NEC Aterm8300N ファーストインプレッション。

 そういえば書いてなかったので、書いておきます。
 モノはというと「ブロードバンドルータ」。

 まずはさっくりと3行でまとめ、その後は文章でうだうだと。

 ・SuperOPT 90と比べ、同一回線なのに明らかにレスポンスが良い。ぶっ飛んだカタログ値はダテじゃない。
 ・安定度は問題なし、Aterm病も出ていない。
 ・割と細かな設定も必要十分に出来るが、SuperOPTには敵わない。

 まとめ終わり。以下うだうだ。

 ◇

 そもそも当方、NetGenesis SuperOPT90で特別不満は無く、動作にも問題は起こっていなかったのですが。
 ぶっちゃけると

 「いい加減飽きたので別の機械にしてみたくなった」

 というのが本音だったりします。
 まあ細かいところでは、「内蔵Hubが今時100Base」「PPPoEパフォーマンスが少し淋しい」というところもあったのですが、別にどちらも致命的ということもなく。

 一方、NEC Atermというと少し前まで「駄目ブロードバンドルータ」の代名詞だったワケで。

 この「ダメ」の理由、不良品連発とかそもそも通信が繋がらないというワケではなく。
 問題はNATテーブルの処理が「常識的にあり得ない」実装になっていたこと。

 通常「ブロードバンドルータ」は、NATテーブルが溢れると古いものから捨てて新しいものを受け入れます。
 最新の通信と古い通信と、どっちが大事といえばそりゃ最新のものですがな、ということで、非常に理にかなった真っ当な実装です。
 ところがAtermは、NATテーブルが溢れてもタイマ設定時間が過ぎるまでは何が何でも古いものを保持しているため、新しいNATテーブルを作ることが出来ず、結果的に通信が切れてしまうという、正に「何故にこうなった」という実装になっていたんですな。
 挙句には「Aterm病」などと病名までついてしまいましたよ、これ。

 ところがというか漸くというか、つい最近発売されたAterm WR8500Nで、どうやらこの持病が解消されたようで。
 掲示板等でも一時期この話題で盛り上がっていましたよ、と。

 そうなってくると、今度はこのシリーズの「カタログ数値上の高スペック」が結構気になってくるワケで。
 特にPPPoEで750Mbps超って、SuperOPT90の10倍近い速度ですがな。
 現状では明らかにオーバースペックだが、逆に言うとその分余裕ある動作になるワケであり。

 そしてこのシリーズに、WR8500Nから無線LANのスペックを落として価格を下げたWR8300Nが登場。
 ・・・気づいたら買ってました、ええ。

 ◇

 実際設定して、使ってみてびっくり。
 Webブラウジングしかしていないにも関わらず、レスポンスが明らかに改善している。
 この辺りがカタログスペックに見える「余裕」なんだろうな、と納得してしまった。

 ♯つーか最近の「Webサイト」、1ページ表示するのにセッション開きすぎ。

 次に、安定性についても問題なし。
 一ヶ月間の無停止連続稼動でも不具合っぽいものは一切無し。

 一方で設定項目を見比べると、SuperOPT 90よりはやや少ない。
 とはいえ普通に「ブロードバンドルータ」として使う分に必要な設定値は一通り揃っているので、一般的な使い方ならこれで困ることがあるとも思えない。
 確かにカリカリのチューニングは出来ないが・・・そこまでやらなくても困らないよね、と。

 トータルで見ると、まぁハズレではなかったですな、ということで。

 ◇

 ちなみに無線LANについては「開封直後に無効にした」ので、全く評価していません、えぇ。
 別に無線AP要らないんだけど、ブロードバンドルータと無線APがセットでないと売ってくれないんで、仕方なくセット品買ってるだけなので。

 あと、Knoppixの最新ISOをさっきダウンロードしたら、10MB/S超の転送速度が出ましたよ。
 SuperOPT 90では絶対に叩き出せない数字ですな、これは。

 ◇

 以下、12/28追記。
 ネットの向こうから何だか言われた気がするので。

 現在100Mbps超が出せる家庭用ルータ(無線付・有線専用両方含む)で、まともに使い物になるのはNetGenesis SuperOPT G-FiveとAterm WR8500/8300以外に無いと思ってほぼ間違いない。
 そうすると、NetGenesisは妙に高いので、無線LAN部分は要らないけどAterm、となる。

 NECのルータは昔から安定性には定評があるのだが、Aterm病という唯一にして致命的な欠点の為に、パワーユーザからはずっと存在が無視されていたので。
 漸く安心して「取り敢えずAterm買っとけ」と言えるようになった、と。

 #ちょっと検索すれば「少し使うとすぐ繋がらなくなる駄目ルータ」という類の「Aterm病」被害者の声はいっぱい出てきまっせ。

 まあ、それでもPlanexやCoregaを選ぶというなら、ネット各所に散りばめられた恨み節を熟読の上、自己責任で。BuffaloもPlanexやCoregaよりはマシだが、こちらも未だ自己責任の範疇、かと。

Share