昔のRメディア、読めますか。

 さて、PC歴がある程度長い人なら、昔焼いたCD-RとかDVD-Rってのがどっかに転がっているのでは。
 というワケで?
 以前ネタにした通り「ドライブタワー」を使って古い媒体をガンガン読み込んでいるのだが、その読込状況を軽くメモっておこうかと。

 といっても、調査対象メディア種類は圧倒的に少ないので、念のため。
 いかんせんこういうデータ保存に激安台湾メディアとか使わないし、買う時だって50枚スピンドルや段ボール箱でのまとめ購入が当たり前なので。
 ついでに言うと、保管については簡易遮光箱に入れられて、戸棚の奥に放り込んでありましたよ。湿気もあまり多くないと思われるし、R媒体の保管としてはこれかなり良い条件では。

 ・・・まあつまり、そこらでテキトーに扱われている媒体とは保存条件が天地の差ということ。一般家庭の使い方で同じだけ日持ちするかというと、ちょっとそれは無いと思われる。

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 以下、読んだ媒体のリスト。
 「問題なかった」とは例のドライブタワー、および本体に内蔵のPanasonic SW-9582、Pioneer DVR-105、DVR-212のどれかを使い、ドライブ最高速でエラー無しで読込が可能だったという意味。
 但し、各ドライブについて明らかに読込性能に違いがあるし、そもそもドライブ最高速が出ているかどうか厳密にベンチしているワケでもない。素のエラーレート計測をしているワケでもない。
 なので、あんまり目安にならないかも。

 #でも読みにくいメディアって自動的に速度が落ちるのが当たり前だから、速度が落ちない=普通に読める、ってことだと思う。

 ・・・で、ただそれだけ書いても書いてる当人が面白くないので余計な語り付き。

 ☆1998年 太陽誘電国産4倍 CD-R シアニン(黄緑)→全く問題なし。

 俗に「よく焼ける、よく消える」と言われた誘電メディア。ドライブメーカ各社がレファレンスとしているだけあってどんなドライブでも記録品質は悪くなかったが、屋外使用などしようものならあっという間に読めなくなるというのもまた常識だった。
 ちなみに手元にあったのはPhilipsロゴの入ったOEM版。誘電純正ものより版面デザインがカッコ良い(笑。

 ☆1999年 TDK国産4倍 CD-R シアニン(濃青)→全く問題なし。

 TDK国産CD-R史上最高傑作とか後に言われるようになるメディア。一部高速ドライブとの相性があまり良くは無かったが、指定速度での焼き込み品質では圧倒的に安定していた。
 ちなみにこの頃の同社メディアはRixにOEM供給されていて、そちらはブランドロゴ等が一切無かったがお値段がだいぶ安かったため個人的に重宝していた。

 ☆1999年 リコー国産6倍 CD-R フタロシアニン(薄黄)→全く問題なし。

 当時から品質の高さは評判だったが、少数派のフタロシアニンということもあり焼ドライブの選り好みの激しさも評判に。まともに焼けるドライブとの組み合わせは「最強」とも。耐光性も高く、CD-DA焼派にも重宝された媒体。
 また、後に8倍速対応と「パッケージだけ」変更になったり。純正メディアはあまり流通していなかったがMEMOREX TELEX印のOEMメディアが一時期(純正品と比べ)低価格で大量に出回ったりもした。

 ☆2001年 TDK国産8倍 CD-R タフネスコート シアニン(濃青)→全く問題なし。

 銘品と呼ばれたTDK国産4倍の後継メディア。色素が多少緑色っぽくなったが、その分高速書き込みでの安定性は増したということで、こちらの方が銘品という意見も多い。
 RICOHと違い大抵のドライブでそこそこ焼けたが、屋外使用における耐光性ではRICOHに一歩以上劣っていたのも確か。とはいえ誘電よりは長持ちしたので、CD-DA派にも愛用者は居ましたよ。

 ☆2002年 誘電国産16倍 CD-R シアニン(薄緑)→全く問題なし。

 誘電CD-Rは高速化に応じてどんどん色素の色が薄くなり、4倍のものと比べる見比べると圧倒的に薄いこの媒体。当時色素の薄さで有名だった激安台湾産メディアと比べても色が薄かったりしたが、当然ながら品質は雲泥の差、こちらが雲。
 そして伝統の「よく焼ける、よく消える」は引き継がれていて、相変わらずの記録品質と、屋外使用の弱さも当然そのままでしたとさ。
 但しこの媒体が発売されていた頃、既に品質を追求出来る国産CD-Rメディアは「ドライブを選ぶMaxell」か「何でも行ける誘電」しか(それぞれのOEM品を除くと)選択肢が残っておらず、そういう意味では鉄板の選択肢でした、と(TDKは台湾OEMに切替済)。
 ちなみにこの後すぐにMaxell(最後までこちらの方が色素の色が濃かった)がCD-Rの国内自社生産を中止し、誘電一択の時代が始まりましたとさ。

 ☆2003年 TDK国産4倍 DVD-R シアニン(青)→全く問題なし。

 CD-RをRitek OEMに切り替えてそれまで築き上げた名声を地に落としたTDKだが、DVD-Rはもう暫く国産で頑張っていたのであり。この4倍速はCD-R時代から脈々と引き継いできた「国産TDK高品質メディア」の最後の世代で、この後TDKは国産誘電OEM、或いは台湾メディアに切り替わっていく。
 国産TDKはDVD-RではCD-Rの頃よりはドライブ好き嫌いがはっきり出るようになった気がするが、それでも「無難な品」として一定の地位を占めていた。
 
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 取り敢えず5種類。作業は現在進行形なので、またネタが溜まったら続き書きますよ。

 それと、一つ書き忘れ。
 全てのメディアについて、書込はPlextor PX-W4220T、PX-W1210TA、PX-W2410TA、Pioneer DVR-A05、このうちどれか。書込速度はドライブ最高速の1段下で、媒体の許容速度内、速度違反焼は無し。
 書き込み時点でそれなりに気を遣っていたということは、これもデータ保存には有利に働いていると思いまっせ。

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