メモリ帯域は偉大だ、という話。

 または、SidePort Memoryだけでは苦し過ぎるというお話。

 さて、AMDの7×0/8×0系のIGXではお馴染みのSidePort Memory。
 128MB程度がオンボードに乗っていて、コレがあると無いとではビミョーに性能が変わるという。最近では搭載しているのが当たり前。

 #・・・かと思ったら、785Gから880Gに世代交代してまた採用率が下がっているような?ビミョーな性能とコストを天秤にかけて、コストが優先されてるのかね。

 ところで、一部のマザボではSidePort Memoryを使うかどうか、或いはUMAを使うかどうか、ということをBIOSで設定が可能なんですな。

 さて、ここからが本題。

 128MBもあればWindows 7でAEROも使用可能。Full HDの2枚表示でも問題ない。
 そこで、モノは試し。790GXをSidePort Memory「だけ」で動かしたらどうなるか、ちょいと試してみた。
 といっても、ポイントはベンチマーク値ではなく。そんな分かり易く数字が下がるのはどうでも良くて、「体感で」分かる程の差が出るかどうか。

 ちなみにSidePort MemoryはDDR-667MHzとクロック数だけは高いが、帯域は僅か「16bit」。
 同世代のRadeon 3450(とその後継の4350)がDDR-500MHzとはいえ64bitの帯域があるのと比べると、1/3という。

 ◇

 実際にBIOSで切り替えて少し使ってみた。

 ビジネスアプリでは・・・ほぼ違いは分からない。
 といっても全く分からないというワケでもない。画像をやったら貼ったExcel画面のスクロールや、画像とFlash満載のサイトをFirefoxで開いている時なんかは、体感で明らかに違いが分かる。
 逆に、そういう画像べったりモノ以外では、ほぼ問題ない。

 #16bitという帯域はダテじゃない。
  とはいえ、AEROそのものって意外と軽いやん。Vistaってなんであんなに重いんだ?

 で、これで課題がクリアになるかと思ったら・・・世の中そんなに甘くなかった。
 劇的にダメになるモノがあったんですわ。もうボロボロという。

 それは何かというと、「動画再生」。

 SidePort+UMAでは余裕だったFull HD再生が、SidePort Memory Onlyでは全く無理。
 フレーム落ち、ガクガク、時間軸ズレ、挙げ句にはフレーム逆転。全く見られたモンじゃない。

 それではどこまで画面を縮小すれば再生が間に合うかと試してみると、倍率50%ならば何とかギリギリ正常に再生出来る様子。
 うーん、SidePort Memoryの帯域ではこれが限界か。

 ◇

 結論。
 SidePort Memory Onlyってのはナシだよね。

 ・・・それは良いのだが、一つ気になることが。
 今回の実験で、DDR2-667MHz/16bitの帯域でまともに動画再生が可能なのは960×540程度が限界、ということが判明したのだが。

 ここから逆にFull HDで必要な帯域を計算してみる。
 Full HDは縦横2倍=面積比4倍のため、メモリ帯域もこの4倍必要。

 ということは、Radeon HD 3450と4350は単体VGAにも関わらず、メモリ帯域が不足してFull HD再生はおぼつかない、ということでは。

 こう考えると、最新のRadeon 5000シリーズから5350という型番のローエンド品が無くなったのも当然かも。
 現在ローエンドの5450はDDR3-800MHz/64bitが一応リファレンスということになっているので、SidePort Memoryの約5倍の帯域。
 コレなら取り敢えずFull HD再生でも問題ない計算になる・・・あまり余裕も無さそうだが。

 ついでに、ローエンド5450にはDDR2-400MHz/64bitなんてモノも転がっているが、これでは明らかに帯域が不足ということに。
 Blu-rayをまともに見たければ、5450でもDDR3採用モデルを選びましょ、と。

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