LGA1156で再度発揮されるIntel臭さ(悪い意味で)。

 さて、世間ではLynnfieldは割と評価されているのですかね。
 取り敢えず深夜販売で警察が出てくるのは予想外だったのだが。

 それは兎も角として。
 Lynnfield、やっぱこれ「悪い意味でのIntel風味炸裂」だなぁ、と。

 具体的には「頭でっかちで足腰が弱い」ということ。
 IntelのCPUは昔からこういうモノが多くて、コア自体の性能は悪くないのにFSBやメモリといった部分が足を引っ張りまくってコア本来の性能が出ていないものが余りにも多く、一種「伝統」ですらあったりする(と個人的には思っている)。

 とはいえ、時々はその「伝統」を打ち破るブツが出てくるわけで。
 最近はそれが正にBloomfieldだったワケですよ。

 #アプローチは全部AMDのClawhammerの後追いなのだけど。
  x86-64といい、Bloomfieldはこの頃のAMDのウリを全て取り込んでいる、と。

 何しろコア内蔵メモコンは3chと奢っているし、HyperTransportならぬQPIという広帯域・低レイテンシインターフェイスでCPUとI/Oを接続しているだけあって、帯域という意味でも抜かりはない。
 更に、AMDには無いHyperThreadingまで積み込んで命令処理効率もぐっと向上・・・あ、SMTって呼んでたっけ(注:全く同一、名前の違いは純粋なマーケティング上の都合)。

 #というか、ちょっと前まで主流だったXeon 54xxと現行Xeon 55xxって性能差あり過ぎますがな。特にVMとかDBとかの「得意モノ」相手にすると、実アプリベースで処理速度2倍とか叩き出したりするんでホント、タチ悪過ぎ。

 そういう意味で、コスト以外の弱点が無いのがBloomfieldなワケであり。
 広帯域信者、High-Throughput Believerとしても文句付けようがないんですな。

 #XeonでないとECCが無効にされているとか、最上位以外はそのQPIのリンク速度が落とされてる(6.4Gtps=12.8GByte/s→4.8Gtps=9.6GByte/s@片方向。ちなみにPCIe2.0のx16は8GByte/s@片方向)とか、気に入らない部分は多数あるけれど、アーキテクチャ自体の出来はいいんだよなあ、困ったことに。

 ところ・・・が。
 Lynnfieldでは、その「帯域」がDMIのせいでとても残念なことに。何しろDMIの速度は「全二重で」2GByte/s。PCIe 2.0では僅か2x相当の速度しか無い。

 ♯PCIeでは片方向速度で記載するのが普通(PCIe 2.0ではレーン当り500MByte/s)なのだが、構造的にはTxRx分離なので「伝統的な全二重の考え方で記載すると」1GByte/sとなるのね。

 だというのに、Ibex peakことP55には、SATA 3Gbps 6ch(合計2.25GB/S)+Dual EHCI(合計120MB/S)+PCIe 2.0 x8(合計8GB/S:但し1ポートはGbE MACに割当可能でこの場合は7.7GB/S)とまあ、合計10GB/Sを超えるI/Oが装備されているワケですよ。ナンですかコレは。

 実際、DMIの限界って既に見えているワケで。
 例えばICH10RにRAM DiskやSSDを使って6ch RAID-0組んでも、途中までは接続台数に応じて速度が上がるのに700MB/S程度で頭打ちで、それ以上はどう頑張っても速度が上がらない、なんてのは典型例。
 現時点でこんななのに、登場目前のUSB3.0とSATA 3.0をIbex Peak側のPCIeに突っ込んだら、果たしてどうなることやら。

 まあ確かに、コア直結のPCIe 2.0 x16があるから、イロイロしたければそちらに繋げば、という話なのだろうが。x16かx8+x8しか選べない、という時点で使い勝手としては相当アレだし。

 #USB3.0+SATA3.0でPCIe 2.0 x8なんてコンボカードが流行ったりして(笑。

 取り敢えず、普通の人が今日のスペックで普通に使う分には足りるように見える、のだろうけど。
 ちょっと未来を見た途端とってもアレなブツに見えるのは自分だけではない、と信じたい、そんな今日この頃でしたとさ。

 #構成的には全く同一でも想定用途からGPUやUSB3.0を考慮する必要がないXeon 3400系用としてなら、プラットフォームとしてバランス悪くないと思うのだけど。SAS RAID+10Gb Ethernet or 8Gbps FC、が丁度良く収まるし。

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