にしか見えなくなってしまう点には注意が必要。

 ♯値段が倍以上も違うんだから当たり前なんだが。

 それと騒音や発熱といった意味ではBarracudaの方が有利。
 エンタープライズ品は騒音や発熱といったところにはあんまり気を使ってないのでね。

 ◇

 ・・・今のところこんな感じですか。

 ちなみに確率論の世界なので当然だが、どのメーカの製品を買っても初期不良を含めた故障の可能性はある。
 バックアップは大切ですよ、はい。
 更に悪いことに、「デスクトップHDD」なんて言い方悪いが「安かろう悪かろう」なのが現実、今出回っている製品。
 そのことをお忘れなく。

 ちなみにアキバで一番人気らしいWD Greenに触れていないのは、品質面について判断するベースとなる信頼に足る話が仕入れられていないのと、市場価格的にSeagateと差がないということで。
 Seagateの方が明らかに速度面で有利だし、消費電力や発熱面でもそこまで大差は無い以上、敢えてWD Greenを選ぶ理由は無いかな、と。

 あ~あと、一部局所的に大流行しているWD REDだが、アレは本当に「対応表に乗っているNASで使う」ことを前提にしているので、そうでなければ「ちょっと保証が長いだけの高いHDD」でしかないので、念のため。

 以上、こんな感じですかね、はい。

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