Steinberg印のUR12を買ってみた。

 さて、手元の環境のWin10化で泣く泣く捨てざるを得なかったのがサウンドカード。いい加減Vista用βドライバではWin10ではコケまくるというか青画面の原因になってしまうようで、まぁそんな代物が今更Win10用ドライバなんて出してくれる筈も無く。

 で・・・オンボードのサウンドも使ってはみたものの、筐体内の電源ノイズを拾ってしまって仕方ないのと(実はサウンドカード時代も拾っていたがオンボードの方が更に酷い)、そもそもやっぱりオンボードなので。

 ♯とは言っても昔に比べると随分良くなっているのは聴いてて分かったけど。

 そんなワケで、ASIOが使えてある程度しっかりしていて且つ低価格、という条件で探してみたところ、YAMAHA製なSteinberg印のUR12がヒット。既にコスパ高いという定評もあったので、何も考えずにぽちっと。

 ◇

 以上のような経緯で、手元に来たUR12。第一印象は「(物理的に)重い」だったというのは兎も角、ちょっと触ってみた感じ、確かにこれは「コスパ高い」わ。
 ラインナップ最上位しか真面目に作らないYAMAHAにしては珍しいことがあるもんだ、といったら怒られるかも知れないが、確かに色々価格相応にケチられているものの、しっかり作られている印象。

 Cubase AIも付いてくるし、この価格帯としては決定打と言ってもいいかも。
 正直言っていい買い物したと思っていますよ。

 ♯桁が違う純業務向けと比べると音の輪郭や解像度が、という話は確かにまぁなぁとは思うが、この値段でこれだけ出ていれば逆に御の字では。

 但し、それではコレもう完璧かと言われるとそうでもないね、と。
 大雑把に言っても4つも注意点があるので。
 以下、列挙。

 ◇その1:電源にシビア過ぎ。

 まぁこれはUSBバスパワー機あるあるではあるが、世間の口コミ以上に電源周りに余裕が無い。
 電圧が低いとしれっと電源が入らないし、何とか電源が入って認識されても今度は稼働中に突然音が途切れてしまう。更に、電源ラインからノイズが入ると音が途切れることも。

 最近では電気喰いデバイスが増えたせい(だと思う)でUSB電源周りは以前よりかなり強化された気がするが、一昔前のPCで少ないコネクタにUSBデバイスを複数繋いでいるような環境だとこれは厳しいかも。
 あとモバイルノート系は要注意。バッテリ節約の為にUSBの給電能力が低かったり、AC繋いでいると問題ないがバッテリ駆動にすると・・・なんて話は最近の機種でも時々聞く話なので。

 実際自分のPCのうち1台は構成そのものが古いこともありUSB周りがヨワヨワで、他のPCでは全く問題なく起動するバスパワーのUSB HDDが起動できないなんて事態になっていたりするのだが、素でこのPCに繋ぐと一応認識こそするものの、10分も持たないうちに音が途切れ(て数秒~十数秒後に復帰)、終いには認識されなくなってしまうという有様。

 ♯ちなみにこの「音が途切れ」ている状況ではUSB Link LEDが高速点滅する(電源ON時はホストに認識されるまでゆっくり点滅)。マニュアルにはこの高速点滅の意味が書かれていない気がするが、要するに取り敢えずエラー、ということでいいんか?

 とはいえこのUR12、この問題に対しては簡単に対処可能。
 やり方は簡単、PC接続時でも外部給電を使用すれば即解決。コネクタがUSB MicroBでスマホの充電用アダプタやケーブル、そしてモバイル環境ではスマホ用のモバイルバッテリがそのまま使える辺りは気が利いている。

 実際、当方の場合も、1.5A出せるモバイルバッテリ(普段持ち歩いているもの)から給電した状態で前述のUSB周りダメダメ環境に繋いでみたところ、取り敢えず7~8時間は全く音途切れが発生せず、極めて安定してしまいましたとさ。

 しかも、これは当方のようにPC電源がノイズだらけのような状況に限られるだろうが、外部給電した方が明らかに音が良いという。
 自分のような駄目耳と安物イヤホンですら気付くぐらいの差があるので、きちんとした耳とヘッドホンを持っている人なら雲泥の差ってやつでは。

 ちなみに、給電能力不足解消のド定番の手法である「セルフパワーUSB HUBを挟む」でも勿論問題は解決する。
 が、手元でで試してみたところ、確かに不安定さこそ解消されるものの、明らかに外部給電の方が音が良いのですよ。

