ついに飛んだ、Gibson。

 まぁChapter11なので日本で言うトコの民事再生なのだが。以前ネタにした「8月まで」もたなかったか、と。

 個人的には面白いな~と思って見ているのが、揃いも揃って「ギターが売れなくなった」とかそういう話は飛び交っているのに、こと国内では多角化に手を出して失敗したということがあまりというかほぼ語られていないこと。
 まぁ本業のギターがアレだったのは確かで、巷で言われている「製品が粗悪になったこと」「そもそもギター産業自体がシュリンクしている」という話は排他ではなく相乗だと思いまっせ。とはいえ今回のChapter11の原因は多角化失敗だろと。ギター一本槍でもいずれ撃沈していただろうが、ここまで急激に財務が悪化しなかったでしょうと。

 で、気になるのはやっぱり本体なんかどうでも良くて、巻き込まれていた各社ですよ。

 まず、Onkyoについては既にいろんな意味で関係を断ち切っていたいたのでセーフ、と。持たれている株も比率で言えば現在は限りなくゼロだし、提携も打ち切っているし。

 次にこっちが心配、TEAC。こちらは100%Gibson傘下、とはいえ「直近では」特に何かは無さそう。
 とはいえChapter11ということは「事業の整理・売却も視野」なので、業績が悪くなくても「現金化」されてしまう可能性は十分にある。
 こちらは引き続きWatchしろ、ということですかね。

 ♯まぁ今更TEACを買おうなんて会社は・・・(TASCAM目当てで)inMusic辺りならやりかねんか?

 ◇

 最後に、Gibsonが潰しBandLabが拾ったCakewalkについて。

 つい先日「Cakewalk by BandLab 正式リリース」が出ましたよ、と。

 プラグイン系と連携系についてはほぼ全滅(同梱されない)なものの、本体の機能についてはSONAR Platinum相当。EarlyAccess版で問題になっていた日本語表示系のバグも含め、本体のバグ修正も入り、往時の月次リリースを彷彿とさせますな。

 あ、もちろんプラグインは過去に導入済であればGibson傘下時代、Roland傘下時代(さすがにこれは古過ぎてもう無いかな)、のモノがそのまま使えまっせ。
 そういう意味では、SONAR時代からのユーザーから見れば「Cakewalk is Back」かな、と。

 ♯但し一部ではプラグイン導入先フォルダの設定が初期化されてしまい起動時のプラグインスキャンから漏れてしまっている模様。一度手動でフォルダ設定を追加してあげれば問題なし。
  あと、ダウンロードサーバが混んでいるようでダウンロードが途中で途切れてしまうためBandLab Assistantからのアップデートがいつまで経っても終わらないことも。この場合はBandLab Assistantを一旦終了させて再起動、と。

 あとはまぁ、名前が変わっても所詮SONARなんで、そういうことです。

 ◇

 とはいえ、現時点ではプログラムのリリースに力点が置かていて、Webサイトを含めてアナウンス等の体裁がきちっと出来ていないことは事実。
 Gibsonから引き継いだCakewalkのWeb Forumのオフィシャルスレッドにはリリースノートや機能比較表があったり、実は「改善要望受け付けます」なんてスレッドも立っていたりするのだが、現状だとForumを覗いているSONARの既存のパワーユーザーにしかこのメッセージは伝わっていない。
 まぁ昨今のWeb企業がアナウンスメントやらの重要性を理解していないワケがない(と思っている)ので単純に手が回っていないだけだと思うが、正直この辺りは早く修正して欲しいところ。

 あと、SONAR本体はこれでどうにかなったものの、プラグインの音源とエフェクトの扱いはこれからどうするか、についてもそろそろアナウンスが欲しいところ。
 一応、VST系については有料で復活させる的なことを匂わせる書き込みもあったりしたが、オフィシャルなステートメントは未だ出ていない。

 以下、個人的な要望。過去のもの全て復活させるのも流石に色々と厳しいと思うので、以下な感じでどうでしょ。

 VST音源:
 ・Z3TA IIとRapture Proを単品売りのVST音源として復活させ、既存ユーザーのライセンスは引き継ぎ。Rapture Sessionは・・・取り敢えず後回しで。
 ・その他のシンセはいい加減古いので捨てる。超個人的には実はRoland Groove Synthの90年代まんまな(「チープな」)音は好物なのだが、多分こういうのは全世界規模で超少数派なので。コレDXiだしね・・・って(Cakewalk by BandLabに付いてくる)TTS-1もDXiなんだよなぁ。

 VSTエフェクト:
 ・Engineering SuiteのCakewalk社製品についてはCakewalk by BandLabの付属品として復活させる。但し付属品は「プロテクト」付で、SONARまたはCakewalk以外からは使用不可。他から使用可能なものは・・・単品売りしてもいいかも?
 ・Boutique Suite、Classic Creative Suite、その他は古いので捨てる。

 あ、当方がRapture Proをこれだけ推すのは「特色あるシンセ」だからであって、正直他のマルチ音源VSTiと真っ向勝負出来るような製品ではありません。念のため。
 いやね、90~00年代のハードシンセに近い(感じだと思う)の何か背伸びした音出してる感がタマラナイんですよ、個人的に。・・・やっぱ伝わらないかなぁ、コレ。

 ♯真っ当なマルチ音源としてはSampleTank3激推ししときます、えぇ。

 逆に、Engineering Suiteは正直モノが悪くないので、このまま無くすのは惜しいなと。コード自体も(比較的)新しい筈だし。
 Boutique Suiteについては64bitなのでまぁあっても無くてもとは思うが、個人的には積極的に推す程の理由は見当たらないなぁと。

