/ DTM機材メモ / その4 – 08.12.10
キーボードまとめ。
単品で触ってもあんまりメモるネタが無いようなものについては、このように「@まとめ」項目に複数機材をまとめて記載してしまうことにします。
で、この頁はMIDIキーボード。音源無し、鍵盤のみのものをまとめてみました。
DTM入力用
きちんと演奏は出来なくとも、音決めやメロディライン作りには結構使える製品です。
nanoKEY [→メーカーサイト] 実売¥5,000
正にDTM入力に特化した、新世代とも言える小型キーボードです。このコンパクトさと値段はタダモノではない。
キーはいわゆるシンセサイザ鍵盤ではなく、ノートパソコンと同じパンタグラフ構造をしています。なのでキータッチも当然ノートパソコン似。
それでいて演奏に表情が付けられる、イニシャルタッチにも対応しています。
正直「鍵盤」を求める人には全く向かない製品だと思いますが、手軽に入力用キーボードを、という需要にはかなりマッチするのではないでしょうか。
価格も安く、取り敢えず一つ買ってみるか、というのも十分にアリかと。
M-Audio KeyRig25 [→メーカーサイト] 実売¥14,000
割と定番だった25Keyの小型キーボード「O2」(販売完了)にM-Audio印のKeyRigというソフトシンセが付いた一品ですね。
値段はほぼ据置のため、事実上おまけが増えたバージョンアップ版とも。安い、小さい、(あんまり大したものでもないけど)ソフト付。
キーについては良くも悪くも値段相応という感じですな。演奏の心地良さは望むべくも無いが、入力用には不便しない程度にはしっかりしているという。
あと、添付ソフトKeyRigについては別項にメモをまとめてあるので御参照下さいな。
全体的に、値段を考えれば悪くはない製品ではないかと。
Roland PC-50 [→メーカーサイト] 実売¥15,000
Roland製の49Keyキーボード。キーボードの品質としてはこちらも値段相応、且つキーの動作音が結構大きめですが、4オクターブの音域があるのでリアルタイム入力にもそれなりに使えます。
キータッチに文句言わなければ、ですけど。
あと、4オクターブはそれなりに大きいので設置場所注意。
コントローラは前述のKeyRig25が複数付いてきているのに対して、こちらはツマミは一つだけ。徹底的にシンプルですが、実際触った時に最低限の機能はきちっと持っています。厳選機能のみ搭載、というか。
ちなみにこのキーボード、Roland製ソフトウェアパック、Cakewalk Production Plus Packが添付される一番¥の安いハードだったりします。
鍵盤だけ買う予算でDAWソフトウェアが付いて来る、どっちも欲しい人にとってはこれはお買い得です。特にこの製品なんて、ソフトの値段考えたらどっちがおまけだか分かったモンじゃない、ぐらいの勢いなので。
勿論、鍵盤だけで考えても、値段なりの品質は持っていると思いますよ。
PC-50と同価格帯にあるM-Audio KeyRig49に関しては・・・残念ながらメモに残す価値なし、といったところです。
並べて見て触ってみると、ハードもソフトも明らかにPC-50側にアドバンテージがある上、値段まで同じとなると、KeyRig49を選ぶ理由が見あたらないんです。
まぁ考えられるとしたら、既にCPPPが手元にあるんで、KeyRigソフトウェアを入手してみるか・・・・という気分になった時、なんてのはどうでしょうか。
キーボードそのものの品質は、短時間触った限りではPC-50とは大差ないと思われます。但しキータッチはPC-50より更に軽いです。
YAMAHA KX49 [→メーカーサイト] 実売¥33,000
各社の中では最後発で出してきたYAMAHAの製品は、同社製にしては珍しく「かなり軽い&低反発」、というかぶっちゃけ「すごい安物」です。
しかも、この価格帯で出しておきながらアフタータッチが無かったりします。
この製品、兎に角添付ソフトウェアの方にカネがかけられていて、入力装置としてのハードウェアは相当ショボいです。キーボードも然り、コントローラも然り。そこは買う前に覚悟しないとダメですね。
但しCubaseとの連携はそれなりに便利に動くので、Cubaseを使いこなしていて且つキーボード品質にこだわらない人向け、でしょうか・・・ってそんな人居るのか?
