この頁では、実際に取得してしまった後の、共有サーバや専用サーバを借りる場合について解説します。
/ ドメイン、持ってみませんか / その10 – 08.09.01
そもそも「色々」って?
さて、このページでは折角のドメインを色々活用してみたい人向けに解説をしていきますが、その前に。
そもそも、転送では出来なくてサーバを借りれば出来ること、って何でしょう?
実はこれも色々とあるのですが、簡単なところでは以下のようなことが出来ます。
広いWeb空間
大抵のプロバイダのWebスペースは未だに50Mだ100Mだなんて言ってますが、レンタルサーバでは最低でも数百MB、少し大きなものになれば1GBなんてのが当たり前。
部屋は広い方がいい、これ常識です。
メールアドレス・サブドメイン複数設定
ドメインは「@なんとか.だよ」の部分なので、@より前の部分については自分で好きなだけ作ることが出来ます。
例えば「普段用@なんとか.だよ」「懸賞応募専用@なんとか.だよ」みたいに。
同じように、ホームページの方も複数を作ることが出来ます。
この場合、URLは「http://なんとか.だよ/」の他に「http://ケータイ用.なんとか.だよ/」とか。
高性能ログ解析
そこらの無料レンタルとは比べものにならない、正確なログ解析が大抵のサービスには付いてきます。
どんな項目が注目されてるか気になる人には是非どうぞ。
高機能CGIの使用
ドメイン名まで自分のものということで、使えるCGIの幅が広がります。
そして更に、プロバイダのメールアドレス追加サービスとかホームページ容量追加サービスなんかをうっかり使っている場合、ドメイン取って共用サーバー借りた方が値段下がって容量倍増、なんてこともあったりします。
ステップアップ – 共用サーバ(バーチャルドメインサーバ)
ということで、共用サーバです。
共用サーバとはその名前の通り、1台のサーバーを数十人で共用するサービスです。言うなれば「マンションの一部屋を借りる」といったところでしょうか。
また、一つのサーバがいくつものドメインを(仮想的に)持っていることから「バーチャルドメインサーバ」とも言われます。
このサービスには大きく分けて4つの系統があります。 以下、ざっくりまとめてみます。
レベル | ウリ | イマイチ | お値段 |
有料レンタルサーバ | 充実のサービスメニュー | いいサービスにはいい値段 | 年¥2,000程度~ |
パックメニュー | 手軽に始めて維持もらくらく | サービス内容はレジストラ次第 | 年¥4,000程度~ |
有料オプション | 割安、これ正義 | サービス内容よく確認して | 年¥3,000程度~ |
無料サービス | こんなに使えて何故にタダ | 評価は使い方次第 | 年¥0 |
こんな感じで。
有料レンタルサーバを利用する
ザ・王道。
レンタルサーバを商売にしているネット屋さんから、サーバを借ります。
分かり易く、王道です。餅は餅屋。
プランや追加オプションメニューが充実しているのが、このサービスの特徴です。
個人ユースで定番の業者といえば、大阪のさくらインターネットが断トツですかね。
他には東京のlolipop(ロリポップ)、CSIDE(これで「シーサイド」と読みます)辺りなんかも。
#ロリポップのサイトは色々とセンスが凄いですが、別に怪しい会社ではないですよ、念のため。
お値段は。
個人ベースで使うなら、大体¥6,000/年、ぐらいを見ておけばいいと思います。
勿論、使い方によってもこの値段はだいぶ変わります。
日常的に使っているのはメールとblogだけ、なんて場合は、例えばさくらインターネットの最安値プラン(¥1,500/年!)で用が済んでしまうかも知れません。
もちろん、ケースによっては逆により上位のプランが必要になるかも知れませんので、そこはお忘れなく。
レジストラのセットメニューを利用する
幕の内弁当。
レジストラの多くはレンタルサーバも商売にしています。
というか、レンタルサーバ屋がレジストラもやっているところが多い、というのが正確な言い方です。
なので当然、そのようなレジストラでもサーバを借りることが出来ます。
このようなレジストラのサーバレンタルでは、「ドメイン」と「サーバ」のセット売り「も」しているところが大多数です。両方セットで月¥いくら、みたいな。
