Supermicro X9SCM-F ファーストインプレッション。

 ということで、3TB問題が漸くクリアになったので。
 今更ですがファーストインプレッション、行きますよ。

 ・全体

 実に素っ気のない、あっさりしたマザーでございます。
 特別な部品も特になし。箱も使い回しだし。添付品もSATAケーブルぐらい。
 PCIスロットが1本も無いってのは未だ少数派、ぐらいでしょうか。

 ちなみにマニュアルの製本の仕方を見ると、軽く30年ぐらいはトリップした気分になれます。つーかこういう製本、まだやってるんだ・・・。

 ・CPUソケット

 デスクトップ向けではまず見ない位置にCPUソケットが付いてます。
 なのでコレ、CPUクーラー選択には注意が必要ですよ。
 通常のデスクトップ品では信じられないようなトコで干渉したりするするかも。

 ちなみに自分はScytheのBIG SHURIKEN 2を買ってみたところ、これがPCIe x8 #1スロットに見事にカブってしまってたり。
 取り敢えず現状では困っていないが、少なくともBIG SHURIKEN 2よりは底面積が小さいクーラーがお勧めです、はい。

 ♯このクーラー、さすがに薄さの限界というヤツで温度が上がってくると急にやかましくなるのね。
  12mmなファンが常時高回転になるような使い方の場合、素直に普通の25mm厚品に交換した方が良さそう。

 ・VGA

 旧Winbond、現NuvotonのWPCM450RA0BX。
 サーバでは定番だし、普通に標準VGAとして認識されるので誰も特に困らないですな。
 映りはまあ・・・だから画質がどうかとかいうモノではないです、はい。

 ♯取り敢えず最近のVGA並の画質はありません。いや本当に。

 ちなみに描画速度はシビレる程の激遅、最近流行りのUSB接続増設アダプタにすら引き離されるレベルなので、間違ってもサーバ動作確認以外の目的では使えないです。解像度はSXGA、64K色まで出ます、一応。

 ・サウンド

 そんなモノありませんが、何か。

 ・バックパネル

 シンプルイズベスト、というかシンプル過ぎますな。それもその筈、サウンドもeSATAもFirewireもDVIもHDMIも無いんで。
 その割にはRJ45のイーサネット用は3つ付いていて、うち1つはIPMI用。
 なんというか、サーバマザーであることを象徴するようなシンプルさと構成です。

 とはいえ、USBコネクタが2つしかないってのはさすがにやや微妙なような。せめてあと2つ付けて欲しかった。
 マザー上には内部ピンヘッダならあるので、昔懐かし「USBブラケット」が手元にある人は有効活用出来まっせ。

 ・BIOS

 BIOS(UEFI)とIPMI Firmwareは購入後直ちに最新版に更新すべき。
 どちらも初期導入モノは結構な「病気持ち」っぽいんですよ。

 特にIPMIの方は、初期導入モノでは「通信が切れまくる」「操作が何故か反映されない」等の致命的とも言える病気を持っていたりするので、Firmware Updateは極めて重要ですよ。
 またBIOS(UEFI)の方もあちこち細々と改善されているようで、極めつけは「設定モードに入りにくいのが改善されている」という辺り、やはり重要度は極めて高い。

 で、Updateした後のFirmwareについては、初期導入モノとは別製品なんじゃないかってぐらい安定してますな。
 そして手にしたのは市販サーバと肩を並べるリモート管理機能・・・電源制御と状態監視は勿論のこと、仮想KVMと仮想USB接続を駆使すれば、BIOS設定からOSインストールまで「IPMIにLANさえ繋がっていれば」出来てしまう。

 ♯ちなみにJava製の仮想KVM Clientには「ATEN」の文字が。へ~、WPCM450って中にATENのコード入っていたりするのかね。

 ・結論。

 いい買い物でした、えぇ。
 フルリモート管理可能でド安定なサーバーマザーがこの値段で買えるなんて、いい時代になったものですな。

 コンパクトなHyper-Vホストや、ちょっとした鯖なんかには最高のマザーだと思いますよ、コレ。
 1220Lで超低消費電力サーバを狙う、当方のように1260Lで消費電力と性能のバランスを探る、或いは1290でぶっ飛ばす。
 どのCPUにもかなり「ちょうどいい」感じですな。
 2本あるCPU直結 x8 PCIeにはRAID HBA+10Gb Etherってのがお似合いの組み合わせですかね。

 願わくは・・・いくら何でももう少しXeon値下げしてくれても良くね?>Intel

 とまあ、こんなところで。
 「個人では」初めてのSupermicroマザー、X9SCM-Fのファーストインプレッションでした、はい。

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