HDMI切替機の夢・・・その3、実践編。

 ちっとも値段の下がらないDVI切替機の代わりに最近激安品も見られるようになったHDMI切替機を使って幸せになりたいプロジェクト、第三弾。
 前回でお勉強は終わり。後は実践あるのみ。

 しかし・・・言うは易くというかなんというか。
 まずは一番手軽な方法ということで、DVIケーブルのハウジング部分を剥がして内部配線に抵抗かましてやろうと思ったら、ハウジング部分が簡単にぺろんと剥がれるようなヤワなケーブルが店で見当たらないというオチに。

 ・・・あいや、ね。ケーブル本来の目的としては一体型モールドでタフなのが正しいのだけど、ケーブル自作するときに使うようなパーツ単位に簡単にバラせる部品使った製品は・・・見当たらないのね。

 仕方ないので、次。ケーブルが駄目なら、そのケーブルの繋がる先のHDMIセレクタを分解してみることに。つーかこれ、箱の大きさの割に妙に軽いんだよな・・・と。

 開けてびっくり、ナンですかこのスカスカ具合は。A6ぐらいの大きさの基盤に、QFPで80ピンぐらいの×2(HDMIスイッチ)と20ピンぐらいのDFP(コントローラ)と、あと僅かなチップ部品が乗ってるだけ。つかこれ、値段ボり過ぎじゃね?

 まぁ気を取り直して。
 あまりにも部品が少ないため、パターンも追えるってレベルじゃねーぞ、というレベル。ぱっと見だけでも19ピンも18ピンも、非常に分かり易く配線が出てます。
 そして、19ピンは1KΩのチップ抵抗でスイッチICと繋がっております。選択されるとスイッチICを通してここに5Vが来るんでしょう、きっと。

 ここまで分かれば後は簡単。1KΩの抵抗を撤去し、18ピンと19ピンの間に1KΩの抵抗を半田付け。
 こうすると、DVI/HDMIのバスパワーからHotPlug端子へ常時電圧が供給されるので、刺さっている限りはその先がどうなっていようがこのセレクタの電源が落ちようが、常時接続「のように見える」筈。

 ということで、取り敢えず1ポートだけ試してみたところ、ばっちり常時接続状態になったので、残り3ポートも同様にコテ入れをして出来上がり、と。

 ◇

 以上にて、ハードウェアの作業完了。
 但し、問題なのはここから。実際にEDIDの読み出しがいつ走るのか確認、と。
 手元にはGF7600GTとGF8400GSとAMD780Gがあるのだが、同じGeForceなら挙動も一緒だと勝手に信じて(というか8400GSを引っ張り出すのが面倒なので)、GF7600と780Gだけで。

 まず、本体電源投入時。GF7600とAMD780G、どちらも普通にEDID読んでます。まぁこれは規定の動作というかなんというか。

 次、Windows起動時、というかドライバロード時。やはりEDID読んでいます。ここで読み出しに失敗すると接続検出ピンに5Vが来ていても「非接続」状態に。おや、ダメですか。

 更に次、正常認識してDualDisplayになった後、プライマリに設定した(←ここ重要)HDMIケーブルを引き抜いた場合。
 780Gでは即時にDualDisplayが解除されちゃんとセカンダリ側がプライマリに切り替わるのに対して、GFではDualDisplayが解除されず、この切り替えが行われない。つまり、操作不能に。

 そしてこの状態で再度EDIDが読み出せる状態でHDMIを刺しても、780Gでは自動的に認識して即時にDualDisplayが設定可能になるのに対して、GFでは一見変化なし。
 但し、外部からRemoteDesktop等で接続すると、Windows内部的にDisplayが切り替わるせいか、このタイミングでGFは画像出力が復活。そしてDualDisplayは解除されていないので、HDMI側にログイン画面が出る。

 #但しこれはドライバがForceWare94での結果なので、最新の178では改善しているかも知れないので、念のため。

 ◇

 まぁ、兎に角。EDIDが必要な状況でEDIDをあげないと、画面は出てくれないということで。
 要するに、起動時には完了まで選択しておいてあげないとダメですよ、と。
 その後は切り替えても問題ないんだけど。

 ◇

 以上から分かるとおり、常時EDIDを供給してやればこの問題は発生しません、はい。
 その為にはI2Oバス対応のEEPROM(24LC21とか)をHDMIのコネクタにぶら下げてあげれば良いのだけど(もちろんEDIDを書き込んでからね)。
 これをやるには基盤のパターンをぶっ千切るか、QFPの足上げをする必要があって、どちらも当方の現在の技術では一度やると元に戻せないので取りやめ。

 ちなみに、EDID周りの話はこの辺りが多いに参考になるので、リンク。

 DVI-D_Direct Connection
 >http://www.geocities.jp/dvid_direct/index.html

 ・・・他には、このサイトの実験のようにDVIケーブルぶっちぎってEDID供給回路を挟み込むという手もあるのだが・・・
 このサイトのケーブルのように制御線がソレと分かる状態で入っていればいいが、うっかりTMDSリンク線切っちまったりしたらねぇ。
 まぁDVIコネクタ自体は入手出来るので、TMDS線の品質がどうのという話を無視すればゼロから作るというのは・・・さすがに無いか。

 ちなみにこの「EDID供給回路を途中に突っ込む」というコンセプト、実際に製品としてモノが出てます。高いけど。

 Gefen DVI Detective New
 >http://www.trinity.jp/digitallife/accessories/extdviedidn/index.html

 ・・・な~んか当初予定よりどんどん大掛かりになって来るけど、そのうち挑戦しちまいそうだなぁ>EDID回路付DVIケーブル。
 そもそもPICライタとか持ってないんで、そこから始めることになるけど・・・。

 というか、DVIスイッチ安くなってくれ、頼むから。

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