さて、WWDCが終わりました。
iOS 7はどうでもいいとして、絶賛放置中だったMacProラインに新機種の話が。
・・・何このNUCの親玉。
これが当方最初の感想。
そして、しばらく時間が経って漸くこの妙な既視感が「G4 CUBEってあったよね」ということに気が付く。
そっか・・・そっち行っちまったのか、Appleは。
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しかし・・・これは所詮人寄せパンダ的ネタ製品で、実際には従来型筐体の新機種も出るんだろうね、きっと。
だってこれ、今まで一番Apple税を納めてくれていた純プロ&プロシューマには「使い物にならない」んだもの。
CPUとGPUはそこそこだろうけど、それ以外の部分、つまりIOが致命的にダメ過ぎる。
4枚しかないDIMM?それでメモリどうしろと。
QuadRankの32GBなんてDDR3-1333ですらトンでも価格(ちなみに1枚750$程度)だが、合計3,000$払っても128GBしか積めないの?
♯PCなら3000$払えばDual CPUに256GBメモリ付(16GB DIMM×8枚×2CPU)。
20GbpsのThunderbolt2だけってのも足周りとして致命的に遅過ぎる。
これPCI-Express 3.0だとたったの2.5レーン分。帯域占有しても実効では2GB/Sがせいぜい。
ここにストレージと4Kビデオストリーム(6G-SDI=6Gbit/S=750MB/S)を両方流せと?正気か?
♯PCならPCIe 3.0 x8の4本にGPU+GPU+SAS RAID+6G-SDI IFで、GPU2枚挿しでもストレージ6GB/S+6G-SDIの2ch (合計1.5GB/S)の帯域確保。
もし万が一新MacProがコレだけだとなったら、俗に「クリエイター」と呼ばれる人の大半はMacを捨てるしかなくなるでしょうな。
そんな状況になったら損するのはAppleだけなので、だからこそそんな状況にはならない、と個人的には思っているのだが。
まぁうっかり万が一になったら、それはそれでそういう風景を見てみたい気もするが、そしたらいよいよMacってただのオサレパソコンだわな。
そしてただのオサレパソコンはそのうちスマホとタブレットに喰われていくことに。だって大多数はスマホかタブレットで十分なことしか実際にやってないんだもの。
・・・iPad売りたいのは分かるけど、単価の桁が違うんだから高い「パソコン」も売った方がいいと思うんだけどねぇ。
◇
で、そんな風につらつらと思ったのが「あでもそれってNUCの思想そのものだよね」ということ。
Intelは昔から兎に角「足回り」を軽視する会社であると同時に、「足回り」にコスト(カネだけでなく消費電力等も含めて)がかかることもよく知っている会社。
NUCの思想は正にこの「足回り」を最低限に抑えることで、小さい筐体や相対的に高い演算パフォーマンスを実現している。
とはいえ、その方向に振り切ってしまうのはPCの自殺行為だと思うのですよ、自分はね。
というも、最終的にPCがタブレット等と差別化出来る部分はこの「足回り」=「拡張性」しかない、というのが当方の持論なので。
そしてこの差違こそ、多くの「クリエイター」がPCに求める性能、PCが道具たる所以そのもの。
確かにThunderboltは「従来のIFと比べれば」速いし、それで十分な用途もいっぱいある。オーディオとかせいぜいHD程度の動画(HD-SDI=1.5Gbps)なら不便しないでしょう。
けれども他のIF(PCI-ExpressやSAS等)も進歩しているし、その進歩のおかげで初めて実用的になる場面もいっぱいあるということ。
そういうものを積極的に取り込んでいかない限り、タブレット陣営にPCは対抗出来ないでしょう。
逆に言うと、当方はNUCのようなコンパクト筐体はヲタクのオモチャにはなるにしてもメジャーにはならないと思ってますよ。
そしてPCのシェア自体はどんどん下がり、一昔前の「趣味と本気仕事の機械」という位置づけに戻っていく。
PCを持っているだけでヲタク扱いされた、あの時代の再来でしょう。
逆にタブレット(若しくはそれっぽい端末)は持っていないとお役所手続きすら出来なくなり、ヘタしたらお役所で配ったり、市町村の公営Wi-Fi APなんてのが出来るかも。
既にその一歩手前まで寄ったような事例も見かけるし。
◇
ん~まぁ、いつも通り取り留めのない記事になってしまったが。
取り敢えず強引にまとめてみる。
PCの一番のウリは拡張性の筈なのに、それこそがクリエイターの道具たる所以だというのに、仮にもクリエイター向けの筈のMacProで拡張性をばっさり切るってどうなのさ
ということで。
#コラ写真は色々あったけど個人的には炊きたて御飯と網焼の焼肉がヒットかな。
あの大きさにあれだけの発熱源詰め込んであれば実は出来るんじゃね(ぉぃ。
はじめましてこんにちは。ECCメモリーを検索したらこちらに辿り着きました
『一昔前の「趣味と本気仕事の機械」という位置づけに戻っていく。』という予測は素晴らしく的を得ているものだと思います。結局PCは一般人には難しいままで終わるのでしょうね
ご指摘のMacProの拡張性次第で新Appleの姿がいよいよ明確になると思います。そしてそれを知ったユーザーも態度を明確にするでしょう。不安と楽しみが入り交じっています
ちなみにコラ写真はメーテルで笑ってしまいしました
こんな辺境のサイトへようこそいらっしゃいました。
>ECCメモリーを検索したら
検索で引っかかるということは、これだけ広大なネットの海ですら当方のようにECC信仰を公言している信者は希少種なんでしょうか。
まぁそれは兎も角。
先日の発表された最新の総務省の調査結果でも、スマホ/タブレットの伸びに対してPCが少しずつ影響力を落としている様子が数字で見えていますし、PCは既に「適正市場規模」へ向かっていますしね。
そして、そういう時代の流れをiPhone&iPadで牽引しているAppleが出してくる「PC」という意味でも、新MacProがどうなるのか、そして従前のMacユーザはどう行動するか、興味深いところではあります。