 まぁこれは給電にどんな電源ソースを使うかにも依るとは思うので、当方の環境限定かも知れないが・・・既に手元にセルフパワーUSB HUBが余っているような状況でもない限りは、スマホ充電にも使えるACアダプタを外部給電用に買って来るのが正解かね。

 ♯ちなみに、手元に転がってたUSB HUBのうち1つはセルフパワーで5V2AのACアダプタからUR12だけ繋いで給電しているのにも関わらずイマイチ安定しなかったったりしたので、USB HUBを挟んでもダメな時はあるっぽい。ここまで来ると相性レベル。

 ◇その2:PCを省電力に使うのはかなり厳しい。

 元々DTMを本気でやるなら省電力モードなんて使わないだろうが(VSTがモタるので)、単なる低価格なDAC代わりにしようとするとこの欠点が目立つ。
 手元のPCでは、どれも「高パフォーマンス」モードにすれば問題は起こらないものの、「省電力」設定にすると全ての環境で音切れ多発、「バランス」モードでも音切れする環境がある始末。

 それと、どうやらデバイススリープ周りにも不具合がある模様。
 症状としては暫く使用していないといつの間にか切断されてOFF状態になっているというもので、この症状が出てしまうとケーブルを物理的に抜き差ししないと復帰しない。
 取り敢えずの対応としては、デバイスマネージャ上でUR12のぶら下がるUSBの接続ツリーを開き、途中に挟まる全てのHUBの電源管理でデバイススリープ(電源OFF)を不許可に(標準だと許可になっている)することで解決するように見える・・・が、短時間の確認なので完全かどうかは不明。結局すぐに外部電源繋いでしまったので。

 ◇その3:USBバスとの相性は確かにある。

 手元でこれヤバいと発覚したのはASMedia USB3.0。ここに繋ぐと兎に角安定しない。
 逆にUSB3.0でも旧NEC=Renesas USB3.0では特に問題は発生せず。
 ではUSB2.0の世界では無問題かというと、AMD SB850・950だと偶に音が飛ぶことが(1時間に1~2回程度)。Renesas USB3.0ではこんな症状出なかったので、これまたコントローラ若しくはドライバとの相性と思われる。

 ♯にしてもここまで分かり易くASMedia USB3.0で相性問題起こすデバイスは初めて見た。
  USB3.1登場で捨て値になってるRenesas 3.0チップ搭載PCIeカードでも買ってくること考えるかね。

 ◇その4:コネクタどうにかならんのか。

 そして最後の注意点。
 標準添付のUSBケーブルが悪いのかコネクタが悪いのか、それともハズレ引いたのか、Type-Bケーブルのガタが酷く、ガタガタしていると突然接触が切れることがある。

 一応モバイル用途も謳っている以上、これはどうにかならんのかいね。
 まぁType-Bコネクタ自体がアレだという話もあったりするのは分かっていってるけど。

 ◇

 ・・・まぁ色々言ってしまったが、基本出来が悪くないだけに欠点が余計に目立ってしまっているような。
 他人に薦められるかと言ったらおススメ出来ます、程度には満足してます。

 それでは、今回はこの辺りで。

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オープンエア・イヤホンは絶滅危惧種。

 年が変わってから去年末のネタを書く、1回飛ばして今回はその2。

 ・・・知らなかったよ。
 いつの間にかイヤホン市場がインナーイヤータイプに席巻されていたなんて。
 まあ普段からしょっちゅうイヤホンを取っ替え引っ替えして楽しんでいる人には常識だったのだろうが。

 当方が欲しかったのは、PMP(以前にもネタにしたCreative ZEN X-Fiね)に接続して屋外で使えるイヤホン。
 今まで使っていたヤツがついにぶっ壊れた(というか導線が切れた)ので、交換しようと。

 だったらインナーイヤーで全然問題無いだろ、というツッコミが飛んで来そうだが、オープンエアにはインナーイヤーには無い、屋外で使うための大きなメリットがあるんですよ。
 それは、世間ではオープンエアタイプの欠点とも言われる要素。

 「外部の音が良く聞こえる」

 勿論、これは「音漏れしやすい」というのと表裏一体なのだが。
 屋外で使うのに、外部の音が聞こえないというのは、いろんな意味で危険だと思うのよね、ホントに。
 それに、外部の音がある程度は聞こえないとマズいので、音漏れが問題になる程のバカでかい音も出さないし。