 ◇

 まぁ、本日はこんなところで。

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Gibsonのヤバさが明るみに。

 あ~、AFPに書かれちゃいましたねこの話。
 というか、約400億円($375M)の借金が今年8月に償還期限、ってそんなに債務デカかったん。ってか、Philipsを買った時も約150億($135M)しか払っていない筈なのだが、残りの債務どっから来た。

 まぁ個人的にはGibsonは全く好きではない、というか普通に嫌い。ぶっちゃけこのブランド名からはカネの臭いしかしないので・・・なのだが、それでも今回このニュースに体が反応したのは個人的に好きなTEAC/TASCAMが傘下に入っているから。それと、Cakewalkの残滓も。

 ♯自分がギターという楽器に特別な思い入れが無いからと思われる。楽器としてのギターが嫌いということではないのだが「メーカー?ブランド?知らんがな。音良ければいいんだよ、音が」ぐらいの感覚でしかないので。

 にしても、こうなってくると以前書いたネタが「杞憂」から「有り得る話」に一気に昇格してきたような。
 TASCAMのラインナップは現在でも全盛期に比べればだいぶシュリンクしているのに、これ以上品揃えを減らされたらもう・・・ねぇ。

 まぁTASCAMもDTM向けIFでは初期には散々酷いモノ出していたし(最近やっと安定してきた感)、(DTM向けIFも含む)最近ボリュームが大きくなってきたプロシューマー向け製品=純プロ向け以外の製品の商品企画がヘタクソ過ぎるというのが伝統芸。
 このTASCAMの「致命傷」は正直今でも全然完治していない(MiNiSTUDIOはまぐれ当たりだし、しかも大ヒットという程当たっていない)のが、余計に怖いというか。

 ちなみにOnykoの方はというと、1月にGibsonはOnkyoの株を売却して現金化、持ち分比率を減らして筆頭株主から主要株主外(持分率12.94%→9.91%)になっているので(なおこの方針は去年11月には決定していた模様)、このままGibsonが倒れてもほぼ影響が無い方向に向かっているように見えますな。つかさっさと完全に縁切って、いやマジで。
 一方でTEACは今でも54.85%の株をGibsonが持っていて完全に傘下だし、数が多くはないとはいえPhilipsと製品ラインは被っているし。取り敢えず単年でも黒字ではあるが、外資の悪い癖が発動する可能性は否定出来ない。
 例えば、何も考えずに取り敢えず引っ掻き回した挙句「有望株」を潰してしまう、なんてのはまぁダメ外資の「組織改革」のお約束だし。

 ・・・まぁ償還期限の8月というのが一つの目安だと思われるので、もう暫くウォッチしてますかね。

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gibsonはOpcodeに続いて結局Cakewalkも潰した。次はTEAC&TASCAMか、その次はOnkyoか。

 ・・・さすがOpcodeを潰した前科持ちはやることが違うわ。

 ということで、やらかしましたよgibson。4年前に買収したCakewalkを潰してしまいますとさ。しかもよりもにもよって30周年記念のこの年に、Black Friday Dealやっているこのタイミングで。
 実は当方のDTMは途中何度かブレそうになりつつも結局ずっとCakewalkで来ていたので、個人的なにもかなり衝撃なんですな。・・・どうしよ・・・。

 ちなみにタイトルの件ですが。
 「Philipsブランドに注力」という言い方だと、個人的に将来が非常に危ぶまれるのがTEAC&TASCAM。TASCAMについては基本的に業務用ブランドなのだが、実態としてはTEACとTASCAMは表裏なのでTEACが吹っ飛ぶ=TASCAMも危ない。
 そして、PhilipsブランドはTEACブランドと競合するし、現実問題として既にTEACブランドは全盛期(=カセットテープ全盛期)と比べると風前の灯火。更にCakewalkは位置づけ的にはTASCAM傘下だったワケでですよ。ほら、不吉でしょ。

 あと、現在gibsonはOnkyoとも資本・業務提携を行っているが、この資本・業務提携が発表されたのも2013年。実はこれ、Cakewalk買収とほぼ同時期なんですな。
 そしてPhilipsブランドはOnkyoとも競合します、はい。・・・この辺りも何か危なっかしさ感じません?勿論Onkyoはただの提携なので吹っ飛ぶことはあり得ないが、現状から何も動きが無いというのも考えにくい。

 ということで、本日は風雲急を告げるこの展開に思わずこんな何の中身もないエントリを書いてしまった次第。
 さてさて、次は何が起こるかね。

P.S.
 Cubaseは国内だとYAMAHAの対応が色んな意味で最悪だった思い出があるのと(実はこれが原因でCubaseに浮気しかけたのに色々無かったことにしてCakewalkに逆戻りしたという過去あり)、無駄に角を丸くしているUIデザインがイマイチ好みじゃないんのよ。
 逆にStudio OneはUIデザインは全然アリなのだが、MIDI打ち込みが多い自分にはアレの「雑な造りのMIDIトラック」は無理っぽい。昔から言われている話ではあるが現在でもロクに改善されていないし。
 ・・・結局、Cubaseに慣れるしかないのかねぇ。今更FL Studioに移行とかは無理だろうし(トラック組立ての考え方が違い過ぎる)、機能的な不満は多分出ないだろうし・・・。

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