この頁では、巨頭衝突を真面目に比較してみます。
/ ドメインこらむ / その3 – 08.09.01
タダを使いこなせ。
Google vs Microsoft。巨人がネット上で激しく衝突した結果引き起こされたドラスティックな変化の一つに、Gmailに象徴される「機能豊富なWebアプリがタダで使えるようになった」というものがあります。
そしてこのドラスティックな変化は、ドメイン界にも革命をもたらしました。
それまで「独自ドメイン」とくれば「追加料金」が当たり前だった世界に、突如「独自ドメインの持込タダ」という巨大サービスが誕生したのです。
しかもこの巨大サービス、ヘタな有料サービスよりよっぽど使える出来だというから、穏やかでない。
という訳で、このページでは。
主として個人、若しくは少人数グループ(家族・同人等)が非商用で使うことを前提に、Googleのタダ「Google Apps」とMicrosoftのタダ「Office Live Small Business Edition」の、サービスの違いについて見てみましょう。
#ちなみに管理人はどちらのアカウントも持っていたりします。
チェックポイントは以下の通りです。
- メール
- Blog
- Webサイト
- その他
それでは、対決スタート。
第一対決:メール
Gmail(2008.09現在7GB/アカウント。常時増加中) POPおよびIMAPアクセス対応 |
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Microsoft | Windows Live Mail(2008.09現在5GB/アカウント) Outlook Connector使用可 |
確か管理人がGmailのアカウントを取った時は1GBで「何だこのギガってのは」とか思ったのですが、今じゃ7GB。片や対抗する形のMSは5GBを打ち出してきました。
大容量化がここまで来ると、通常の個人メールやり取りでは冗談抜きに一生使い切れません。なので、この容量の違いはサービスの優劣を決める際に全く決め手にならない、と個人的には思います。
但し、メールの使い勝手となると結構違います。これがポイント。
結論:Googleの圧勝。
Google Apps
いわゆるGmailそのまんまですので、設定さえすればPOPやIMAPでのアクセスが可能。
IMAPを使って外出先からメールチェックしたり同期したり、LinuxやWindows Mobileでも全く問題なし。ケータイからも使えます。Gmail用の各種ツールも、殆どがそのまま使えます。
或いは、メールとはOutlook Expressだと思っている人相手にこのドメインのメールアカウントを発行しても、最初の設定さえきちっと出来れば(してあげれば)後は「通常のメール」として使用可能です。
Microsoft Office Live Small Business Edition
専用のOutlook Connectorというツールを使用してOutlookとの連携が取れます。それ以外はダメ。POPもIMAPもありません。
あ、念のため、Windowsに標準で入っているOutlook Expressじゃないですよ。単体でも売ってるしOffice Professionalとかを買うと付いてくる、Outlookの方です。
第二対決:Blog
なし。 | |
Microsoft | Windows Live SpaceのBlog記事を取込可能。 |
結論:Microsoftの優勢、但し場外乱闘でSeesaa blogが勝利宣言。
Google Apps
そもそもGoogle AppsにはBlogサービスがありません。
Blogger(GoogleがやっているBlogサービス)と連携する機能もありません。
それでは全く存在しないかというと、実はGoogle Sitesを駆使すればそれっぽい頁を作ることが出来ます。出来ますが・・・可能か不可能かと言われると、というレベルであって。
つまり、一般的な感覚として「ブログ」はありません。
Microsoft Office Live Small Business Edition
自前でBlogは持っていないのですが、自社サービスであるWindows Live SpacesのBlogを持ち込んで組み込むことが出来ます。
但し、とこちらも付いてしまうワケで。
出来るのはBlogの最新記事(Maxで25)を特定のページに貼り付ける、これだけなのですよ。なので、Blogサイトとして運用するには少々苦しいです。
まぁそれでもデザインセンスさえあれば「これ以前の記事はこちらへ」みたいな感じで元のBlogに上手く誘導してあげれば、ある程度は使い物になるかと思います。
とはいえ、世間一般で言うところの「ブログサービス」を目一杯使いたいなら、独自ドメインがタダで使えるSeesaa blogを使うのが一番よろしいかと。
第三対決:Webサイト
Google Sites:10GB。 Wiki(旧JotSpot)ベースのサイト構成サービス。 |
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Microsoft | Webサイト:500MB。 FrontPageベース、アクセス解析付。 |
結論:Microsoftの判定勝ち。
Google Apps
ここのWebサイトサービスはGoogle Sitesといって、Wikiをベースに開発されたコラボレーションツールの一つです。
つまり、いわゆる「ホームページ」作りにはあんまり向いていない。
アクセス解析も付いていません。必要ならAnalyticsを使えとのこと。
まぁHTMLベタ流し込みとかも出来るので、普通っぽいサイトも作れなくもないですが。
そもそもそういう思想でないので、そういう使い方をしようとするとあまり使い易くはないです。
Wikiが大好きというなら、Google Sitesを試してみるのも良いのでは。
個人的には結構悪くないなとも思ったのですが、いかんせん当方Wiki大好き人間なので。
Microsoft Office Live Small Business Edition
「Webサイト」はFrontPageベースで、GUIのデザインツールがあります。
旧来型の「ホームページ」デザインには、こちらの方が圧倒的に使い易い。
新しい思想等は一切ありません。アクセス解析も付いてきます。
もちろん、普通にHTMLファイルをアップロードも出来ます。
但し、容量は少な・・・って、これだけあれば、普通の使い方なら十分では。
その他の機能
Google Apps
上記の他にGoogle Calendar、Google Docsが自前のドメイン上で使えるようになります。
スケジュール管理と、Web上でのドキュメント作成ツール(ワープロ/表計算/プレゼン)。
とはいっても、これどちらもあんまり公開個人ベースでは使わないのではないかと。
プライベートでCalenderは分かりますが、個人でDocsはどう頑張っても使わないと思いますが・・・。
Microsoft Office Live Small Business Edition
上記の他に予定表とコンタクトマネージャが付いてきます。
予定表というのは例によってOutlook(だけ)と連携するスケジューラですね。
コンタクトマネージャというのは要するにメアドや顧客情報を管理するツールで、お題目通りのスモールビジネス用途として見ると真面目に使い物になります。
但し・・・こちらも、予定表は兎も角、コンタクトマネージャは個人ベースでは使わないでしょうね、これは。
まとめ
実際少し触って見れば分かると思いますが、どちらのサービスも何でこれがタダなんだろうと首を傾げたくなるぐらい良く出来てます。
それに、それぞれのサービスはつまみ喰いが出来ます。
Goolge Appsではサービスごとに有効にするか選択出来、Office LiveでもWeb・メールそれぞれで実際に有効にするかどうかを選択出来ます。
なので、Office Liveでページを作り、メールはGoogle Appsで受け取る、なんてことも普通に出来ます。
更にWindows Live SpaceのBlogが気に入らなければ、BlogはSeesaa blogで、なんてのも。
ここまでやれば、ドメイン代以外は1円も払わないまま、相当色々と遊べます。
いやはや、いい時代です。
#但しOffice Liveはこの辺りの設定が、どこにあるのか分かりにくい(設定自体は簡単)。もう少し画面上のガイド等を充実して欲しいですな。