 ところ、が。
 市場を見てみたところ、オープンエアタイプでは、既に「音質」を気にすることが出来るクラスの製品は壊滅済。
 ラジオやTV用のイヤホンぐらいしか残っていない。
 ・・・え゛ー。

 まあ、所詮PMPで聴く音楽なんで、音質なんて・・・って考え方もあるだろうし、それもある意味正しいと当方も思っているのだが。
 ソースがアレな分、ある程度のイヤホンを選ばないと「更に輪をかけて音がヘボくなる」という悲しいことになるのもまた事実。
 それともう一つ重要なのが、PMPとそのイヤホンの「相性」。
 電力を贅沢に使えない分、PMPのアンプはスイートスポットがやったら狭いというのが普通なので、ミニコンポ等に繋げば素直な音を出すイヤホンでも、特定のPMPではボロクソな音になる、ということも決して珍しくない。
 なので、ある程度選択肢が無いと「逃げ場」が無いのだが・・・ どうやら既に無いらしい。

 結局、随分とお手軽価格のSONY製を買ってきましたとさ。選択肢が他に無くって、さ。
 一昔前ならAIWA印で売っていそうなブツだな、コレは。

 ・・・ん゛ー、ミッドハイ(中域の中の高域、2~3KHz辺り)に妙なクセがあるのが気になる。
 相性出たか、これは。エージングでこのクセが少しでも収まってくれれば良いのだが。
 イコライザ調整して何とか誤魔化せないか、少し追い込んでみるかね・・・。

 #ちなみに、当方は音質が欲しければ「いわゆるヘッドホン」を選択する人間です。
  ヘッドホンについてなら、有名どころの音質傾向やクセについても多少は知ってるので、ある意味安全パイ。
  そんなんなので、インナーイヤータイプのイヤホンについては、全然情報を持ってないのよね・・・。

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東芝 RD-S304K ファーストインプレッション。

 これ、家電なの?

・・・いやね、正にこんな感じ。

 ブツは何かというと、東芝のDVDレコです。
 地/BS/CSデジ対応チュナーを2基、更にアナログチュナーを乗せてデジデジとデジアナのW録画対応の製品。内蔵HDDは320GB、USB接続でHDDを増やせるのが少し珍しいかも。・・・これ以上のカタログスペックについてはメーカサイトでどうぞ。

 で、こんなものをこのタイミングで買った理由は、コレのHDMI出力をBenQのディスプレイに繋いでTV代わりにするため。
 無事にTVとして実際使えているので、実際機械として問題はありません、はい。

 とはいえ・・・使った印象が%TITLE%なワケでして。

 何故って・・・「想定の範囲を超えてこれは酷い」と思ったこと。
 兎に角操作系がグチャグチャ。

 機能満載ということ自体は嬉しいのだが、操作やデザインに統一性が無く、リモコンボタンも多過ぎる割には、いちいち画面の操作ガイドを確認しないと次の操作でどのボタンが有効かが分かりにくいため、圧倒的に使いづらい。

 ・・・いわゆる「デザイナー」に仕事させればもっと普通に使い易くなるだろうし、「技術屋」に仕事させれば面倒かもしれないが論理的には筋が通る操作性で仕上げてくる筈。
 何このヘンテコな、もう少し詳しく言うと「普通に使いにくい上論理的にも意味不明」な出来上がりは。

 ♯ちょっと前の東芝のケータイは使い易かったんだけどなぁ・・・。

 逆に、USB HDDでの容量拡張とか、低価格機にも関わらず機能が充実しているところはさすがマニア向けというかなんというか。
 他社製品で機能充実モデルというと普通BDが付いているし、HDD容量ももっと上なので、値段が結構違うのよね。
 そういう意味では自分的には悪くない選択だった、ということは間違っていないと思うのだが。 

 少なくとも東芝RDは家族や一般人には勧められません、当方には。
 操作が分からなくなってドはまりするのが目に見えてる。 

 自分は・・・まぁ、このヘンテコな操作性には慣れるしかないか。
 幸い「録って見て消して」以外やるつもりはないので、あちこち触ることはないだろうし。

 ◇

 最後に、一点だけホントに本気で想定外だったこと。

 内蔵チューナーの感度がもの凄く悪い。地デジではブロックノイズ、アナログではスノーノイズ出まくり。
 ちょっと前まで置いていたいわゆる「アナログ」TVでは、ノイズなど出てなかったのだが。
 これは・・・ブースター居るのか?

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