愛すべきジャンク箱からただのゴミ箱へ。

 ん~、ニコ動、そんなにカネが無いのか。
 いよいよニコ動がただのアップローダになるな。

 >http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/07/02/20130.html
 ニコニコ動画、MAD動画を含む著作権侵害動画の削除対策を発表
 >http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/07/03/20137.html
 ニコニコ動画、削除動画に権利者名表示へ
 >http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/04/news134.html
 ニコ動「MAD」削除 ひろゆき氏「問題ない」、小林社長「現時点での妥協点」

 記事見て3秒後の印象は、こんな感じですかね。
 まあ、いいんじゃないでしょうか。相変わらずの狡猾さだが、論理的によく考えられたシナリオですよ。

 まず、ビジネスの方向として、間違っていないと思う。
 ユーザは付いてこないと思うけど、それが狙いなんだろうし。

 そして、アクティブユーザが減るということは設備投資も減らせる。
 残ったアクティブユーザは相当「忠誠度」が高い筈だから、色々商売をするにしても都合が良いだろうし。
 しかもコンテンツが現行法でシロなものばかりになるので、対権利ゴロという意味でも立場が強くなる。

 おまけに今回の削除云々という話、ニコニコ側から権利者に
 「お前らOKとは言い様が無いだろ、だからお前らは当然NGって言うよな」
 と吹っかけておいて
 「以上によりウチは仕方なく削除してるんだ」
 とまぁこういう論法でしょ、権利者名まで表示して。

 頭いいよな、コレ。
 五月蠅い連中にターゲットロックオンされるのを見事に回避した上、保持コンテンツの大幅削減が狙える。

 今回の騒動のシナリオ考えたの、(このテの立ち回りについては天才的な)ひろゆきなんじゃないだろうか。
 本人もコメントでMADをMADたらしめる最大の特殊要素である「素材そのものが持つ広がり」をわざと無視してすっ惚けたフリしている辺り、そんな風にしか思えん。

 ◇

 まぁシナリオがどうのというネタは横に置いといても、今回の騒動で、一つだけ注意しておくべき、とても重大なこと。

 例えば同人誌等の「灰色の世界」は色々問題も引き起こしているが、多少なりともメリットもあることは権利者側も認めざるを得ない部分があるので、「敢えて灰色のまま」にされている面がある。
 今時、同人誌の一つも出さないでプロデビューする作家なんてそうそう居ない。

 MADでも、もしかしたらこの「敢えて灰色のまま」という対処法が双方一番幸せだったのかも知れない。
 が、既にその選択肢は叩き潰された。ニコ動によって。
 そして、灰色の世界で育つクリエイター予備軍の育成環境は、結局ニコ動出現以前の時代に巻き戻された。

 こんなことぐらいは、覚えておいても悪くないと思う。
 確かにニコ動は「あさっての方向に進歩」しているらしい。・・・ってやっぱひろゆきか。

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