そしてもっさりは消えた、のだが・・・。

 HDMIセレクタにハンダを入れた挙げ句、無事、HDMI接続によるDualDisplay環境が出来上がった780G。
 巷で言われている「Dualにしたらもっさりが消えた」というウワサを確かめて、780Gネタ最終回としましょう。
 ということで、まずベンチ・・・。

VGA GDI Text Square Circle BitBlt
780G DualDisplay 4774 136 2565 1270 803
VGA D2D 10 100 500 1000 5000 10000
780G DualDisplay 1774 105 90 54 36 10 5

 えと、何これ(笑。GDI速度、Singleの時より圧倒的に上がってるんですけど。

 更に、Singleの時は「こいつはすげぇ」というレベルでもっさりしていたWebを開いてみても、全然もっさりしてないんですが。普通にサクサク行けるよ?

 ということで、Dualにするともっさりが消える、というのは事実でしたとさ。

 ◇

 しかしこうなると、原因は何じゃらほい。

 普通に考えると、Dualにすると描画面積が増えるのでパフォーマンスには負の影響が出る。
 8500GTや7600GSを使ったベンチテストでもその通りの数字が出ている。
 だというのに、数字が上がる。体感で分かるぐらい動きが良くなる。

 以前PowerPlayが原因だという話もあったが、実際にAMD OverDriveで見てみたところ、このM/BではGPUは500MHzで固定の様子。
 数字がぴょこぴょこ変わりまくるのを期待していたのに、実につまらないというかなんというか。

 こうなると、考えられる原因はただ一つ。ドライバが駄目、以上。

 まぁ確かにベンチ取ってみると絶対値が低めということもあるが、Dual時は少なくとも「体感では」問題ない。
 そうなると、Single時のドライバの挙動に問題があるとしか思えない。

 ◇

 で、ここまで書いてふと思いついた・・・。思いついただけで何の証拠も無いのだが。

 もしかしてCatalyst、Single Display時には780Gの2Dアクセラエミュを使い、Multi Display時には全部CPUが面倒を見る、なんて構造になっていやしないだろうか。
 そして、780Gの2Dアクセラエミュは死ぬほど遅いので、CPU丸投げ状態のMulti Display時の方がCPU負荷は上がるものの快適に動く。

 何でこんなことを思いついたかというと、もっさり問題解消のためにある設定が効くという話があるので。
 具体的にはWindowsの設定のDisplayのところにある「ハードウェア アクセラレータ」スライダを一番右(普通)から一つ下げるというもので、確かにこれ効くんですよ、試してみたら。
 で、コレは文字通り、ハードウェアが持っている機能(の一部)を使わなくする設定なんでね。

 Radeon HD世代からは、単体ボードですら2Dが遅ぇ!という話が時々聞こえてきたりもするし。
 統合型でメモリ帯域もダイ面積も限られている780G(HD 3200)ではその影響は更に大きくて、という解釈も個人的には出来なくもない、ですな。

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2Dベンチネタ、最終章。

 さて、このところうだうだと続いてきた2Dアクセラレーション絡みのネタ、今回が最終回ですよ。

 #もっさりネタは続きます。

 というのは、秋葉原をうろうろしていたら、かなり状態の良い中古のGeForce 7600GTが激安になっていたので、思わずゲットしてしまったので。
 2D(GDI)のハードウェアアクセラレーションを装備した最終世代GeForce、7シリーズの中堅モデルですな。

 #実は購入の決め手は2Dがどうこうではなく、DualDVIなVGAがこの値段で買えたから、だけど。

 ということで、部屋に戻って早速ベンチ。VGAとドライバ(ForceWare90)以外の環境は以前の8500GT/8400GSの時(ForceWare176)と一緒なので、見比べてみて下さいな。

VGA GDI Text Square Circle BitBlt
GeForce 7600GT 11484 1156 3393 3125 3610
GeForce 7600GT DualDisplay 8166 1118 3006 2719 1323
VGA D2D 10 100 500 1000 5000 10000
GeForce 7600GT 9440 611 540 318 199 52 27
GeForce 7600GT DualDisplay 8710 583 522 308 178 48 24