また、明確にセット売りを謳っていなくとも、レジストラでサーバレンタルを申し込むと事実上のセット売りとなり、ドメイン管理等の面倒な部分を全てレジストラが代行してくれる所が大多数です。
もしあなたが契約したレジストラにそのようなメニューがあれば、「ドメイン」と「サーバ」のセットメニューを利用することも出来ます。
この種のサービスのアドバンテージは、申し込むのから使い始めるまでが兎に角お気楽手軽だということです。
大抵の業者で、ドメインの申し込み(新しく取得する場合)からサーバのセットアップまで一括してやってくれますので、後はもう使うだけ、です。旅先のことを何も知らなくとも申し込めば連れて行ってくれるパックツアーと感覚としては大差ないですね。
また、初心者&横着者に嬉しい、各種管理ツールも標準装備の場合が殆どです。
お値段は。
この種のサービスはレジストラによって値段もサービスもバラバラです。
個人向けの廉価なモノ(月額で¥500円以下)から、本格ビジネスユースでそれなりの料金を取る(月額でも¥5桁とか)ものまで、どのようなサービスメニューを揃えているかはレジストラの個性ということです。
なので、もしこのようなサービスを使うのでしたら、申し込む前に今一度、本当に自分の使いたい方向性と合致していることを確認して下さい。
広告挿入型サービスの有料オプションを利用する
安いよ安いよ。
無料Webサービスなどを展開している会社が、オプションとして提供しているサービスを利用する方法です。
国内でこのサービスをやっているのはValue-Domain(XREA)ぐらいしか見当たりませんが、海外に目を向けるとそれなりの数の会社が提供しているサービスです。
何しろ国内では有名どころがこのサービスを提供していないので、こういうサービスの存在自体知られていないのが、最大のネックでしょうかね。
お値段は。
このテのサービスの一般的な特徴として、低価格ということが挙げられます。
相場としては¥3,000~¥10,000/年(円換算)といったところでしょうかね。
もともと広告配信型の無料Webサービスの延長線上として生まれてきた経緯から、お財布に嬉しいサービスとなっています。
で・・・普通はお財布に嬉しい分出来ることも限られているのですが、時々例外もあるようでして。
前頁でも取り上げたValue-Domain(XREA)の場合、年間で¥2,400(年契約の場合)という値段で高機能なサーバを活用することが出来るようになります。はっきり言ってこの値段、格安です。
但し・・・例によってここは「Do It Yourself」の要素がかなり大きいのでして。電話サポートなんてものは当然存在しません。
その辺りを了承出来るのでしたら、かなり使いでがあります。S.Kaz的にも、お薦め出来ます。
#当方の主観では、前述した有料レンタルサーバで¥20,000/年払う程度のサービスとは同レベルだと思ってます。電話サポートが無い以外は、ですけど。
要注意。
但し、このテのサービスを申し込む時には重大な注意点があります。
というのは、YahooやInfoseekといったところでやっている有料オプションは「有料Webスペース」+「転送URL」であって、「バーチャルドメインサービス」ではないということです。
ということはつまり、サーバを借りてるからこそ出来る色々な「メリット」が一つも使えない、ということです。
折角おカネを払うのですから、こういう紛らわしいサービスには気を付けましょう、いやマジで。
国内でこの形態で「バーチャルドメインサービス」を行っているのは、当方はValue-Domain(XREA)しか知りません。
無料サービスを利用する
無料、ですから。
最後になりましたが、ある意味とんでもない選択肢を。
レンタルサーバ代等は一円も払わずに、且つドメインのメリットを活かそうというのです。
そんなムチャな選択肢が・・・存在するのですよ。
勿論、サーバ代を払っている場合とはある程度待遇に差がつくのは仕方ありません。
但し、その待遇差も、使い方次第では全くハンデでなくなったり、逆に無料サービスの方が優れている項目があったりもします。
タダだから大したことない、なんて思っていると損します。
いや、冗談でもなんでもなく。
「メールにBlog、あとちょっとしたWebさえあればいい」なんてライトな使い方しかしないなら、ドメイン代以外1円も払わずに独自ドメイン生活が出来る時代なのですから。
・・・というか、ホント凄ぇ時代になったなあ・・・(←年寄りモード)
