この頁では、ドメイン業界における制度変更について触れてみます。
/ ドメインこらむ / その2 – 08.09.01
超限定的大事件
2008年3月、それまでTransfer不可だった.wsがTransfer可能になりました。
それと同時に、従来WHOIS非公開登録が可能だったのが、事実上WHOIS公開となりました。
ちなみに以前でもレジストラによってはWHOIS公開でした。逆にレジストラを選ぶことでWHOIS非公開で登録可能だった、のですが。
今回Transferが可能になったことで、「WHOIS公開レジストラのWHOIS」で「WHOIS非公開レジストラで登録した個人情報」が検索可能になった、というのが今回の一件です。
元々日本国内で.wsを登録しているだけならいざ知らず、使用している人間となるとかなり珍しいということもあって、この一件で特に反応は無かったようですが、こんなこともありましたということで。
ポリシー変更は避けられなくて
上記の.wsの例はかなり特殊ではありますが、ドメインというのはそもそも各国の持ち物。国の事情が変わったりすると、ポリシーの変更は発生するものです。
まぁポリシーにしても色々あるのですが、物凄く大雑把に言って、個人ベースで要注意なのは以下のようなポイントです。
ドメイン管理元の移行・移動
まず考えられるのが、国の政府機関、或いは政府関連機関で管理せず、一括で民間会社に任せているような場合です。
こういう状況で、稀にですが、委託先の会社が倒産してしまったり、或いは国の方が突然委託先を変えたりすることがあります。
そしてこのようなドタバタに悪運が重なると、ドメイン登録が消滅してしまうなんてことが起こったりするかも知れません。
次に、政情不安が発生してしまったような場合です。
こちらは、いくら国が直接管理していようが関係ない。というか、むしろ危ない。
いつ何時ドメイン登録が吹っ飛んでもおかしくないですね。
◇
まあどちらも確率は相当低いですが、過去にそういうトラブルを起こしたドメインが実際にあるので、絶対起こらないとも言えないトラブルです。
実際にこうなってしまっても、個人ベースでは大抵はどうにもならないと思います。
真面目な話、こうなってしまったら諦めましょう。
カントリーリスクとしてここは割り切るべきポイントです。
逆に、個人ベースだからこそ割り切れる、とも言えます。
このような事態を避けるには、やはり政治的にもドメイン運用的にも安定している、要するに国際的にメジャーなドメインを取得するのが一番です。
安全第一。
ドメイン登録制限・管理方針の変更
日本人が例えば.in(インド)を取得する。これ、持ち主の国からすれば外人にドメインを販売したことになりますよね。
このような「外国人へのドメイン開放」ですが、大抵のドメインには何らかの制限が付いています。例えば「.jp」の登録要件にも「日本国内在住」があったりするし。
そしてこの登録制限ですが、国の政策転換等で変化することが意外に多いです。
まあ大抵の場合は制限緩和の方に行くのですが、大抵ではない場合も無いワケではないのですよ。
ただ、国際的にメジャーなドメインでは「大抵ではない」ポリシー変更は見られません。
私見ではありますが、やはりメジャーである分何かすると影響がデカいことを、ドメイン管理国側も認識しているのものと思っています。
逆に、国際的にマイナーなドメインでは・・・(以下略
まぁ「珍しいモノ使っている」分「扱いには気をつけましょう」と。
ドメイン管理元の価格変更
個人のドメイン持ちの場合、一番気になるのはやっぱり¥でしょう。
あまり流行っていないドメインの中には、期間限定で割引セールをやったりするトコもあります。
勢い余って、恒久的に値下げしてしまうところも。
逆に、既に大人気のドメインや、比較的安価なドメインの中には、値上げを伺う動きが見えたりもします。
この「お値段」という要素も、結構流動的だったりするのです。
レジストラだって
上記ではドメイン管理元の話ばかり書きましたが、もちろんレジストラだってポリシーが変わります。
まぁこちらは純粋に会社と個人の契約関係なんで既定変更は珍しくも無いのです、が。
一つ留意しておきたいのは、その変更が「レジストラ都合」なのか「ドメイン管理元都合」なのかを見極める、ということです。
レジストラは基本的に商社で、商品を右から左に流しています。
但し、ホントに右から左に流しているだけじゃ今時生き残れない。
レジストラ側で付加価値付けてみたり、或いは利幅削ってでも限定セールやってみたり。
このようなレジストラの諸々の商売状況に応じて、規約改定というのは別段珍しくないようです。
まあ結局
何が言いたいのかと言いますと。ドメイン登録を行う際は、
納得のお買い物には、徹底した情報収集を
して下さい、ということです。
情報集めに自信が無い、何か不安だ、というなら、やはりユーザーが多く言葉の心配がいらない「.jp」にしておくのが無難かな、と個人的には思います。