 GeForce 7世代+2桁ドライバの効果てきめんなのがDirect2D。こりゃすげぇや。
 あと、前回と違ってD2DベンチでもDualDisplay有効化で数字が明らかに変化したので別に記録。

 一方、GDI周り。TextとCircleの速度はさすがGDIアクセラレーションが効いてるだけあるが、Squareは逆に遅くなっている。
 そして、BitBltの速度はやや良いものの、激差ということでもない。

 ◇

 以上の結果とネット上に数多ある各種ベンチ結果と突き合わせた結果、自分の中で出た結論。

 GDIアクセラレーションについて。確かに文字描画等はハードウェアアクセラレーションを持ってた方が圧倒的に有利だが、四角描画では逆にCPUに仕事させた方が速かったりする。
 総合的に見ると、GDIアクセラレーションの有無にこだわる必要は無いと思われる。
 但し、最近のRadeonに見られる妙に遅かったり一部機能がバグってたりというのは論外。・・・つかどうせドライバのバグだろ?とっとと直せや>AMD。

 BitBltについて。メモリ速度も多少影響はあるが、それよりメモリ幅が圧倒的な意味を持つ。VRAMメモリ幅が64bitは核地雷、逆に 256bitあるGF9600GT(ファンレス限界・・・補助電源要るけど)ではもう一ランク上が狙える。
 但し、こちらもRadeonは・・・う~ん。つ~か、ドライバの品質はホントどうにかならんのか・・・

 Direct2Dに関して。もう泣く子もキレる(何だそれ)違いが実際にあります、としか言い様がない。
 ごく限られた用途とはいえ、目的によってはD2Dのパフォーマンスが実際に大きく影響する場面も存在するので、そういう場合はやはり「古めの一品」を掘り出すしかない。

 ・・・以上をまとめると、こうなる。

 Direct2Dを本気で使う「よっぽど特殊」な環境でもない限り、WindowsXP環境を理由にGeForce 7シリーズやRadeonX1シリーズを選択する理由はない。
 但し、「よっぽど特殊」な環境では、やはりGF7やRadeonX1に価値はある。

 ということで。

 ◇

 個人的に一番意外だったのは、メモリクロック400MHzと700MHzという圧倒的な速度差が、2D周りのベンチでは殆ど見えてなかったこと(無いワケではないけど)。
 少なくともGeForce系の場合、128bit/400MHz DDRってのは「世間的に恥ずかしくない最低限度の2D速度」を確保するのに丁度いい目安、なのかも。

 ◇

 以下、12/5追記。
 色々いじっていたらうっかり(笑)ForceWare178を入れてしまったので、SingleDisplayの状態だが軽くベンチ。

VGA GDI Text Square Circle BitBlt
GeForce 7600GT FW178 10012 1189 3666 1719 3438
VGA D2D 10 100 500 1000 5000 10000
GeForce 7600GT FW178 3485 465 320 130 75 17 9

 ・・・えっと、最新のForcewareって最新のチップに最適化されてるのね、と分かる数字ですなコレは。

 まず、GDIに関しては思ったより落ちないな、というのが感想。Circleが半分以下に落っこちてたりするので、ドライバの挙動が違うのは間違いないが、それでも昨今ではバリュークラスのこのCPUでこの数字が出せるなら、ソレほど気にすることでもないかと。
 それに、8500GTとほぼ同条件で比べてもBitBltに明確な速度差が出ているのは、やはりメモリ速度差が有意ということでしょう。

 対して、とんでもないことになっているのがD2D。というか、絶対性能では勝ってる筈の8500GTと比べてここまでボロ負けするとはね・・・。いやはや、ハードウェアアクセラレーションは偉大だ。

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確かにもっさり。(続・買い換えたら納得出来ました)

 前回の続き。
 色々買ってきた中に、マザーと石もありますよ。

 Asus M3A78-EM (MicroATX/AMD780G)
 AMD AthlonX2 4850e (Brisbane/2.5GHz/45W)

 はい、WinXPでAMD780G。
 巷で話題の「もっさり」、見事に当たりましたよ。
 でも外部VGAなんて刺さないもんね。
 同じAsusのM3N78-VMと店頭で散々悩んで・・・いいんだもん、AMD(ATI)チップセット初体験だもん。
 GeForce8200だとどうせまともに動くのが当たり前で面白くないんだもん(ぉ。