従来型レンタルサービスタイプ。
それでは、どのようなサービスが実際に存在するか。サービスタイプは、大きく2種類に分かれます。
一つは、従来型のレンタルサービス。もう一つは、新世代の統合サービス。
まずは分かり易い、従来型から行きますか。
[ Value-Domain ] 無料Webサーバ
従来型のレンタルサーバサービスの形態として独自ドメインを無料で使えるサービスとしては、現在のところこれぐらいしかありません。
但し、自社(Value-Domain)にてドメイン取得をした場合という限定が付きます。事実上、ドメイン登録サービスのオマケですね。
これ実は、一つ前の「有料オプション」項目で登場したサービスを、オプション無しで運用することです。
広告が入ったり、容量に割とキツめの制限が付いたりしますが、それでも自由度が高いサーバがタダで借りられてしまうのです。
申し込みは簡単です。Value-Domainのログイン後の画面にメニューがあるので、そこからちょいちょいと操作すればオンラインですぐ有効になります。
後はもう、普通に使うだけ。
[ Seesaa Blog ] 無料Blogサービス
乱立しまくった挙句今や各社共に収益に苦労している無料Blogサービスですが、このSeesaa blogは有名処で唯一、タダで独自ドメインを設定することが出来ます。
設定も簡単ですし、大したことを書いていないブログにしたって、自分のドメインで表示されると「なんとなくカッコイイことしてる気分」になれますよ。
ついでに、Seesaaといえばアフリエイトが有名ですので、上手くすればお小遣い稼ぎが出来るかも知れません。
新世代統合サービスタイプ。
一方、新世代統合サービスというと、こちら。
[ Google Apps ] →メール・Wiki(Web)・カレンダー・Docs
[ Microsoft Office Live Small Business] →メール・Web・予定表・コンタクトマネージャ
Google vs Microsoftという分かりやすい対決構造です。まぁおかげで、これだけのものがタダで使えるのですが。
どちらも独自ドメインで色々タダで使えるサービスですが、中身は結構違います。今のところどちらも一長一短。
このサービスについては別頁にまとめてみましたので、興味があればそちらをどうぞ。
- [ コラム3:Google vs MS on the Net ] – タダ対決。
それでも足りなければ。
まあ、大概の人はこれで満足すると思います。
転送と違って、ドメイン名を使う大抵のことは出来ますので。
ですが、もし貴方のサイトが大人気になってアクセスが殺到するようになると、共用サーバから追い出されることがあります(滅多に無いことですが)。何故かって、貴方のサイトは既に「マンションの一室」に収まるようなレベルではなくなってしまったからです。
そうしたら、覚悟を決めて下の「専用サーバ」に逝って下さい。
専用サーバ
一国一城の主、念願のマイホーム。サーバを1台まるごと自分のモノとして使えます。
何しろ自分のサーバなので、他人に迷惑かけなければやること好き放題。
しかし、その分値段的にもいい感じになります。相場は「最廉価コースで1万円/月」、上を見れば青天井。
それに、何か起こった時(サーバがトラブったとか)にも全部自分で面倒を見なくてはなりません。
自分の家がどこか壊れたら、自分で直すか、業者を手配するかしますよね。そういうことです。
もし自分で面倒が見切れないなら、保守サービスを別途頼むことになりますが、当然これもそれなりの価格がついてます。
更にこの「専用サーバ」の亜種のような形で、サーバ自体を自宅に置いてしまうというものもあります。何しろ日本のブロードバンドは世界一速くて安い(個人ユースでは)、自宅にサーバを置いても回線速度が大した問題にならないケースが多いのですな。
但しこれ、サーバをいじること自体が趣味で楽しいという人間以外には到底お薦め出来ません。消費電力、発熱、騒音、その他諸々を考えると、単にインターネット上のサーバが使いたいというだけならば、サーバ業者に管理して貰った方が余程幸せです。
◇◇◇
・・・まぁ専用サーバを持つような人は、S.Kazがここでつらつら書いてることなど「へっ、ドシロートが」とさっくり無視するぐらい知識も経験も普通は持っていますので、これ以上は触れません。
ですがまぁ、こういう世界もある、ということで。