ということで、Buildの詳細レポが出てきたので個人的にWindows 8絡みの感想でも。
ホントはTechnology Previewを突っ込みたいんたが、現在空いてるハコが無いもんで・・・。
・WinRTというトロイの木馬。
WinRTってのは結局NTカーネル上で動く「仮想アプリ動作環境」そのもので、目標点はJavaと、着地点はAdobe AirかSilverlightと一緒。レイヤ1枚被せてみました、と。技術的には別に驚く程のものでもない。
とはいえこのWinRTの効果というか威力は絶大。何よりMicrosoftは、ここをさくっと拡張することで非WindowsアプリすらWindows上で動かして見せる、ということまで出来る土台を手に入れたのだから。
例えば、それこそWindowsPhone用のアプリをWindows上で動かせるようにすることすら全然難しくない。もちろん裏ではバイナリトランスレータなりWindowsPhone VMなりがワシャワシャと動くのだろうが、そんなモノはユーザからは見えないバックグラウンドなのであって、ユーザからは同じアプリが同じ「METROスタイル」で動いているように見せられる。
・ARM版Natvie Binaryは存在する。
結局やっちゃうのね、ARM版Binary。
とはいえ、InstallerはFAT Binaryになるのかどうかについては良く分からん。但しMSがWindows関連でOSリソースをここまで気にしているのは初めてなので、必然的にBinaryがデカくなるFAT Binary導入には消極的なのかも。
現状見た感じ、ARM版Binaryは「割と特殊」という立ち位置になりそうなので。ならば「インストール媒体が違う」という運用でも何とかなるかと。
・ARMのハードウェアはもうひと頑張り。
ハードウェアが全然追いついてないやん、というツッコミは「あと一年あれば追いつける」という実にアレな答えが「Solution」(=解決策)らしい。何だソレは。
逆に言うとあと一年後のARMハードウェアは現在とは一線を画す程度の性能を実現している(予定)ということで、それはAppleなりAndroid陣営にも条件は同じワケで、さてどうなんだろう。結局「Windowsは重い」というのは相対的には変化無いワケだし。
・Hyper-V 組み込みは大歓迎。
2008 Server R2に積んでるHyper-V 2.0も1.0に比べるとかなりマシでまぁ十分使い物になるレベルなのだが、更に進化したブツがデスクトップOSであるWindows 8に搭載となると、これはかなり良さげ。
デスクトップOSのGUIとHypervisorが共存出来るってのは、一見地味だが実はかなりポイント高い。
#2008 R2の「Desktop Experience」はWindows 7の代替にはならないでっせ、実際問題として。
ちなみにもう一つ、Hyper-Vが組み込まれるというのは実はWindowsの内部構造に大変革が起こるということ。
Hyper-Vの下では全てのハードウェアレイヤが仮想化されるということで、これは最初にインストールされた標準OS(要するにHyper-V 管理コンソールのあるOS)も例外ではない。2008 Serverでは既にそうなっているが、ついにデスクトップOSも。
これどういうことかというと、標準OSと一緒にしれっと別OSをインストールして、標準OSと同格として動かすことが可能ということ。
極端なこと言うと、従来との互換性を全て捨て去った新OSと従来Windows OSそのものを一緒にインストールして、新OS上からシームレスに使うなんてことすら出来てしまう。
・・・もしかしてMSは最終的にコレを狙ってる?
・従来型デスクトップからスタートボタンが消えた?
現デスクトップはWin8ではMetroスタイルと切替えになるらしい。それ自体はまぁそうですか、という程度なのだが、現状のUIでは大問題が一つ。
というのは、要するにアプリを起動するのがエラい面倒だということ。
現状のWindowsのUIは「スタートボタン→アプリ一覧→起動」という構造になっていて、それぞれが隣接しているため、見かけのデザインは兎も角として、スタートボタンからアプリ起動までが「一連の流れ」になっており、ポインタの移動量も必要最低限になっている。
ところがWin8 UIではこの流れは見事に左右にぶった切られ、左のボタン→右のパネルとポインタを動かしまくりないとアプリひとつ起動出来ないらしい。・・・ダメだろそれは。
別にスタートボタンに固執するワケではないのだが、アプリの一つぐらいちょいちょいと起動させてくれよ、と。
#何かレジストリいじると旧来型のボタンが出てくるらしいが、結局ソレが解決策なのか?
◇
全体的にはかなり印象は悪くないのだが、どうしても引っかかってるのが最後に書いた従来型GUIの「スタート」部分。
取り敢えずコレさえどうにかなれば、Windows 8への移行も悪くないかなぁ・・・と。
特にHyper-V標準装備、の辺りはかなりポイント高い。Hypervisor仮想環境の便利さを一度知ってしまうと後には戻れません、はい。
#個人的にデスクトップPCでMetroスタイルはあんまり使いそうにないけれど。