 悔し紛れにベンチ取ってみたら、これがまた散々。
 つーか「あればいい」の代名詞(ゴメンね>SiS)Mirage1と比べても更に遅いって、さすがXP捨ててるだけあるというか・・・。

VGA GDI Text Square Circle BitBlt
780G 2853 70 1498 441 844
VGA D2D 10 100 500 1000 5000 10000
780G 1916 102 88 56 39 11 6

 これ絶対690Gの方が圧倒的に速いだろ、2Dだけなら。

 ◇

 まぁそれは兎も角。
 システム交換したら消費電力がドカっと減少しましたよ。
 処理速度は倍以上になったというのに。

 アイドル時:50W → CPU全力時:80W

 ピークだけ見れば増えているが、処理速度が上がった分平均負荷率が下がっているので、トータルで見るとだいぶ減少。

 ◇

 そういえば、この載せ替えの途中でWinXP SP3のバグに遭遇。
 AthlonX2だというのにPhenom用のCPUドライバ(AMDPPM.sys)を組み込んでしまうというもので、これが発動するとCool’n Quietが動作しなくなる。
 仕方ないのでAMDのサイトからAMDK8.sysの最新版を落としてインストール、と。

 あと、Asusの最近のM/BだとAsus謹製のユーティリティを一度インストールしないとデバイスマネージャから?が消えないのね。
 最初気づかなくて首傾げてしまった。

 #このM/Bだと「ASUS CoolnQuiet Utility」導入で「ATK0110 ACPI Utility」が埋まる。

 ちなみに只今HDMIケーブル類を手配しているので、「DualDisplayにすると『もっさり』が消える」というウワサが事実かどうか実際に検証する予定。

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2Dベンチしてみた。

 前回の続きみたいなネタ。

 今、手元にGeForce 8500GTと8400GSが両方あります。
 ご存じの通り、8400GSはメモリバス64bit、8500GTは128bitです。
 んで、コア自体はどちらも同じモノだったりします。

 なので、ベンチでどれぐらい差がでるか、測ってみましたよ、ということで。
 もちろん、2D限定。

 ベンチマークソフトは、超定番のCrystalMark2004R3。
 コレのGDIとD2Dだけ計測します。
 複数回計測して、明らかにヘンなのは弾いて平均を。

 では早速、数字カモン。

VGA GDI Text Square Circle BitBlt
8400GS 7427 475 4568 1036 1348
8500GT 9148 577 4421 1105 2944
8500GT DualDsplay有効 6998 653 3972 1064 1309

 GDIについてはDual Displayが有効か無効かで相当差が開くので、別に掲載。
 注目はBitBlt。メモリ幅半分の効果はてきめん。
 あと、DualDisplayの落ち込みが予想以上に凄い。
 これって、VGA2枚挿しでのDualDisplayだと落ち込まないのか、それとも2枚挿しとはいえCPUが仕事する量は減らないから変わらないのか、どっちだろ。

 #とはいえ2枚挿しで実験出来る環境は手元に無し。

VGA D2D 10 100 500 1000 5000 10000
8400GS 2966 228 183 98 62 16 8
8500GT 4076 431 317 145 87 20 10

 D2Dの方はそもそもセカンダリではDirect2Dが効かないせいか、有意な差が見いだせなかったので区別なし。
 こちらもやっぱりメモリ幅の影響がかなり出てる、気がする。

 ちなみにこの辺りの数字がどんなもんかというと、この辺りと比べてみてはいかがでしょ。
 8400GS、特にもっさりに感じたことは無いけど・・・そもそもこのVGAで画像を多数開くようなことをしたことが無いので、正直良く分からん。

 ATI HD4670はXPで2Dがもっさり動作なのか?
 >http://blog.goo.ne.jp/tcsx/e/e3d73a86005ebe879932e6591be3d580

 ちなみに参考まで、SiS741GX(Mirage1)ではGDIが4312、D2Dが1741でした。
 D2Dだけ見るとG45とタメ、って数字はどう解釈したらいいんだろう。

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