また、AKAIに続いてアルペジエータ積んで来ましたが・・・それもどうなんだろう。
シリーズ機として、25Keyモデル(KX25/実売¥30,000)、61Keyモデル(KX61/実売¥37,000)もあります。このジャンルで先行しているRoland製品を思いっきり意識したラインナップですね。
で、そんなハードウェアでウリになっているのは、付属ソフトの豪華さ。これも思いっきりRolandを意識したとしか思えません、CPPPなんてメじゃないです。
具体的には、Cubase AI4、HALion ONE(GM音源キット付)に加え、「X-FACTOR VST」というDVD-ROMが付いて来ます。この内容はHALion用の追加音色にドラム音源、ループ素材といったところで、取り敢えずこれだけあれば 曲作りが始められる、という内容に仕上がっています。
なんというか・・・ソフトの豪華さは認めますが、ハードがここまでショボいと、どうにも・・・。
リアルタイム入力用
現在鍵盤楽器が演奏出来る人向け、演奏をリアルタイムで取り込むのが前提とされているキーボードです。
その分値段もしますが、機能的にも良いものになります。
このクラスのキーボードを買う時に最も重視すべきは、実際にキーを触った時の「弾き心地」だと思っています。
見かけのスペックや微妙な価格差、世間の評判に囚われず、各製品が「自分に合う」かどうかを是非実機で確認してから購入することをお勧めします。
実際、同メーカでも型番一つ違うだけでキータッチは全然違いますので。
Roland PCR-500 [→メーカーサイト] 実売¥30,000
4オクターブのキータッチは(ローランド製では珍しい気がする)反発の強いものです。そのキーにはアフタータッチ、本体にはコントローラも色々付いていて、カタログスペック上のお買い得感は高いですね。
シリーズ機として、片手弾専用?な32Keyモデル(PCR-300/実売¥25,000)、いっぱい弾ける61Keyモデル(PCR-800/実売¥35,000)もあります。
両手演奏でリアルタイム入力したいならば61Keyもいい選択ですが、意外と場所を取ることにだけは注意して下さい。
KORG KONTROL49 [→メーカーサイト] 生産完了(実売¥40,000)
4オクターブのキータッチはKORGらしい低反発のものです。但し、この価格帯だというのに何故かアフタータッチが付いていません。
PCRやMPCとの比較では、液晶表示を装備したコントローラや付属ソフトシンセの違いというところがポイントになるでしょうか。同社製ソフトシンセとの相性は抜群です。
AKAI MPK49 [→メーカーサイト] 実売¥42,000
4オクターブのキーボードはセミウェイテッドキーなのでタッチはやや重めです。当然アフタータッチ付で、キーの戻り速は並程度。
リアルタイムパフォーマンスを意識した機種で、特色は重いキーボード、MPC譲りのパッド、内蔵アルペジエータといったところですか。
これらの全ての特色が、例によって玄人受け(玄人「にしか」受けない)というAKAIクオリティ炸裂の製品です。
ついでに、この製品については付属ソフトウェアも無に等しいです。玄人にはそんな物イラネ、みたいな。
コラム:キーボードの種類
キーボードのタイプにもいくつか種類があります。
まあメーカによって妙な言い方している所もありますが、分類としては以下の3(+1)種類となります。
シンセタイプ
一番普通のキーボードです。ピアノ経験者にはとても評判のよろしくない、「ぺたぺた」「スカスカ」な感触です。
まあある程度の値段になると「スカスカ」感は無くなりますが。
何しろキーが軽いので指に力を入れなくとも演奏出来るし、速弾も簡単。初心者からプロまで、世界の定番。
特に何も書いてないキーボードは、間違いなくこれです。
ピアノアクション
ハンマーアクション、ピアノスタイルとも言います。
実際にピアノで使われている機構に近いメカが作りこまれていて、ピアノっぽいキーの重さと、メカの動作による「クセ」を活かした演奏スタイルが楽しめます。
但しこのメカ部分の出来が弾き心地および値段、更に大きさや重さといった要素に直結するワケで、各社とも色々工夫しています。
まぁ大体、安いのはピアノとは程遠いんですけど、ね。
セミウェイテッド
正直初心者には扱いにくいキーボードです。キーはやや重めですが、ピアノのような「メカが動く感覚」は無く、「ただ重い」といったところ。
演奏に表情が欲しい時、軽すぎるキーボードだと却って細かい表現がしにくい、という上級者に選択されているタイプです。
ちなみにキーの重さはモノによって千差万別ですが、ピアノアクションよりは軽いものが普通です。
そしてお気に入りを探すには、結局自分で弾いてみるしかない。
ウェイテッド
セミに対して「フル」ウェイテッドという言い方もします。
現在ではピアノアクションと同義で使われています。
メーカーによっては「フルウェイテッド・ハンマーアクションキーボード」なんて長ったらしい名前を使っているところもあります。
但し、本来はキーがピアノアクション以上の重さ(だけ)を持つキーボードを指したのですが・・・
最近ではそういうものは見かけませんね。